戦士「そうだな」
勇者「あーあー、戦士様は女には甘いんでちゅ――」
勇者の せなかに とがったものが つきたてられた!
魔法使い「ゆうしゃさま? ねぇ、ゆうしゃさま?」
勇者「な、なに?」
魔法使い「女のわたしでも扱える武器。尖った針の様な武器はなんですか?」
勇者「ど、どくばりです」
魔法使い「正解です! さすが賢いゆうしゃさま☆ わかりますね? 賢いゆうしゃさまなら、わかりますよね?」
勇者「はい、はい。わかりました」
魔法使い「うん。いい子」
勇者「い、行こうか、みんな」
よにんのたびが さいかいした!
※
バブルスライムAがあらわれた!
バブルスライムBがあわれた!
戦士「やっちゃってくださいよ勇者様」
勇者「うっせ。お前は勝手にガンガンやってろ。命令させんな無能が」
戦士「ひでーな」
戦士の こうげき!
勇者「魔法使いは防御だ! ここは俺と戦士で充分」
魔法使い「はい!」
勇者「僧侶は――」
バブルスライムBの こうげき!
勇者「僧侶、よけろ!」
僧侶「え?」
僧侶に 12のダメージ!
勇者「あれ? 僧侶、たたけ!」
僧侶「は、はい! てやあああああ!」
僧侶の こうげき!
ぽかっ!
バブルスライムBに 1のダメージ!
僧侶「あわわわわ」
勇者「……あれ?」
僧侶は ちらちらと 戦士のほうを みている!
勇者「あー、なるほど。おい、戦士!」
戦士「なんだよ、今こうげき中だ」
戦士の こうげき!
バブルスライムAに なんぼかのダメージ!
勇者「僧侶に命令してやれ。お前じゃないと無理だ」
戦士「なに?」
勇者「いいからはや――あぶない!」
バブルスライムBは 魔法使いに なんか よからぬ えきたいを ぶっかけた!
勇者「くっ!」
勇者は 魔法使いを かばった!
勇者に 10のダメージ!
勇者「わっ、服が溶けた!」
魔法使い「あ、ありがとうございます」
バブルスライムBは なんか くやしそうに している!
戦士「まったく……僧侶、たたけ」
僧侶「はい!」
僧侶の こうげき!
バブルスライムBに 9000なんぼかの ダメージ!
バブルスライムBは たたきつぶされた!
勇者「ダメージおかしいだろ」
戦士「僧侶だから」
勇者「納得できない」
勇者たちは たたかいに しょうりした!
けいけんちの びょうしゃが めんどくさいので いこうは かつあい!
戦士「……なんで攻撃しなかった?」
勇者「ん?」
戦士「バブルが魔法使いを狙ってる間にお前がバブルを斬ればすぐ終わったじゃないか」
勇者「あー」
魔法使い「勇者様は私を――」
勇者「いや、いいんだ魔法使い。戦士の云うことは正しい。でも、俺は……」
戦士「あー、わかったわかった。お前はそうやって戦え。それがお前の中の正解だ」
勇者「……戦士」
戦士「俺は俺のやり方を曲げないがな。仲間を守ってる暇があったら敵を倒した方が早い」
勇者「否定しないよ俺は。お前はそれでいいよ」
戦士「まあ、魔法使いの服が溶けても困るしな」
魔法使い「もうっ」
勇者「喜ぶ人もいるだろう」
戦士「えっ」
魔法使い「えっ」
勇者「いや、なんでもない。それより僧侶は?」
戦士「あ、忘れてた」
僧侶「とおおおおおおお! やあああああああああ!」
僧侶は バブルスライムBのしがいを たたきつづけている!
なんども なんども!
いまはなき バブルスライムBは なきたくなった!
戦士「俺が止めないと、ずっとああなんだ」
勇者「大変だなお前も」
魔法使い「可愛いです」
戦士「もういいぞ、僧侶」
僧侶「あ、は、はい!」
僧侶は 戦士のもとへ かけよった!
魔法使い「二人は仲が良いですね」
僧侶「……てへへ」
勇者「お似合いだよ」
戦士「幼馴染みだからな」
勇者「それだけじゃないだろ?」
戦士「ばッ! 違うし! ただの幼馴染みだし! 別に可愛いとか思ってないし! ど、どどどど童貞ちゃうわ!」
勇者「言ってないよ」
魔法使い「くすくす」
勇者たち よにんのたびは まだまだ続く!
※
【とある村】
戦士「あ、ここは」
勇者「ん?」
僧侶「……私と戦士くんの、故郷です」
勇者「そうなの? アリアハン出身じゃないのか」
戦士「……ああ」
魔法使い「随分と静かな村ですね」
戦士「誰もいないからな」
勇者「え?」
僧侶「私のママもパパも、戦士くんの両親も、みんな……魔物に」
僧侶は なきそうに なった!
勇者「……そうか」
戦士「何も無い村だ、先を急ごう」
勇者「いや」
戦士「?」
勇者「今日はここで一泊しよう」
戦士「なんで?」
勇者「あれ見てみろよ」
勇者が さしたほうには たくさんの おはかが あった
魔法使い「お墓?」
勇者「荒れ放題じゃないか。綺麗にしてやろう」
戦士「でも、俺達は」
勇者「うっさい黙れ賢さ一桁の無能戦士! 俺は勇者だぞ! 俺に従えウスラトンカチのウズラの卵!」
戦士「なに怒ってんだよ――ん?」
僧侶が 戦士のかたを つついた!
僧侶「きっと勇者様の優しさ、だよ?」
戦士「……めんどくせーやつ」
魔法使い「くすくす」
※
ごそごそ ごそごそ
勇者「きったねーなー」
戦士「……」
魔法使い「ゴミが沢山」
僧侶「私のママのお墓……少し、壊れてる」
戦士「……」
勇者「戦士、なに黙ってんの?」
戦士「勇者、ちょっと、来い」
勇者「?」
【村のはずれ】
勇者「なんだ?」
戦士「……あのさ」
勇者「うん」
戦士「あれは、人間のしわざだ」
勇者「え?」
戦士「あの荒れようは魔物じゃない、人間がやることだ」
勇者「そんなまさか」
戦士「バカかお前、人間の中にも心の汚い者はいるさ」
勇者「信じたくないな」
戦士「ほんとに甘いなお前は。そんなんだといつか――」
そのとき だれかの ひめいが きこえた!
勇者「――ッ! 行くぞ!」
戦士「ああ!」
勇者と 戦士が かけつけると そこには すうにんの かげがあった!
????「女だ! 女がいるぞ!」
雑魚A「ぐへへ」
雑魚B「きしし」
魔法使い「……あなた達」
勇者「おい、どうした!」
戦士「あっ!」
戦士の めせんのさきに たおれた 僧侶のすがたが!
僧侶「うぅ……」
戦士「僧侶! 大丈夫か!」
????「頭をぶっ叩いただけさあ。傷つけちまうと後で困るからな。げへへ」
雑魚A「おやぶんは女の綺麗な肌が好きですからねぇ」
雑魚B「その後はオイラ達にも――」
戦士の こうげき!
雑魚Bを きりさいた!
雑魚Bは しんでしまった!
勇者「お、おい戦士!」
戦士「うるせーぞクソ勇者。僧侶を殴ったコイツらを、俺は生かして帰さない」
????「勇者ぁ!?」
勇者「?」
????「お前、勇者かよ。へ、へへへ。あの弱虫勇者か。げへ、げへへ」
勇者「なんだ?」
????「覚えてないのかい? お前がチビん時、俺様が散々イジメてやったのによぉ!」
勇者「……まさか、お前!」
????「そうだよ。俺様はお前が大好きなカンダダ様だよ勇者ちゃん」
勇者「……」
カンダダ「ひさしぶりだなぁ? ママのおっぱいは美味しいかい? 泣き虫勇者ちゃん?」
戦士「知り合いか?」
勇者「アレはお前だと思ってたんだけどな」
戦士「あ?」
勇者「こっちの話」
カンダダ「げへへ、げへ、げへへへへへ」
魔法使い「隙あり、です」
魔法使いは メラミのじゅもんを となえた!
カンダダ「あちっ」
しかし カンダダには きかなかった!
魔法使い「え?」
カンダダ「あちーなこのクソアマがああああ!」
魔法使い「きゃっ!」
カンダダの こうげき!
おのが ふりおろされる!
魔法使いは――
勇者「よっ、と」
勇者は 魔法使いをかばい カンダダのこうげきを つるぎでうけとめた!
魔法使い「あっ」