娘「ここに竜が……」竜「Zzz..........?」 8/9

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魔王「カァッ!」ドラゴンタックル!

父竜「!」フハツ!

魔王「」ドラゴンテール!

父竜「貴様、その姿は……」

魔王(第二形態)「私の体には魔人の血の他に竜の血も流れていましてね。ハーフドラゴン、というやつです」

父竜「ふん、竜と魔人の子か……純血の竜に敵うと思ってか!」ドラゴンクロー!

魔王「」ザクザク!

魔王「ヌウ!」

竜「」ドラゴンクロー!

父竜「」シッポデ ケンセイ!

父竜「」ファイアブレス!

竜「クッ…」

娘「」ガシィ!

父竜「」!?

娘「タアァァァ!」ナゲ!

父竜「」!!?

ズウン!!

魔王「」ドラゴンテール!

父竜「」キタ シッポヲ クワエコンデ……

魔王「!」

父竜「」チカラヅクデ フリマワシ!

魔王「!!」ズン! メキメキ!

魔王「」クゥ…… ヘンシンカイジョ……

父竜「」フミツケ……

竜「」ファイアブレス!

父竜「」カマワズ トッシン!

父竜「」ドラゴンタックル!

竜「」ドラゴンタックル!

ガキィン!!

戦士「・・・・・・生き物がぶつかってる音じゃないな」

魔王「く……申し訳ない」 (戦士に引っ張られて回収された)

竜「グゥ…」ガク

父竜「」ドラゴンバイト!

娘「」バッ! タチフサガリ!

父竜「」! カマワズ ドラゴンバイト!

娘「」ファイアブレス!

父竜「」!?

娘「」スキヲ ツイテ クロー!

父竜「」!!

竜「」ドラゴンバイト!

父竜「グゥ!」ドラゴンバイト!

竜「」

    カミツイタ ママ ファイアブレス!

父竜「」

竜「」 HP 3200000

父竜「」HP 1800000

竜「」 HP 2400000

父竜「」HP 1400000

竜「」 HP 1600000

父竜「」HP 1000000!

竜「」 HP 800000!

父竜「」HP 600000!

竜「グウゥ……」HP0000000!

父竜「カァ・・・ッ…ハァーッ……ハァッ!」HP0200000/6200000

娘「」ザッ!

父竜「」!

娘「」スゥゥ……

父竜「ファイアブレスか……体力を消耗したとはいえ、人間の半端な技に負けはせんぞ!」

娘「」ファイアブレス!

父竜「」ファイアブレス!

娘「」ソノママ ツッコム! HP280000/320000

父竜「」! ドラゴンテール!

娘「」HP 200000 ムスメタックル! 

父竜「ク……」 ドラゴンクロー!

娘「」HP 110000 ムスメクロー! 

父竜「」ドラゴンバイト!

戦士「いかん! 避けられん!」

娘「クフッ!」バキゴキッ!

娘「」ニヤ

父竜「!」

娘「」ファイアブレス!

父竜「ク……」ファイアブ…

娘「」ファイアブレス!

父竜「グゥゥ・・・」ズシン! HP0000000/6200000

父竜「グ・・・クッ!」

娘「……」

娘「」クルッ

娘「」スタスタ

戦士「お、おい! なんでトドメ刺さないんだよ!?」

娘「昔、竜さんからお父さんとお母さんが死んだときの話を聞きました

  ……そのときの竜さんは、とっても悲しそうだったから」

父竜「!」

僧侶「……怪我は?」フフ

娘「腕がなんか痛いです」

僧侶「ちょっと、これ千切れかかってるじゃない!?」

娘「ああ、道理で痛い割りに痛くないと」

父竜「・・・・・・」

父竜「・・・・・・!」クワッ! ダン!

娘「え……」

竜「」! ダンッ!

父竜「」ドラゴンバイ……

竜「」ドラゴンバイト!

父竜「」メキメキ……ゴキン! 

父竜「クフ・・・…フフ」……バタン

娘「え……竜さん……」

竜「……」

竜の手によって、父竜の遺体はコーソアドの火山に投げ入れられた。

竜も娘も口を開くことなく、溶岩に沈む父竜を静かに見送った。

そして数ヵ月後。

竜も娘も傷は癒え、ようやく人間と魔族の会談が始まろうとしていた。

戦士「はぁ」

僧侶「なに? 溜め息なんて」

戦士「すっかり忘れてたが、魔王軍討伐を成し遂げて騎士団長への復帰を狙っていたんだよなぁ……」

僧侶「国の期待を一身に背負った勇者パーティ、でも負けちゃったからね……国じゃ出世も無理じゃないかしら」

戦士「ずばずばと致命的なことを言ってくれるな……」

僧侶「あら、戦いから離れられていいじゃない。 私はもう一生分戦った気分だけど」

戦士「おまえな、戦い以外でいまさらどんな生き方ができると」

僧侶「魔王が人間のスタッフを探してるのよ。

   魔族とのいさかいが無くなれば戦い専門の僧侶なんて仕事もなくなるし、私は話に乗せてもらうけど」

戦士「……そんないまさら魔王軍につけるか」

僧侶「それこそいまさらなに言ってんの……?」

娘「魔王さん、ちょっといいですか?」

魔王「勇者さん? ええ、今一区切りついたところですから」

娘「あの戦いで、私は大事なことを知りました」

魔王「私もです。人間と魔族の溝というものは」

娘「そんなことじゃないんですよ!」

魔王「そんなこと!?」

娘「あの戦いで一番大事なこと、それは竜と魔人の間には子供ができるということです!」

魔王「それが一番なのですか!?」

娘「と、いうことは! 竜と人間の間にも子供ができるはず!」

魔王「ま、まあ……魔人と人間の間にも子供はできますし、できないことは無いと思いますが……」

娘「そういうことで、ハーフドラゴンの魔王さんにはお父さんとお母さんがどうアレをソレしたかを是非教えて欲しいんです!」

魔王「アレをソレ!? い、いやなんというか……」

魔王「私は確かにハーフドラゴンですが、私の両親もハーフドラゴンだったので……普通だったのではないかと

   それに、親のアレソレなど見たこともありません」

娘「」ガーン!

魔王「期待に副えず申し訳ない」

娘「……いいえ、かまいません!」

魔王「?」

娘「子供ができるということは、アレコレもできるということ! 自分であらゆる手段を試せばいいんです!!」

魔王「それは乱暴な……」

娘「そうとなれば善は急げ!」ドヒュン!

魔王「あ、ちょっと……すごい勢いで走っていってしまった……」

魔王「……」

魔王「子供、ね……」

数時間後。

ティータイムも過ぎ、午後の風うららかなひととき。

外で物思いにふける竜。

竜「……」

娘「竜さん竜さん」

竜「どうし……!?」

娘「」ムスメマツバクズシ!

ズーン!

娘「」ムスメマウント!

竜「なんのつもりだ!?」

娘「」キラーン!

竜「」ドキーン!

竜「(な、なんだドキーンとは!? 相手は娘だぞ!?)」

娘「竜さん……あの戦いで、私は大切なことに気づいたんです」

竜「……?」

娘「竜さんは、本当に人間と魔族が共存できると思いますか?」

竜「当然だ、そのために戦っているんだ」

娘「私は無理だと思います」

竜「! ……何故だ?」

娘「そう言っている竜さん自身、他種族を竜より力が劣ると見下げているからです」

竜「……!」

娘「あの戦いもそうでした、竜さんはお父さんを倒せるのは竜族だけと考えて、呪いで大人の姿に……

  私たちの力を、少しは信じてくれても良かった……」

竜「……」

娘「だから! 他種族を認めるためにも!」バッ!

娘「さあ!」

竜「なぜ脱いだ!?」

娘「やはり認め合うにはこれがアレでしょう!」

竜「アレとはなんだ! ええい最近はようやくわけのわからんことを言わなくなったと思っていたのに!」バサバ……サ

竜「!? 力が入らん!!」

娘「ふふふ、さきのティータイムに出した紅茶に、痺れ薬をそれはそれはたんまりと!」

竜「な、なんだと!?」

娘「50kgほど!!」

竜「道理で樽なんかで渡してきたと思った!!」

娘「さあ脱ぎましょうか!」

竜「最初から何も着とらんわ!」

娘「つまり準備万端だったと!」

竜「やかましい!」

娘「ああもうこのすべすべのおなかとか誘ってるんですか」サスサス

竜「」ゾクゾク!

竜「こんな外で事に及ぶつもりか!!」

娘「竜さんが寝そべればそこがスウィートルーム!!」

竜「人が来るぞ!」

娘「来ればいいでしょう!」(答えになってない)

竜「物理的に不可能だろう!」

娘「物理なんかを言い訳にしないでください!」(自分でも何言ってるのかわかってない)

竜「(い、いかん! いつになく目が! 目がマズイ!)」

竜「だ、誰か! 誰か!」(女のような悲鳴をつい上げてしまった)

娘「ふふ、泣こうがさけぶべ!」メキャゴ!

竜子「お父さんになにやってるんだ!」

娘「く、うるさいのが……」

竜「竜子!」

竜子「今日は決着をつけてやる!」

娘「つまり私があなたを倒せば竜さんのソレをアレしてもOKだと!」

竜子「そうだ!」(よくわかってない)

竜「え!?」

竜子「シャー!」

娘「シャー!」

竜「……(今のうちに這ってでも逃げなくては……)」ズルズル

魔王「楽しそうですね」 

               娘「タエリャ!」 竜子「アウ!」

竜「どこがだ!!」

魔王「本当は、まんざらでもないのでしょう?」

竜「…………痺れ薬盛ったあげくこんな所で事に及ぼうとするヤツは嫌だ!」

               竜子「マダマダ!」 娘「コレデオワリ!」 バシコン!

魔王「よく聞いてください、竜さん」

竜「なんだ」

魔王「現在、あの一件で人間と魔族の溝はより深まろうとしています」

               娘「ネンノタメ ツルシアゲトコ!」ズルズル

竜「……」

魔王「現状を打破するには、インパクトのあるニュースが必要不可欠なのです」

魔王「それぞ、勇者と竜将軍の子供!」

               娘「アレ? リュウサン? リュウサーン?」

竜「なにほざいてるんだ貴様!」

魔王「はっきり言って、当事者以外には感情の風化など早いもの。

   ここで一発ぶち上げれば、手っ取り早く事態が解決することは間違いありません!」

竜「手っ取り早くなくともゆっくりやればよかろうが!」

魔王「勇者さん! 竜さんならここですよ!」 シュンカンイドウデ トウソウ !

竜「ま、待て貴様! 貴様ぁぁぁぁぁ!」

娘「ここですか竜さん!」 竜「イヤァァァ!」

おしまい

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