勇者「冒険の書が完結しない」をリメイクしました!
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勇者「よし」
戦士「おおおおおいおいいいのかよこれえええ」
僧侶「う……分かってはいましたが、今までの冒険の足あとがこんな簡単に……」
賢者「勇者さん。先の勇者さんの話も織り込み済みで言わせていただきますと」
賢者「私たち視点では、勇者さんがいきなり訳の分からない理由で冒険の書を燃やしたようにしかみえないのですが」
勇者「『永遠に平和な日々を過ごせない』リスクと天秤にはかけられない。どうかここはオレを信じてくれ」
僧侶「し、信じます!」
賢者「勇者さんがそこまで言うのなら」
戦士「もう俺には訳が分からんよ!」
勇者「さて……寝るぞ! 明日は決戦だ!!」
戦士「そうそれ! そういう分かりやすい流れにしてくれよ!」
勇者(……効力のあるうちに冒険の書を抹消……果たしてこれで『何者か』の呪縛を解いたことになるのだろうか……)
――
勇者「おはようみんな、準備はいいか」
僧侶「いつでもオーケーですっ」
賢者「特に異常は」
戦士「眠い! 寝不足だ! だが気合でカバーできるぜ!」
勇者「よしいざ出陣だ」
ゆうしゃは ルーラをとなえた! ▼
【魔王城城門】
勇者「よしちゃっちゃか行くぞ、すぐやるぞ」
賢者「昨晩勇者さんがまくし立てたデータが真実であれば、魔王など軽く丸腰ひねるがごとしですが」
僧侶「神よ、どうか我らにご加護を……」
戦士「う~ん眠い! だが! 気合でカバーできるぜ!!」
勇者「よし、みんな行くぞ!」
勇者(うまくいかなかったときの時間のロスが精神的に惜しい。今回は最速タイムを弾き出すつもりでいこう!)
――
勇者「あと一発! これで終わり!」
ゆうしゃの こうげき!
まおうに ××のダメージを あたえた!
まおうを たおした!! ▼
真魔王『ぐおおおっ。おのれにんげんどもめ。だが このからだくちようとも――』
勇者「よし、城に帰るぞ!」
賢者「魔王がまだなにか言ってますが」
勇者「後で聞かせてやる、すぐに帰還だ」
僧侶「えっ……終わっ……えっ? えっ?」
戦士「ん……んん!? 倒した? もしかしてもう倒しちゃったのか? っしゃあああああ!!」
賢者「我々のここまでの苦労をあざ笑うかのような瞬殺っぷりでしたね」
僧侶「勇者様の天才的な指示の賜物です!」
戦士「っしゃあああ勇者最高! ってどうした勇者! もっと喜べよ!!」
勇者「いいから帰るぞ! 王に会いにいく!」
戦士「なにイライラしてんだよ!」 勇者「もう飽きたんだよ!」
――
【王の間】
王「ゆうしゃよ よくぞ だいまおうを たおした!」
王「こころから れいを いうぞ! そなたこそ まことの ゆうしゃ!」
王「そなたのことは えいえんに かたりつがれてゆくであろう!」
戦士「よっしゃー凱旋だー!」
賢者「展開が早すぎて順応に時間がかかります」
僧侶「あ、あの勇者様……勇者様?」
勇者(……さて、果たして呪縛は解かれているか?)
勇者(どうなる? これでダメだったら……)
そして でんせつが はじまった!
・
・
・
THE END
王「よくぞ もどった!」
王「ではゆくがよい! ゆうしゃよ!」
勇者「…………」
僧侶「勇者様?」
戦士「どうした勇者ぼーっと突っ立って!」
賢者「……この、今の地点に巻き戻されたのですか?」
勇者「……ああ……」
僧侶「え? い、今、戻ってきたんですか?」
勇者「……ああ。四回目の、魔王討伐を、終えたところだ」
戦士「何言ってんだ、魔王はこれから倒しに行くんだろ!」
勇者「…………」
勇者(効力がある状態の冒険の書を抹消しても、過去の冒険の書の記録がある限り、全て無意味……)
勇者(残している手段は……)
勇者(気が進まないが……他に試す手も思いつかない……)
ゆうしゃは メラを となえた! ▼
ぼうけんのしょは あとかたもなくもえつきた! ▼
戦士「あっ!?」
僧侶「えっ!?」
賢者「!?」
勇者「王様」
勇者「もう一度、冒険の書に記録をお願いします」
僧侶「ちょ、ちょっと勇者様何を言って……」
戦士「おいコラ! 気でも狂ったのかよ!」
賢者「皆さん、ここは勇者さんに任せましょう」
勇者「……」
勇者(冒険の書を消滅させた上で、王に冒険の書の記録を要請……)
勇者(これがどうなるのか少し気になっていた)
勇者(解決策とは思えないが、何か手がかりくらいは掴めるかもしれない……)
王「――そなたらの たびのせいかを この ぼうけんのしょに きろくしても よいかな?」
勇者「お言葉ですが王様、冒険の書はもうこの世にありません」
王「――そなたらの たびのせいかを この ぼうけんのしょに きろくしても よいかな?」
勇者「いえですから、冒険の書は」
賢者「勇者さん、様子が!」
王「この ぼうけんの しょ にに に 」
戦士「おい勇者、こいつぁ いうこ ん よ !」
僧侶「 者 様 」
勇者(そ、そうか……本来あるはずのアイテムがないために、王は与えられた役目を果たせない!)
勇者(ルールに露骨に干渉したことで、世界を保つ歯車が狂ってしまったのか!? れ は もう わりなの ?
王「ゆう 111111111111
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プツン
王「よくぞ もどった!」
王「ではゆくがよい! ゆうしゃよ!」
勇者「!?」
勇者「……た、助かったのか……?」
僧侶「勇者様! ど、どうしたのですか!? 顔が真っ青です!」
戦士「いきなりに貧血でフラつくたぁ勇者らしくねーぜ!」
賢者「勇者さん、大丈夫なのですか」
勇者「…………みんな」
勇者「すまない」
勇者「分からない」
勇者「さっぱり分からないんだ」
勇者「どうあがいてもこのループから抜けられない。頭がおかしくなりそうだ」
勇者「平和な日々が目の前に吊り下げられてるのに、いくら手を伸ばしてもつかめないんだ」
勇者「オレは、いやオレ達は永久に……役目を超えた世界に落ち着くことを……許されないんだ……」
【宿屋】
僧侶「え……今夜は解散ですか?」
賢者「冒険の書の攻略は?」
勇者「……今日はもういい。今、わりと精神的に参っているんだ。少し休ませてくれ……」
僧侶「勇者様、大丈夫ですか? 本当に顔色が悪いですよ……」
勇者「一晩休めば大丈夫だ。ほら、みんなも疲れただろ。今夜はもう寝よう」
勇者「って言う前に寝てる奴もいるけどな」
戦士「Zzz」
勇者「明日は……予定通り魔王戦だ。それに備えてしっかり体力を回復しておくように」
勇者「以上、解散。おやすみ」
賢者「……分かりました。勇者さんがそう言うなら」
僧侶「あ、あの! なにか気分が悪くなったりしたらいつでも私を起こしてくださいね!」
僧侶「私、すぐに飛び起きますから!」
勇者「ありがとう。だけど大丈夫だ。心配いらない。大丈夫だから……」
勇者「……今日はもう……休ませてくれ……」
【寝室】
勇者「…………」
勇者(この世界は誰かが創ったものだ。それはいわゆる神とか創造主とか、通俗的で漠然としたものじゃない)
勇者(何者かは分からない。どこにいるのかも分からない。もちろん目的だって分からない)
勇者(ただ、オレみたいな『駒』なんかでは抗えないような強固なルールを敷いている)
勇者(魔王を倒す……つまりこの世界での最後の役割が果たされると、強制的に『終わる』)
勇者(終わったあとは……最後に冒険の書に記録した時点からの、再スタートになってしまう)
勇者(この事実に気がついているのは、おそらくこの世界でオレだけだ。なぜか。……いや今はそんなことはいい)
勇者(オレしか気がついてないなら、オレが何とかしなければならない。世界を真の平和に導くために)
勇者(しかし……どうやって……明日だって何をすればいいのか、まだ見通しもついていない……)
勇者(もう一度魔王と戦って……何が得られるのか……)
勇者(とりあえず明日考えよう……今は眠って頭をすっきりさせないと……)
勇者「…………」
勇者(…………)
勇者(眠れない)
【宿屋・別室】
僧侶「スー スー 」
勇者(よく眠っているな)
勇者(僧侶はいつもオレのことを気にかけてくれるんだよな)
勇者(そしていつもオレのことを勇者「様」だなんて呼んでるけど)
勇者(オレはそんな大層な器じゃない。現にこの世界一つ救えてないからな)
僧侶「……ん……勇者様……」
勇者(!)
勇者(ど、どんな夢見てるんだろうな!)
僧侶「スー スー 」
勇者(……)
勇者(そういえば僧侶のキーワードだった『100回』……いや96回って何の数だったんだろう)
勇者(オレが一緒に数えてるかと思ったとか言ってたけど)
勇者(オレと僧侶が一緒に数えられて、かつ今まででそのくらいの回数のものといったら……)
勇者(思いつかないな! ……まあ……いいか別に……)
【宿屋・待合室】
勇者「んっ?」
賢者「勇者さん。まだ起きてらしたんですね」
勇者「賢者の方こそ。こんな時間まで何をやっているんだ」
賢者「冒険の書について考えていました」
勇者「えっ?」
賢者「いえ。勇者さんをそこまで憔悴させるという難題に興味がわきまして」
勇者「そうか。でも賢者は一度もループを体験していないはずなのに、考察できるのか?」
賢者「もちろん全て想定です。勇者さんの話を鵜呑みにした上で考え込んでいました」
勇者「そうか。で、塩梅はどうだ?」
賢者「……私の考えですと、勇者さんの言うループから解放されるには」
賢者「やはりカギであるその冒険の書を、『完結』させるか『消す』かのどちらかしかないと思います。そして」
賢者「未だそのどちらも、具体的な方法が思いつきません。やはり難しい。役に立たず申し訳ありません」
勇者「とんでもない。一緒になって考えてくれるだけでも心強いよ」
賢者「そう言ってくださると幸いです」
賢者「ただ、極めて個人的な意見ですが、冒険の書を『消す』方法が正解であることが望ましいですね」
勇者「なぜ?」
賢者「シャクだからですよ。高みから定められた運命のままに流されるなど、我慢なりません」
賢者「相手はあるいは万物の神かも分かりませんが、少なくとも冒険の書というギミックに関しては一矢報いたいところです」
勇者「はは。賢者は冷静に見えて、結構根に持つタイプなんだな」
賢者「それはあなたも同じではないですか? 勇者さん」
勇者「ああその通りだ。オレもどちらかといえば、冒険の書を『呪縛』ととっている」
勇者「何度も何度も同じこと繰り返す羽目になって、いったい何人の」
勇者「何人の仲間たちと別れざるを得なかったというんだ」
賢者「……」
勇者「冒険の書は、『消す』。まずはその方針で思いつく限りの総当たりをかけてみよう」
賢者「はい、私もできる限りの助力に努めます。何かあったらいつでもご相談を。……では、私はそろそろ眠ります」
勇者「賢者。お前なりの気遣い、確かに受け取った。ありがとうな」
賢者「別に私はただ。……いえ」
賢者「どういたしまして。おやすみなさい、勇者さん」
【町の外】
戦士「ふんっ! ふんっ!」
勇者「どこにもいないと思ったら、こういうことだったのか」
戦士「ぬっくせもの!」
勇者「うわっ! バカ、オレだ!」
戦士「ぬううこやつできる! ん、待て今の声は!」
勇者「お前な。決戦前ぐらいしっかり休んでろよ」
戦士「おい! 勇者じゃねーか! おい!」
勇者「だから筋肉痛になったり風邪引いたり寝不足になったりするんだよバカ」
戦士「いやー明日がついに最終決戦だと思うと、身体を動かさずにはいられなくてな!」
勇者「気持ちは分からんでもないが、お袋に孝行してやりたいんだろ? なら、なおさら無理をしちゃダメだ」
戦士「そうか……そうだな! なら寝るか! あと少し魔物を倒したらな!」
勇者「しょうがない熱血バカめ。……行くぞ。少しだけ付き合ってやる」
戦士「お? おおう! それでこそ俺の認めた男!」
勇者(身体動かしたら、少しは寝つきもよくなるだろ。それにしても戦士のヤツめ、なかなか憎めないぜ)
戦士「出たぞスライムだ!」
勇者「あいよ」
戦士「わらわら出やがってこの! 一撃! この!」
勇者「戦士うしろだ」
戦士「痛っ! この! 跳ね回りやがって! そらカウンターだ!」
勇者(昔はこんなスライム集団にも苦戦させられていたな……)
戦士「勇者! スライムは飛び上がっているときが絶好のチャンスだ! この!」
勇者(そうそう、戦士がそれを教えてくれるまでは、ただがむしゃらに追いかけてたな)
戦士「どりゃ! どりゃ!」
勇者(スライムは飛び上がっているときが無防備だから、その瞬間を見定めれば……)
勇者「…………」
戦士「魔物の群れを! やっつけたぜ! よし次行こうか!」
戦士「ん? どうした勇者! この調子でレベル上げるぞ!」
勇者「戦士」
勇者「お前のおかげで、この世界は救われるかもしれない」