賢者「どこへ行くのですか?」
店主「なぁ!?」
武道家「話は全部この人たちから聞いたぜ?」
店主「は……!?」
町長「攫われた娘さんは勇者様の一行。そしていつに町の住民までもが被害に遭ってしまった」
男性「俺たちは立ち上がることにした……お前と攫われた少女たちを救うためにな!!
町民「「おおおおお!!!!!」」
店主「ば、ばかじゃねーの!!!お前ら人間がいくら束になっても魔王には……!!!」
町長「ふん……魂を売った貴様には分かるまい」
店主「なんだと……?」
町長「越えられぬ壁に挑まねばならぬとき、一人では無理かもしれん。二人でも無理だろう。だが、何十人、何百人と集まれば、壁を昇れる。破壊もできる」
店主「ぐぅぅ……!!」
町長「どけぇ!!!勇者様に助太刀するのだ!!!邪魔だ!!!」
店主「ひぃ!?」
魔王「―――メラゾーマ!!」
ボォォォォォ!!!
少女「あつ!!」
女「タバコの火にしてはちょっと強いわね」
勇者「くそ……!!やはり、この面子では……!!」
僧侶(私にもできることは……)
魔王「ふははははは!!大口を叩いた割には慎重だな。先ほどから一太刀も振っていないではないか!!」
勇者「くそ……!!」
魔王「―――トドメだ!!!」
男性「―――くらえ!!毒牙の粉!!!」
ボフン!!
魔王「ごっほ!!ごほ!!―――何奴!!?」
少女「あ……!!」
町長「勇者様!微力ながら助けにまいりました!!」
勇者「あなた達は……!?」
魔王「人間の分際で……我に刃向うとは……!!!」
賢者「よかった、ご無事でしたか」
勇者「ああ。ここからが本番だな」
武道家「―――あああ!?!」
女「お。なんだ、我が弟じゃーん」
武道家「姉さん!?なにしてんの?!」
勇者「姉さん!?」
僧侶「そうだったんですか!?」
女「へえ、勇者のお供に……ほお」
武道家「なんだよ!ジロジロみんな!!」
少女「くふふ……武道家さん、変わりませんね」
武道家「お前まで!?」
賢者「世間は狭いということですか……それよりも、僧侶さん!」
僧侶「は、はい!!」
賢者「貴女にお願いがあります」
魔王「―――イオナズン!!」
少女「やば!?」
勇者「は!!」
ドドォォォン!!
少女「あ……ありがとうございます……///」
勇者「いや、勇者ですから。か弱き少女ぐらい守ってみせます」
少女「ちょ……か弱いって……やだぁ……」
女「なんだ、ラブロマンスは突然だねぇ」
武道家「姉さんは町の人と一緒に逃げて!!」
女「はいはい。んじゃ、そうしますか」
賢者「いいですか、まだ生き残りの女性がこの城にはいるかもしれません。その方を探しながら脱出してください」
僧侶「わ、わかりました!」
賢者「期待しています」
僧侶「が、がんばります!!」
魔王「全員、消し炭にしてやるぞ!!!」
女「―――うっせ!ばくれつけん!!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
魔王「がは!ぐふ!!げは!!!ぼへぇ!!!」
武道家「うわぁぁぁ!!姉さん!!やめてくれぇ!!!」
勇者「す、すごいな……」
僧侶「みなさん!今のうちです!!」
町長「うむ。わかりました。皆の者、生存者がいないか確認しながら城を出るぞ、よいな!」
町民「「おおおお!!!」」
男性「よし、行きましょう僧侶さん」
僧侶「はい!」
店主「ま、まて!!」
僧侶「まだ何か?」
店主「少し考えれば牢屋の鍵がいることぐらいわかるだろ!―――ほら、地下牢の一番奥に隠し通路がある、そこに魔王のお気に入りたちがいるはずだ」
僧侶「店主さん……ありがとうございます」
店主「俺はもう逃げるからな!!あばよ!!」
―――地下牢隠し部屋
僧侶「みなさん!!もう大丈夫ですよ?!」
奴隷「あぁ……夢じゃないですよね?」
僧侶「はい!逃げましょう!」
町民「うわああ!!魔物だ!!!」
僧侶「!?」
男性「怯むな!!気持ちが逃げれば何もできなくなるぞ!!」
魔物「貴様ら……生きて帰れるとおもうなぁ……きひひひ!!」
僧侶「―――みなさん、下がってください」
男性「僧侶さん……?」
僧侶「……」
魔物「きひひひ!!俺達相手に一人で挑もうってか!?」
魔物「あははは、ばーか!ばーか!!無理に決まって―――」
僧侶「………ザキ」
魔物「ぁ―――」
魔物「な!?」
僧侶「……ザキ」
魔物「ひぃ―――」
魔物「うわぁぁぁ!!!くるなぁぁ!!!!」
僧侶「ザキ」
魔物「あ―――」
男性「すげえ……どんどん魔物が息絶えていく……」
町長「うむ。皆の者、奴隷となっていた少女たちを連れてこい!!」
町民「はい!!」
魔物「ぎゃぁぁ!!くるなぁぁ!!!」
僧侶「―――ザキ」
魔物「あ―――」
僧侶「ザキ、ザキ、ザキ!ザキ!!ザキ!!!ザキ!!!!ザキ!!!!!!!」
魔物「んじゃぁあああああ!!!!!!」
男性「よし!魔物が一掃された!!この隙に逃げましょう!!」
女「―――ダブル!」
少女「飛び膝蹴り!!!」
ゴォォォォン!!!
魔王「ぐほぉ!?」
勇者「顎に入った!?」
賢者「よし、勇者様!!」
勇者「―――くらえ、魔王!!!これが、人間の力だぁぁ!!!」
ザン!!
魔王「ぐぉぉぉおおお!!!バカな!!バカな!!!!我が消滅するというのかぁぁぁぁぁ!!!!」
女「―――さっさと逝け!!かかと落とし!!!」
ゴン!!
魔王「ひぷ!」
ドシーン!!
女「オスッ!!」
勇者「……まあ、いいか。よし、脱出だ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
町長「城が崩れ始めた!?」
男性「勇者様が魔王を倒したんだ!!」
僧侶「そうか……魔王の魔力で作り上げられていた城だから……魔王が倒された今……」
町長「皆の者!瓦礫の下敷きになりたくなければ、急げ!!」
町民「「おおお!!!!」」
ダダダダダダッ!!
奴隷「あ……!!」
僧侶「あ、大丈夫ですか!?」
奴隷「すいません……」
僧侶「さあ、手を。立てますか?」
奴隷「はい、ありがとうございます……」
僧侶「早く逃げなければ折角助かった命です―――」
ゴゴゴッ!!
男性「僧侶さん!!巨大な瓦礫が頭上に!!!逃げて!!!」
奴隷「きゃぁぁぁあぁ!!!」
僧侶「―――そんな!!?」
店主「―――どんくせええ!!!!」
ガン!!!
僧侶「店主さん!?!」
店主「俺が支えててやる……早くいけぇ!!!」
僧侶「ど、どうして……!?」
店主「……アンタらのバカが移ったんだよ……く、そ……良い迷惑だ……」
僧侶「店主さん……!!」
店主「いけえ!!長くはもたんぞ……ぐぐ……!!」
僧侶「はい……すいません。……ありがとうございました」
店主「―――すまなかったな」
店主「はぁ……もう少し早くあの僧侶さんに出会えてれば……俺は魔王に破壊された故郷と共に死ねたのかもしれんな」
店主「ふ……今更か―――」
―――ズゥゥゥゥゥゥン!!!
―――城外
勇者「―――終わった」
僧侶「はい」
武道家「姉さんのおかげだな」
女「私はなにもしてない。アンタらの手柄さ」
賢者「しかし、このことを報告すれば、あなたも英雄として……!!」
女「そんなのに興味ないね。私が興味あるのは酒場を盛り上げる方法論だけ」
少女「あはは、オーナーらしいです」
武道家「ねえさん」
勇者「よし、帰ろう。みんなが待っている」
僧侶「はい……勇者様」
勇者「僧侶……故郷に帰ったら正式に結婚しよう」
僧侶「はい……喜んで……」
女「いいなぁ……私も旦那さんほしいなぁ」
少女「彼氏もできたことないくせに―――あだだだだ!!すいません!!!あらぬ方向に腕をまげないでぇぇ!!!」
―――勇者の故郷 城内 謁見の間
王「―――勇者よ!!どういうことだ!?」
勇者「は?」
王「この50人を超える娘たちは皆、勇者の妻になることを希望しておるぞ!!」
勇者「はぁ!?」
女の子「「勇者様、一生お世話させてくださーい!」」
僧侶「勇者さん……どういうことですかぁ!?」
勇者「しまってる……じまっでるがら……ぐび!」
王「手紙の内容も……全員の責任を持つとかいてあるしのぅ」
武道家「賢者……お前の仕業か?」
賢者「まあ、そうでもいわないと王が面倒をみてくれないと思いまして……一夫多妻、いいじゃないですか!勇者の子孫は多くても困りませんし」
僧侶「結婚式は!!結婚式はどうなさるんですかぁぁぁ!!!!!」
勇者「じぬ……!!いぎでぐない……・!!!!」
僧侶「うわぁぁぁん!!!勇者さんのバカー!!今度は私が勇者さんを見捨ててやるー!!!」
おしまい