魔王「これはキラーマシン!?」側近「いいえ、タイムマシンです」 5/7

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【勇者母の家】

勇者母「さあ、どうぞ。胃薬とお水です」

勇者父(魔)「あ、ああ......」ゴクゴクッ

勇者母「先ほどは本当にありがとうございました」キラキラッ

勇者父(魔)「ああ」

勇者父(魔)(うっ......さすがに若くて綺麗だな......。綺麗?なっ......わ......私はそんなこと......)

勇者母「あ、そうだ。傷の手当もしなくっちゃ。服捲くってください」

勇者父(魔)「え......いや......でも......」

勇者母「は......恥ずかしがらないでください......わ......私だって恥ずかしいんですから......///」

勇者父(魔)(な......なんだ......この気持ちは......ううっ......そ......そうか......)

勇者父(魔)「......」グイッ

勇者母「動かないでくださいね。ちょっとしみますよ」

ペタペタッ

勇者父(魔)(こ......これが運命の強制力というやつか......うっ......かわいい......)

勇者母「はい、これでオッケーです」

勇者父(魔)「......」ポーッ

勇者母「は......早く服なおしてください......///」

勇者父(魔)「あ......すまん......」

勇者父(魔)(これで勇者を庇うような気丈さとやさしさを持っているとは......)

勇者母「あ、そういえばお名前教えてもらってませんでしたね」

勇者父(魔)「ああ、私は......ま......ゆ......勇者父だ」

勇者母「私は勇者母です......。あの......また......お会いしたいのですがいいですか......?///」

勇者父(魔)「もちろん///」

【9年後】

友人A「結婚おめでとう!勇者父!」

友人B「あんな綺麗な嫁さん見つけるなんて......この幸せもの!」

勇者母「そんな......ねぇ......あなた......」

勇者父(魔)「あ......あなた......?」

勇者母「ふふっ......まだ言い慣れないわね......これからね......」

友人C「ひゅーっひゅーっ!見せ付けやがって!幸せ者!」

勇者父(魔)(どうしてこうなった!?どうしてこうなった!?)

勇者母「私......幸せすぎて......どうかなっちゃうかも......」

勇者父(魔)「俺もだ......」

チュッ

勇者父(魔)(なんでだああああああああああああああああああ!)

【その夜】

勇者父(魔)(くそう!くそう!勇者母がかわいすぎるからいけないのだ!そうだ!そうに決まっている!)

勇者母「あなた......おまたせ......///」

勇者父(魔)「oh......」

勇者母「あ......明かり消して......恥ずかしい......」

勇者父(魔)「わ......わかった......ふっ」

トサッ

勇者母「あ......あなた......」

勇者父(魔)「なんだ」

勇者母「や......やさしくしね......ね///」

勇者父(魔)(な、なんで人間の雌なんぞにこんな気分になるんだ......。この肉体の影響か!?)

勇者父(魔)(くっ、だ、だからと言って勇者を作ってしまうわけは......)

勇者父(魔)「ゴ、ゴムをせねばな......」ゴソゴソ

勇者母「わ......わたし......今日大丈夫な日だから......」

勇者父(魔)「......」ブチッ

勇者父(魔)「勇者母ああああああああ!」

ギシッ

【数ヵ月後】

勇者母「できちゃった☆」

勇者父(魔)「なっ......なっ......」

勇者父(魔)(うそつきいいいいいいいいいいいい!どうする!?どうするのだ私!)

勇者父(魔)(ま......まだ間に合う......勇者が生まれる前に堕ろせば......)

勇者母「わたし......とっても幸せ......。ありがとうあなた」

勇者父(魔)(むぅ......いかんぞ!言え!言うのだ!堕ろしてくれと!)

勇者父(魔)「お......お......お......」

勇者母「私達の子よ。あなた」ニコッ

勇者父(魔)「お......めでとう」

勇者父(魔)(くぅ......命拾いしたな、勇者。わが子の命を奪うというのもどうかと思う。別の方法でいくか......)

2年数ヶ月後

勇者「ぱぁぱ!ぱぁぱ!」

勇者母「ほらっ、あなた。勇者が呼んでますよ」

勇者父(魔)「おお!よちよち!今日は誕生部でちゅねー」

勇者父(ふふっ!この数年で考えた計画!勇者を魔物好きにしてしまおう計画を発動する!)

勇者父(勇者が私を倒しに来なければいいのだからな。逆に私の部下になりたがったりして......くくくっ......可愛いやつよ)

勇者父(魔)「今日はブレゼントがあるんでちゅよ~。ほーら、お友達のスライムくんでちゅよー」

スライム「ピキー!」フルフル

勇者父(魔)「ほーらかわいいだろう?」

勇者「すぅらぁ?」

勇者母「あら、よかったわね。でもあなた大丈夫?魔物なんでしょ?辺境の村では人が襲われたって話も」

勇者父(魔)「全ての魔物が危険というのは間違いだ。友好的な魔物もいる。勇者には自分でそれを判断してほしいのだ」

勇者母「あなた......」

スライム「ピゥ!」ガツガツッ

勇者母「あ......勇者のおやつを......」

勇者「すぅらぁ......うっ......うわあああああああああああああああん!!」ゴゴゴゴッ

勇者父(魔)(なっ!これは微量だが......魔力!?」

勇者「あああああああああああん!めぇあああ!」

ボゥ!

スライム「ピギャアアアアアア!」グッタリ

勇者父(魔)「スライムううううううううううううう!」ガバッ

勇者母「あ、あなたこの子メラを唱えたわ!ねっ!この子天賦の才があるんじゃない!?」キュッ

勇者「うっ......ううっ......」

勇者母「あ、あなたどこにいくの?」

ダダダッ

勇者父(魔)「スライム!大丈夫か!?傷は浅いぞ!!死ぬな!死ぬんじゃない!」

スライム「......」

勇者父(魔)「ホイミ!」パァァ

スライム「ピキュー......」

勇者父(魔)「よかった......この体でも簡単な回復くらいはできるな......。すまなかったな......スライム」

スライム「ピキー」フルフル

勇者母「あなたこんなところにいたの。勇者、ほらっ、スライム君にごめんなさいしようねー」

勇者「すぅらぁ、めー」

勇者父(魔)「ゆ、勇者にはスライム君はちょっと早かったようだ......ほ、ほらっ、帰れ」スッ

スライム「ピー!」ダダダッ

勇者父(魔)(ふぅ......この歳で我が同胞を仕留めようとは末恐ろしいな......どうする......)

勇者「すぅらぁ、ないない......うっ......うええええん!」

勇者母「あらあら、泣かないの」

勇者父(魔)「勇者、魔物は友達だぞ。なっ、いじめちゃだめだぞ」

勇者「うーっ!」

勇者父(魔)(よし!この調子で刷り込み教育をしていけば......)

【12年後】

勇者「父さん。俺、魔王を倒してくるよ!」

勇者父(魔)(駄目だった!!)

勇者父(魔)「ま、待て!ちょい待ち!」

勇者母「あなた、勇者が心配なのは分かりますけど、この子ならきっと......」

勇者父(魔)「ちがっ......」

勇者「父さん、ありがとう。今までいろんな魔物の話をしてくれたおかげで、魔物の特徴もわかったし怖くないよ」

勇者父(魔)(逆効果だったか!?)

勇者「じゃあ、行ってきます!」

勇者母「気をつけてね」

勇者父(魔)「こ......殺さないで......」

バタンッ

【魔王城】

僧侶「疾風大魔法!!」ザクッ

魔法使い「炎熱極大魔法!!」ゴゴゴゴゥ

勇者「とどめだあああああああ!」

ザグゥ

魔王「おおおおおおおおおおおお!」ガクッ

戦士「NOOOOOOOOOOOOOOO!」

勇者父(魔)(ここまでこっそりついてきてしまったが......。何にも変わらかったな......)

勇者父(魔)(あれだけ魔物はやさしい教育をしてやったものを......)

勇者父(魔)(もう一度やり直すしかないか......、おっと戦士は私の魂であったな。会わないようにしておくか。何があるか分からんからな)

【封印の魔】

勇者父(魔)(うむ......戦士が側近と話しておる)

勇者父(魔)(しかし......こうしてこっそり見ているとは戦士はまったく分かるまい......)

勇者父(魔)(んっ?待てよ......もし私がまた過去に戻って失敗した場合......この私を次の私が見ているということも......)

勇者父(魔)(......)クルッ

勇者父(魔)(あれは......!!?)

勇者父(魔)(勇者母!?あ、逃げた!)

勇者父(魔)(な......なんで私を見ていたのだ!?)

キラーマシン「テンソウ......シュウリョウ......ピピピ」

側近「さぁーてゴロゴロしようっと」ゴロゴロ

勇者父(魔)(まぁ、よい。どちらにしろ過去に戻るのだ)

勇者父(魔)「おい、ゴロゴロしている場合ではないぞ」

側近「ひぃ!!」ビククッ

側近「だ......だれ!?」

勇者父(魔)「私だ。魔王だ」

側近「え......今2回目送ったばっかりなんですけど......」

勇者父(魔)「また失敗してしまった」

側近「そうですか......運命の力は強いんですねぇ。で、その体は?」

勇者父(魔)「勇者の父だ」

側近「え?じゃあ、その体で勇者母と?え?作っちゃったんですか?勇者を」

勇者父(魔)「言うな......次は失敗しない」

側近「大丈夫ですか?肉体に逆に操られてません?」

勇者父(魔)「そ、そんなことはない!次は考えがある!!」

側近「ほんと頼みますよ?あー、なんか色んな魔王様がいて訳分からなくなってきました」

勇者父(魔)「次で終わりだ」

側近「分かりました。じゃ、その体捨ててきてください」

魔王「よし、キラーマシンにセット完了だ」

側近「じゃあ、次こそ頼みましたよ?」

魔王「わかっておる」

側近「じゃ、スイッチオン」

ブシュー

キラーマシン「......ピピピ テンソウ シュウリョウ」

側近「はぁーあの馬鹿大丈夫かな。つかえねー」

【25年前】

魔王(よし!ではここで......あ!そうだ!ここは......)

フヨフヨ

魔王(やはり......魔物がほとんどいないのであった、しまった!?)

魔王(スライムは前の私が憑依してしまったし......急がねば......)

魔王(ううっ......苦しい......だ......誰かいないのか......)

魔王(むっ......いた!?)

スライムベス「ピゥ?」

スライムベス(魔)「ピキーン!」

スライムベス(魔)「♪ピ~ピ~ピピピキキピ~♪」

スライムベス(魔)「♪ピーピッピピー♪」ビシッ

スライムベス(魔)(やはり喋れんとしっくりこないな)

ピョンピョン

スライムベス(魔)(さて......いくか......んっ?)

スライムベス(魔)(あれは......スライム。そ、そうか......この肉体はあの時私を襲った......)

スライムベス(魔)(な......なんだこの気持ちは......あのスライム......すごく......かわいい)ドキドキ

スライムベス(魔)(お......お......おおおおおおおおおおお!)

ピョンピョン

スライムベス(魔)「ピゥ!」ガッ

ズルゥ......

スライム「ピキイイイイイイイイイイイ!」

スライムベス(魔)(や......やってしまった......自分で自分を......)

スライムベス(魔)(これが運命の強制力......恐ろしい......我慢できなかった......)

スライムベス(魔)(許せ......前の私......)

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