兵士長「はい・・・。」
兵士長「どうぞ、姫・・・。」
姫「わーい!っておもっ!こんなの持てないわ!」
兵士長「だから言ったのですが・・・。」
姫「こんなものもういらないわ。」
兵士長「はぁ、では売ってしまいましょう。」
姫「なにケチくさい事いってるの。あたしそんなもの売った小銭なんていらないわ。捨ててしまいなさい。」
兵士長「し、しかし、国民から預かったお金を・・・。」
王様「いうとおりにせんか!ばかもん。」
兵士長「は、はい・・・。」ポイッ
姫「もう休みましょー。」
王様「じゃな、兵士長飯と風呂を用意させておくのじゃぞ。」
兵士長「は、はい。」
勇者「お、今日はもう休むみたいだぞ。」
女魔法使い「でも、金銭感覚めちゃくちゃね。道理で私たちの旅立ちの時50ゴールドしかくれないわけね。」
賢者「では、中にいきましょうか。」
勇者「ちょっと、待て。捨てられた破壊の鉄球もったいないだろ。道具屋に売っていこう。」
ルビス「勇者、意外とセコイんですね。」
賢者「実はそうなんです。」
勇者「うるさい。お金はなんだかんだで旅に必要なの。大事なの!武器の神様に怒られるよ!」
ルビス「女神の私にいいますか。」
勇者「おっちゃん、これ買ってくれ。その金でこれとこれと、これくれ。」
道具屋「ほい、じゃ、商品とお釣りね。」
勇者「おっし、結構なお金になったな。ん?ちょっとお釣り多いぞ。儲け♪」
ルビス「せこい・・・。」
王様「ふむ、まぁまぁの家じゃな。」
大臣「ですね。王宮ほどではないですが。」
勇者(お、飯うまそうじゃん。ぱくっ。)
戦士(あ、ずるいぞ、勇者、俺にもくわせろ。)
勇者(ばか、そんな食べたらばれるだろうが!)
女魔法使い(二人ともやめなさい)
賢者(見えないからって好き放題ね・・・。)
姫「あたし、お風呂はいってくるわー。」
姫「ふふふーん、ふーん♪」チャプチャプ
勇者(ほほぅ、これが姫のブラジャーか・・・。で・・・でかい・・・。)
女魔法使い(勇者!!メラゾーマ!)
勇者(ぎゃー!!)
姫「あら、焦げ臭い匂いが・・・。これだから庶民の家は・・・。」
女魔法使い(まったく勇者は!まったく!)
賢者(あら、また勇者がいないわ・・・。)
勇者(姫のあのブラジャーの中身だけは男として拝まないとな。ここの隙間から見えるかな。よっと。)
戦士(おい、勇者、なにやってんだ?何か見えるのか?)
勇者(こら、戦士、押すな。げっ。)
戦士(うわ、勇者、こんなの見てたのかよ・・・。)
兵士長「ん?なにやら物音が・・・。気のせいか。」チャプチャプ
一週間後
兵士長「王様、もう軍資金がほとんどありません。」
王様「では、王国からまた送らせればよかろう。」
大臣「そうじゃ、まだ城を出て一週間ほどしかたっておらぬぞ。」
姫「こんなに貧乏がまんしてるのにー。まだ節約しろっていうのー?」
兵士長「王国からの使者によれば、これ以上の資金は難しいとのこと。」
王様「なにをいっていおる!わしは王様じゃぞ!」
姫「そうよ、そうよ。」
兵士長「国自体も維持していかねばなりません。今までのように湯水のごとくお金を使っていては帰る場所がなくなります。」
王様「そんなことはわしが許さぬ!」
兵士長「王国の議会満場一致での決定です。」
姫「なにそれ、ひっどーい。」
兵士長「ですので、これからは普通の宿にしていただきます。これまでのように家一軒買うようなことはしてられません。」
王様「なにをいう。あんな汚いところに泊まれるか!」
姫「おっきい綺麗なお風呂がなくちゃいやー。」
大臣「兵士長、なんとかしろ。」
兵士長「御自重ください・・・。」
王様「まったく、ひどい宿じゃったわい。」
姫「あたし、寝た気がしなーい。」
大臣「まったくですな。」
兵士長「昨日、情報収集してきたところ、魔王の使いなるものが、この先の塔にいるとのことです。」
王様「ではさっさとそこに行くのじゃ。」
姫「ぱぱーっと倒して城に帰りましょ。なんかもう面倒になってきたわ。」
兵士長「その前に、もう少し修行したほうがいいかと・・・。」
王様「ばかもの!勇者のわしの前に敵などおるわけがなかろう!」
姫「さすがお父様ですわ。」
大臣「さっそく、倒しにいきましょう。」
塔の最上階
勇者「さて、じゃあまた俺が魔王の使いをやるな。」
戦士「まて、俺にもやらせろ。」
勇者「は?」
戦士「俺もそれやってみたいんだ、いいだろ。ちょっと貸せ。変化の杖!」ドロン
勇者「ちょっと待て戦士。」
戦士「どうだ?殺人鬼だぞー!」
女魔法使い「裸マスク・・・。見た目あんま変わってないような。」
賢者「ほんとね。」
勇者「あいつで大丈夫か?」
兵士長「ここが最上階のようです。お気をつけください。」
王様「まかせよ、まかせよ。どこからでも来るがよい。」
姫「魔王の使い!さっさと出てらっしゃいー!」
大臣「お二人とも頼もしい。」
戦士「がおー!殺人鬼だぞー!」
姫「きゃーーーー!」
王様「あわわわわ。」
大臣「ひ、ひぃぃ。」
大臣はおどろきとまどっている。
姫はプルプルしている。
王様はブヨブヨしている。
戦士「がはは。びっくりしてる。びっくりしてる。」
兵士長「お下がりください!!魔物よ!私が相手だ!」ギィーン
戦士「お、なかなかやるな。どりゃっ!」ブン
兵士長「うっ、はやい。ではこれはどうだ!火炎斬り!」ゴー
戦士「うわっちちぃ!」
兵士長「避けたか。次はドラゴンさえ引き裂くこれを食らうがいい!ドラゴン斬り!」グォン
戦士「ぐあっ、いってー。手がしびれる。」ギィーン
兵士長「まだ追いついてくるか!これの速さはどうだ!はやぶさ斬り!!」
戦士「前からか。」ギィーン
兵士長「それだけだと思うか!」
戦士「はっ、後ろからも。ぐはぁ。」ボタボタ・・・
兵士長「まだまだ行くぞ!」
戦士「いつーっ。がははは。お前すっげーつええな。俺わっくわくしてきたぞ。じゃあ、俺も本気で行くぞ!ぐぬぬぬ・・・。魔人斬り!!」
兵士長「なに!くっ、剣が!!」バキーン
戦士「とどめだ!」ブン
兵士長「がっ、この折れた剣では・・・。」ギィーン ギリギリ
戦士「がはは、まだ防ぐか!やるやるー!」
兵士長「こ、こうなっては・・・。私の闘気よ!生命力よ!!今!この剣に!」
戦士「こ・・・これは・・・。」
兵士長「グランドクロス!!」
戦士「ぐっはー。」ブシュー
兵士長「や・・・やったか・・・。はぁはぁ。」
戦士「うぐぐ・・・。闘気を剣にこめたのか。俺の剣まで使うとは!やるな!がはは。」ボタボタ
兵士長「く、もう剣も砕けてしまったか・・・。だが、負けるわけにはいかん!」
戦士「おお!こいこい!さあ!」
兵士長「いくぞ!」
賢者「あの兵士長・・・。強いですね。ちょっと目障りになりそうね・・・。」ボソボソ
勇者「賢者。何か言ったか?」
賢者「いいえ、ちょっと加勢してきます。変化の杖!」ドロン
賢者「させませんよ。バギ!」
兵士長「く・・・風が・・・バランスが・・・。」トトト
兵士長「く、新手か。」
賢者「私は、魔王様第1の僕。大魔道。ここがお前たちの墓場です。くらえ!」ボボゥ!
兵士長「なんという火炎・・・メラゾーマか!」
賢者「ふふふ、これはメラゾーマではない、ただのメラですよ。」
兵士長「な、なんだと・・!」
賢者「はぁ!」ゴゴゥ!
兵士長「な!王様に攻撃を!」
王様「ひ・・・・ひいいいいいいいい!!」
兵士長「させるか!」ダッ
王様「ぎゃー!・・・ん?熱くない?」
兵士長「ぐ・・・うう・・・。」
賢者「やはりかばいましたね。あなたは強い人ですが、少々甘いようですね。次は本気でいきますよ。そうですね、姫にでも。」
戦士「おい、俺たちの勝負邪魔すんじゃねーよ。」
賢者「すべては魔王様のために。」
兵士長「く、させるか・・・・させるものか!」ゴゴゴ
戦士「な、まだ闘気が衰えない・・・?」
兵士長「負けるわけにはいかん。この世界を守るためにも!決して!」
賢者「やっぱり目障りですね。」ボソボソ
賢者「気持ちだけでは勝てませんよ。ラリホー!」
兵士長「う・・・眠気が・・・。」
賢者「おやすみなさい。永遠に。」
兵士長「く・・・。」ドスッ!ブシュー
賢者「な、何を・・・。」
兵士長「ね、眠るわけにはいかない!私の後ろには人が、家族が!国が控えているんだ!」
賢者「剣の破片を太ももに・・・!痛みで眠気を耐えた!?」
兵士長「いくぞ!大魔道とやら!爆裂拳!」ドドドド
賢者「く・・・は。」バタリ
戦士「す・・・すげー!剣術だけじゃなく拳闘も出来るのか!こおりゃ!すっげー!」
兵士長「ぜぃぜぃ・・・。つ、次はおまえだ。」ボタボタ
戦士「おおよ!こいこい!俺も全力でいっくぞー!」
兵士長「はぁはぁ・・・。」
勇者「やばいぞ。戦士が本気でやる気だ!女魔法使い!」
女魔法使い「ええ!ラリホー!」
勇者「じゃ、俺がいってくる。変化の杖!」ドロン
戦士「ぐー。」バタリッ
兵士長「はぁ・・・はぁ・・・。た、倒した?」
勇者「キーキー、親分がやられちまった。キーキー。」
兵士長「新手!?」
勇者「キー、戦う気はないよ。キーキー。」
兵士長「はぁはぁ・・・。ならば答えてもらおうか、魔王城への道のりを。」
勇者「わ、わかったから助けてくれ、キーキー。」
兵士長「ふむ、ここに魔王が・・・。」
王様「魔物が命乞いなどと甘いわ!」ゲシゲシ
姫「この下種が!死になさい!」ガッガッ
大臣「脅かしやがって!この!」グリグリ
勇者「ひー、助けてー。」
王様「あ、逃げおったぞ。」
姫「もう、倒したさっきの魔物も持っていったわ。」
大臣「兵士長!」
兵士長「うくっ・・・魔王の居場所がわかったのです。もういいではありませんか。ぜぃぜぃ。」ボタボタ
勇者「ベホマ!っと。戦士。お前ちょっとやりすぎだぞ。」
戦士「悪い悪い。いや、ほんっと兵士長強くてさ。うずうずしちまってさ。」
勇者「賢者もだぞ。まったく。」
賢者「申し訳ありません。私も戦士と同じく凌ぎを削ってみたく出て行ってしまいました。軽率でした。」
女魔法使い「でも、あの兵士長。二人を相手にあそこまでやるなんて思わなかったわ。」
魔王「それもうちろの連中をかばいながら。敵ながら天晴れだ。」
ルビス「彼を勇者ってことにしたほうがよかったんじゃないかしら。」
破壊神「どうぞくをおもうあのこころいき。われは、かんどうした。」
帰路
王様「魔王ももうすぐそこじゃ。これは帰って祝いをせねばな。」
姫「パーティーね。楽しみー。」
大臣「ですなー。」
兵士長「そんなお金はないかと・・・。ん?」