少年「勇者に選ばれたんだ」幼馴染「どゆことー!?」 2/6

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―――王城

王「来たか」

少年「はい」

幼馴染「はっ!」

王「お前たちには期待している……精進するようにな」

少年「はい」

幼馴染「はい!がんばります!!」

王「では、二人を寮に」

側近「はい。――こちらです」

少年「……」

幼馴染「どんな部屋か楽しみだね」

少年「そうか?」

―――寮

寮長(18歳♀)「こんにちはー」

幼馴染「こんにちはー」

少年「おはようございます」

寮長「あ、そっか。まだおはようございますの時間ね。じゃあ、おはようございます」

幼馴染「おはようございます」

寮長「はい。元気が一番ですね」

幼馴染「えへへー」

少年「……」

側近「では、あとは任せてよろしいか?」

寮長「はーい。私にドーン!と任せてください!」

側近「では、頼みました」

寮長「さ、部屋の案内をしますね」

幼馴染「(寮長さん、綺麗な人だね)」

少年「(あ、ああ)」

寮長「部屋は相部屋がいいですか?」

幼馴染「え?!!?」

少年「そ、それは嫌です!!」

幼馴染「なんでよー!!」

少年「色々困るだろうが!!」

幼馴染「例えば?」

少年「着替えとか……」

幼馴染「あ、それもそっか」

少年「バカだろ、お前」

寮長「じゃあ、相部屋でいいの?」

少年「違いますよ!!」

寮長「冗談ですって」

少年「はぁ……」

寮長「じゃあ、貴方はこの部屋、貴女はその隣でいいですか?」

幼馴染「はーい。かまいませーん」

寮長「―――はい、ここでの決まりは以上です。なにか質問はあるかしら?」

幼馴染「他の部屋に遊びに行ってもいいんですか?」

寮長「まあ、いいけど。女の子が男の子の部屋に行くのは感心しないわ」

幼馴染「どうして?」

寮長「だって……ほら……もう、いわせないで」

少年「この人、大丈夫か……?」

寮長「これから大変だろうけどがんばってね!」

幼馴染「お世話になります」

寮長「お世話します」

少年「じゃあ、そろそろ」

寮長「はい。明日からがんばってね」

幼馴染「はい」

寮長「うふふふ」

少年「変な人……」

幼馴染「そうかな?」

―――翌朝

寮長「―――みなさぁぁぁぁん!!!朝ごはんできましたよぉぉぉぉぉ!!!!!」

兵士「おはよぉございまーす」

寮長「はい。おはようございます」

少年「―――びっくりした」

幼馴染「寮長さん、おはようございます」

寮長「おはよー」

少年「今のはなんですか?」

寮長「え?みなさんに朝食のお知らせをしただけですが?」

幼馴染「いい目覚ましでした」

寮長「もう、褒めたってなにもでないぞ♪」

幼馴染「それに美人だし。寮長さんってパーフェクトですね」

寮長「もう!―――お味噌汁大盛りにしてあげる!」

幼馴染「わーい!……お味噌汁か……」

―――食堂

寮長「はい」

幼馴染「お味噌汁が丼に入ってる……」

寮長「いっぱい食べてね?」

幼馴染「はい……」

少年「自業自得だな」

幼馴染「うるさいなぁ」

寮長「はーい。みなさん、手を合わせてください。いただきます」

「「いただきまーす」」

少年「……あ、おいしい」

幼馴染「ズズズズ……減らない……」

少年「なんかすごい光景だな」

幼馴染「そう思うなら手伝ってよ!」

少年「やだよ」

寮長「うふふ。仲がいいんだ、あの二人」

「あれが、例の?」

「ああ、勇者様だな」

「まだガキじゃねーか」

「つーか、仲間は見つかったんだろうな……」

「俺、魔王退治になんていきたくないぜ」

「だよな」

少年「……」

幼馴染「ほ、ほら、気にしない気にしない」

少年「でも……」

「あででででで!!!!!!」

少年「え?」

寮長「こら!食事中は黙ってたべる!!」

「す、すいません!!み、耳をひっぱらないで!!」

寮長「よろしい」

幼馴染「すご……兵士さんが……寮長さん、強いんだ……強いのかな?」

―――訓練場

兵士長「では、剣術の訓練からだ!!素振り100本、始め!!」

「えい!えい!!」

少年「えい!えい!!」

幼馴染「はっ!はっ!」

兵士長「おい」

幼馴染「え?」

兵士長「もっと腕を上げろ」

幼馴染「あ、す、すいません……ふっ!」

兵士長「駄目だ。もっと」

幼馴染「は、はい……!」

兵士長「女、子どもだからと甘くはせんぞ?」

幼馴染「は、はい……上等であります……ふっ!」

兵士長「……」

兵士長「実践訓練だ。二人前へ」

兵士「……」

少年「……」

兵士長「始め!!」

兵士「でぁぁぁぁぁぁ!!!!」

少年「はぁぁぁぁ!!!!」

兵士「―――あがぁ?!」

少年「……ありがとうございました」

兵士長(ほぉ……見事な剣捌き……勇者として選抜されるだけのことはあるか)

幼馴染「おねがいしゃっす!!」

兵士「いくぞ!!」

幼馴染「おりゃぁぁぁ!!!―――あわわわわ!!!!」

兵士「……おい、勝手に転ぶな」

幼馴染「す、すいません……」

兵士長(こちらは剣に振り回されている……駄目だな)

兵士長「それまで!!では、休憩後は魔術訓練に入る!!」

「「はい!!」」

少年「大丈夫か?」

幼馴染「な、なんとか……」

兵士長「おい」

少年「あ、はい」

兵士長「お前、見所があるな。これからもがんばってくれ」

少年「は、はい!」

兵士長「ではな」

幼馴染「すごいね。兵士長さんに褒められたよ!!」

少年「いや、多分初めてにしてはってだけだと思う……」

幼馴染「それでもすごいって!」

少年「そ、そうか……?」

「……ちっ」

「良い気になりやがって。訓練と実戦は違うっつーの」

魔術師「では、魔術訓練を始めます。今日は火の呪文です」

幼馴染「はーい!!はい!はい!!」

魔術師「なんですか?」

幼馴染「私、それできまーす!!」

魔術師「え?」

幼馴染「いきますよー!てぃ!!」

「「おぉー!!」」

少年「……」

幼馴染「どうですか?」

魔術師「わんだほー!!どこで習ったんですか?」

幼馴染「兄が元魔術師でそれで色々……えへへ」

魔術師「すんばらしい!!才能ありますよ、あなた!!」

幼馴染「いやぁ……それほどでも……」

少年「つっても簡単なやつだけだよな」

幼馴染「うるさいなぁ」

「他には何かできるの?」

幼馴染「火と氷と雷と……」

「すっげー」

「俺にも教えてください!!!」

幼馴染「あ、えと……」

魔術師(あの魔術センスは中々……)

少年「は!!」

少年「やぁ!!」

「クスクス……」

「あいつ、小さな火も出せないでやんの」

「あれで勇者かよ……笑わせんな」

少年「……」

魔術師(こちらはダメですね)

―――夕方

兵士長「では、本日の訓練はこれで終わりだ!!」

「「ありがとうございました!!」」

少年「はぁ……はぁ……」

幼馴染「やばい……これは……死ぬ……」

兵士長「お前達」

少年「あ、はい」

幼馴染「なんですか?」

兵士長「お前は剣術の、お前は魔術の才能があるようだな」

少年「い、いえ……」

幼馴染「そ、そんなことは……」

兵士長「お前たちには期待している。頑張って欲しい」

少年「……はい」

幼馴染「ありがとうございます!」

兵士長(実に惜しい人材だ……このまま兵士と術師として育てれば間違いなく大成しただろうに)

―――寮

寮長「あ、おかえりなさーい!」

幼馴染「おむ!?―――寮長さん!そんな抱きつかないで……」

寮長「おかえりー!!」

少年「わぷ!??」

幼馴染「きゃぁぁ!!!」

少年「な、なにするんですか!?!」

寮長「おかえりのハグだけど?」

少年「そ、そんなことしないでください!!」

寮長「そう?胸とか気持ちよくなかった?大きさだけでには自信あるんだけど」

幼馴染「……はぁ」

少年「なに溜息ついてんだよ」

幼馴染「だってぇ」

寮長「さ、夕飯の準備はできてますよ。食堂にレッツゴー!」

幼馴染(こ、これからだもん!!)

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