【公園】
勇者「ねぇねぇ、みんなー僕も仲間にいれてよー」
子供B「うわっ......勇者だ」
子供C「僕あの子と遊んじゃだめってママが......」
子供B「だよなぁ......うっ」
スゥ
子供B(魔)「......」ギランッ
ボカッ
勇者「いたっ!な、なんで殴るんだよ!」
ドンッ
子供B「あうっ......え?勇者!突き飛ばすなんてひどいよ!」
子供C(魔)「そうだぞ!この乱暴者!」
ガッ
勇者「ぐっ......お腹が......このぉ!」
ポカッ
子供C「うっ......勇者が殴ったぁ!うわあああん」
ポカポカ
勇者「き、君が先に......」
子供D(魔)「このぉ!」
ポカッ
勇者「ううっ!もう!なんだよ!」
ポカッ
子供D「いたっ!やったなぁ!」
グイッ
子供E(魔)「なんでみんなの邪魔するんだよ!勇者め!みんなやっちまおぜ!」
子供F「そうだそうだ!」
子供G「僕達の公園を守れ!」
ワイワイ
子供B(魔)「♪Time is」
ボカボカ
子供C(魔)「♪on my side~~~~♪」
ゲシゲシ
子供D(魔)「♪yes it is!!」
勇者「やめて......やめてよぉ......」
スゥ
子供A(魔)「ふっふっふ、この混乱に紛れて......このナイフで......」
ザッ
勇者「や......やめて......こ......このぉ!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
子供A(魔)「なっ......!?魔力!?」
勇者「この......このぉ......」
ゴゴゴゴゴゴゴ
勇者母「やめなさい!!!勇者!!」
勇者「え......」
勇者母「あなた!!今、何をしようとしたの!!」
勇者「だ......だって......」
勇者母「何をしようとしたの!!!」
グイッ
勇者「ううっ......だってこいつらが......」
バシッ!!
勇者「あぅ......」
勇者母「君達......この子のしたことは私の責任です......ごめんなさい」
ズッ
子供B「うわっ......土下座だぜ」
子供C「だっせー」
勇者「か、母さん......」
勇者母「本当にごめんなさい......私が責任を取って殴るなりなんなりしていいですから......」
子供D「もういいや。いこうぜー」
子供E「う、うん......」
ザッ......ザッ......
勇者「かあさん......」
勇者母「『力』は使っちゃ駄目っていつもいってるでしょ」
勇者「......ごめんなさい」
勇者母「その力はとっても危険なものなの、分かる?」
グイッ
勇者「で、でも......あいつら酷いんだ......」
勇者母「あなはたあの子達を殺そうとしたのよ」
勇者「!?」
勇者「勇者、あなた私が死んじゃったら悲しいでしょ?」
勇者「うん......」
勇者母「あなたはそれと同じことをしようとしたのよ。あの子達が死んじゃったらたくさんの人が悲しむわ」
勇者「......」
勇者母「それに、友達が死んじゃったらあなただって悲しいでしょ?」
勇者「うっ......うぇぇえええ、ご、ごめんなざいいいいい、ごめんなざいいい!」
勇者母「さ、今日はあなたの好物を作ってあげるから、帰りましょ」スッ
子供A(魔)(どうしてこうなった!?どうしてこうなった!?)
子供A(魔)(くっそー。なんだこの心のもやもやは......)
子供A(魔)(嫌なもの見せやがって......おのれ!)
子供A(魔)(あああーーー!もぅ!!勇者が殺しにくくなってしまったではないか!)
子供A(魔)(ちっ......仕方ない。暗殺はやめておいてやるか)
子供A(魔)(正々堂々正面から勝負で倒して、殺してやる!)
子供A(魔)(しかし、この体では......無理か。あの歳であの魔力......)
子供A(魔)(私もこの体でも多少の魔力は使えるし、強化はされておるが......むぅ......)
子供A(魔)(そういえば、戦士が同じ町にいたはず......まだ子供だろうが......)
子供A(魔)(行ってみるか)
戦士「いよっしゃー!また俺の勝ちー!」
ガキA「くっそー。お前強すぎだっての!」
戦士「ははは!毎日道場かよってっからな!」
ガキB「さすがガキ大将だぜ!」
戦士「ガキ大将って呼ぶな、かっこわるい!ははは!」
子供A(魔)(あいつだな......うむ、なかなかだ。あれなら勇者に対抗できるやも)
トコトコ
戦士「ん?どうした?迷子か?」
子供A(魔)「う、うん......ちょっとこっち来て......」
戦士「ちっ、しっかたねぇなぁ、みんな探してやろうぜ」
ガキA「戦士はお人よしだなー」
ガキB「そこがいいんすけどねー」
戦士「どこからきたん......うっ......」
スゥ
子供A「あれ?ここ......どこ......」
ガキA「だからそれを今から探してやるんだよ」
ガキB「そうそう」
戦士(魔)「♪Time is on my side~~~~♪」
戦士(魔)「♪yes it is!!」ビシッ
ガキA「ど、どうしたんだ?」
戦士(魔)「お......おおお!」
ガキB「また変なものでも拾い食いしたんすか?」
戦士(魔)「この歳でこの力強いからだ......イケる!!」
戦士(魔)「はぁーっはっはは!今度こそ待ってろ!勇者!」
ダダダッ
ガキA「この迷子どうするんだよー!」
【数日後】
勇者「いってきまーす」
戦士(魔)(よし、やっと出てきたぞ)
トコトコ
戦士(魔)(ここじゃちょっと人目があるか......)
戦士(魔)(ん?また公園にいくのか?)
勇者「み......みんな......この間はその......ごめ......」
子供B「うわ、またあいつだ」
子供C「お母さんがあいつ危ないから近寄るなって言ってた」
子供D「僕達を丸めて食べちゃう力があるんだって!」
子供E「うわー怖いよー」
子供G「にげろー!」
ダダダッ
勇者「あ......」
勇者「うっ......ううっ......うぇぇぇ」
勇者「ぼ、僕そんなことしないよぉ......」
ポタポタッ
戦士(魔)(よし、人目がなくなったな!)
戦士(魔)「おい!!貴様!!」
勇者「え?僕?」
戦士(魔)「貴様以外に誰がおる!貴様強いらしいな。私と勝負しろ!」
勇者「しょ、勝負?」
戦士(魔)「ほらっ!ひのきの棒だ!受け取れ!」
カランッ
勇者「えっ......こ、これで殴りあうの?」
戦士(魔)「ふっふ!貴様自分が一番強いとでも思っているだろう!」
勇者「そ、そんなこと......」
戦士(魔)「うそをつけ!私を殺したお前はそういう男だった!」
ブンッ
勇者「うわっ!」ガッ
ギリギリギリッ......
戦士(魔)「ふふっ!それでいい!お前を倒して私は私の世界を救う!」
ドガッ
勇者「うぐっ......な、何わけのわからないこと言ってるのさ!!このぉ!」
シュバッ
戦士(魔)「おおう!さすがに速いな!」ガッ
勇者「このっ!このっ!」
ガッガッ
戦士(魔)「お前の力はそんなものか!」
ドガッ
勇者「うわっ!す......すごい!」
ジンジン......・
戦士(魔)「本気でかかってこい!魔法も使ってな!それでなくては意味がない!」
勇者「本気......!?本気で......」
戦士(魔)「所詮子供か!?ならばこのまま......」グッ
勇者「はあぁぁぁ!」
ゴゴゴゴゴッ
勇者「灼熱!!」
ボボゥ!
戦士(魔)「ふんっ!こんなもの!」
ガシッ
シュウ......
勇者「す......素手で消し飛ばした!?」
戦士(魔)「ふっふ、それでこそ倒しがいがあるというものだ!いくぞ!」ググッ
勇者「う......うわあああああああああああああ!!」
カッ
【夕方】
戦士(魔)「ぜぃ......ぜぃ......」フラフラッ
勇者「はぁ......はぁ......も、もう終わりか......」
戦士(魔)「お......おまえこそ......」ガクガクッ
勇者「ひ、膝が笑ってるよ......」ガクッ
戦士(魔)「お......お前こそ......」
勇者「あはは......あはははははははは!」
戦士(魔)「な、何がおかしい」
勇者「ぼ......僕こんなに誰かと本気で喧嘩したのはじめてだよ!」
戦士(魔)「喧嘩じゃない!決闘だ!」
勇者「ふふっ、じゃあ決闘は引き分けだね」
戦士(魔)「く......くそっ!次は倒す!」
勇者「え?ま、また会ってくれるの?」
戦士(魔)「当たり前だ!お前を倒すのだ!」
勇者「ありがとう......」
戦士(魔)「なんで礼を言われるのだ。わけがわからん」
勇者「ね、ねぇ......あのさ......僕こんなに楽しかったの生まれて初めてだよ」
戦士(魔)「ほぅ」
勇者「みんなに勇者ってだけで怖がられちゃってさ......」
戦士(魔)「ああ......」
勇者「ねぇ、君、僕の友達になってよ......」
戦士(魔)「お......おぅ......」
勇者「やった!!ねぇ、僕は勇者。君の名前は?」
戦士(魔)「ま......いや......戦士だ」
戦士(魔)(どうしたこうなった!?どうしてこうなった!?)
戦士(魔)(なんで勇者と友達になってるんだ、私はああああああああ!)
戦士(魔)(いや、そうだ!友と書いて強敵と読む!勝負を挑んで隙をついて殺してしまえばいいのだ!)
戦士(魔)(まだ何度でも試合うことになるんだ。チャンスはいくらでもある!)
戦士(魔)(この体ももっと鍛えなければな......勇者に勝つには......)
戦士(魔)(もっと強く......もっと速く......!がんばるぞ!)
戦士(魔)(見ててくれ!魔界のみんな!私は......勇者を超えるぞ!)