【プロローグ】
勇者♂「ネトゲ初めてなんでお願いししゃす!」
僧侶♀「こちらこそよろしくお願いします」
盗賊♂「敬語なんかじゃなくていいっていいって!ゲームなんだからなりきっていこうぜ」
魔法使い♀「ですです~^^それに呼び捨てでいいですよぉ」
勇者「そう。じゃあよろしくね!」
勇者(よかった。みんな良い人そうだ)
僧侶「みなさんネットゲーム暦は長いんですか?」
盗賊「まぁねー。ベテランっつってもいいかな。何でも聞いてよ。つってもこのゲームは初めてだけどさ」
魔法使い「廃人さんですかぁ^^期待しちゃいますぅ~」
盗賊「ちげぇってwww」
僧侶「とりあえずこのゲームはみんなで最後に魔王を倒せばいいみたいですね」
盗賊「だなー。PKも出来ない仕様みたいだし安心だな」
魔法使い「でもMPKは怖いですぅ」
勇者(な・・・なにを言ってるんだ・・・この人たちは。よく分からないぞ・・・とりあえず合わせておこう)
勇者「だ・・・だよねー。あはは」
盗賊「とりあえず初心者でも勇者なんだからみんなをまとめてくれな!」
勇者「え?」
魔法使い「みんなに指示を出すんですぅ。重要な役目ですですよぉ^^」
勇者「僕にできるかなぁ」
僧侶「大丈夫ですよ。みんなでフォローしますから」ニコッ
勇者「!?」///
勇者「が、がんばる!じゃあレベル上げにでも行こう!」
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勇者「お、スライムだ」
盗賊「よっしゃ。まずは定番の雑魚だな。俺と勇者でヘイトを稼ぐって感じでいいか?」
勇者「え?」
僧侶[勇者、ヘイトっていうのは相手の注意を引きつけて攻撃を自分に向けることですよ]
勇者[あれ?頭の中で声がする]
僧侶[これは二人だけで会話できる機能ですよ、秘密の会話ってところです、うふふ]
勇者[二人・・・秘密・・・]///
僧侶[私が回復、魔法使いさんが魔法詠唱をしますので、それまで敵を引き付けてくれればいいです]
盗賊「おい、聞いてるか?」
勇者「うん!わかった!あ、こっちで喋っちゃった」
盗賊「なら行こうぜ!」
勇者「うん!僧侶は回復、魔法使いは呪文唱えて!」
勇者「おりゃ!」ズバッ
盗賊「お、さすがに雑魚だけあって弱いな。おっと逃がすか!」ササッ
ガッ
勇者「いてっ」
僧侶「ほらっ、勇者。回復ですよ」キュン
勇者「ありがとう!」
魔法使い「詠唱終ったです~^^火炎呪!」ゴゴゥ
盗賊「おっしゃ!倒したぜ!」
魔法使い「お金落としたですぅ~^^」
僧侶「みんなで分けましょうね」
勇者「やったー!」
勇者(ネトゲって敬遠してたけど楽しいなぁ。ずっとここに遊んでいたいな)
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勇者「ふぅ、レベル上げしながら次の街まできちゃったね」
盗賊「休憩したかったから丁度いいじゃん」
魔法使い「魔法力もカラカラですぅ~きゅ~っ(><)」
僧侶「あ、ごめんなさい。私ちょっと抜けなければいけないんで今日はこれで失礼しますね」
盗賊「うーい。おつかれさーん」
魔法使い「おつかれですぅ~^^」
勇者「おつかれさま」
僧侶「またよろしくおねがいします」
勇者(ど、どうしよう。今日のお礼話しちゃおっかなぁ・・・)
勇者[あ・・・あの]
僧侶[はい?]
勇者[今日はありがとう。アドバイスくれて。すごく助かったよ]
僧侶[いえ、いいですよ。それにすぐ慣れて指示してくれて私も助かりました]
勇者[そ、そう]
僧侶[初めてなのに一生懸命戦ってるところ、かっこよかったですよ]
勇者「え?」
僧侶[じゃあお休みなさい]ヴーン
勇者(あ・・・行っちゃう!)
勇者「お、おやすみなさい!」
盗賊「ん?」
魔法使い「いきなりどうしたですか?^^;」
勇者「え?いや何でもないよ!あはは」
盗賊「はは~ん。さては僧侶と二人っきりで話してやがったな?」
魔法使い「うわぁ~初日からだいたんですぅ~///」
勇者「ち・・・違うよ!」
盗賊「照れんなよ。いいっていいって。応援してやっから」
魔法使い「熱いですぅ~^^」
勇者「違うって!もう。それより3人になっちゃったけどどうする?」
盗賊「町の情報でも集めてみるかー」
魔法使い「ですですぅ~あとは雑魚狩りでもいくですよぅ~」
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僧侶「みなさん、こんにちは」
勇者「あ、僧侶!こ・・・こんにちは!ま・・・また会えてうれし」
盗賊「うーっす」
魔法使い「こんにちわですぅ~^^」
僧侶「なかなかログインできなくてすみませんでした」
盗賊「いいっていいって。その間街の情報集めてたからさ」
魔法使い「レベルもあがったですよぉ~^^」
僧侶「すみません。だいぶレベル離れちゃいましたね」
勇者「ご、ごめんね。でも僧侶は僕が守るからさ」///
僧侶「勇者、ありがとうございます」
盗賊「向こうの山の上の砦に魔王の手下がいて、この街からいけにえを要求してるんだってさ」
勇者「え?それって」
魔法使い「イベントですぅ~たぶん中ボスですよ~きゃっきゃっ」
勇者「へぇ、楽しみだなー」
僧侶「おまたせしました。いきましょうか」
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勇者「はぁはぁ・・・ここが中ボスの部屋か・・・」
盗賊「おい、だいじょうぶか?」
僧侶「ごめんなさい・・・私かばわれてばっかで」
勇者「僕が守るって言ったでしょ。大丈夫だよ。それに回復助かってるよ」
僧侶「勇者・・・」
魔法使い「なんか熱いですぅ~、あっちち~♪」
盗賊「ぎゃはは」
勇者「い、いくよ!」
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勇者「あれが魔王の手下か。でっかい竜だなー。かっこいー」
盗賊「で、作戦はどうするよ」
勇者「みんなはエリア端で待ってて、僕がひきつけてくるから。後衛は離れて補助と弱体を」
盗賊「おk、俺と勇者でヘイト稼ぐのな」
勇者「うん、あまり後衛にヘイトがいかないようにね」
僧侶「分かりました」
魔法使い「さあ、いってくるですぅ~」
勇者「おりゃああ!」ズバッ
盗賊「来た来た」ズババ
僧侶「防御補助呪!」
魔法使い「麻痺呪!」
キーン、ゴゴォー
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勇者(うん、いい感じだ。これなら安定してこのまま・・・)
盗賊「おい、僧侶が動いてないぞ!」
勇者「え?」
魔法使い「どうしちゃったですぅ~?」
勇者「あぐ・・・体力が・・・」
盗賊「おい、僧侶!僧侶!」
僧侶「」
勇者「や、やば・・・」
僧侶「回復呪!!」パァア
勇者「あ、僧侶!」
僧侶「みなさん、すみませんでした。ちょっと手が人が来まして」
盗賊「助かったぜ」
勇者「じゃあ一気にやっちゃおう!」
魔法使い「詠唱終りましたですぅ~火炎呪!!」ボボォ
盗賊「おっしゃあああああ!」
勇者「倒した!」
魔法使い「あ、なんか落としたですよぉ」
盗賊「剣だな、炎の剣か?」
勇者「か、かっこいい」ワクワク
僧侶「勇者が装備したらどうですか?」
盗賊「いいんじゃね。アタッカーだし」
魔法使い「ですぅ~」
勇者「え?いいの?ありがとう!」シャキーン
僧侶「うふふ。かっこいいですよ」
勇者(このパーティーでよかった・・・ほんとによかった・・・)
盗賊「それはそうと席外す時は一言いってくれよな」
魔法使い「そうですよぉ~びっくりちゃいましたー^^;」
僧侶「ご、ごめんなさい・・・」シュン
勇者(あれ?なんかちょっと変な空気・・・ぼ、僕がまとめないと!)
勇者「ま、まぁ勝てたんだしいいじゃない。ほらっ、僧侶の回復がないと無理だったんだしさ」
僧侶「これから気をつけます」
盗賊「いや、別に責めてんじゃなくってこれからこうしようってだけだよ」
魔法使い「ですぅ~回復助かりましたよ~^^」
勇者「よし、じゃあ町に戻って報告しよう!」
僧侶[勇者、かばってくれてありがとうございました]
勇者[い、いいいいや、そんな。いつも助けてもらってるの僕だから]
僧侶[うふふ、勇者のそんなところちょっと好きですよ]
勇者「え?」
僧侶[じゃ、街にもどりましょ]
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盗賊「あれからなんか僧侶あまり来なくなっちゃったなぁ」
魔法使い「ですぅ~困りました~^^;」
勇者「そ、そうだね」
勇者(僕にはたまに会話してくれてるんだけどね・・・)
盗賊「戦闘中動かなくなることも多いしさぁ、ちょっときつくね?」
魔法使い「レベルもだいぶ離れちゃったですぅ~」
勇者「え?なに?僧侶をはずそうって事?」
盗賊「しかたないだろ。今戦ってるところじゃ僧侶にはきついんだからよ」
魔法使い「あたし達みたいにいつもいるわけじゃないですしねぇー^^;」
勇者「そ、それはみんなでフォローしていけばいいじゃないか!レベル足りないならもうちょっと弱い敵のところでさ」
盗賊「だがよ・・・自分の出来る時間にあった仲間ってのの方がいいんじゃ・・・」
僧侶「みなさんこんにちは」ヴォン
勇者「あ、僧侶」
盗賊「」
魔法使い「」
僧侶「?どうしました」
勇者「い、いや、何でもないよ。じゃ今日はどこに・・・」
僧侶「いえ、今日はみなさんにお別れを言いに来たんです」
勇者「え?なんで?」
僧侶「それは・・・」
勇者「レベルが違うとか、そんなこといいじゃないか。みんなでフォローしていくって。だから・・・」
僧侶「いえ、違うんです。確かにそれはみなさんに申し訳なく思っていたんですが」
勇者「じゃあなんで」
僧侶「私、結婚することになったんです。きゃっ///」
勇者「え・・・」
僧侶「以前から付き合ってた彼と同居することになるんで、いつまでもこんなゲームやってられなくなったんですよ」
勇者「」
僧侶「みなさんとはほんと楽しくゲームができました。あまりお役に立てずに申し訳なく思ってますが」
僧侶「みなさんがんばって魔王を倒してくださいね。応援してます。報告なしでいなくなるのもあれなので最後の挨拶でした。それでは」ヴォン
勇者「あ・・・」
盗賊「あ、その、な。なんて言ったらいいか・・・勇者」
魔法使い「元気だすですよぉ~。告白とかしてないだけよかったじゃないですか~^^」
盗賊「お、おう。そうそう、リアルで幸せになるってんだから祝福してやれ、な?」
勇者「今日は帰る・・・」ヴォン