魔法使い「我慢しておもらしするほうがはしたないって」
僧侶「……で、では……よいしょ……」
勇者「……ん?僧侶のやつ、座り込んで何を……」
僧侶「ん……♪」
勇者(あ……おしっこ……)
勇者(なんだ……この気持ち……は……?胸が苦しい……)
戦士「はぁーきもちよかったぁ♪」
僧侶「勇者様、タオルをもえらますか?」
勇者「あ、ああ……あそこに置いてある」
武道家「ありがとー」
勇者「……」
商人「どうかした?」
勇者「うわ……は、はやく拭いて……」
商人「勇者がふいてー♪」
勇者「い、いいのか……?」
商人「うん!」
勇者「じゃあ……」
商人「えへへ」
勇者(小さい体だけど……女の子なんだよな……)
勇者(綺麗……かもしれない……)
商人「ん?勇者、顔あかいよ?どこかわるいの?」
戦士「下着が乾くまで鎧を直につけとくしかないかなー?」
武道家「俺は布の服をきとく。大人用だから全部隠れるし」
魔法使い「そうですね。そうしましょう」
僧侶「へっくしゅん」
勇者「……」
商人「勇者、服ー」
勇者「あ、ああ。そうだな」
僧侶「あ、勇者様、火をおこしてくれたんですね」
勇者「ああ、早く温まったほうがいい」
戦士「はーい」
勇者「……」
武道家「な、なに……?」
勇者「あ、いや、なんでも……」
勇者(変だな……思わず見つめてしまう……)
勇者(どういうことだ……?)
―――魔王城―――
側近「まおー、おやつー」
魔王「そうかそうか。もうそんな時間だったな」
遊び人「……」
魔王「ん?どうかしたか?」
遊び人「……理想郷ってなに?」
魔王「何故知りたい?」
遊び人「アナタなんでしょう?私をこんな姿にしたのは」
魔王「その通りだ」
遊び人「どうして?」
魔王「人間は汚らわしい……だが、子ども……その中でもメスはどんな生物においても清い存在」
遊び人「……」
魔王「―――私は地上を清浄なる大地に変える。全てを少女以下にすることでな!むふふふふ!!!!」
遊び人「……きもい」
―――数日後 城下町―――
勇者「今日はここで一泊だな」
戦士「はぁ……疲れた」
武道家「早くやすみたい……」
勇者「そうだな。宿に向かおう」
―――宿屋―――
店主「ここに泊るのはやめたほうがいいですよ?」
勇者「え……?」
僧侶「どうしてですか?」
店主「……王の様子が変なんです」
勇者「王が?」
店主「人が変わったようになってしまって……もし少しでも王に盾突こうものなら……死刑になってしまうんです」
勇者「それは……」
魔法使い「こわ……」
商人「……(ウトウト」
―――宿 寝室―――
勇者「よし」
戦士「いくの?」
魔法使い「やめた方が……」
勇者「胸騒ぎがするんだ。……確かめてみないと」
僧侶「勇者様……」
商人「ぐぅ……ぐぅ……」
戦士「わ、わたし、一緒にいく!!」
勇者「危険だぞ?」
戦士「これでも少しは戦えるようになったんだ。大丈夫」
勇者「わかった。みんなはここにいてくれ。もし、朝になっても俺たちが戻ってこなかったら、すぐに故郷へ戻って王に報告してほしい」
魔法使い「う、うん……」
僧侶「お気をつけて……」
勇者「ああ。……いくぞ」
戦士「あいよ」
―――城内―――
兵士「何者だ!!」
勇者「我は勇者!!ここの王と謁見がしたい!!」
戦士「したい!」
兵士「許可がなければ謁見することはできん」
勇者「……どうすれば許可を得られる?」
兵士「正式な手続きを行え。早ければ1カ月で謁見ができる」
勇者「それでは遅い」
兵士「ならばできん。帰れ!!」
勇者「くっ……」
―――城門 前―――
勇者「どうするか……」
戦士「ゆうしゃ、こっちこっち」
勇者「え……?」
戦士「裏口がある。入れるんじゃないかな?」
―――城内―――
勇者「見張りがいないとは……」
戦士「しめしめ……」
勇者「こっちか」
―――謁見の間―――
王「ふははははは!!!」
幼女「王様ぁ」
王「ふはは、苦しゅうない。もっと近くにこい」
幼女「はぁい……」
勇者「(傍らに数十人の幼女を……!?)」
戦士「(ロリコンってやつか……許せない)」
勇者「(ああ、年端のいかぬ少女達をなんだと思っている……!!)」
戦士「(いこう、ゆうしゃ!)」
勇者「(ああ、あの蛮行をとめるぞ!!)」
勇者(なんて羨ま、いや下劣なことを……ゆるせん!!)
勇者「王よ!!それが民を統べる者がすることかぁ!!」
戦士「することかぁ!!」
王「ん?誰だ?」
勇者「我は勇者!!貴様の愚行をここで止める者だ!!」
王「ほぉ……我に盾突くか」
勇者「……!!」
戦士「くるならこい!!」
王「その隣の少女を我に献上するなら、許してやるぞ?」
勇者「するわけないだろ!!!」
戦士「そーだ!」
王「ふん。ならば……無理矢理にでも奪うまでだ!!―――捕えろ!!」
幼女の群れ「「わー!!」」
勇者「な!?」
戦士「ゆうしゃー!!!」
王「ふははははは!!!その者を地下牢に入れておけ!!死刑は明日、執り行う!!」
―――地下牢―――
勇者「くそ……油断した……」
勇者「戦士……」
勇者「……だが、幼女に取り囲まれた時……不思議と嫌な感じはしなかった……何故だ……?」
―――王の自室―――
王「ぐふふふ……」
戦士「や、やめて……近づかないで……!!」
王「安心しろ。我はロリコンだ」
戦士「は……?」
王「真のロリコンは少女に手を出すことはないのだよ……ぐふふふ」
戦士(ゆうしゃ……たすけてぇ……)
―――宿屋―――
魔法使い「……遅いね」
僧侶「勇者様……あの、私達にもなにかできることはないでしょうか?」
商人「ぐぅ……ぐぅ……」
魔法使い「できることか……王様の情報でも集めてみる?」
僧侶「ええ。そうしましょう」
魔法使い「商人、おきて。いくよ」
商人「ん……はい……?」
―――街―――
「王か……本当に変わられてしまったよ」
僧侶「どういうふうにでしょうか?」
「昔は本当に優しい方だった……だけど数ヶ月前から人が変わったんだよ」
魔法使い「そんなに急に?しかも分かりやすく?」
「ああ。一部の住民は魔物が化けたんじゃないかって噂しているぐらいだ」
僧侶「魔物が……」
「でも、それを証明する方法なんてないからな……俺たちはどうしたらいいかわからない……」
商人「あるよ!」
「え?」
商人「魔物が化けているかどうか確かめる方法、あるよ!私、知ってる!」
―――地下牢―――
勇者(そう言えば旅立ってから独りになるのは初めてだな)
勇者(いつも傍らに彼女たちがいたんだな……)
勇者(こうして瞼を閉じると……みんなの……裸が……)
勇者「はっ!?なにをしているんだ!!―――振り払え!!振り払え!!!」
勇者(瞼を閉じれば……みんなの笑顔が……僧侶のおしっこ……)
勇者「違う!!!そうじゃない!!!!」
「―――だ、だれか隣にいるのですか……?」
勇者「え……!?は、はい!!います!!」
「おぉ……話を聞いてください……」
勇者「なんでしょう?」
「王は魔物です……それも魔王の右腕とされる者なのです……」
勇者「なんですって!?」
「その魔物は魔王が目指している理想郷をこの街で試作しているのです……」
勇者「理想郷……?」
―――洞窟―――
商人「噂ではこの洞窟にラーの鏡があるはず……」
僧侶「そうなんですか」
魔法使い「その鏡さえあれば、正体が分かるって本当なの?」
商人「うん。間違いないよ」
僧侶「それを王に向ければ」
魔法使い「うん。化けの皮がはがせる」
商人「さー探そう!!」
―――王の自室―――
王「ふぅ……すっきりした」
戦士「……」
王「さてと、風呂にはいるか。わははははは!!!」
戦士「……うぅ……ぐす……ゆうしゃぁ……もうやだよぉ……」
戦士「うぅ……ひっく……もう、あんなのみたくないよぉ……」
戦士「たすけてぇ……ゆうしゃぁ……」
―――地下牢―――
勇者「全世界の人間、動物を幼女化……!?」
勇者(あの村の者が子どもにされていたのはそういうことだったのか……!!)
「このままではいつか街は少女と幼女だけになってしまいます」
勇者「全ての者が幼女……幼女……?」
「お願いです……もし逃げ出せるのでしたら、ここから逃げてください。そして、魔物の野望をとめてください!!」
勇者「そ、そんな……すばら、いや、りそうの、いや、恐ろしい計画を……」
「はい……城の者は大半が幼女になってしまいました……」
勇者「……なんとかして抜け出せればいいのですが」
兵士「……」
勇者「む……?誰だ?」
兵士「これは私がうっかり扉の鍵をあけてしまっただけだ。それとこれは独り言だ。―――奥の牢に外へ抜ける通路がある」
勇者「……ありがとう」
兵士「お願いします……幼女になんてなりたくない……」
勇者「わかりました……俺が……必ず……その、野望を、とめ……ます、よ……多分……」