勇者「俺と魔王の結婚式だと!?」 2/2

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ケルベロス「わふっ」「がうっ」「わんわんお!」フリフリッ

勇者「そんなにしっぽを振って……お前も怖いか」ナデナデ

勇者「悪の巣窟……この俺がつぶしてやる」

勇者「いくぜ!」

ガチャッ

勇者「むっ……これは……」

勇者「なんだ……この可愛らしい……女の子の部屋?」

勇者「どういうことだ??」

ケルベロス「わんわんお?」

勇者「ここがあいつの部屋で間違いないよな?」

勇者「???」

ケルベロス「わふわふっ!」ダダッ

勇者「あ、おい、暴れるな」

ケルベロス「がうがうっ」バタバタッ

ケルベロス「わんわんお!わんわんお!」ドタドタ

ガタガタッ

勇者「ちょっ、待てって」

ケルベロス「わんわんお!わんわんお!」カプカプ

勇者「タンス開けんなって、おい」

ケルベロス「わふっ!わふわふっ!」ガシャーン

勇者「ん?なんだこれ、俺の写真?なんでこんなもんがここに……」

ケルベロス「がうっ!」ドタドタ

勇者「ちょっ……」

ヒラヒラッ

勇者「ん?これは……ブラジャーに……パン……」

魔王「勇者あああああああああああ!」バタンッ

魔王「はぁ……はぁ……私のチャッピーを……チャッピーを……」

勇者「あ、いや、これは……だな」

魔王「何を……している……勇者……」

勇者「あー、これはだな……」

魔王「私の下着で何を……///」

勇者「えっと……」

勇者「っていうかお前がこんなヒラヒラした可愛いもんつけんの?」

勇者「魔王がこんなんつけるとか、似合わねー。はははは……は?」

魔王「うっ……」ウルウル

勇者「お、おい……」

魔王「酷い……」ポタポタ

勇者「えー」

魔王「ううっ……」ダッ

タッタッタ

おっさん「ないわー、今のはないわー」ヒョコッ

側近「ですねー、女の子にあれはないですねー」ヒョコッ

ケルベロス「わんわんお!」

おっさん「側近、追いついたか」

側近「ええ、心配でしたから」

おっさん「まったく勇者と来たらまったくデリカシーの欠片もないやつですまん」

側近「本当ですね。あれほどとは思いませんでした」

おっさん「酷いやつだ」

側近「酷い人です」

勇者「ドアから頭だけ出して何やってんだ、あんたら……」

おっさん「泣かせた」

勇者「うっ……」

側近「女の子を泣かせた……」

勇者「女たってあいつは魔王……」

側近「さいてーねー」

おっさん「ねーっ」

勇者「なんなんだよ、ほんと!」

側近「魔王様も女の子なんですよ」

勇者「だっ、だからなんだ」

おっさん「泣き顔……可愛かっただろう?」

勇者「何言ってやがる!///」

側近「あー、照れた照れた」

おっさん「うい奴じゃのう」

勇者「うっさい!」

側近「女の子泣かせてそのままにしておく気ですかー?」

おっさん「責任とれー」

勇者「責任とかわけわかんねーよ!どうしろってんだ!」

側近「そんなの追っかけるしかないですよねーっ」

おっさん「ねーっ」

魔王「酷い酷い……」

魔王「私だって好きでいつも真っ黒な格好や偉そうな話し方してるんじゃないのに……」ポイッ

ポチャーン

魔王「外では魔王らしくしてるだけじゃあないかぁ……ううっ」

魔王「それをあんな私の部屋荒らして……私の……見て……」

魔王「それでそんなの似合わないって……」

魔王「でも……私の……見てたってことは興味はあったのかな……」

魔王「だ、だったらどうしよう///」ドキドキ

ザッ

勇者「魔王!」

魔王「!?」ドキッ

おっさん「よしいけー」

側近「がんばれー」

おっさん「さっさと押し倒して子供つくってしまえー」

側近「そうですよー、それが世界の平和のためですー」

ケルベロス「わふっ」「がうっ」「わんわんおっ!」

勇者「外野うっさい!」

側近「おっさん……これを……」スッ

おっさん「これは……?」

側近「魔王様の部屋から拝借してきたんです……」

おっさん「お、おお……立派な王冠だ……」

側近「付けてみてください///給料の3か月分です」ポッ

おっさん「装……着!」シャキーン

王様「ぴったりだ……」キラキラッ

側近「素敵っ!」キラキラッ

王様「っとこんな感じで行け!勇者!」

勇者「だからうるせえって!」

魔王「な、何しに来た!」グシグシッ

側近「魔王様あんなに目をはらして……かわいい!」

王様「それ行け!勇者!」

勇者「魔王……」ジー

魔王「な、なんだ……」ドキドキ

勇者「俺……お前のこと……」

魔王「!?」

王様「おお!」

側近「これは……」

勇者「俺はお前を倒す!」グッ

魔王「こ、この……」

側近「ああー、また女の子に恥かかせて……」

王様「へたれ勇者ー」

勇者「それが俺の運命だからだ!」

魔王「そ、そんなこと……分かってるもん!」

勇者「もん?」

側近「もん?」

王様「もん?」

ケルベロス「わふっ?」

魔王「そ、そんなことはわかっておるわ!それよりチャッピーを返せ!」

勇者「ああ、こんな糞犬返してやるよ!」ゲシッ

ケルベロス「わふっ!?」「がうっ!?」「わんわんおっ!?」

勇者「ほれっ、さっさとあっちいけ!」

ケルベロス「きゃうんきゃうんっ!」「がうがうっ!」「わんわんお!」グルグル フリフリ

勇者「近づくな!しっぽ振っても無駄だ」

ケルベロス「わんわんおー!」ペロペロ

勇者「駄目だ、ほらっ、帰れ」

トコトコ

ケルベロス「わふぅ」クルッ

勇者「こっちみんな」

ケルベロス「がうっ!」タッ

魔王「チャッピー!」ギュッ

ケルベロス「わふっ」「がうっ」「わんわんおっ」

勇者「ちゃんと他のやつにも名前つけてやれよ」

魔王「ああ……」

側近「太郎、次郎とかつけた人に言われたくないですよね?」

王様「ねーっ」

勇者「そこお願いだから黙ってろよ」

勇者「まぁ、なんだ。色々周りにかき回されちまったけどよ」

勇者「初心に戻って決着つけちまおうぜ」ゴゴゴゴゴゴ

魔王「ふっ……」

魔王「ふははははは、いいだろう!それでこそ勇者だ」

魔王「行くぞ!ジュヌヴィエーヴ!エリザベス!チャッピー!」

ケルベロス「わふっ!」「がうっ!」「わんわんお!?」

側近「なんか偉い名前付けましたね」

王様「チャッピーだけ格下な感じになってしまったな」

勇者「はぁぁ……」ゴゴゴゴゴゴ

勇者「魔王……言霊って知っているか?」

魔王「ん?魔力を言葉にこめて放つものだろう?死の呪詛なんかもその類だが……まさか!?」

勇者「はぁぁ……食らえ!」ゴゴゴゴゴゴ

勇者『俺はお前が嫌いだ!』ゴゥ

魔王「ぐはぁ!」グサッ

勇者『この貧乳!』ゴゥ

魔王「がっ……」グサグサッ

勇者『貧乳のくせにあのエロい下着はなんだよ!』

魔王「うぐぅ……」グサグサグサッ

勇者『似合う似合わない以前の問題だろうが!』

魔王「……」ビクッビクッ

側近「も、もうやめてあげて!魔王様のライフは0よ!」

王様「言霊でなんつーことを言うんだ、あいつは……」

ケルベロス「わんわんお?」

魔王「まだだ……まだ終らない……」フラフラッ

勇者「まだ立つか……」

魔王「今度は……私の番だ……///」

側近「魔王様がんばってー」

魔王「すーっ……はーっ……」

勇者「くっ、来るか!?」

魔王『わ、私は……』

魔王『私は勇者のことがそんなに嫌いではないぞ!///』

勇者「ぐはっ……」ズキューン

魔王『下着を見られて恥ずかしかったし、似合わないって言われて悲しかったんだ』ゴゥ

勇者「おうふっ」ズキッ

魔王『それに……泣き顔を見られたことも恥ずかしかった』ゴゥ

勇者「ぬおっ」ズキズキッ

魔王『でも……嫌いに……ならないで欲しい……』ゴゥ

勇者「……///」ズキズキズキッ

王様「効いてる効いてる」

側近「魔王様もうちょっとですよー」

魔王『だから……でも……』

魔王『べ、別にお前と結婚したいわけじゃないんだからな!///』

勇者「ぐはっ///」バタッ

側近「仕留めましたよ!魔王様の言霊で!」

王様「おお!」

―――教会

神父「えー、改めて勇者と魔王の結婚式をとり行う」

魔王「……勇者///」チラッ

勇者「あー、もう、かわいいな!チクショウ!」

魔王「チャッピーより……可愛い?///」

勇者「ああ、チャッピーより可愛いよ!」

ケルベロス「わふっ」「がうっ」ガブガブッ

勇者「いてぇ!こいつら噛みやがった!」

ケルベロス「わんわんおっ!」ハッハッハッ ペロペロ

勇者「お前は相変わらず馬鹿でかわいいなぁ」ペロペロ

ケルベロス「わんわんおっ!」

魔王「ちょっと勇者!」

勇者「あー、はいはい」

神父「では近いのベロチューを」

勇者「おい」

王様「どうした勇者、ベロ入れろ。ベロ」

側近「いっちゃってください!」

勇者「神父の変更を希望する!」

神父「ほれほらっ、どうしたさっさとベロチューせんか」

神父「みんな待っておるぞ。ぶちゅーっとな」

神父「もう濃密な感じでぶちゅーと、ほれほれっ」

神父「どうした?やらないのか?じゃあ私がやっちゃよ?ええのか?それでええのんか?」

神父「では……んーっ」

勇者「うおりゃあああ!」ドガッ

神父「」バタッ

勇者「あぶねぇ……まじでやろうとしやがった……」

魔王「……勇者ぁ」

勇者「ああ、もう分かったよ!」

勇者「魔王!これでお前は俺のもんだ!」

魔王「は……はいっ///んっ……」チュッ

―――エピローグ 魔王城

魔王「勇者の馬鹿!もう知らない!」

勇者「なんだってんだよ、今度は!」

魔王「今日も側近ばかりと仲良くしてた!」

勇者「いいだろ、別に。仲良くなったんだから」

魔王「もっと私を見てよ!」

勇者「あーもううるさいうるさい!」

魔王「でてけー!」ポイポイッ

勇者「ちょっ、物投げるな……って何投げようとしてんだ!」

ケルベロス「わふっ?」「がうっ?」「わんわんおっ?」

魔王「この……ばかー!」ブンッ

勇者「ケルベロス投げんな!おっと……」ギュッ

ケルベロス「わんわんおっ」

勇者「セーフ」

魔王「もう……もう人間なんて滅ぼしてやるーーーー!」

側近「はぁ……また痴話喧嘩ですか……」

―――王国

王様「はぁ……なんだ?まだ家追い出させたのか?」

勇者「王様……人類は危機にあります……」クッ

王様「痴話喧嘩に人類巻き込むなよ」

勇者「相手はあの魔王です……このままでは……」

王様「あのさぁ……」

勇者「でも安心してください!俺とこいつが絶対に倒して見せますから!」

ケルベロス「わふっ!」「がうっ!」「わんわんおっ!わんわんおっ!」フリフリ

王様「帰って謝ってくればいいだろ?」

勇者「ふっ、見ていろ……人間の底力をみせてやるぞ……」

王様「いや、ほんともう迷惑なんて帰ってくんない?」

勇者「俺たちの冒険はこれからだ!」

おしまい

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