男「ヤバイなー この格好で外歩いてられると困る普通に捕まる」
男「だから俺の作業着着て帰って 臭いけど」
魔王「まあ臭いが臣下の献身には報いねばならんな」クンクン
男「臭いを嗅がないでください臭いです」
魔王「臭くないぞ 男の匂い……じゃなくてカレーの匂いだ」クンクン
男「あのね 帰って来たのはいいけど」
魔王「お前の膝の上は玉座よりも心地いいな」~♪
男「これじゃあ夕飯の準備が出来ないから」
魔王「そうだな 城に帰ったら男の膝を玉座にしよう 光栄だろう?」ンー
男「二日目にして魔王の依存度がヤバイ」ガクガクガク
魔王「だが余も腹が空く 特別にお主の言葉を聞こう」スッ
男「マジ魔王ちゃん良い子!!」ナデナデ
魔王「んー♪」
男「今日の夕飯はカレーラーメンです」ゴトッ
魔王「今日は麺類か?」
男「ラーメン界では邪道とか呼ばれてるけど子供には人気!!」
男「そしてとっろとろになるまで煮込んだ野菜は口の中で溶けます マジです」
魔王「おぉ!! 余も野菜はあまり好きではないが この野菜は舌の上で溶けおる」
男「ラーメンを全部食べた後は ご飯を入れて普通のカレーとして楽しむことも出来る」
魔王「一石二鳥だな!!」
魔王「それでは風呂に入るか」ゼンラー
男「二日目にして慣れている俺スゲー」ゼンラー
魔王「今日は角を洗っていいぞ」
男「角って旦那にしか触らせないんじゃなかったっけ?」
魔王「我らの一族は角を触られると落ちつくんだ」
魔王「それに角も汚れるしな」
男「じゃあお言葉に甘えて」ナデナデ
魔王「ナー♪」
ピンポーン
男「誰か来たっぽいな 今日の早退の理由だろうけど」ヨット
魔王「全裸で行くのか?」
男「どうせ男しかいないしね 先に湯に入ってて」ガチャ
魔王「わかった」
ピンポーン
男「開けるから待ってよ」ガチャガチャ
勇者「男さん!!」ダキッ
男「ぐぇっ!?」
勇者「どうして今日先に帰っちゃったんですか!?」ギュー
勇者「いなくなっちゃったと思って悲しかったんですよ!!」ギュー
男「くるし……くるしい……」バンバン
勇者「ごめんなさい! わた――」/////
男「全裸ですねわかります」ゼンラー
勇者「私男さんになら……」チラチラ
男「いみがわかりません」
魔王「おとこー! まだ戻ってこんのか!?」ゼンラー
勇者「」
男「」ゼンラー
魔王「」ゼンラー
勇者「魔王!! どうしてここに!?」ジャキッ
男「剣とか構えてなんなの? 全裸なの?」ゼンラー
魔王「ほぅ なにやら男が冷たいと思ったらキサマの策略か」ゴゴゴゴゴ
勇者「その魔力量 全裸とはいえ流石ですね」ブルッ
魔王「男は渡さんぞ」ガクガクガク
勇者「意味がわかりません 男さんは人間です 決して魔族には渡しません」ジャキ
男「勇者」
勇者「なんですか 男さん」
男「イジメ格好悪い」
勇者「」
勇者「あの……イジメとかそういうのじゃなくて」
男「イジメ格好悪い」ゼンラー
魔王「イジメじゃないぞー!! これは一方的な蹂躙だからな!!」ゼンラー
勇者「わかりました なにか事情があるようなので今日は止めておきます」スチャ
男「事情を話す前にまずカレーを食べるがいい どうせ夕飯食ってないでしょ?」
勇者「ありがとうございます 丁度お腹空いてたんですよー」エヘヘ
魔王「男! こんな奴に飯なんて食べさせることないぞ!!」
男「イジメ格好悪い」
魔王「だから!!」
男「イジメ格好悪い」
魔王「わかった すまない」ペコリ
勇者「魔王に頭を下げさせる男さんって一体……」
男「イジメ絶対駄目 そんなの正義が許さない」
勇者「男さんも正義が好きなんですか?」
男「カレーマジ正義だから」
魔王「そうだ! カゥレェーはマジ正義なんだぞ!!」
勇者「それはわかりました わざわざ二回も言わないでください」グィー
魔王「ひゃほうおひゃぷぃやるな!!(頬を引っ張るな!!)」グニー
男「仲がよくてカレーが美味い!! 普通のカレーしかないけどごめんね」カタン
勇者「えっ!? これう○ちじゃないんですか?」
男「」
魔王「」
男「一度言った事を二度言うのは無駄だから嫌いなんだ」ヤレヤレ
男「アンクズマンはお腹が減った子供にアンパンをやる 食パン野朗は食パンだ」
男「だけどな カレー先生はカレーをくれるんだ カレーパンなのにカレーだ どうしてだかわかるか?」
勇者「そもそも食パンとかアンパンとかなんですか?」
男「カレーが正義だからだよぉおおおおおお!!」ゴッ
勇者「痛い!?」
男「見た目う○ことか言って敬遠する馬鹿はなんだ!? 材料う○こじゃねーんだから食えよ!!」
勇者「はい食べます!!」モシャモシャ
勇者「あっ! 美味しいです」モシャモシャ
男「わかればいいんだ」スッ
勇者「」
魔王「」
男「二人ともミルクでいいよね 取ってくるから」ダッ
勇者「男さんって怖いですよね」モシャモシャ
魔王「カレーを貶さなければ問題ないんだがな」
勇者「普段が優しいから良いんですけど」モシャモシャ
魔王「なんだかんだで余の我侭も聞いてくれるしな」
勇者「私を褒めてくれる人なんて久しぶりだし」エヘヘー
魔王「余の責務を受け止めてくれる物好きも珍しいしな」フフン
勇者「」ゴゴゴゴゴ
魔王「」ゴゴゴゴゴ
男「なんか殺気みたいなの見えたけど まさか正義の前でそんなのないよね?」チャキ
勇者「二人は!!」ガシッ
魔王「勇魔王!!」ガシッ
勇者「ごちそうさまでした」
男「お粗末さまでした」
魔王「今から男と余は一緒に寝るから早く帰れ」シッシッ
勇者「一緒に寝るってなんですか!?」
魔王「余の臣下である男は余と添い寝をする権利があるのだ」
勇者「それっておかしいです!! おかしいですよね男さん!?」
男「そう?」
勇者「おかしいですよ!! だから私も今日はこっちで寝ます」
男「えっ!?」
魔王「えっ!?
魔王「おかしいのはキサマの頭だ!!」シャー
勇者「違います!! 年齢を考えたら私の方が適切です!!」ガオー
男「いや 俺一人で寝るし」
魔王「駄目だ!!」
勇者「駄目です!!」
男「」
勇者「そもそも一緒にお風呂に入った事実からしてありえない!!」
勇者「男さんは私とも一緒に入るべきです!!」
魔王「なんだその理屈は!? だったら余とももう一度入るべきだ!!」
男「そんなに入ったら茹でタコになります」
男「結局三人で寝ることになるとか」ギュウギュウ
魔王「男 もう少しこっちに寄ってもいいのだぞ」ギュー
勇者「胸なしは黙ってください 男さんはこっちがいいですよね」ギュー
男「どっちもいいからあまり引っ張らないで」ギュウギュウ
勇者「男さん……」
男「……なに?」
勇者「こうして私の胸に手を挟んでいるんですから 責任とってくださいよ」
男「」
魔王「ずるいぞ!! 私の胸にも手を挟んで……」スカッスカッ
魔王「うぅー!!」
男「はいはい 馬鹿なことやってないで早く寝て」
男「特に勇者は明日も仕事なんだから」
勇者「はーい♪」
魔王「男!! 明日は余と一緒に家におるのだぞ!!」
勇者「無理!! 男さんは明日も私と一緒に仕事なんです私と一緒に!!」
魔王「駄目だ!! 余の臣下なら余の言うことを優先するだろう!?」
男「仕事マジ大事 仕事ないとカレー作れない」
魔王「うぅーーー!!」ジタバタ
男「布団の中で暴れないで!!」
男「わかった 明日は連れて行くから」ハァ
勇者「男さん!?」
魔王「男!! 流石余の臣下だな!!」ギュー
男「親方にまた怒鳴られるな」
勇者「そうですよ! 親方に怒鳴られちゃいます!!」
魔王「まあその辺りは余に任せい」
翌日 現場
親方「マオウサマバンザーイ」バンザーイ
魔王「と このように 微量の魔力で催眠ぐらいは出来る」
男「なにそれ怖い」
男「じゃあ休憩時間までそこで大人しくしててね」
魔王「うむ! 座して待つのは魔王の得意技だ」
勇者「日射病にならないように麦藁帽子でも被ってなさい」ギュー
魔王「痛い痛い!!」
男「なんだかんだいって 勇者も魔王に優しいよな」ザックザック
勇者「見た目はあんな子供ですから」ハァ
男「そういうところが可愛いんだけどね」クスッ
勇者「」ブンッ
男「痛い!? ツルハシでお尻がヤバイ!?」
魔王「」ニコニコ
午前の休憩時間
親方「マオウサマバンザーイ」バンザーイ
同僚A「男さん!! この子男さんの妹ですか!?」
魔王「違う! 余は魔王にして男の主でもある」エッヘン
同僚B「マジパねえ!! お持ち帰りしていいっすか!?」
男「止めろ 捕まるぞ」
勇者「魔王ちゃん人気ですね」
男「昨日までの人気者が嫉妬しちゃう?」
勇者「そんなことないです 代わりに私は役得がありますから」オチャー
男「役得?」
勇者「こうでもしないと男さんを独占出来ません」
男「魔王はそんなところに突っ立ってて楽しいの?」
魔王「臣下の働きを見るのも余の仕事だからな!!」
男「いや 楽しいならいいんだけどさ」
勇者「男さーん! これどこに持って行けばいいですか!?」
男「あっちー!!」
勇者「えーっ!? どっち――きゃっ!?」ステン
男「大丈夫!?」
勇者「えへへっ またドジっちゃいました」
男「気をつけてよ 怪我したら大変だからさ」
魔王「」