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勇者「どうしてこうなった!!」魔王「いやしらんがな」 3/6

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魔王「そうして、勇者の怒れる鉄槌によって」

魔王「大国は滅びたのであった……」

魔王「しかも勇者が今まで撃った事すらなかった呪文で……」

魔王「アンタ、それあったら余裕で世界滅ぼせるで」

魔王「ちょっとウチに嫁にこぉへん?」

勇者「ううう……お兄様……」

魔王「ここら一体は完全に塵になったからな」

魔王「生きてへんのとちゃうん?」

勇者「ハハハ……、ハハハハハ……」

魔王「……記憶消しといたろ」

第二話:大国滅亡編:完 続く

魔王「という訳で第三話や」

魔王「とりあえず、荒野ばかりになった大国にまた森戻して」

魔王「そして前回の反省を生かし、今回はキャラピラ式起動城を製作」

魔王「この間、およそ三日!」

魔王「さすがゴブリンさんの大工力やね!」

コック長「そうですねー魔王様」

コック長「あ、夕飯の準備が出来ましたよ」

勇者「魔王ー魔王ー! 味噌汁は私が作ったんだよー!」

魔王「あ、ほーかー」

ズズズズ……

勇者「どう?」

魔王「まぁ……美味いけど?」

勇者「やったー!」

勇者「えへへへー! 魔王に褒められたー!」

コック長「記憶を消してからすっかりなんというか」

コック長「……デレ期に入ってますねぇ」

コック長「まあ、あれだけの魔力を持つ勇者を」

コック長「完全に手中においた今、もはや世界は魔王様のものですね」

魔王「……違う」

コック長「へ?」

魔王「ワイが求めてたんはこんなんやあらへんのや!」

魔王「ワイが求めてたのは、『世界を滅ぼす』っちゅー」

魔王「壮大なボケに対するツッコミ!」

魔王「いわば、『魔王討伐』というツッコミ!」

魔王「そして『勇者』というツッコミ役やったんや!」

魔王「それがデレ期に入ってからは完全にボケをスルー……」

魔王「それどころか天然ボケを繰り返す始末!!」

魔王「こんなんでは世界を滅ぼしても全然アカンで!」

魔王「全然おもろないわ! そう思うやろ、コック長二代目!」

コック長「え、あーはい、そうですねー」

魔王「なんやその気の入ってない返事は!」

魔王「ツッコむんやったらもっとちゃんとしぃ!」

コック長「無茶を言いなさる……」

コック長「大体、魔王様にツッコミなんて恐れ多くて出来ませんよ」

コック長「それこそ勇者……、彼女みたいな実力者でないと……」

魔王「そやねんなぁ……、ツッコミも実力やねんなぁ……」

魔王「うーん……、なんとかせな……」

魔王「新たなツッコミ役を模索するか……?」

魔王「いや、そうそう良いツッコミ役なんておらへんで……」

勇者「魔王ー魔王ー」

魔王「なんや?」

勇者「今日、一緒に寝よ?」

魔王「ブバッッ!」

魔王「お前、いきなり女子がなにぬかしとんねや!」

魔王「ワイが紳士やなかったら、そのまま合体コースやでホンマ!」

勇者「私はそれでも良いよー」

魔王「グボバッッ!!」

コック長「ああ! 魔王様のHPがドンドン減ってる!」

魔王(くそっ……、貧乳の癖に……!)

魔王(ちゃんと鎧やのーてドレスとか着せたら可愛いなりよるし……)

魔王(ワイ、この手の天然ボケは苦手や……)

魔王「まあ、勇者。ワイは今夜も仕事があるさかい」

魔王「お前一人だけで先寝とれ」

勇者「むー……」

勇者「じゃあ私も魔王と一緒に起きてる!」

魔王「子供はちゃんと寝なさい……」

勇者「私もう大国では成人してるよ!?」

勇者「あれ? 大国ってなんだったっけ……」

魔王「ワイからしたら充分子供や」

魔王「大体三国やとまだ成人しとらへんやろ」

勇者「そんなの関係ないよ!」

勇者「大国的には色々とやっても合法だよ!」

勇者「むー……、さっきから自分で言ってるけど」

勇者「大国ってなんだっけ魔王ー?」

魔王(大国についての思い出は、こいつの記憶から消した……)

魔王(一応、自分が勇者って記憶は残しとるんやけど)

魔王(それやのになんでこんなデレるんやろか……)

魔王「さあ、遠くの国かなにかとちゃうん?」

魔王「ええからもー、さっさと寝なさい。コック長連れてったって」

コック長「了解しました。さあ行きますよ、姫」

勇者「はーい……」

タッタッタッタッタ……

魔王「ふぅ……疲れるわ……」

ゴブリン「ブヒー」

魔王「おうゴブリン、お前やったら分かってくれるか」

ゴブリン「ブヒブヒ」

魔王「何々、自分にもああいう天然な幼馴染が居る……、か」

魔王「恋多き男やねーお前も」

ゴブリン「ブヒ」

魔王「……なあ、どうしたら元のツッコミ役の勇者に戻ると思う?」

魔王「記憶を戻したら戻したで、あいつ自身が崩壊しかねへんし」

ゴブリン「ブヒブヒブ」

魔王「何? あのままのあいつを認めろやと?」

ゴブリン「ブフ」

魔王「人類の嫁さんなんか恥ずかしくてもらえるかいな……」

ゴブリン「ブヒー?

魔王「以前言ったのは、ボケやでボケ。本気やあらへん」

ゴブリン「ブフフフフ!」

魔王「種族間の恋でも関係ないって?」

魔王「そうは言うけど、お前エルフとか全然守備範囲や無いやろ?」

ゴブリン「ブヒ!」

魔王「それとこれとは関係ないって……」

魔王「まあ、ゴブリンとエルフじゃ大違いやけどな?」

魔王「魔族と人間の違いは……、言うたら、ゴブリンとトロールぐらいか」

ゴブリン「ブヒィ!」

魔王「あんな野蛮な種族と一緒にするなって?」

魔王「魔族からしたら、人間はお前らで言うトロールやの」

ゴブリン「ブヒィー」

魔王「まあ、その話は当面置いといてやな」

魔王「問題はツッコミ役が今おらへん言うことや」

魔王「コレは大変な問題やねんで?」

魔王「どれくらい大変かというと」

魔王「ワイがこのままずっとボケへんぐらい大変なんや」

ゴブリン「ブホホ」

魔王「ははは! お前もなかなか言うのぉ」

魔王「このまま、お前がツッコミ役でもええぐらいや」

ゴブリン「ボハー」

魔王「冗談や、さすがにお前とはやっていけへん……」

魔王「お前とワイでは笑いの方向性が違いすぎる……」

魔王「まあ、馬鹿話もコレぐらいにしてもう寝るか」

魔王「勇者ももう寝たころやろうしな」

魔王「しかしワイのベッドを占領するのは止めてほしいわ……」

ドゴォオオオオオン!!

魔王「なんや今の音は!?」

骸骨コック1(以下コック1)「大変です魔王様! 侵入者です!」

骸骨コック2(以下コック2)「闇の力を見よ……、とか恥ずかしい事を言ってきます!」

骸骨コック3(以下コック3)「我々では対処できません!」

魔王「闇の力やと……!」

魔王「そんなワイでもつかわへん厨二心溢れた力を」

魔王「何の恥ずかしげも無く使えるのは奴しかおらん……」

魔王「元ワイの部下であり四天王の一人!」

魔王「黒騎士! またの名を勇者弟!」

魔王「いきとったんかアイツ!!」

ドゴォオオオオオオオン!!

黒騎士「闇の力を知れ……!」

魔王「恥ずかしい台詞を吐きながら出てきおった!」

黒騎士「ねえさぁあああああああん!!」

黒騎士「魔王に捕らえられたと聞いたから迎えに来たよぉおおお!!」

黒騎士「大丈夫! 僕はもう正気に戻った!」

黒騎士「怖がらないで出てきてくれ!」

魔王「さすが勇者との合計戦闘数十回以上……」

魔王「あまりのしつこさからプレイヤーからは」

魔王「『ブラックストーカー野郎』などと呼ばれ……」

魔王「その正体がバレると『ヤンデレシスコン野郎』などの愛称をつけられる男……」

魔王「元部下ながら恐ろしいものがあるで……」

黒騎士「あぁああ!!見つけた! その糸目で黒マントの美青年姿!」

黒騎士「魔王だな! いや魔王に決まってる! そうだろう!」

魔王「人違いですよー?」

黒騎士「お前のせいだぁああああああ!!」

魔王「それ姉弟、同一の口癖かい?」

魔王「義妹と兄のほうはいっとらへんかったけど」

黒騎士「やはり兄さんと義妹ごと大国を葬り去ったのはお前か……」

黒騎士「くそぅ! お前が居るから!!」

黒騎士「僕は義妹に谷底に突き落とされ!」

黒騎士「川を流れているところを四天王の一人、白鬼に回収され!」

黒騎士「洗脳されて、四天王の一人となり!」

黒騎士「序盤から姉さんのパーティーに事あるごとに」

黒騎士「襲い掛かる強キャラとして君臨し!」

黒騎士「そして終盤では、姉さんの雷呪文で洗脳が一時的に解け!」

黒騎士「姉さんに攻撃したくないという思いで、滝へと自ら落ち!」

黒騎士「また川を流れているところを、姉さんのパーティーの一人」

黒騎士「魔術師さんに助けられて、完全に洗脳をとかれ」

黒騎士「彼から姉さんが、今魔王に囚われていることを知り!」

黒騎士「やっとの思いでここまで来ました!」

魔王「ええ話やな」

黒騎士「ありがとう!」

魔王「でもそれやったら序盤に言う台詞は、『お前のおかげ』やないん?」

黒騎士「今、なお姉さんといちゃつけないのは……」

黒騎士「お前のせいだぁあああああああああ!!」

魔王「いやしらんがな」

黒騎士「ねえさん、ねえさん、ねえさぁあああああん!!」

黒騎士「魔王! お前、僕の姉さんに手を出してないだろうな!」

魔王「あほぬかすな、あんな貧乳、なんで手を出さなあかんねん」

黒騎士「むしろあの慎ましい貧乳が萌えるんだろうがぁあああああ!!」

魔王「何この子、怖い」

黒騎士「さて魔王……、お前を倒し、僕は姉さんと添い遂げる……」

魔王「ワイを倒してもその願いは叶わへん」

黒騎士「愛さえあれば、問題ない」

魔王「何がお前をそこまで駆り立てるん……」

コック1「魔王様!」

コック2「この程度のシスコン!」

コック3「あなたの手を煩わせるまでもありません!」

魔王「あかん、お前ら、それ死亡フラグ!」

コック1「くくく、我らのコンビネーション……」

コック2「貴様に捉えることが出来るかな……」

コック3「たっぷりと料理してやろう……」

黒騎士「見せてやるよ……、闇の力を……!」

黒騎士「第二暗黒呪文……」

黒騎士「貴様らごときにはこの程度で充分だ……」

コック1「ふ、腕に闇の力を纏う技か……」

コック2「だが、その程度で我らを倒せるかな?」

コック3「さあ行くぞ!!」

シャアアアア!! ガギィイイン、ガギィイイン、ガギィイイイン!!

コック1「なん……、だと……」

コック2「我らの斬撃を……」

コック3「全て防いだだと!?」

黒騎士「ふん、その程度か?」

黒騎士「まだ僕は呪文を発動してすらいないんだぜ?」

コック123「「「なにぃ!?」」」

黒騎士「そしてこれがぁ! 第二暗黒呪文だぁああああ!!」

ドゴォオオオオオオン!!

コック1「くっ……、やはり我らはやられ役か」

コック2「あとはお任せします、魔王様……」

コック3「俺達……、あんたと勇者のコンビのファンでした……」

バタッ、バタバタッ

魔王「骸骨コックどもぉおおおおお!!」

魔王「しかし闇の力を纏った斬撃を放ったやと……?」

魔王「ワイの部下やった時はそんな技……」

魔王「まあ、あったな。しかもけっこう使ってたな」

黒騎士「さて、残りは魔王、貴様だけだ」

黒騎士「行くぞ魔王ぉおおおおお!!」

黒騎士「お前を倒し、僕は姉さんと添い遂げるぅうううう!!」

魔王「わー―――!! 待て! 話し合おう! 話せば分かるて!」

黒騎士「話し合う……?」

魔王「そうや! お互い言葉が通じるもん同士話せば分かる!」

魔王「ワイの仲間に戻れ! そうしたら……」

魔王「世界の半分をやろう!」

魔王「なんやったら、姉さんも添い遂げさせたるわ!」

黒騎士「ふ、それはいい提案だ……、特に後半が……」

魔王「やろ?」

黒騎士「だが断る」

魔王「何で!?」

黒騎士「世界などには興味はない」

黒騎士「姉さんとは僕が自力で添い遂げる」

魔王「ほなやったら、姉さん返すから見逃してーや!」

黒騎士「悪いが、姉さんと同じ空気を吸ったものを……」

黒騎士「生かしておくことは出来ん」

魔王「何そのお前の低いライン!!」

魔王「低い大体の奴は踏み抜いていくわ!」

魔王「大体それやと、添い遂げたとしても日常生活がでけへんやろ!!」

黒騎士「問題ない、姉さんとは誰もいない無人島で暮らす……」

魔王「このヤンデレシスコン野郎!」

タタタタタ……

勇者「んー、魔王どうしたのー……?」

コック長「どうなさいました魔王様!」

黒騎士「ねえ……、さん? ねえさぁあああああん!!」

勇者「うわあああああああ!!」

黒騎士「ねえさぁああああああああん!!」

勇者「いやああああああああ!!」

黒騎士「ねえさああああああん!!」

勇者「私のトラウマあああああああ!!」

魔王「どうしてこうなった」

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