♀魔王「毎晩寝る前に勇者の日記を覗くの」wktk 1/2

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○月×日 晴れ

今日は畑で働いていたらお父さんがボクを呼びました。

王宮からの使者がボクを連れに来たから付いていきなさいとのことでした。

王宮に行ったことなんてないし、何で王宮でボクのことを呼ぶのかもわからなかったけど、取り敢えず付いて行きました。

初めて行く王宮は凄く大きくて、うちとは比べ物にならないほどの凄い建物でした。

中に入ったら、凄く高そうなツボや絵とかがいっぱい飾ってありました。

あのツボなんて、うちの畑の年収より高そうです。

♀魔王「暢気な勇者だねー」センベーオイシー

もうスレ落ちそうけど大丈夫かな

王様の前に行くと、王様が

「おお、勇者よ、君は魔王を倒すための勇者として選ばれた」

と伝えました。

十秒間ぼーっとしながらその言葉の意味を考えて、やっとその意味が理解出来て

「あの、ボク、勇者って名前じゃありません。きっと人違いだと思います」

と答えました。

♀魔王「…プッ」

あ、>>1代行感謝

話を聞くと、ボクは王宮の占い師の占いによって、魔王を倒す勇者に選ばれたようです。

大変なことに、ボクは剣なんてお母さんのお手伝いする時にしか握ってみたこがありません。

「一人だけで魔王に挑むわけではない。お前には十分な援助と武具を与えよう。それらを使って仲間を探すといい」

と王様は仰りました。

そんなお金があるならボクよりもっと強い人を勇者に選んだ方がいいんじゃないかな、と思いました。

♀魔王「正論すぎる」

○月△日 ちょっと曇り

王様から武具と、あと、国の人たちにボクが勇者ということを証明するための王さまからの証明書をいただきました。

証明書にはなんか文字がいっぱい書いてましたけど、ボクにはそれらを全部読むことができません。

それにしても、これから、本当に勇者として魔王を倒すために行かなきゃならないようです。

ボクはただ畑を耕して過ごして来たいただけなのに…

「酒店に行くと、仲間を探せるだろう」

とお父さんが教えてくれたので、私は酒店に行きました。

「子供は入ってきちゃダメだ」

って門前で追い出されました。

どうすればいいのかわからなくなっちゃいました。

♀魔王「!!!」パンパンパンパン<<ベッドを叩く音。

○月▽日 雲多め

今日は教会に行きました。

神父さんに勇者になりましたと言ったら、神父さんは驚きながらも

「神さまのご加護がありますよう…」

と祝福をしてくれました。

祈祷をしてから帰ろうと思ったら、神父さんがちょっと待ちなさいと言ったので待っていたら、

僧侶のお姉ちゃんと一緒に出てきました。

僧侶お姉ちゃんはいつも告解する時の部屋に居たり、祈祷する部屋に居たりして、ちゃんと顔を見たことがありません。

そんな僧侶お姉ちゃんですが、ボクの仲間になってくれるそうです。

ありがとうって言ったら、僧侶お姉ちゃんは顔を赤くしながら

「こちらこそよろしくお願いします」

と言ってボクの手をぎゅって握ってくれました。

♀魔王「こいつ絶対ショタコンだ」

○月↓日 お日様が見えないほどの雲

次の日、僧侶お姉ちゃんと改めて酒店に来ました。

今回は王さまからもらった勇者の証明書を見せると、通してもらえました。

中に入ると、まだ昼頃なのに中はちょっと暗いです。

「あの、ボク勇者で一緒に行く仲間を探しに来ました」って大勢の人たちに言ったら、

その時周りの視線がボクに集まりました。

驚いて僧侶お姉ちゃんの後ろに隠れちゃいました。

周りからがやがやする音が聞こえて、女の人が一人ボクの前に来ました。

「お前がほんとに勇者なのか?」

と聞かれたので、うんって答えました。

「じゃあ、私が付いていってあげるよ。私は女戦士だ」

こうして戦士のお姉ちゃんが仲間になってくれたよ。

♀魔王「子供相手に偉そうにしてるなー」

○月☆月 晴れ

僧侶お姉ちゃんと戦士お姉ちゃんと一緒に村から出発しました。

お母さんは泣いて、お父さんは誇らしげな顔でボクを送りました。

お母さんとお父さんから離れるのは嫌だけど、頑張ってみようと思います。

これからほんとに魔王を倒すための旅が始まります。

♀魔王「…あ、そういえば最終的に私この子と戦わなきゃいけないんだ」スッカリワスレテター

戦士お姉ちゃんが来ている服を見てると、なんか寒そうだなぁと思いまして聞いてみたら

「全然大丈夫さ。戦い始めたらこうじゃないと暑苦しいんだ」

って言いました。

後ろで僧侶さんが

「……ッチが」

って言いましたけど、良く聞こえませんでした。

♀魔王「あんたは知らない方が良さそうね(汗)」

○月↑日

今日は旅を始めて初めて魔物に会いました。

といってもただのスライムなのに、ボクは慌てて重い剣を振ろうとして倒れてしまいました。

膝から血が出て痛かったんですけど、僧侶お姉ちゃんがホイミをかけてくれたので、直ぐに治りました。

ありがとうって言ったら前みたいに顔を赤くしてボクから目を逸らしました。

スライムは全部戦士お姉ちゃんが倒してくれました。

戦士お姉ちゃんってすごいなって思いました。

♀魔王「よわいな、おい。そんなんで私を倒せるか」

○月□日 晴れ

旅してから初めてちゃんとした村に到着しました。

魔物たちを倒したお金で旅館費を払おうとしたら戦士お姉ちゃんが、

「お前、勇者じゃん、じゃあ国から証明書もらったのあるだろ」

最初はどういうことかわからなかったけど、

戦士お姉ちゃんの話によると、勇者一行は旅館にタダで泊められるそうです。

でも、そんなことしたら宿屋さんに悪いと思ったので、僧侶お姉ちゃんと相談して、結局お金を出しました。

○月←日 雨

雨が振ったので、旅は中止にして今日はこのまま泊まることにしました。

お金にそんなに余裕があるってわけじゃないのでちょっと心配です。

雨が長く続かなきゃいいんだけど……

戦士お姉ちゃんは「だから言ったじゃない。無理して…」

そしたら僧侶お姉ちゃんが「人に受けた恩の分だけ返すというのは人が生きることで最も基本なことだと思います」って言いました。

ボクも僧侶お姉ちゃんの言う通りだと思います。

♀魔王「この勇者すっごい損する性格してるなー」

○月◎日 晴れ

今日は晴れでした。

旅を再開出来て良かったですけど、雨が振ったせいで道がじめじめしてちょっと大変でした。

魔物に会いましたけど、やっぱり戦士お姉ちゃんがやっつけちゃいました。

ボクは何も出来ない気します。勇者なのに。

♀魔王「うーん…あれよ……頑張れ」

△月○日 雲り

今日着いた村の村長さんから頼みごとがあるって言われました。

どうやら畑をめちゃくちゃにする魔物があるようでした。

畑を壊される怒りを知っているボクは、戦士お姉ちゃんと僧侶お姉ちゃんと相談もせずに村長さんの頼みをのんでしまいました。

戦士お姉ちゃんにちょっと叱られましたけど、お姉ちゃんたちも手伝ってくれると言いました。

今夜は徹夜して、畑に来る魔物を監視します。

♀魔王「…よめた」

♀魔王「>>33子供に雨の中歩かせるつもりかよ」ガオー

△月□日 晴れ

……徹夜するつもりが、いつの間にが寝ていました。

朝起きたら、戦士お姉ちゃんと僧侶お姉ちゃんが畑を乱した魔物たちを倒してくれてました。

ボクが受け取っておいて、独りで寝過ごしてしまったのがとても恥ずかしくて泣きそうになったのですけど、

お姉ちゃんたち二人とも大丈夫って励ましてくれました。

村長さんからお礼にお酒をもらいました。

お姉ちゃんたちにまだ子供だからダメって言われました。

♀魔王「期待通りすぎるよ、この勇者」

△月×日 晴れ

最近考えたのですけど、

ボクたちのパーティーって、戦士お姉ちゃんばかり戦って、ボクはあまりに前衛として戦えていません。

というより、ボクって未だちゃんと剣も振れません。

いつまでも戦士お姉ちゃんにばかり荷を背負わせるわけにはいけないと思いました。

前衛で戦える仲間さんをもう一人探した方が良さそうです。

♀魔王「いや、あんたが鍛えなさいよ!」

△月↑日 ちょっと雲で後晴れ

一晩寝てから考えると、ボクが鍛えれば全て済む話でした。

と思って、戦士お姉ちゃんに剣を教えて欲しいと言ったら、

「よし、じゃあまず村50周だな」

「え!?」

ボクは剣が習いたかっただけなのに。

♀魔王「村50周ってこの女戦士…」

△月←日 わかりません

朝起きたら体中が痛くて布団から出られません。

筋肉痛だそうです。今日は何もできずに布団の中で休んでました。

僧侶お姉ちゃんが戦士お姉ちゃんに凄く怒ってましたけど、元を言うとボクが弱いのがいけないと思います。

僧侶お姉ちゃんにそう言ったら僧侶お姉ちゃんが涙を汲みながら部屋を出て行きました。

やっぱボクが弱すぎて僧侶お姉ちゃんも呆れちゃったのだと思います。

♀魔王「女戦士表でろ」

△月↓日 朝ちょっと雨の後晴れ

なんとか動けそうになりました。

戦士お姉ちゃんが謝ったのですけど、元を言うとボクがいけないので、

今度からはちゃんと剣術教えて欲しいって言ったら、戦士お姉ちゃんはまかせなさいと頼もしくいってくれました。

でも、もう走るのは嫌です。

♀魔王「正直ものだなー。良いことよ」

△月☆日 晴れ

戦士お姉ちゃんにその剣はお前に似合わないって言われたので武器屋に来ました。

確かにこの長くて重い剣なんて、ボクには持つことさえもちゃんと出来ません。

ボクに使えそうな短剣をみつけたのですが、値段が高くて今ある金じゃ買えません。

今ある剣は王さまからもらった剣なんだから売るのもどうかと思ったのですけど、戦士お姉ちゃんが

「じゃあ、私の剣売って買おう」

って言いました。

じゃあお姉ちゃんはどうするのって聞いたら、ボクの長剣を使ったら良いって言いました。

それでも、自分の愛剣を売ってくれるなんて、ボクは戦士お姉ちゃんに何度も礼を言いました。

この短剣は絶対大事に使います。

♀魔王「……っちが」

△月▽日 ちょっと雲

今日初めて魔物を自分の力で倒しました。

僧侶お姉ちゃんに何度もホイミかけてもらいましたけど、初めて自分だけで倒せました。

凄く嬉しくて、つい戦士お姉ちゃんに抱きついたら、戦士お姉ちゃんに怒られました。

戦士お姉ちゃんに嫌われるのは嫌なのでこれからはしないようにしようと思います。

♀魔王「ざまぁm9」

▽月●日 晴れ

村に着いたので戦士お姉ちゃんに剣を教えてもらうことにしました。

僧侶お姉ちゃんがちょっと休んでやってっておやつを持ってきてくれました。

「あまり食わせると続けて鍛錬できないぞ」

「対練は今日はそれ程で良いんじゃないでしょうか。勇者ちゃんもお菓子食べた方がきっと嬉しいと思いますよ?」

「……」

「……」

なんかお姉ちゃんたちが睨み合ってたから食べづらくなってたら、二人ともそんなボクを見て睨み合うのをやめて一緒に食べてくれました。

その日はそれで鍛錬は終わりました。

♀魔王「このパーティーなんか危ういんだが、色々」

▽月□日 雲からちょっと雨

歩いてる途中で大雨が振ってきたので三人ともびしょ濡れになっちゃいました。

そこにあった洞窟に入って、びしょ濡れになった体を火を起こして服は脱いで乾しました。

二人とも風邪引くから服脱いだ方が良いって言っても、大丈夫だって聞いてくれませんでした。

明日風邪にならないか心配です。

♀魔王「…突っ込まない」

▽月■日 晴れ

僧侶お姉ちゃんが風邪を引いちゃいました。

僧侶お姉ちゃんは服が完全に体にくっつくからもっと大変だって心配してたのに予想通りでした。

早く村に着いて宿屋で休んだ方が良いって相談して、僧侶お姉ちゃんには申し訳ないと思いつつ、先へ進みました。

僧侶お姉ちゃんがくしゃみをするから大丈夫か心配になって近づこうとしたら

戦士お姉ちゃんが伝染ったらダメだって止められました。

それから村に付くまで、ずっと僧侶お姉ちゃんは独りで歩いて、戦士お姉ちゃんはボクとおしゃべりしました。

♀魔王「これ地味に争奪戦になってるじゃない」

▽月◆日 曇り

宿屋を見つけたので僧侶お姉ちゃんが治るまでしばらく待機です。

宿屋のおばさんに頼んで僧侶お姉ちゃんのためのお粥をもらって僧侶お姉ちゃんの所に行きました。

僧侶お姉ちゃんが食べさせて欲しいって言いましたので、ボクが口でふーふーって冷ましてから

僧侶お姉ちゃんにあーんて言ってって言ったら、僧侶お姉ちゃんはなんかさっきよりも熱が上がったように顔を赤くしました。

でも、なんとか口を開けて食べてくれようとした時、部屋に戦士お姉ちゃんが入ってきて

「勇者!鍛錬するぞ!」

「え、あ、ちょっと待って、今僧侶お姉ちゃんにお粥食べさせて」

「そんなの自分で食えば良い!お前は早く来い!」

って無理やりボクを持ち上げて僧侶お姉ちゃんを一人にして出てきちゃいました。

明日は僧侶お姉ちゃんの風邪が治ったらいいなと思います。

♀魔王「盛り上がってまいりましたよ?」

▲月○日 晴れ

ようやく僧侶お姉ちゃんの風邪が治りました。

聞いた話ですが、勇者のパーティーは普通4人パーティーだそうです。

それだとボクたちはもう一人要るかなぁと思ってお姉ちゃんたちに相談してみたら

「勇者は私だけじゃ頼りないって言いたいのか!」

「そうです!後衛は私一人だけでも十分です!コレ以上増やされちゃ困ります!」

ってなんか二人とも怒ったのでちょっと怖かったです。

この話は当分しないことにしようと思います。

♀魔王「『何が』増やされると困るんだろうか」ニヤニヤ

▲月◎日 大体曇り

夜おしっこがしたくて起きてトイレに行こうとしたら、外から誰かが話してる声がしました。

耳を傾げたら、戦士お姉ちゃんと僧侶お姉ちゃんが話していました。

「……負けないわよ」

「こちらの台詞です。女戦士さんなんかに…」

…なんか、二人とも雰囲気が良くないです。

明日話してみることにします。

♀魔王「気付かれた」

▲月◆日 雨

「お姉ちゃんたち、もしかして喧嘩してる?」

って言ったら、二人とも同時に

「いや」「いいえ」

って返しました。

二人が言うことだから本当だと信じて、

「ボクはお姉ちゃんたち皆好きだよ」

って言ったら、二人とも顔を赤くして中央のボクから目を逸らしました。

……ボクってもしかして実は嫌われてるのかな。

♀魔王「このパーティーはこのままで大丈夫か?」

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