女王「勇者、死んでしまうとは何事です」 1/4

1 2 3 4

女王「伝説の勇者の血を引く者よ」

女王「今人類は魔王の復活によって再び危機に陥っています」

女王「魔王を倒すために多くの人々が旅に向かいましたが、未だ魔王城にたどり着いたものはいません」

女王「勇者の血を引き継いだ貴方だけが希望です」

女王「魔王を倒し、再び人間の世の平和を取り戻してください」

勇者「……」ポカーン

勇者(女王さま凄く綺麗だ)ポカーン

女王「…?勇者?私の話が聞こえていますか?」

勇者「へっ?あ、はい!任せてください!必ず魔王を倒して見せます」

女王「この国の命運があなたにの両肩にかかっています。どうか頑張ってください」

勇者「はい!女王さまのため…いや、人々のために、この身が砕けるとしても必ずや…」

女王「フフッ、その意気は良いです。ですが、ご自分の身にも十分にお気をつけて下さい」

女王「最初の頃は周りの街を巡りながら経験を重ねることになるでしょう」

女王「傷をおったら無理をせずしっかり休んで」

女王「どうか死なないようにしてください」

勇者「はい」

勇者(女王さま…なんて優しい人なんだ)

女王「それと、強くなる度にちょくちょく私に来てください」

女王「王に伝わる力を得てして、あなたがどれほどの経験を積んだらまた成長できるかを見てあげます」

勇者「はい!」

勇者(レベルアップしたら女王さまに会いに来れるのか)

女王「では、旅をはじめる前に、まず装備を揃えてきてください」

女王「この金を使って、戦うための武器を備えて戻ってきてください」つ宝箱

勇者「はい、ありがたくいただきます」

女王「では、装備を整えてまた会いに来てください」ニコッ

謁見の場を出て

勇者「女王さま、綺麗な人だったな……」ボーッ

勇者「また会いたいな」

勇者「早く装備を整えてまた女王さまに会いに行こう」

ゆうしゃは たからばこを しらべた。

なかには 100Gが 入っていた。

ゆうしゃは 100Gを 手に入れた。

はじまりのむらの武器屋

武器屋「らっしゃいませ。なんか買って行くかい?」

勇者「あの、私勇者なんですけど、これで買える武器と装備ください」

武器屋「100G…じゃこれぐらいだな」

こんぼう と ぬののふく

勇者「…え、これだけですか?」

武器屋「100Gじゃねー。これぐらいしかあげられないね」

勇者「こんぼうって…せめて剣じゃないと」

武器屋「どうのつるぎはあるが、これだけで180Gだからな」

勇者「そんなに高いんですか?!」

勇者「どうしよう」

勇者「資金内で買えるだけ買っていこうかな」

勇者「でもせっかく勇者として旅立つ前に女王さまに会いに行くのに」

勇者「混紡に布の防具なんて恥ずかしいよ…」

勇者「……良し」

勇者「この金はお預けして、取り敢えず周りのモンスターから金を稼ごう」

勇者「それでちゃんとした防具を買って女王さまに会いに行こう」

スライム

勇者「出たな」

勇者「よし、武器はないけど頑張るぞ」

ゆうしゃのこうげき

だが スライムは すばやく それを よけた

勇者「あ」

スライムの攻撃

勇者は 2のダメージを うけた。

勇者「うわっ、ヌメヌメするよ

勇者は あわてて こうげきできない。

スライムの攻撃

勇者は 2のダメージを うけた。

勇者「痛い!な、なんとか反撃しないと…」

ゆうしゃのはんげき

スライムの 1のダメージを あたえた。

勇者「よし!」

スライムの こうげき

かいしんの いちげき

勇者は 3のダメージを うけた。

勇者「うっ!!うぅ……」

ゆうしゃのHPが0になった。

勇者は目の前がまっくらになった。

・・・

・・

「…しゃ……ゆう…しゃ」

勇者「…ううん?」

女王「勇者、起きなさい」

勇者「……?女王さま?」

勇者「あれ、ボクって…」

女王「勇者、死んでしまうとは何事です!」

勇者「!」ビックリ

女王「ちゃんと装備を整えて私に会いに来なさいって言ったはずです!」

女王「なのに私の話を無視して、武器も防具も無しでモンスターに挑んだ挙句、倒れてしまうなんて…」

女王「あなたには失望しました」

勇者「…ご、ごめんなさい」

勇者「でも、100Gだけじゃちゃんとした武器が買えなくて…」

女王「…!」

勇者「自分で稼いでちゃんと武器を揃えて女王さまに会いに来ようと思ったんです」

勇者「ごめんなさい!」

女王「…大臣」

大臣「はい」

女王「どういうことでしょうか」

大臣「申し訳ありません。今の国の予算では、それぐらいしか…」

女王「私の個人予算から勇者に1000Gぐらいを与えてください」

大臣「!し、しかし女王さま」

女王「言う通りにしなさい。私は大丈夫ですから」

大臣「…はっ」

女王「勇者、もう一度あなたにチャンスをあげます」

女王「今度はちゃんと私の言う通りにしてくださいね」

勇者「はい、女王さま!」

大臣「女王さまのための個人予算…そんなものあってないようなものだ」

大臣「魔王のせいで苦しむ人々のために、国の予算を全部街の防衛や家を失った民の救済に使うために」

大臣「国の王族のための予算も最小限にして、女王さま個人の私財さえ全て国庫に回したというのに」

大臣「スライムなどに死んでしまう勇者相手のため更に自分の身体を削られるとは…」

大臣「……姫さまを失った傷心が如何に深いものか」

大臣「あの勇者に賭ける女王さまの願いがどれだけ大きいものか」

大臣「今まで多くの者たちが魔王を倒しに向かったが」

大臣「そんな連中は全て王家の姫を救出すれば、自分が姫と結婚して次この国の王になって好き勝手にできるだろうという欲望で冒険を始めた」

大臣「だが誰も魔王を倒したものは居なく、今や貧乏になった王家のために命を賭けて魔王を倒しに行くと出る者も居なくなった」

大臣「昔の魔王を倒した勇者の血を引く勇者よ」

大臣「どうか、女王さまの願いを叶えてくれ」

女王「はい、これで資金を補ってください」

勇者「ありがとうございます、女王さま!」

女王「あなたを信じています。どうか頑張ってください」

勇者「はい!今度こそ絶対に女王さまのこと失望させません」

女王「期待しています」ニコッ

勇者「…//////」

ゆうしゃは スライムを たおした。

勇者「やった、勝った!」

勇者「スライムってこんな弱かったんだ」

勇者「女王さまがくれたお金のおかげでずっと楽だよ」

勇者「女王さま、綺麗だし、優しいし……良い人だったな」

勇者「lvあがったら会いに行こう」

勇者「今日はもうHPにあまりないし、宿屋に帰って休もう」

勇者「またLv1で無理して死んだりしたら、女王さまに合わせる顔がないよ」

宿主「一泊に20Gです」

勇者「よし、部屋はもらったし、夕食食べに行こう」

宿屋の酒場

勇者「……」もぐもぐ

村人A「これも全部王が無力なせいだ!」

勇者「?!」

村人B「おい、呑み過ぎた、落ち着け」

村人A「落ち着いていられるか、チクショウ!」

村人A「俺は国を信じて妻も娘もおいて兵士になったんだぞ」

村人A「なのに俺が居ない間、国は俺の村が魔物たちに襲われてるのに何もしなかった」

村人A「俺が戦い中で腕一本を失って戦えなくなって村があった場所に戻るまで、誰も俺に村が襲われたことさえも教えてくれなかった」

村人A「俺は…この国が嫌だ」

村人A「俺の家族を見捨てた無能な王なんて死んでしまえ!」

勇者「女王さまのこと悪く言わないで!」」

村人A「なんだてめえは」

勇者「ボクは勇者、女王さまに命じられて魔王討伐のための旅をしてるよ」

村人A「勇者だ?ふん、国の犬じゃねえか」

勇者「女王さまは絶対国の人々のことを蔑ろになんてしてないよ」

勇者「女王さまは皆のために一生懸命頑張ってるよ」

村人A「ほざけ!あんなに頑張ってるのに、何故俺の妻や娘は助けられなかった」

村人A「何故俺の村をほったらかしにした!」

勇者「それは……きっとそうするしかない理由が…」

村人A「ふざけんな!!」村人Aは ゆうしゃに おそいかかった

勇者「っ!」

村人B「おい、落ち着けって!勇者を殴ってどうすんだよ!」

村人A「勇者が何だ!」

村人A「人を守ることもできない勇者なんて!ただのお偉いさんだ!貴様も無能な王も一緒だ!」

村人A「この国は魔物たちに人々が死ぬだろうがどうなるだろうがどうでも良いんだ!」

勇者「そんなこと…ない」

勇者「女王さまはそんな人じゃない!」

村人A「そんなに王のことを信じてるなら、あいつに聞いてみろ!」

村人A「なんで俺の妻は死ななけりゃならなかった!」

村人A「いつも安全な城に隠れて頑張ってるとばかり言ってる貴様に俺たち平民の辛さが分かるかってよ!」

村人B「おい、いい加減にしろ!…すみません、勇者さま。こいつが酔ってるせいで少し口が荒くなってるだけです。勇者さまのことを悪くいうつもりはありません」

勇者「……」

別の日

勇者「女王さまは…」

女王「勇者、良く無事に戻って来ました」

女王「今あなたのLvからつぎのLvに上がるには 253の経験値が必要です」

勇者「……」

女王「…どうしたのですか、勇者?」

勇者「女王さま、少し聞きたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」

女王「……」

女王「なんでしょうか」

勇者「…ある村で、自分の村と家族を失った人を見ました」

勇者「彼は女王さまが、自分たちの家族を守ってくれない無能な王だと言っていました」

女王「…!」

大臣「勇者、女王さまの御前でなんという無礼な言葉を…!」

勇者「言ってください、女王さま」

勇者「女王さまはどうして、あの人たちを助けてくれなかったのですか」

女王「…勇者」

勇者「ボクは女王さまが、そんな人じゃないって信じています」

勇者「女王さまはとても優しい人です。女王さまのような人が民たちのことを蔑ろにしたはずがありません」

勇者「でも、民たちはそうは思っていませんでした」

勇者「だから、そんな人たちの誤解を解くためにも、ボクに言ってほしいんです」

勇者「どうして女王さまは、あの人たちを助けてくれなかったのですか」

女王「…彼らが言っていた言葉は、間違いではありません」

勇者「?!」

女王「私が無能なばかりに、彼らを助けられなかったのです」

大臣「女王陛下!」

女王「お静かになさい、大臣」

大臣「……」

女王「彼はきっと以前に起きた魔物たちの総攻撃の時の犠牲者でしょう」

女王「魔物たちの大規模な終結を事前に確認した私は、国の男子たちを集め、急いで防御線を造りました」

女王「でも、どうしても兵力が足りず、国全体を守るために、私は仕方なくいくつの村を選ばなければなりませんでした」

女王「守備をせずに、村の若い男子たちもないまま魔物たちの攻撃を受けるしかない村が現れても」

女王「私はそうしなければなりませんでした」

女王「彼ら全部を守る力が、私にはありませんでした」

女王「だから、彼らの言う通り、彼らを守れなかったのは、私の無能さが招いたものです」

女王「勇者」

勇者「…はい」

女王「私があなたが思ってるような優しい王じゃありません」

女王「私が弱くて、非情な王です」

女王「自分の民たちも満足させられない無能な王です」

女王「あの村人をまた会えた、こう伝えてください」

女王「もし、私がまたあのようなことが起きたら、私はまた誰かを救うために誰かを見捨てなければならない、そんな非情な王だと」

女王「だから、私を憎みたいのなら存分そうしてください。私にはそれを止める権利がありません」

勇者「……」

勇者「嘘です」

女王「?」

勇者「女王さまな非情な人なんかじゃないです」

勇者「本当に女王さまが人々の命を蔑ろにする非情な王なら」

勇者「その美しいお顔で涙を流すはずがありません」

女王「…!」

勇者「無礼なことを言ってしまって申し訳ありません」

勇者「ボクはこれで失礼します」

勇者「女王さまが泣く姿なんてもう見たくありませんから」

勇者「次は、女王さまの顔から笑顔を見られるような話を持ってきます」

女王「……」

勇者「…女王さま泣かしちゃった」

勇者「……」

勇者「他にも、あんな人たち沢山居るのかな」

勇者「女王さまのせいじゃない」

勇者「他の誰がやったとしても、皆を助けることなんて出来なかったはずだよ」

勇者「でも、人たちはそんなことは思ってくれない」

勇者「大事なのは自分を守ってくれない無能が王が悪いだけ」

勇者「……」

勇者「頑張らないと」

1 2 3 4