魔王「これはキラーマシン!?」側近「いいえ、タイムマシンです」 1/7

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魔王「だせー!ここから出せー!」ガタガタッ

トコトコ

側近「その声は......魔王様ですか?」

魔王「おお!お前は......門番か?」

側近「側近です!あーあ、こんな壷に入れられちゃって」

魔王「勇者にやられたのだ!魂だけにされてしまった」

側近「それで生きてられるところがすごいですねー」

魔王「ん?そういえばお前は肉体があるな。なんで生き残っている」

側近「そりゃ悪名高い勇者一行が来たと聞いて一目散に逃げ......い、いや......この時のためにここに隠れてたんです!」

魔王「うそつけ!逃げてたんだろうが!」

側近「まぁまぁ、この場所ごと私も一緒に封印されちゃったんですからお互い様ってことで」

魔王「なに!?この空間自体が封印されておるのか!?」

側近「ええ、あれはやぶれませんねー」

魔王「うぬぬ......どうしたものか」

側近「そこで私はこんなものを作ってみました」ジャーン

魔王「これはキラーマシン!?」

側近「いいえ、タイムマシンです」

魔王「タイムマシンだと?キラーマシンの残骸にしか見えないが」

側近「いっぱい落ちてたので組み合わせてみました」

キラーマシン「ギ......ピ......ピッ......ピー!」

魔王「おお!動くのか?」

側近「いえ、魂が入ってませんので」

魔王「じゃあこれでどうしろというのだ!」

側近「ご存知のようにキラーマシンはこの機械に異次元から魔物の魂を入れて動かす機械です」

魔王「そうだな」

側近「そこで、これは逆に中の魂を別の時間に飛ばす機能に改造しました」

魔王「別の時間に飛ばす?」

側近「ただし、生身の体は無理です。魂だけです」

魔王「ほほぅ」

側近「しかし魂だけで動ける者など魔王様くらいのもの」

魔王「まぁそうだろうな」

側近「そこでこれを使っていただきたい」

魔王「ふむ......」

側近「俗に言うタイムマシンのようなものです」

魔王「しかし、お前が作ったものだろう?」

側近「だいじょぶですって」

魔王「うーむ......どうするか」

側近「ほらほらっ、どうぞ」

魔王「しかし......」

側近「いいから!はよ入れ!」

魔王「お前何気に偉そうだな」

側近「あ......ささっ......お入りください」

魔王「あ、ああ......まぁやってみるか」スゥ

側近「じゃ、スイッチオン!」

魔王「ちょっ!早いって!」

側近「えー」

魔王「まだ行き先も決めてないではないか」

側近「あ、そういえばそうでした。てへっ」ペロッ

魔王「まぁ、封印がやぶれるであろう1000年後くらいにいけばいいか」

側近「え......だ、だめですよ!」

魔王「はぁ?なんでだ」

側近「それじゃ私がここから出られないじゃないですか!」

魔王「逃げた罰だ。そのくらい我慢しろ」

側近「そ、それより勇者達に負けた歴史を変えてしまったほうがいいでしょ」

魔王「あ、それもそうか」

側近「子供の頃の勇者を殺してしまえば、我々の勝利で歴史は終るでしょう」

魔王「とすると10年前くらいか」

側近「では10年前に設定して......と」

キラーマシン「ピピピ......」

側近「それから注意点ですが」

魔王「なんだ」

側近「いくら魔王様が魂だけで動けるからといって限界があります。せいぜい一呼吸の間くらいでしょう」

魔王「まぁそうだな」

側近「普通の魔物では一呼吸も持ちませんから過去に飛ばしても意味がないんです」

側近「ですので、過去に行ったらすぐに誰かに憑依してください」

魔王「ああ、分かった」

側近「誰にでも憑依できるわけではありませんから気をつけてください。余り強すぎる相手は無理です」

魔王「うむ、弱ければ誰でもいいのか?」

側近「いえ、たぶん勇者は無理でしょう。聖なる力が邪魔をすると思います」

魔王「そうすると、勇者に憑依してその肉体を破壊するというのは無理なのだな」

側近「じゃ、いきますよ」

魔王「ああ、任せておけ。未来を変えてやる」

側近「さあいけ!魔王!そして私を助けるのだ!」

魔王「おい、お前呼び捨てにしたな!後で絶対ぶんなぐ......」

ドヒューン

キラーマシン「テンソウ......シュウリョウ......ピピピ」

【10年前】

魔王「るからなああああああ!」

魔王(む......ここは......うっ......壷がない......)

魔王(は、はやく!誰か!誰かいなのか!!?)

ガーゴイル「あれぇ?おかしいなぁ。こっちで物音がしたような気が......」

魔王(いた......!今だ!)

スゥ

ガーゴイル(魔)「ふぅ......間に合った......。そばにこいつがいなかったら危なかったな......」

ガーゴイル(魔)「危ない真似させおって、側近め」

ガーロイル(魔)「とりあえず、ここがいつか確認しないとな」

テクテク

ガーゴイル(魔)「♪Time is on my side~~~~♪」

ガーゴイル(魔)「♪yes it is!!」

ガーゴイル(魔)「ふふっ、乗ってきたぞ。イケる!」

門番「んっ?お前配置ここじゃないだろ?どうしたんだ?」

ガーゴイル(魔)「おお!門番ではないか!元気か!」

門番「はぁ?どうしたんだ?まぁ元気だけどよ」

ガーゴイル(魔)「そうか!元気か......!あんな最後を迎えてしまったお前だが......元気な姿がまた見られてうれしいぞ!」

門番「どうしたんだよ。まじでお前」

ガーゴイル魔「おっと、喜んでいる場合ではなかった。おい、門番。今、魔王歴何年だ?」

門番「420年だけど......大丈夫か?医務室行くか?」

ガーゴイル(魔)(間違いない。10年前だ......っとすると勇者は5歳......。ふふっ、容易いな)

ガーゴイル(魔)「ふははははは!待っていろ!勇者!今から行くぞ!」

バサバサッ

門番「お......おい、どこに飛んでいくんだよ」

ガーゴイル(魔)「はーっはっはっは!待っていろ門番!我らの未来は明るいぞ!!」

【王国】

ガーゴイル(魔)「よし......ここだな。どこだ......?勇者の家は......」

バサバサッ

兵士A「ん?あれは......」

ガーゴイル(魔)「え?」

兵士A「モ......モ......モモモモンスターだああああああああああ!」

兵士B「な、なんだと!?」

兵士C[出あえ、出あえ!町に入れるな!!」

兵士D「これでも食らえ!メラ!」

ボボゥ

ガーゴイル(魔)「ぐぁ!」

兵士E「空だ!弓か魔法で攻撃するんだ!」

シュンシュンッ

ガーゴイル(魔)「いてっ、や、やばいぞ......どんどん増える」

兵士F「応援を呼べー!」

ガーゴイル(魔)「く、くっそー」

バサバサッ

兵士G「逃げたぞ!追えー!」

ガーゴイル(魔)「ふぅ......まいたか」

ガーゴイル(魔)「うかつであった......つい元の体のノリで来てしまった......」

ガーゴイル(魔)「この姿では町に入れないな......どうするか......」

ガーゴイル(魔)(んっ......あれは......)

旅人A「ふぅ......やれやれ、もうすぐ王国か。ちょっと一休みしていくか」

旅人B「そうだな。飯でも食おうぜ」

ガーゴイル(魔)(あいつの姿なら怪しまれずに町にはいれるな......よし!)

スゥ

ガーゴイル「んっ?あれ?ここどこ!?」

フヨフヨ

魔王(お体......いただきます!)

スゥ

旅人A「うっ......」

旅人B「どうした?飯が喉につまったか?」

旅人A(魔)「♪Time is on my side~~~~♪」

旅人A(魔)「♪yes it is!!」ビシッ

旅人B「え?え?な、なんだよ。突然」

旅人A(魔)「ふむ、人間の大人の体か......まぁよいか」

旅人B「ちょ、ちょっと......」

旅人A(魔)「勇者は子供であろうし、十分だろう」

スタスタ

旅人B「おい、休憩するんじゃなかったのかよ」

旅人A(魔)「ふふふっ、はーっはっは。勇者、お前の命もこれまでだ」

ダダダッ

旅人B「おーい!」

旅人A(魔)「いっくぞー!ひゃっはー!」

【王国】

旅人A(魔)(ここが勇者の生まれた町......ふんっ、私の魔王城ほどではないな)

旅人A(魔)(とりあえず勇者の家を聞いてみるか)

旅人A(魔)「おい、そこのお前」

子供A「え?僕?」

旅人A(魔)「そうだ。ちょっとこっちへ来い」

子供A「え?え?なに?」

旅人A(魔)「勇者の家を知っているか?」

子供A「うっ......うん......」

旅人A(魔)「教えろ!」

グイィ

子供A「く......苦しい......そこの教会からちょっと北に行った所だよ。表札が......」

旅人A(魔)「本当だろうな!人間。もし、ウソだったら貴様をやつざきにし......」

子供A「う......う......うわああああああああああああん!」

衛兵「おい!ちょっと君!」

旅人A(魔)「え?」

クルッ

衛兵「子供に何をしている!はなしなさい!」

子供A「うっ......ううっ......くるしいよお」

旅人A(魔)「うるさい!私に指図するでない!」

衛兵「ちょっと署までご同行いただこうか」

ガチャッ

旅人A(魔)「手錠!?え?え?」

衛兵「さあ!来い!」

旅人A(魔)(な、なんだと......ここでは子供に乱暴すると捕まるのか!?)

旅人A(魔)(魔界ではしつけで済まされるのに......なんとしたこと......)

旅人A(魔)(これでは大人に憑依して勇者を襲ったら捕まってしまうではないか!?)

旅人A(魔)(んっ?そうか......では子供ならよいのではないか?)

旅人A(魔)(子供同士なら......ふっふっ、では......)

衛兵「どうした!歩け!」

スゥ

旅人A「いたっ......え?」

衛兵「早くしろ!」

旅人A「な、なんで......俺の飯は......?」

衛兵「臭い飯ならいくらでもくわしてやる。来い!」

魔王(よし......移動するぞ!)

スゥ

子供A「うわああああああああああああん!うわああああああああん!うっ......」

子供A(魔)「♪Time is on my side~~~~♪」

子供A(魔)「♪yes it is!!」ビシッ

子供A(魔)「ふっふ、これでよし!ふむ、この体じゃ少し心もとないな......」

子供A(魔)「ナイフくらい手に入れて来ないとな......。待っていろ。勇者」

【勇者の家】

勇者「いってきまーす!」

勇者母「気をつけて遊んでくるのよ」

勇者「はぁい!」

トコトコ

子供A(魔)(あいつが勇者か......。ただの子供だな)

子供A(魔)(ふふっ......お前には残酷な未来しか待っていないがな)

子供A(魔)(遊びにいくとか言ってたな。んっ公園にいくのか?)

子供A(魔)(これは利用できるな......)

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