魔法使い「な、なにその黒いの……」
黒服「あ、ゴム弾にしてありますので安心してください。メラッ!」
パンッ
魔法使い「うぐぅ……な、何?当たったの?」
なんで銃があんだよwww
黒服「マヌーサ!」
ポイッ カランカランッ
魔法使い「な、何?その丸くて黒いの……」
黒服「閃光手榴弾です」
カッ
キィーン
魔法使い「目が……耳が……ううっ」
クラクラッ
ザザザッ
魔法使い「ど、どこ?どこにいるの?」
黒服「後ろです。ギラッ!」
グッ
魔法使い「な、何を……」
ビリビリビリビリッ
魔法使い「きゃあああああああ!」
兵士長「あちゃー、きつそうだな。黒服のあの電流流れるギラ効くんだよなー」
大司祭「やっぱり黒服さんの魔法はすごいですねぇ」
魔法じゃねーからwww
魔法使い「……」
ビクビクッ
黒服「勝ちました」
大司祭「勝負はつきましたが、最後までやりますか」
僧侶「ひぃ!」
ズササッ
大司祭「しかし、そんな実力で魔王を倒そうなんて、なんで思ってしまったんですようね」
ズルズルッ
僧侶「な、なんですそれ?」
大司祭「モーニングスターですよ。まぁ要するに鉄球付きの棒ですけど。私達僧侶が使える数少ない武器ですね」
ニコッ
僧侶「い、いや……」
大司祭「まったく、皆さん冒険者登録したんですよね。いくつまで上げたんですか?レベル」
僧侶「わ、私達……まだ1ですけど」
大司祭「え?そ、それじゃ本当にスライムにも苦戦するくらいじゃないですか!なんて無謀な!」
僧侶「で、でも……」
大司祭「ちなみに私はLV293です」
兵士長「俺はLV321」
黒服「ひみつです」
王様「私はLV400だ」
僧侶「ひぃ!」
大司祭「鍛錬というのは時間をかけてじっくりやるものですよ。それを怠って魔王を倒そうとするなんて……」
ズルズルッ
僧侶「ちょ、ちょっと待って下さい……」
ブルブルッ
大司祭「お仕置きですね!」
ブンッ
僧侶「きゃあああ!」
ブチッ
僧侶「……」
ビクンビクンッ
兵士長「ちょっ、やりすぎだろ」
大司祭「すみません。てへっ」ペロッ
黒服「てへぺろじゃないですよ」
大司祭「回復しますね、ついでに他の皆さんも。ホイミ!」
パァァァ
勇者「うぐっ……えっ腹の傷が……」
戦士「ん?」
魔法使い「はっ」
僧侶「し、死んで……ない?頭くっついてます!」
ペタペタ
勇者「一瞬で……治した?」
戦士「すごいな」
僧侶「完敗です」
魔法使い「あたしは何か負けた気がしないんだけど」
王様「残念だ……お前たちには期待していたのだがな」
兵士長「しゃーねーなー。こうなったら俺らでいくしかないか」
黒服「ですね」
大司祭「しかし、それでは城が留守になってしまいますよ。それに政治も……」
王様「そうだな……うむ……」
ジロッ
勇者「?」
王様「お前達、やってみるか?」
勇者「へ?」
王様「我々で魔王討伐に行ってくるから、代わりに城の仕事やってみるか?」
勇者「えっ、でも……」
兵士長「おっ、いいんじゃねーの?おい、お前も鍛えられるぜ」
バンッ
戦士「いてっ!」
大司祭「そうですね、あれだけやる気があるのであればここを任せてもいいかもしれません」
僧侶「あの……どういう……」
黒服「では、おまかせして行きますか」
魔法使い「ちょっ!」
王様「城の者には説明しておくから、頼んだぞ」
勇者「おい、ちょっと待て!」
―――城下町
王様「城の者が馬を用意してくれたようだが……」
兵士長「んなもんいらねーよ。走った方が速いぜ」
大司祭「まぁ、そうですね」
黒服「確か魔王城は向こうの方角でしたね」
王様「そうだな。では、真っ直ぐ走っていくか」
兵士長「おうよ!男はいつでも一直線だぜ」
大司祭「それはまた大胆な」
兵士長「最初からウダウダ戦争やってねぇで、乗り込んで倒しちまえばよかったんだよ」
王様「まぁ、そういうな。国民も守らねばならん」
兵士長「んー、あいつらで大丈夫かな?」
大司祭「彼らに任せるって兵士長さんも賛成してたじゃないですか」
兵士長「でもなぁ、あいつら腰がなってねーからな」
黒服「腰はもういいでしょう。向かいましょう」
王様「だなっ、パっといってパっと帰ってくれば大丈夫だろう」
大司祭「王様まで適当な……」
兵士長「いよっしゃーついてこい!」
バッ
王様「いくぞ」
バッ
大司祭「わかりましたよ」
黒服「ふふっ」
ババッ
―――城
大臣「勇者殿、こちらの書類を読んで決済を」
勇者「え……」
大臣「勇者殿、他国の外交官が接見をもとめております」
勇者「は?」
大臣「勇者殿。国民からの要望がこれだけありまして」
勇者「うー……」
大臣「勇者殿、これを……」
大臣「勇者殿、あれを……」
勇者「あ゛ーーーーーーーもう!なにこれ!」
勇者「なんで俺が王様の代わりなの!?」
ガクーンッ
大臣「伝説の勇者といえば、まぁ知名度はありますからな」
勇者「はぁ……」
大臣「腐っても勇者ですな、みなさん納得されております」
勇者「腐ってねーよ」
大臣「そうでしたな。まだ生えてさえいないヒヨッコでしたな」
勇者「生えてるよ!ぼーぼーだよ!」
大臣「そうですか、では剣術の稽古の時間です」
勇者「それそれ、そういうの待ってたんだよ!」
ガバッ
大臣「では、兵錬場で私がお相手いたします」
勇者「え?あんた強いの?」
大臣「幼少の頃より王様に手ほどきをしてきましたので、そこそこは」
勇者「へぇー!じゃあいこうぜ!」
―――サハギンの集落
兵士長「うおっ、いっぱいいるな……」
黒服「まだ、こちらに気づいてはいないようですね」
大司祭「まったく、まっすぐ走るからこうなるんですよ、周り道すれば通らなくてよかったのに!」
兵士長「50……100は……いるか?」
大司祭「ですね」
兵士長「めんどくせーし、やっちまうか」
黒服「先は長いことですし、体力は温存しておいたほうがいいでしょう」
大司祭「じゃあ、黒服さんの魔法ではどうです?水辺ですから電流がよく通りますよ」
黒服「ちょっとこの広さじゃ厳しいですね」
王様「あー、もう、私に任せろ!」
大司祭「王様?」
王様「おおおおおおおお」
ゴゴゴゴゴゴゴッ
王様「ギガデイン!!!」
ドガガガン
「グギャアアアアアア!」
王様「よし、全滅だ。いくぞ」
黒服がいろいろ怪しすぎる
とくに武器
―――兵錬場
戦士「ぜぃ……ぜぃ……勇者、助けてくれぇ」
師範「だらしないぞ!さっさと立ち上がれ!」
戦士「うぐぐっ」
ググッ
師範「兵士長殿の代わりだろう!あと50周追加だ!」
勇者「戦士、なにやってんの?」
大臣「では、勇者殿も一緒に50周ほど走ってもらいましょうか」
勇者「え?剣の稽古じゃないの!?」
大臣「まずは体力です。戦場では体力がなくなったものから死にますからね。逃げられなくて」
勇者「俺は逃げたりしない!」
ドスッ
勇者「うぐっ……杖でみぞおちを……」
大臣「逃げられなきゃ死ぬんですよ。特にあなたみたいな人はね」
勇者「何を!」
大臣「まずは体力です。魔法も剣もそれがなければ続きませんよ」
勇者「くっ……」
大臣「王様は毎日100周は軽く走ってますよ」
勇者「はぁ?無理だろ。毎日なんて!」
大臣「剣の修行をしたといってましたが、毎日どのくらいしてました?」
勇者「道場で2時間くらいかな?」
大臣「それ以外の時間は?」
勇者「そりゃ遊んだり色々」
大臣「全然足りません。王様は寝る以外は仕事と鍛錬です」
グイッ
大臣「さぁ、走って」
勇者「くっそー!」
ダダッ
大臣「終ったらまだ仕事いっぱいありますからねー」
―――ドラゴンの巣
大司祭「だからまっすぐじゃ危ないって言ってるでしょ!馬鹿ですか!あんたら!」
兵士長「50……100は……いるか」
黒服「これは厳しいですね」
大司祭「それ前も聞きましたから!」
兵士長「大丈夫大丈夫!いけるって!」
大司祭「王様も何とか言ってください」
王様「ドラゴンは倒したことがあるが、最上級のモンスターだからな。真正面からつっこめば危ないかもしれん」
大司祭「ですよねー」
王様「黒服、何か作戦はないか?」
黒服「そうですね。ドラゴンといえども生き物。やりようはあるでしょう」
王様「ほぅ」
黒服「まずは私と大司祭さんのαチーム、王様と戦士さんのβシームに分かれます」
黒服「一人はもう一人の援護に回ってください」
黒服かっけえええ
黒服「では、いきますよ。βチームで敵の目をひきつけてください」
兵士長「うおっしゃー!」
ダダダッ