勇者「魔王を復活させよう」女魔法使い「本気?」 5/6

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子供「た・・・助けて!お父さんが怪我をしてるの。」

王様「ほほう、ちと見に行ってみるか。」

男「うう・・・。」

兵士長「大丈夫ですか?今手当てを。」

男「ありがとうございます。それより、荷物は無事でしょうか?」

兵士長「荷物?」

男「隣の国に荷物を運ぶ途中で馬車が倒れまして・・・。」

姫「ねぇ、お父様、すごい宝石よ!。」

王様「ほほう、これはすごい。お前に似合いそうだ。」

姫「これで、パーティーが出来るわね。」

大臣「男よ、この荷物はわしらが接収する。いいな?」

男「は、今なんと・・・?」

大臣「わしらは国の王族であると同時に勇者一行だ。お前ら庶民を守るために魔王討伐に向かっておるが、資金不足でな。」

男「し・・・しかし、それでは私たちが生きていけません・・・。」

姫「庶民なんてどうとでも生きていけるでしょう。」

子供「お父さん、おなかすいた・・・。」

男「せ・・・せめて、この子の食べていく分だけも・・・。」

姫「庶民は何でも食べるんでしょー。パンがなければドロでもすすってればいいじゃない。」

男「う・・・。に・荷物は渡せません!」

王様「なんじゃと!わしらに逆らうというのか!」

大臣「なんとおろかな。兵士長。こんなものども殺してしまえ!」

兵士長「し・・・しかし・・・。」

姫「助けてやったのに、こんなことされちゃしかたないわねー。」

大臣「いいからやれ!」

兵士長「わ・・・わたしは・・・。」

女魔法使い「もう我慢できないわ!変化の杖!」ドロン

女魔法使い「やめなさい!!」

王様「うわー。モンスターだ!」

女魔法使い「あんたたち恥ずかしくないの!!同じ人間同士で!それも子供の前で父親を殺そうとするなんて!」

大臣「なんだ、このモンスターは。兵士長、こいつも一緒にやってしまえ。」

女魔法使い「そこの親子、わたしの後ろに隠れなさい。」

子供「う・・・うん。」

男「は・・・はい。」

兵士長「私には、無辜の民を殺すことなどは・・・。」

姫「もういいわ!剣を貸しなさい!こいつ!」ブンッ

子供「うわーん!」

女魔法使い「しまった!。姫が・・・。」

姫「こ、こんな庶民!」フラフラ・・・ザシュ!

勇者「やめろ!!うっ!」ボタボタ・・・

王様「また新しいモンスターが!兵士長!なにをやっておる!」

女魔法使い「あ・・・あんたたちって・・・なんで庶民庶民って同じ目線で見られないの!こ・・・こんな子供にまで・・・う・・・ひ・・・ひどい・・・。」バシッ

姫「ぶ・・・ぶった、お父様からもぶたれたことないに!い・・いたい。痛いわ・・・うわーん!」

勇者「いくぞ、俺は男を持つから、お前は子供を持て!」

女魔法使い「う・・・うん。」ババッ

王様「逃げるぞ、兵士長!」

大臣「兵士長なにをしておるか!追わんか!」

兵士長「わ・・・私は・・・私は・・・。」

勇者「ふぅ、ここまでくれば大丈夫だろう。」ドロン

女魔法使い「ゆ・・・勇者大丈夫?傷が・・・。」ドロン

子供「あ、人間になった。」

男「に・・・人間だったんですか。あれ?どこかで見たような。」

子供「あー、変態勇者だ!変態勇者ー!」

勇者「え。」

男「勇者?指名手配の変態?」

女魔法使い「あー、それは濡れ衣だから・・・。」

子供「変態勇者ありがとー!」バッ

勇者「おいおい、変態は余計だ。」

男「どうもありがとうございました。なんとお礼をいったら良いか。」

女魔法使い「いえ、結局荷物は取られちゃったし、何もできなくて・・・。」

男「命が助かっただけで結構です。ほんとにありがとうございました。」

勇者「おい、子供。ほれ、これ食え。」

子供「わーい。パンだー!変態勇者すげー!」

勇者「だから変態は・・・。」

女魔法使い「勇者・・・。」

勇者「あと、ベホマ!っと。」

男「おお、傷が治った!」

子供「わーい。」

勇者「町までルーラで送ってやるよ。」

男「何から何まですみません。」

勇者「ルーラ!ほい、到着っと。」

子供「はやっ!」

勇者「じゃあな。負けんなよ。子供。」

子供「うん!」

女魔法使い「何も出来ませんでしたが、これで。」

勇者「商人協会に相談してみるんだな。盗難のことは。」

男「ええ、そうさせていただきます。ありがとうございました。」

勇者「じゃ、かえるか。ルーラ!到着っと、うっ・・・。」ボタボタ

女魔法使い「傷が・・・。勇者!」

賢者「勇者、怪我を・・・?」

魔王「勇者!勇者ー!」

戦士「勇者おかえりー!」

勇者「大丈夫だって。ベホマっと。ほら直った。ガキに自分のせいで怪我させたと思われるのいやだからな。」

女魔法使い「わ・・・私は勇者のそんなところが・・・。」

魔王「勇者にこんなことちゅるなんて!ゆるちゃないぞ!あいちゅら!」

破壊神「すべてをはかいしてくれようか?」

勇者「まぁ、待てって。あいつらがどうなるか見届けよう。最後まで。」

女魔法使い「う・・・うん・・・。」

姫「やっと宿屋についたわー。」

大臣「しかし、まぁ、お金も手に入ったが取り逃がしましたな。」

王様「すべてお前のせいだぞ!兵士長!」

兵士長「・・・。」

姫「私お風呂はいってくるー。」

大臣「まったく、誰のおかげで兵士長になったと思っているんだ。」

王様「お前には失望したぞ!」

兵士長「お待ちください!」

姫「びくっ」

大臣「!」

王様「な・・・なんじゃ。突然大声出して。」

兵士長「王よ・・・。国とはなんだと思いますか?」

王様「と・・・突然なんじゃ。」

兵士長「お答えください!」

王様「国とはわしの持ち物のことじゃろ。城とか街とか畑とかみんなわしの物じゃ。それがどうした。」

兵士長「・・・違います。」

王様「はぁ?何を言っておる。」

兵士長「違います!!王よ!国とは人であります!それぞれに家庭があり、家族がいて、そこで暮らしている人がいる!!その人々の力の集まりこそが国です!!決して城や土地などではない!!」

大臣「王様に無礼だぞ!控えろ兵士長!」

兵士長「いいえ、黙りません。それをなんですか!今日のあの親子・・・あれは国そのもの!国の宝です!それをいとも簡単に殺そうなどと!!」

姫「宝って言えばいっぱい手に入ったわねー。」

兵士長「ギロリッ!」

姫「ひっ。」

兵士長「王よ、では『王』とはなんですか。」

王様「そんなもの知るか!わしは生まれてきた時から王なのだ!」

兵士長「王とは民を想い!民とともに生き!民を導くものです!そして民の信を得てこその王です。決して玉座に座っているだけの男の事ではない!!」

大臣「バカ、兵士長。王様に謝れ。」

王様「無礼な!お前の一族も皆殺しにしてやろうか!」

兵士長「これ以上私を怒らせないでください・・・ぎろりっ。」

王様「ひっ。」

兵士長「あなたは王の器ではない。まして!勇者の器であるはずがない。勇者として選ばれたなど、何かの間違いでしょう。」

王様「・・・。」

兵士長「私は、私の考える真実の道を行きます。」

大臣「ま、まて。出て行くならお前に預けている金を置いていけ!」

兵士長「これはあの親子のお金です。商人協会にでも届けるとしましょう。」

姫「それじゃ、贅沢できないじゃないー。」

兵士長「ぎろっ!」

姫「ひぃ!」

大臣「そ、それに、ど・・・どこへ行こうと言うのだ!」

兵士長「魔王城へ!さらば!」

勇者「おい。分かれちまったぞ。」

戦士「うー、兵士長かっけー。部下になりてー。」

女魔法使い「どうするの?どっちについていけば・・・。」

賢者「想定外というわけ?」

ルビス「兵士長はやっぱり絵になるわねー。うふっ。」

魔王「わたちを魔王城へちゅれていけ。」

破壊神「どうした?まおう。」

勇者「魔王。やってくれるのか。」

魔王「魔王城でわたちがやちゅを迎える。」

魔王城

兵士長「なんだ・・・。魔物がいない。」

兵士長「魔王城に何もなしについてしまったぞ。これは・・・罠か。」

兵士長「だが、罠だとしても真実を確かめないわけにはいくまい。」ギギィ

魔王「よくぞ来た。へいちちょうよ。」

兵士長「貴様が魔王か、その姿は・・・まだ復活してまもないということか?」

魔王「ちゅがたのことを言うでない。わたちの力はこの距離からでも感じられるであろう。」

兵士長「ああ、だがこのまま帰るわけには行かない!」

魔王「どうちた。かかってこないのか?」

兵士長「私は戦いに来たのではない!」

魔王「ほほう、ではなにをちに。」

兵士長「私は真実を知りに来たのだ。魔王よ!お前は真実をしっているのか!なぜ魔族と人間が争うのか!神々が我々になにをしているのか!」

魔王「それはわたちも以前はちらなかった。だが、今ならわかる。」

兵士長「教えてくれ、私は何のためにここまで・・・。」

魔王「魔族と人間が争う理由などない、ちょれは神々も同じことだ。神々の遊びはもう終ったのだ。」

兵士長「では、本当の平和が・・・?」

魔王「それは我々ちだいだ。だが、人の世をお前のような者が導いていってくれれば、ちょれも不可能ではないかもな。」

勇者「ああ、お前のようなやつが王になるべきだ。」

兵士長「お・・・お前は・・・へ・・・へんた・・・。」

勇者「ちょっ!今ここでその呼び方やめて!」

兵士長「勇者、なぜここに・・・。」

女魔法使い「魔王ちゃーん!よくできましたねー!えらいぞー!よしよしよしよしよしっ。」ナデナデナデナデ

魔王「やーめーろー!」

兵士長「それにあれはなんだ?」

勇者「あれは気にするな・・・。」

兵士長「いったいどういうことなんだ!説明してくれ!」

勇者「ああ、お前には全部話そう。」

勇者「この世界は、争いを前提に作られていた。そう考えているんだ。」

兵士長「争いを前提に?」

勇者「ああ、神々の争い。そして人間と魔族のあらそい。それを前提とした社会が作られてしまった。」

ルビス「そ、そんなことないわ!」

破壊神「そうだそうだ。われはそんなことおぼえておらんぞ!」

勇者「あんたは最初から何も覚えてないだろ。でもあんたらは争ってた。」

兵士長「こ、この方たちは?」

勇者「ああ、破壊神とルビスだ。」

兵士長「な、ななななに・・・。光と闇の神がなぜ・・・。」

勇者「それは俺の人望で・・・。」

ルビス「脅迫されただけよ。」

破壊神「きおくがないからしかたなく。」

兵士長「・・・。」

勇者「と、とにかくこいつらも争いやめたんだ。争いはお互いに何かを奪い合うものだ。それは命であったりお金であったりいろいろだろう。」

勇者「そして人間の間でさえな。兵士長、お前も思い当たることがあるんじゃないか?」

兵士長「そ・・・それは・・・、王達か。」

勇者「ああ、あいつらは人々からいろいろな物を奪っていた。いや奪っているという意識さえないんだろうな。」

勇者「そして、何も返さなかった。それが問題だ。国とは。人とは。兵士長よくいったもんだよ。」

兵士長「そ、それでそれがどうしたというのだ。」

魔王「もうあらちょいをやめようということだ。」

兵士長「争いを?」

魔王「ちょうだ。そちて、そのための社会をちゅくっていこう。わたちたちとおまえたちで。」

兵士長「・・・。」

魔王「さあ、へいちちょう。ともにこの世界を歩んでいこうではないか。」

兵士長「ふっ。魔王・・・。そのような年で、これほど世界のことをそこまで考えているとは・・・。もしあなたがそんな年齢でなければ求婚しているところですよ。」

魔王「ははは、それはちょっとおちょかったな。わたちの心はもう決まっている。」

兵士長「というと?」

魔王「わたちは勇者のお嫁ちゃんになるのだからな。」ンチュー

勇者「!!?」チュー

女魔法使い「ちょっ!!!だ・・・・・・・・・だめーーーーーーーーーーーーーーー!!絶対にだめええええええええええええ!」バシ

勇者「ぷはっ。お、女魔法使い。」

女魔法使い「駄目駄目!絶対駄目!ゆ・・・ゆゆゆゆ勇者は私のなんだからーーーーーーーーーー!私じゃなきゃやだー!ぐすっ・・・ぐすっ・・・。」

賢者「あらあら、勇者。どっちを選ぶの?うふふ。」

勇者「俺は、魔王を選ぶ。」

魔王「わーい。勇者だいちゅき。」

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