勇者「みんなで幸せになろう」 3/10

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勇者「こいつチビの時からやたらマッチョだからな。不細工だがそこそこは強い」

カンダダ「げへ、言ってくれるじゃねぇか勇者ちゃん。げへへ」

魔法使い「わたし、余計なことを」

勇者「大丈夫だ。コイツはそこそこ強いが――」

勇者は カンダダのおのをはじき くびすじに つるぎをつきつけた!

勇者「今の俺はコイツより、ずっと強い」

カンダダ「な、なんだと……」

勇者「お前みたいな不細工に負けるかカス」

戦士「俺の方が強いがな」

勇者「やかまし」

カンダダ「て、てめぇ」

雑魚A「おやぶん!」

なんと 雑魚Aは メラゾーマの じゅもんを となえた!

勇者「えっ?」

戦士「バカ! よけろ!」

メラゾーマは 勇者に ちょくげきした!

勇者は たおれてしまった!

魔法使い「ゆ、勇者様!」

戦士「くそがっ!」

戦士の こうげき!

雑魚Bに 394のダメージ!

あと なんかいか きられて とーたる 2000ぐらいのダメージ!

雑魚Bは しんでしまった!

カンダダ「ひ、ひぃー!」

カンダダは にげだした!

戦士「ちくしょう、待ちやがれ!」

勇者「い、い……ほっ……とけ……」

魔法使い「き?」

戦士「下手なギャグ飛ばしてる場合か!」

魔法使い「つ、つい」

戦士「大丈夫か勇者」

勇者「そこそこ……熱い」

僧侶「……ベホイミ」

僧侶は ベホイミのじゅもんを となえた!

勇者の きずが かいふくした!

勇者「僧侶?」

魔法使い「もう大丈夫なんですか?」

僧侶「はい、ごめんなさい」

戦士「謝るな」

勇者「ありがとう、僧侶」

僧侶「……てへへ」

勇者「しっかし、なんなんだアイツ」

戦士「盗賊っぽいな」

勇者「落ちぶれたなぁ」

戦士「知り合いなんだろ?」

勇者「まぁ、な」

魔法使い「あれ?」

僧侶「どうしました?」

魔法使い「あそこに、誰かいる」

魔法使いは 村の真ん中で うずくまる 少女をみつけた!

なぞの少女は ねつにうなされていた

よにんは 少女のかんびょうをしながら

かわりばんこに ねむりについた

そして

よが あけた!

少女「……ん」

勇者「あ、起きた」

魔法使い「おはよう」

少女「……」

勇者「はら、へってないか?」

魔法使い「戦士さん達を起こしてきますね」

魔法使いは 戦士たちを よびにいった

少女「……」

勇者「……」

少女「……」

勇者「……」

戦士「お、起きたのか」

僧侶「おはようございますー」

魔法使い「もう熱は引いてますね」

勇者「何も喋らない」

戦士「喋れないのかもな」

勇者「え?」

戦士「だってこんな滅んだ村のど真ん中で倒れてたんだぜ? 何かあったに違いない」

勇者「何か?」

僧侶「魔物に襲われた……とか」

戦士「まだ子供なのにな」

少女は いらっと した!

魔法使い「親が殺されてしまったのかもしれませんね」

勇者「魔法使いの発想が怖い」

僧侶「こんなに小さいのに、可哀想」

少女は さらに いらっとした!

勇者「とにかく何か食べさせないと」

魔法使い「そうですね。携帯用で味気無いですが、わたしが何か温かいものでも作りますね」

勇者「魔法使いのメシは旨いから、きっとコイツも元気になるよ」

魔法使い「……えへへ」

戦士「俺も食いてーな魔法使いのりょう――」

僧侶の こうげき!

戦士の おなかに こぶしが くりーんひっと!

戦士「ごふっ!」

僧侶「私が、つくる」

勇者「だとさ」

戦士「……ははは」

僧侶「なにが、食べたい?」

戦士「堅くないやつ」

勇者「なんだそれ」

戦士「アホかお前、僧侶の料理はダイヤモンドより――」

僧侶「……ぐすん」

戦士「あー、食べる食べる。うまいよ。うん。僧侶の作るメシはうまい」

勇者「アツいねーお二人さん」

戦士「ばッ! 別にそんなんじゃねーし! 別にさ! そんなんじゃねーから! おめーの席ねーから!」

勇者「いらねーよ」

僧侶「……子供が、見てるよ」

勇者「あ」

戦士「お前、子供の前で余計な事を言わすなバカ! 教育に悪いだろうが!」

ぷちっと おとがした!

少女「……じゃない」

勇者「ん?」

少女「あたしは! 子供じゃない!」

戦士「なんか言ってるぞ、子供が」

勇者「ああ、子供がよく言うあれだな」

僧侶「背伸びしたい年頃」

少女「な――」

勇者「まあまあ、子供の言うことなんか――」

少女の こうげき!

勇者の てくびに かみついた!

勇者「いたい!」

少女「ふがふが! ふがふが!」

勇者「いたいいたいいたい! おい戦士! なんとかしてくれ!」

戦士「お前さ、調味料とかちゃんと使ってんのか?」

僧侶「使ってる」

戦士「味にムラがありすぎるんだよ。なんでそうなる?」

僧侶「てきとー」

戦士「料理覚えろ」

僧侶「いやだ」

戦士「魔法使いの料理食っちまうぞ?」

僧侶「もう戦士とはしゃべらない」

戦士「なっ! 卑怯だろ! おい」

僧侶「しーらない」

戦士「おい、僧侶! おい! 無視すんな! うん、悪かった。俺が悪かったからさ! な?」

僧侶「くすくす」

戦士と 僧侶は きゃっきゃうふふと たわむれている!

りあじゅうに わざわいあれ!

いおなずん!

しかし なにもおこなかった!

ちくしょー!

勇者「なんだあのときめきメモリアルな二人」

少女「ウザいね」

勇者「そうだな――ってお前なぁ!」

少女「うっさい! あたしは子供じゃない!」

魔法使い「はい、クリームシチューができましたよ」

勇者「わっ、うまそうだなぁ」

魔法使い「子供向けに、甘さたっぷりです☆」

少女「ぬ、ぬわーーーー!」

少女「……」

勇者「はー、旨かった」

魔法使い「戦士さんと僧侶ちゃんは?」

勇者「ほっとけよあんな青春バタフライなチキンカツでメロンパイな二人」

魔法使い「ちょっとなに言ってるかわかりません」

少女「……」

戦士「お、メシ食ったのか」

勇者「お前にはやらねーぞ。魔法使いのメシは俺のもんだ」

魔法使い「え? それってどういう」

戦士「お前、大胆な奴だな」

勇者「いや、え? あ、あれ?」

僧侶「くすくす」

少女「……」

戦士「また喋らなくなったな」

勇者「わけわかんないな」

少女「……し……った」

戦士「あん?」

少女「……おいしかった」

少女は ぼそりと つぶやいた!

勇者「そりゃよかったな。ガキ向けの味付けだからうまいだろ?」

魔法使い「勇者様もうまいうまいって言って食べてましたよね?」

勇者「う」

戦士「ガキだな」

勇者「うぅ」

少女「だから! あたしは子供じゃない!」

勇者「まだ言ってるよ」

僧侶「何歳ですか?」

少女「15だ!」

よにんは とても おどろいた!

勇者「はあああ? 俺の一つ下だ」

戦士「俺や僧侶の一つ下だな」

勇者「戦士って俺と同い年かよ! 気色悪い」

戦士「知るかよ」

魔法使い「わたしの三つ下です」

勇者「魔法使いは年上だったのか」

戦士「姉さん女房だな」

勇者「やかまし」

魔法使い「もうっ」

戦士「しっかし、こんな小さいのになー」

少女「うるさい!」

勇者「で、そんなお前はこんなとこでなにしてた?」

少女「なんでもいいだろ!」

勇者「よくないだろバカ。危ないだろバカが」

少女「うるさい!」

魔法使い「デザートにプリンがあるよ?」

少女「プリン! 食べる!」

勇者「なら言え。なにしてた?」

少女「うー」

勇者「俺のプリンもやるから」

少女「ほんと!?」

勇者「ああ」

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