―――エピローグ
魔法使い「勇者……大丈夫?」
勇者「しっ……大きい声だすな。今は耐えなきゃいけない時だからな」
賢者「魔力草……ちょっとだけですけど手に入りました。食べてください」
勇者「助かる……今は発禁だからな……これ」モグモグ
魔法使い「この世界を正しい姿に戻すの。勇者、お願いね」
勇者「任せておけ」
ガラッ
勇者「きたっ!やつだ……やつを倒さないことには始まらない」
魔法使い「気をつけて!やつは凶暴よ」
賢者「恐怖に負けてはだめです……勇気を持って!」
勇者「はああああああああああ!神装!」
勇者「説明しよう!神に選ばれし勇者はその魔力を開放することにより、神に等しい力をその身に装着し、詠唱なしでその神威を使用できるのだ!」
勇者「おおおおおおおおおおおおおおお!エターナルフォースブリザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアド!」
看護婦「あー、もう。こんなところにいたんですか。勇者さん」
勇者「何!?こいつ……俺の神装が通用しないだと!?」
看護婦「はいはい、わかりましたから病室戻りましょうねー」グイッ
勇者「は、離せ!俺は神に選ばれた勇者だぞ!」
魔法使い「勇者を離して!ファイアーボール!」
賢者「地裂陣発動!」
看護婦「あなたたちまでこんなところに。もうっ!病院ぬけだしちゃだめだぞぉ」コンコンッ
魔法使い「あいたっ」
賢者「あうっ」
看護婦「じゃあ、みんな病室にもどりましょうねぇ」
パタパタパタ
―――魔王城
魔王「なんとか世界も落ち着いたようだな」
僧侶「まだ魔力草の幻惑から抜け出せない人もいるみたいですけど……」
魔王「それは時間が解決してくれるだろう。むっ?誰だ」
預言者「ふぉっふぉっふぉ!気づきおったか」
魔王「何者だ?」
預言者「その者、青き混沌を晴らすため……狼を駆り……聖なる力を得るだろう」
預言者「聖なる力と声が響き渡り、その後世界は混沌から救われるであろう」
預言者「見事じゃ……英雄よ」
魔王「貴様、魔力草に幻惑されておるのか?病院いくか?」
預言者「ふぉっふぉっふぉ!」
サファ……
僧侶「魔王様?どうしたんですか?」
魔王「ん?何の話だった?ああ、世界から魔法がなくなったという話だったな」
僧侶「はい……」
魔王「狂った世界の中では正常な人間が狂人扱いされる……それが正常と誰も証明できない」
僧侶「そんな中で魔王様は自分を信じきってました……私は自分を疑っていきてたのに……」
魔王「そんなことはないぞ」
僧侶「え?」
魔王「私も自分のほうが間違っていると思わないことがないわけではなかった。そう信じたかっただけかもしれん、いや、このまま生きていれば疑ってしまったかもしれない」
魔王「僧侶、お前に出会わなければな」
僧侶「……」
僧侶「魔王様……魔法はやっぱりあります」
魔王「なんだと?」
僧侶「魔力草の呪いから世界を救う魔法です。魔王様がみんなを……私の呪縛を解いてくださったんです」
僧侶「これを魔法と言わないでなんていうんですか」
魔王「まぁ、ものはいいようだな。それでも私は魔法などないと言おう」
僧侶「そうですね……世界の魔法は解けました……」
僧侶「でも……ひとつだけ魔法がとけないんです」
魔王「何?」
僧侶「魔王様がかけたんですよ、私に」
魔王「なんだ?なんのことだ?」
僧侶「魔王様からかけられた恋の魔法がとけないんです///」チュッ
魔王「!?」
僧侶「ほらっ……やっぱりとけない///」
おしまい
転載元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1359120197/