【北の孤島】
(機械工の気球船で北の孤島にのりこんだ勇者様とわたしは順調にダンジョンを攻略していった。)
勇者「姫様よ!助けにきたぜ!」
姫「あ、貴方は?」
勇者「始まりの町の勇者だ。姫様の国からの要請で助けに来た。」
姫「あぁなんて凛々しい方!ありがとうございます。」ポ
僧侶「ここは姫様救出を優先して脱出しましょう!」
勇者「おう!」
さまよう鎧「…」ブン!
姫「あ、あぶないですわ!」
勇者「よっと!」
―勇者の攻撃!さまよう鎧を倒した!―
勇者「ふん。」
姫「一撃…。」
僧侶(さすがです勇者様!)
姫「素晴らしいですわ!貴方様こそ真の勇者様です!!」ダキツキ
勇者「わ、なんだなんだ?!」
僧侶「!!」ムムッ
姫「はじまりの国の勇者にしておくにはもったいないですわ。是非我が王国の勇者として迎えさせてください。」
勇者「なんだってんだよ。脱出が優先だろ?」
姫「わたくしとしたことが恥ずかしい。つい舞い上がってしまいました。さぁ早く脱出しましょう。おつきの方しんがりをお願いします。」
僧侶(む。なんで姫様にいわれなきゃいけないのよ。)
勇者「僧侶、とりあえずこの姫様を気球に案内するわ。先に行く。」 クル スタスタスタ
僧侶「はい…。」
―アンデッドキングとトロールABCDEFがあらわれた!―
アンデッドキング「おじょうちゃんもう逃がしはしないぜ。」
トロール達「グハハハッハハ」
僧侶「ザラキ。」
―トロールABCDEFを倒した!―
アンデッドキング「!!」
アンデッドキング「いきなりザラキとは卑怯なやつ!しかしアンデッドのワタシにはザラキなど効かんわ!」
僧侶「ライデイン。」
―アンデッドキングを倒した!―
僧侶(なに、あの姫様?勇者様も勇者様です!わたしを一人にして!)ムカムカ
【隣国の王国 玉座】
隣国の王「よくぞ娘を助けてくれました。勇者様の勇気と強さには感服いたしました。どうかこの私めにお礼をさせていただけませんか?何かお望みのものを仰って下さい。」
勇者「隣国の王様。私は魔物と戦うのが仕事です。何も求めはしません。それでもというのであればプリンぱんを数個くだされば満足でございます。」
僧侶(勇者様かっこいい!)ジュルリ
隣国の王「プリンぱんですか!なんとも欲のない方ですな。貴方の様な方ならこの国すら譲ってもかまいませんぞ。」
勇者「冗談でも私のような下賤の者にはもったいないお言葉。それだけで十分でございます。」
隣国の王「冗談ではござらんぞ。どうですかな?私には跡継ぎがおりません。娘をもらってはくれませんか?」
姫「まぁ、お父様ったら。」
勇者「へ?」
僧侶「ええええええーーーーー!!!!?」
勇者&王&姫 ビク!!
【隣国の城 宴会場】
大臣「貴女のような美しい方が勇者様と伴に戦っておられるとはたいしたものですな。」
僧侶「ど、どうも。」
大臣「さぁさぁあなたも一献いかがですか?」
僧侶「はぁ、どうもありがとうございます。」
僧侶(宴会の途中で勇者様は姫様に連れられてどっかに行ってしまった。)
大臣「この国の名産である葡萄酒はのみごこちも柔らかく、女性にも評判なんですよ。」
僧侶「ぐびぐび」
僧侶「ぷはーっ」
僧侶(別にわたしには関係ないけどさ。勇者様のこと好きなわけじゃないし。)
大臣「おおー!なんという素晴らしいのみっぷり!」
僧侶(ただ嘘とはいえ結婚する約束をしたわけで。)ムカムカ
大臣「ささ、もう一杯。」トクトクトク
僧侶「…。」
僧侶(ってか大魔王を倒すんじゃなかったの?)
僧侶「ぐびぐび」
僧侶「ぷはーっ」
僧侶(そう!大魔王を倒してもらわないと困るの!だってもとに戻れないじゃないですか!)
大臣「ほれぼれしますな!!さすが勇者様ご一行!まだありますぞ!」トクトクトク
僧侶「ぐびぐび」
僧侶「ぷはーっ」
僧侶「そうよ!だいまおうをらおすんだから!!はれ…?」
バタン キュー
大臣「ちょ!誰ぞー人を呼べー!」
ワーワー キャキャー タイヘンヨー
【姫様の部屋】
姫「見てください。ここの窓から見える景色を。町は活気にあふれ、人々はいきいきと暮らしています。」
勇者「…。」
姫「確かに肥沃な大地に在る我が王国は、それがため魔物の標的となることはあります。しかしこれほど栄えている王国は他にはないでしょう。欲しいものがあれば隣国に行けといわれているほど様々なものにあふれています。」
勇者「…。」
姫「そんなこの国を自分の物にしたいとはおもいませんか?あなたが望めばそれは叶います。私ごとこの国を勇者様の物にさせて下さいませ。」
勇者「俺の故郷は何もないところだった。何もないのには慣れている。」
姫「しかしそれで勇者様はお幸せですか?」
勇者「大魔王を倒すのが俺の仕事だ。」
姫「大魔王を倒してからでもかまいません。」
勇者「いやね、だからさ…。」
姫「私の事がいやならはっきし言ってください。」
勇者「いやじゃないんだけどね。だけどさ。」
姫「それとも他に思い人がいらっしゃるんですか?はっきり言っていただけたら私あきらめます!」
勇者「…。」
勇者「わかった。はっきり言おう、俺には…」
衛兵「勇者様のおともの方が倒れてしまわれたぞーー!!」
大臣「はやく介抱をするのじゃー!!」
勇者「あいつ…。すまねえ姫様!ここで失礼するわ!」
姫「あぁ勇者様!?」
【客間】
僧侶「は!」
ズキン
僧侶「あう、頭痛い…。」
僧侶(またやってしまった…。)
勇者「起きたか?」
僧侶「勇者様!?」
勇者「またお前酒飲んだのか?いい加減酒乱だってことに気付け!」
僧侶「べ、別に勇者様には関係ないです!それより大魔王討伐は続けるんですか?やめるんですか?」
勇者「へ?なんだそれ?」
僧侶「だって勇者様は姫様とご結婚されるんでしょ?それだったら大魔王討伐はできませんもんね!」
勇者「おいおい落ち着けよ。」
僧侶「落ち着いています。でもねわたしも次のパーティー探さなくてはならないのではっきりして欲しいんです!」
勇者「あのな姫様と結婚なんてしねえよ。」
僧侶「え?」
勇者「ふられちゃったんだ。」ポリポリ
僧侶「!」
僧侶(お鼻掻いてる。)
勇者「だから大魔王倒したら嫁さん捜ししないとな。」
僧侶(そっか。断ったんだ…。)
僧侶「ふふ、せっかくのギャクタマ残念ですね。」
勇者「まったくだ。」
僧侶「よし!ハートブレイクの勇者様を今日は慰めてあげますよ。」
勇者「酒でもつきあってくれるのか?」
僧侶「う…。それは勘弁してください。」
【隣国の王国 城下 門】
僧侶「…。」ムスー
勇者「おいおいどういうつもりだ?そんな旅支度の格好をして。」
姫「私、昨日一晩考えましたの。勇者様に私のこともっと知ってもらう必要があるって。ですから私、勇者様の大魔王討伐にお供することにしましたわ。幸い回復魔法は全てマスターしております。どうぞ良しなに勇者様。」
勇者「…勝手にしろ!」
僧侶「え?いいんですか?」(やだー!やだー!)
勇者「駄目って言って引き下がる姫様じゃねえだろ?」
姫「ふふ、勇者様に少しは私の事を分かってもらえているようで嬉しいですわ!」
(こうして勇者一行は3人となった。)
【始まりの街の王国 玉座】
王様「勇者ちゃんご苦労様。おかげで隣国からたっぷり礼金をもらったよ。ちなみに仲間みつけといたから、今回は火力だぞ。感謝してよね。」
勇者「はい?」
【始まりの町 城下】
魔法使い「勇者様!アタシ魔法使いといいます!どうぞよろしくお願いいたします!」
勇者「う、うん。」
姫「私は姫ですわ。回復系は全てこなせますわ。貴女はどんな魔法が使えまして?」
魔法使い「えっと基本的なのだけなんですが、メラゾーマ、イオナズン、ベギラゴンクラスならできます。さすがにメテオとかアルテマとかはできないんですが…。」
僧侶(最強ランクじゃないですか。これはかなりの実力です。)
姫「そういえば僧侶さんはどこまで魔法がつかえますの?」
僧侶「ええっとライデインかな…?アハハ」(つっても威力は勇者XXXのときの10分の1くらいだけど…。)
姫&魔法使い「シーン」
僧侶「う…。」
勇者「おい、早く南の城塞にむかうぞ。」
姫「む、わかりましたわ。」
魔法使い「はい、すいません。」
僧侶(昔のわたしならともかく、今のわたしが誇れるものってなんだろ…。)
【南の城塞】
―リビングデッドの攻撃!勇者は37のダメージをうけた!―
勇者「…!!」
姫「勇者様!」
―姫はベホマを唱えた!勇者は全回復した!―
勇者「もったいないまねしてんじゃねーよ!」
―勇者の攻撃!リビングデッドに107のダメージ!リビングデッドを倒した!―
姫「あら心外ですわ!魔法の盛衰はいくらでもありますもの。」
―ストーンマンがあらわれた!ストーンマンはいきり立って勇者に襲いかかった!―
僧侶「あ、あぶない!!」
魔法使い「ベギラゴン!」
―魔法使いはベギラゴンを唱えた!ストーンマンを倒した!―
勇者「く、さんきゅー。」
魔法使い「えへへどういたしましてです!」
僧侶(うぅ、わたし空気だ…。わたしも役にたたなきゃ。)
―キングレオがあらわれた!キングレオはこちらの様子をうかがっている!―
姫「む、キングレオまでいるなんて。きりがないですわね。」
キングレオ「がるるる」ノッシノッシ
魔法使い「きゃ、こっちに来ましたです!」
僧侶「えぇい!」(わたしだって!)
ポカ
―僧侶の攻撃!キングレオに14のダメージ―
僧侶「うは」(しょぼすぎ~、女の子の身体ってこんなによわかったの?)
キングレオ「がおるるるう!!」イテージャネーカ
―キングレオはいきり立ち僧侶に襲いかかった―
僧侶「きゃ」
勇者「僧侶!!」
―勇者は身を挺して僧侶を守った!勇者に145のダメージ!―
勇者「ぐぅ」
僧侶「え?勇者様!!」
勇者「東のほこらの借りはかえしたぜ はは」ガクン
僧侶「ゆ、勇者様しっかりしてください!」
魔法使い「勇者様!」
姫「まずいですわ!いったんひきましょう。」
キングレオ「くおおおおおおおおんん!」
姫「リレミト!!」
―姫はリレミトを唱えた!勇者達は南の城塞から脱出した!―