魔王「これはキラーマシン!?」側近「いいえ、タイムマシンです」 3/7

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【10年後】

勇者「これから魔王討伐に向かうよ。よろしく!」

魔法使い「あたし魔法使い。よろしくね」

僧侶「よ......よろしくおねがいします......勇者様。お会いできて......その......うれしいです」

勇者「あ、それからこいつが俺の親友の戦士」

戦士(魔)「......」

戦士(魔)(あれ?)

魔法使い「よろしくねー」

戦士(魔)「ああ......」

勇者「無愛想なやつだけど、ほんっといいやつだからさ。仲良くしてよ」

戦士(魔)(あれー?あれー?)

魔法使い「えー。親友?二人なんか怪しいー?」

勇者「そんなんじゃないよ。でも......戦士がいなかったら今の俺はなかったと思っている」

勇者「こいつがいたから俺は心が折れずに魔王を倒しにいけるんだ!」

魔法使い「ま、男同士の友情ってやつね。よかったね。僧侶!」

僧侶「え......?え......?そ......そんな......私は......」

魔法使い「そんな奥手だと私が勇者様とっちゃうわよー」

僧侶「あう......」

勇者「?」

戦士(魔)(な、なんで私が過去の自分を討伐に行かなければならないんだぁああああ!)

戦士(魔)(くそー!10年間一度も勝てなかった!!)

戦士(魔)(暗殺に切り替えようにも家に帰ってしまったら無理だったし!)

戦士(魔)(ま、まだだ......この旅なら......宿は一緒になるはず......)

戦士(魔)(そこで寝首をかいてくれる......)

戦士(魔)(もうなりふり構っていられん......時間がない!!)

勇者「どうしたの?戦士。難しい顔しちゃって」

戦士(魔)「なんでもない。くだらない話をしてないで行こう」

魔法使い「ちょっと、何よ。あんたくだらない話って」

僧侶「ちょ......ちょっと魔法使い」

魔法使い「自分がモテないからってひがんじゃってるんじゃない?」

戦士(魔)「ふんっ」

戦士(魔)(人間の雌など知ったことか......)

魔法使い「ちょっと何とかいいなさいよ、硬派きどっちゃってんの?」

勇者「まぁまぁ。そろそろ行こうか」

僧侶「は......はい!」

【宿屋】

魔法使い「あ、あんた結構強いじゃない......」

戦士(魔)「......」

戦士(魔)(今夜が最初のチャンス......勇者......必ず仕留める!)

魔法使い「町でのことまだ怒ってんの?」

戦士(魔)「......」

戦士(魔)(眠っている時なら......隙があるはず......)

魔法使い「あ......その......町ではちょっと言い過ぎたっていうかぁ」

戦士(魔)「......」

戦士(魔)(一撃でしとめないと......反撃されたら厄介だな、仲間も駆けつけてくる)

魔法使い「ちょっ、ちょっと聞いてるの!?」

戦士(魔)「ん?」

魔法使い「もういい!」

勇者「二部屋で部屋を取ったから、俺と戦士、魔法使いと僧侶でね。じゃあ、また明日」

僧侶「は、はい。勇者様......///」

【勇者の部屋】

勇者「くーっ......くーっ......」スヤスヤッ

戦士(魔)(寝たか!?むっ......)

戦士(魔)(こいつ......剣を手の届くところに......)

戦士(魔)(だが、寝ていれば......)

戦士(魔)(いや......試してみるか......)

戦士(魔)(ふっ!!)

ゴゴゴッ

勇者「うう~ん......」スゥ

戦士(魔)(私の殺気に反応して手が剣に......)

戦士(魔)(こいつ......どう見ても寝てるよな......)

戦士(魔)(なんてやつだ......寝てても隙がないとは......)

戦士(魔)(だが......やるしか......ない!!)

ジャキンッ

戦士(魔)(いくぞ......勇者!!)

ギィィ

戦士(魔)「!!!!?」

ビクゥ!!

魔法使い「起きてる?」

戦士(魔)(ビビった!まじビビった!)ダラダラダラッ

魔法使い「ちょっとこっち来て」

戦士(魔)「......」

ギィ......パタンッ

戦士(魔)「な、なんか用か」

魔法使い「くっくっく......あんたでもあんな驚いた顔するのね。ぷぷぷっ」

戦士(魔)「......」

魔法使い「案外かわいいとこあんじゃない」

戦士(魔)「用がないならさっさと寝ろ」

魔法使い「あ、怒った?ごめんごめん。ちょっと相談」

戦士(魔)「なんだ」イライラ

戦士(魔)(こんな時にやめてくれ......)

魔法使い「この子のことなんだけど......ほらっ、こっちおいで」

僧侶「......」トコトコ

戦士(魔)「なんで枕なんて抱きしめてるんだ?」

魔法使い「いやぁ、この子恥ずかしがっちゃって」

戦士(魔)「なにがだ」

僧侶「そ......それは......」カァ......

魔法使い「まぁ、要するにこの子は今夜勇者様と仲良くなりたいわけよ。分かるでしょ」

僧侶「そ、そんなはっきり言わないで......恥ずかしくて死んじゃう......///」

戦士(魔)「それで私に出て行けと?」

戦士(魔)(なんだ、人間同士の交尾か。くだらん)

魔法使い「そそ、そーゆーこと。お願い」パチッ

戦士(魔)(はぁ......どうせこの調子じゃ勇者は殺せないか......)

戦士(魔)「分かった」

戦士(魔)(あの隙のなさ......むぅ......もう面倒だな)

戦士(魔)(こいつら殺して勇者と正面からやってやるか......)

魔法使い「ありがと!!あんた話わかるじゃない!」ギュッ

戦士(魔)「おい、こらくっつくな」

魔法使い「ふふふっ、うれしいくせにー、このむっつり!」

僧侶「じゃ、じゃあ私......」

魔法使い「うんっ、がんばって、僧侶」

僧侶「は......はい......」

ギィ......バタンッ

戦士(魔)「それで私はどうするのだ」

魔法使い「あたしの部屋にくればいいじゃん」

【魔法使いの部屋】

魔法使い「さ、座って座って」

戦士(魔)「ああ」トスッ

魔法使い「あ......あのさ......」

戦士(魔)「なんだ」

魔法使い「さ......さっきは言いそびれちゃったけど、ごめんなさい......」

戦士(魔)「なんのことだ」

魔法使い「いやいやいや、気にしてないならいい!」

戦士(魔)「?」

魔法使い「で、でも戦士ってさ。よく見たらいい男だよ」

戦士(魔)「そうかぁ?」

戦士(魔)(人間の趣味はわからん......)

魔法使い「勇者に話聞いたけどさ......あんたってめっちゃいい奴じゃん」

戦士(魔)「違う」

戦士(魔)(殺そうとしかしてないし、しかも失敗ばっかだ......くそ!)

魔法使い「そんなところもいいなぁって......」スルスルッ

戦士(魔)「何を脱いでいる」

魔法使い「戦士......お願い......」キュッ

戦士(魔)「はぁ......どうしようもないな」

魔法使い「え......?」

戦士(魔)「杖はどうした......」

魔法使い「杖?」

戦士(魔)「今のお前は隙だらけだ!誰かに襲われたらどうする!」

魔法使い「でも戦士はそんなひどいことは......」

戦士(魔)「私が酷いことをしないとなぜ言える?」

魔法使い「戦士......」

戦士(魔)「いつ誰に襲われるかもしれない旅だろう。武器を手の届かないところに置くとはどういうつもりだ」

魔法使い「そ、そんなこと......」

戦士(魔)「私はもちろん携帯している。勇者も寝てても警戒している」

魔法使い「ううぅ......」

戦士(魔)「私は外で寝る......」

魔法使い「ま......待って......」

戦士(魔)「後......そんな簡単に男に肌を晒すな」

魔法使い「えっ......」

バタンッ

魔法使い「へぇ......いまどきいるんだ......ああいうの......」

魔法使い「いいじゃん!」

戦士(魔)(まったく馬鹿馬鹿しい。人間の雌が......)

ブンッ

戦士(魔)(勇者も隙がないし......もっと強くならねばな......)

ブンッ

戦士(魔)(からなず......!かならず隙は見つかるはず......!!)

【魔王城】

勇者「今だ!!俺ごと魔王を貫け!!」

戦士(魔)(隙見つからなかった!!隙見つからなかった!!)

魔王「は......はなせええええ!」ジタバタ

僧侶「勇者様!!そんな!」

魔法使い「で......でも......勇者様の気持ちを考えたら......」

勇者「は......はやくしろ!戦士!!俺ごとその剣で!!」

戦士(魔)「駄目だ!!」

戦士(魔)(なんで自分で自分を殺さなきゃいけないんだ!!出来るわけないだろう!!)

戦士(魔)「だめだ!!絶対に死なせたくない!!」

魔法使い「せ......戦士......」

戦士(魔)「ずっと......ずっと死なせたくないって思ってきたんだ!!」

戦士(魔)「お前は......俺と一心同体だろおおおおお!!」

戦士(魔)(魔王!!助かってくれえええ!!)

僧侶「戦士さんがこんなに饒舌になるなんて......」

勇者「戦士......ありがとう......でも......」

戦士(魔)(とりあえず、ひきはがさないと......)

戦士(魔)「おおおおおおお!!」ドガッ

勇者「うわっ......」

クルッ

魔王「ぐぇ!!」

勇者「い......今だ!!みんな!!」

僧侶「疾風大魔法!!」ザクッ

魔法使い「炎熱極大魔法!!」ゴゴゴゴゥ

勇者「とどめだあああああああ!」

ザグゥ

魔王「おおおおおおおおおおおお!」ガクッ

戦士(魔)「NOOOOOOOOOOOOOOO!」

勇者「さてと、封印もすんだし、帰ろうか」

キュッ

僧侶「あ......勇者様......」

勇者「帰ったら......幸せにする......」

僧侶「は......はい......」

魔法使い「せ......せせせせせ戦士!!」

戦士(魔)「な......なんだ......私はこれから行くところがあるのだが......はぁ......」

魔法使い「何か元気ないわね......」

戦士(魔)「ほうっておいてくれ......」ショボーン

トボトボ

魔法使い「待って!あ......あああああの......魔王を倒したら言おうと思ってたことがあって......」

戦士(魔)「なんだ......はやくしてくれ......」

魔法使い「あ......あたし......あたしは......」

魔法使い「あ......あたしあんたが好き!!」

戦士(魔)「は?」

魔法使い「最初みたいないい加減な気持ちじゃない!!ホントに......ホントに好きだから!」

チュッ

戦士(魔)「!?」

魔法使い「んっー!」

チュッ......チュッ

戦士(魔)「わかった、わかったから」

魔法使い「ほ......ほんと!?」

戦士(魔)「ああ......だからちょっと待っててくれ」

魔法使い「う......うん......!」

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