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♀魔王「毎晩寝る前に勇者の日記を覗くの」wktk 2/2

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▲月◇日 晴れ

ある村に言ったら、お祭りが始まっていて、周りから沢山の人たちが集まってって、泊まる部屋がありませんでした。

やっと空いてるところを探したんですけど、一人室が一つしか残ってないって言われました。

仕方ないのでその部屋を借りました。

ボクは床でも大丈夫だからお姉ちゃんたちは二人で布団で寝てって無理やり説得してそう寝ました。

追記:朝起きたらボクがお姉ちゃんたちの真ん中に挟まれて寝てました。

♀魔王「和平した?!」

◇月◎日 曇

ちょっと村のお祭りに参加することにしました。

村の中央に準備されてる舞台で踊り子のお姉ちゃんが踊ってって、それを見る村の人たちが皆盛り上がってました。

ボクは人群のせいで良く見えなくて、戦士お姉ちゃんに肩車して欲しいって言ったら僧侶お姉ちゃんは

「勇者さまが見て良いものではありません」

「そうだな。私もそう思う」

戦士お姉ちゃんもそう言いながら肩車してくれなくて結局ボクは踊りが見れませんでした。

ちょっと残念です。

♀魔王「なんか二人が気が合い始めたよ、なにがあったの」

♀魔王「>>103布団で川文字でしょjk」

◇月▲日 晴れ

祭りも終わって出発しようとしたら、なんか戦士お姉ちゃんほど服の布が小さい褐色肌の人が来て、

「あなたたち、勇者一行でしょ?三人だけだったら私も一緒に行きたいのだけど」

ボクはもちろん引き受けようとしたんだけど、お姉ちゃんたちは

「帰れ」

「汚らわしいのは女戦士さんだけで十分です」

と猛反対しました。

踊り子お姉ちゃんには申し訳ないけど、ボクたちは暫く三人でやっていきそうです。

♀魔王「ガード固杉ワロタ」

◇月□日 晴れ

恐る恐るも、お姉ちゃんたちにどうして四人目の人が入るのをそんなに嫌がるのか聞きました。

「コレ以上増えたら困る」

「なんで?仲間が増えたら戦いやすいと思うよ?」

「いや、そういう問題じゃない」

じゃあどういう問題なのかって聞き返そうとしたのだけど、あまり問い詰めても答えてくれそうにありませんでした。

僧侶お姉ちゃんに聞いてみたら、

「…勇者さまは私だけじゃあ不満ですか?」

って泣かれちゃって、その日は僧侶お姉ちゃんと一緒の布団で抱き枕にされなければなりませんでした。

♀魔王「おい、さりげなく一歩置いとかれたぞ、女戦士」

追記:次の日起きたら、戦士お姉ちゃんが「僧侶おまえー!今夜は私の番だからなー!」

となんか凄く怒って直ぐに倒れちゃいました。戦士お姉ちゃんって朝低血圧なのに熱くなっちゃって……どうしたんだろ。

◎月○日 曇り

最近は普通に道で現れる魔物には普通に対応できるようになりました。

レベルもそれなりに上がっていると思います。

やっと勇者として少しは自身を持っていいかなぁと思ったんだけど、

取り敢えず、戦士お姉ちゃんに勝てるように頑張ろうと思います。

最近は戦士お姉ちゃんと対練することもあるんですけど、時々姿勢が崩れて倒れそうになると、戦士お姉ちゃんがいつも受け止めてくれます。

その後凄く怒られるけど、その度にどんどん受け止める時の力が強くなっていく気がするのは何ででしょうか。

対練した後には、汗臭くなるので寝る前にちゃんとお風呂に入ります。

一人じゃ髪が洗えなくて、いつも僧侶お姉ちゃんに手伝ってもらいます。

そういえば、戦士お姉ちゃんと対練する日っていつも僧侶お姉ちゃんと一緒にお風呂に入る気がします。なんでだろう

♀魔王「二人の間に役割分担がしっかり行われてる」

♀魔王「>>117そんな感じ。でも日記しか覗かないそれが私のジャスティス」

◎月□日 ちょっと雲あって晴れ

新しく着いた村の宿屋に行ったら、なんか受付の所で騒がしい声がしました。

「もういい加減出て行ってください」

「なんだと?俺達は勇者だぞ!俺たちがいつまでここに居ようが俺たちの勝手なんだよ。それともなんだ、勇者の俺を蔑ろにして、ただで済むとでも思ってるのか?」

なんか男一人と他の三人が、宿屋の主さんと喧嘩していました。

その中の男一人は、自分を勇者って言ってました。

…あれ?勇者はボクだよ?

勇者って一人だけじゃなかったのかな。

その人たちに話をかけようとしたら、

「あ、なんだ餓鬼。俺は忙しい。泊まるのなら他所に行け」

と相手にしてくれませんでした。

戦士お姉ちゃんが怒ってその人に文句を言おうとしたのですけど、ボクと僧侶お姉ちゃんが泊めました。

結局その日ボクたちは他の宿屋に泊まりました。

◎月×日 晴れ

今まで忘れてたんだけど、王さまからもらった勇者の証明書というものにはいろんな勇者の特権に付いて書いてありました。

内容は大体関門などで見せたら通してもらえたり、宿屋が無料だったり、酒店で自由にパーティーの人を集められたり、

そういう旅する時に便利なことたちでした。

でも戦士お姉ちゃんに聞いてみると、そういうことを悪用して、魔王を倒すつもりもなく、ただ昨日のように宿屋に居座って営業の邪魔をしたり、

人の家の箪笥を勝手に調べて金を持って行ったり、

村で誰かが置いておいたツボや箱を壊すなどなど、色んな不良なことをする輩も居るようです。

昨日会った人たちは今はこの村に居ないようですけど、その人たちが長く居たせいか、ボクたちが居る宿屋の主さんのボクたちへの視線もあまり優しくはありません。

この村には長く居られそうにありません。

♀魔王「……下衆が」

眠くてネタが浮かばんと

◎月▽日 晴れ

さっさと旅立とうと準備していたボクたちの前にある女の子が立ち塞がりました。

「ちょっと、あなた、勇者だよね」

そうです、って答えたら

「私に魔法使いなんだけど…あんたさえ良かったら、仲間になってあげてもいいんだけど」

なんか変な調子の魔法使いさんでしたけど、仲間になってくれたら助かると思いました。

でも、お姉ちゃんたちが反対するんじゃないだろうかって恐る恐る後ろを向いてみると、

「いいんじゃね?」

「私も……あれぐらいなら宜しいかと」

と案外引き受けてくれて、ボクも良いって言いました。

「感謝なさいね。私ほどの強者があなたのために戦ってあげるって言うのだから」

なんだか良くわからないけど、仲間が増えて嬉しいでうす。

◎月☆日 曇り

魔法使いちゃんは本当に強かったです。

普段ならボクと戦士お姉ちゃんが何度も回復してもらって勝つ魔物でも、一気に焼き払ってくれて

旅中で戦う時間を凄く短縮出来ました。

魔法使いちゃんってすごいねーって言ったら、

「こ、これぐらい出来て当然よ。寧ろこれぐらいで手こずるとかそれでも勇者なの?」

って言われて、ちょっと恥ずかしかったです。

もっとちゃんとした勇者にならなきゃと思いました。

☆月◎日 雨

新しく着いた村で、村長さんにトロールたちを倒して欲しいって依頼を受けました。

トロールって大勢で群れを作って住むことが多いらしくて、今回はそのトロールたちの洞窟に行って、洞窟たちを倒さなければなりません。

「トロールは馬鹿そうでも、地味にズル賢いから、ちゃんと作戦立てないで入ると返り討ちされるわよ」

って魔法使いちゃんが言ったので、四人で一緒に宿屋で作戦を建てました。

まず守るべきことは、絶対にバラバラにならないこと。

後、体力的に弱い僧侶お姉ちゃんと魔法使いちゃんを前後で守るようにボクと戦士お姉ちゃんが一人ずつ立つ。

そして何よりも囲まれそうな所に足を踏み入れない。

この三つは基本的に守りながら、トロールの洞窟を攻略することにしました。

トロールの洞窟に入ったボクたちは最初に歩哨のトロールを見かけて奇襲して倒しました。

その後、作戦通りにどんどん奥へ進んでいきました。

でも、おかしなことに結構進んだのに歩哨以外のトロールの姿が見当たりません。

「嫌な予感がするね」

魔法使いちゃんがそう呟くと同時に、

突然周りから一気に大勢のトロールたちが現れました。

「なっ!囲まれたぞ!」

「勇者さま、私の後ろに隠れてください」

僧侶お姉ちゃんがそう言ったけど、ボクは僧侶お姉ちゃんを守るって約束したから立った場から逃げなかったよ。

何があっても、僧侶お姉ちゃんと魔法使いちゃんを守る。

そう思ってたけど、なんかおかしかったよ。

「おい、あいつら襲って来ないぞ?」

ほんとにトロールたちは周りを囲んだだけで襲って来ようとしなかったよ。

「ふん、馬鹿な奴らめ、それでも私を見ぬくぐらいの脳みそがあって助かったな」

魔法使いちゃんがそう言った時、ボクはびっくりしたよ。

「だけど、私を見たにも関わらずこの勇者の群れを包囲するなんて、私への挑戦と見て構わないな?」

魔法使いちゃんがそう言うと、その瞬間トロールたちは包囲を解いて各々洞窟のあっちこっちに逃げていったよ。

「おい、魔法使い、お前……一体何者だ?」

「何者って?さあ雑魚どもは逃げたし、さっさとボストロールの頸とって村長の所に行きましょう」

「魔法使いさん……」

魔法使いちゃん……

話だけでトロールたちを逃げるほどに強いんだ。

その後、ボクたちはなんとか辛くもボストロールに勝ちました。

「ちょっと待て、魔法使い」

でも、村に帰ろうとした時、戦士お姉ちゃんが魔法使いを呼びました。

「お前、さっきのアレ、一体何なんだ?」

「そうです。どうでもトロールたちの優勢な状況でしたのに、魔法使いさんの一言で逃げてしまうなんて何かがおかしいです」

ボクはお姉ちゃんたちが魔法使いちゃんをどんな風に疑ってるのか気づいて、魔法使いちゃんのことを庇おうと思いました。

「お姉ちゃんたちやめてよ。魔法使いちゃんのおかげで皆無事なままボストロール倒せたんだよ。ボクたちを助けてくれたから攻め立てるなんておかしいよ」

「いや、それはそうだけど、勇者…」

「勇者さまも見たじゃないですか。トロールたちが怖がる姿。あの魔法使いさんは、あのトロールたちが本能的に恐れるほどの人物なのですよ?」

「いいことじゃない!そんなに強い人がボクたちの仲間だったら、きっと魔王が相手でも簡単に倒せちゃうよ」

魔法「あはっ」

勇者「え?」

魔法「あはははっ、やっぱあんたって面白いよ、勇者ちゃん」

勇者「魔法使いちゃん?」

魔法「まだわからないの?私が誰なのかって」

勇者「え?魔法使いちゃんは魔法使いちゃんだよ?」

僧侶「…!まさか…!」

戦士「なんだ、僧侶」

僧侶「勇者さま!今直ぐそいつから離れてください!」

勇者「どうしたの、僧侶お姉ちゃん?何で皆ボクが分からないこと言うの?」

魔法「あなたがどうしようもなく馬鹿正直だから分からないのよ。ばか。ま、そういうあんたも嫌いじゃないけど」

勇者「どういうことなの?」

僧侶「知能の低いトロールさえも分かるほどの力の差。魔物の中でそんな力を持った者は、一人しかいません」

戦士「まさか、こいつが……魔王?」

勇者「…え?」

勇者「魔法使いちゃんが…魔王?」

♀魔王「そうだよ、勇者ちゃん、私が魔王。あなたが倒そうと思っている魔族の王だよ」

勇者「……」

戦士「勇者、早くそいつから離れろ!」

勇者「…魔王……魔法使いちゃんが…」

♀魔王「驚いた?驚いたでしょうね。せっかく仲間が加わったと思ったら直ぐに裏切られたもの」

勇者「…ごめんなさい!」

♀魔王「え!?」

勇者「あのね、ボク魔王だって言うからきっと怖そうなムサい人と思ってたよ」

勇者「なんか髭とか沢山生えた怖そうな鬼みたいな顔想像してたの」

♀魔王「……ぷっ!」

♀魔王「あははっ!やっぱあんたって面白い!」

♀魔王「この絶体絶命な状況で人のことをムサイ男扱いしたことを謝ってるわけ?」

♀魔王「どれだけ馬鹿で、どれだけ正直者だったらそうなれるのかしら」

♀魔王「そういうあんただからこそ活かしてあげたんだけどね」

戦士「活かす?」

僧侶「どういうことですか?私たちをここで仕留めるってわけじゃあ……」

♀魔王「そんなことするわけないでしょ?大体、殺すつもりだったら別にトロールたちに囲まれてるのを助ける必要もないでしょう」

勇者「じゃあ、どうして魔王ちゃんはボクたちのこと助けてくれたの?」

♀魔王「まおうちゃ……まあ、良いわ。ここボストロールの洞窟と、あんたたちがここの討伐を頼まれたあの村はね、魔族たちが仕掛けたトラップなのよ」

僧侶「トラップ?」

♀魔王「ほら、人間どもって、最近名ばかりの勇者を大量生産したりするじゃない?」

♀魔王「そんなの勇者の名前だけで私が一々気にしてたらキリがないのよ」

♀魔王「だから適当な所に勇者群れを仕留めるトラップを仕掛けて、落ちこぼれ勇者たちはそこで仕留めてるのよ」

勇者「落ちこぼれ勇者……」ガクリ

♀魔王「そう、こんな試練も乗り越えない、半人前とも言えない名ばかりの勇者」

♀魔王「ここはそういう出来損ないな奴らを仕留めるために作られた勇者たちの墓場よ」

♀魔王「あなたたちはぶっちゃけ弱かった」

♀魔王「勇者は親が勇者ではおろかその血も継いでない普通の人間」

♀魔王「薬吸って占う似而非占い師の占いで勇者に選ばれた、謂わば犠牲者」

♀魔王「戦士と僧侶と来たら途中まで勇者を自分のものにしようと競うばかりでパーティーのチームワークなんてあったもんじゃない」

♀魔王「それだけでも足りずに敵増やさないようと四人目の人を入れることも拒んだ」

♀魔王「そんな勇者一行がこの先生き残って私の前に辿りつける確率がどれほどあると思う?」

♀魔王「零よ」

勇者「……確かに魔王ちゃんの言う通りかもしれないよ」

戦士「勇者」

僧侶「勇者さま」

勇者「ボクはちゃんとした勇者じゃないから、きっと強くもないし、今日魔王ちゃんが助けてくれなかったら、きっと危なかったよ」

勇者「でも、魔王ちゃん」

勇者「どうしてボクを助けてくれたの?」

勇者「魔王ちゃんの言う通りだと、ボクたちはここで間引かれるはずなんじゃないの?」

♀魔王「…それはね、勇者ちゃん」

♀魔王「あなたにはこの先もずっと旅し続けて欲しいからよ」

♀魔王「あなたの日記を読んだわ」

♀魔王「勇者とは思えない平和ボケな旅だった」

♀魔王「でも、嫌いじゃなかったわ、そういうの」

♀魔王「寧ろ楽しかった。そして、いつの間にか自分もそこに混ざりたいとまで思った」

♀魔王「だから、ちょっと気分だけでも出してみただけよ」

勇者「…だからボクの仲間になるって言ったの?」

♀魔王「そう、ただの遊び心。気まぐれよ」

勇者「……」

♀魔王「私が居る所まで来なさい、勇者」

♀魔王「あなたと戦う日を待っているわ」

♀魔王「あなたの旅を楽しみながらね」

勇者「……うん」

勇者「魔王ちゃん。約束するよ」

勇者「ボク、強くなるよ」

勇者「今日魔王ちゃんに助けてもらった分、ううん、それ以上に強くなる」

勇者「それぐらいじゃないと、魔王ちゃんの所に辿りつけないし」

勇者「魔王ちゃんに勝てないから」

勇者「だから…待ってて、ボクが行くまで」

勇者「魔王ちゃんと一緒に居た時間、短かったけど、楽しかった」

♀魔王「……期待しながら待ってるわ」

☆月↑日 天晴れ

色んなことがあって、またボクたちは三人旅をすることになりました。

ほんとにここまで来るまで色んなことがありました。

そして、魔王ちゃんのおかげで、今までのボクたちを振り向いてみることが出来ました」

魔王ちゃんがボクたちを助けてくれてなければ、きっとボクたちはここじゃなくても、魔王ちゃんにまで辿りづく道のりのどこかで倒れていたかもしれません。

でも、ボクは絶対に魔王ちゃんの所まで辿り着こうと思います。

魔王ちゃんに教わったことがありますから、そのぶんボクは他の勇者たちより強くなったのだと思います。

だから、

この日記をまだ読んでいるのだったら、魔王ちゃんに言ってあげたいことがあります。

どうか、

ボクたちが行くまで他の勇者に負けないでください。

♀魔王「……ぷっ」

♀魔王「誰が負けますか、ばーか」

♀魔王「せいぜい早く来ることね」

♀魔王「私の気まぐれが終わる前に…」

追記:

人の日記を読むなんて、最低だと思います。

♀魔王「ぎゃふん!」

終わり

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