コツコツコツコツコツ
戦士「引き伸ばしに引き伸ばした会談ももうじきだな」
魔王「ええ、勇者さんのお腹が膨らんでくるのを待っていたので」
僧侶「なにもそこまでタイミングを合わせなくても……」
魔王「あの二人は魔族と人間の友好の象徴となり得ます。最大限に利用しなくては」
僧侶「竜さんが勇者の出席を認めてくれるかしら。出産後とか言いそうな気もするわ」
戦士「かなり神経質になってるからな……勇者から離れようとせん」
魔王「二人の子供のためにもなることです、理解してくれるでしょう。
……しかし私が言うのもなんですが、一体どうやったのか……」
僧侶「あら、堂々とセクハラ?」
魔王「……世知辛い」
娘「あ、動いた」
竜「……竜なら卵生のはずだ」
娘「私は胎生ですよ?」
竜「……」
娘「ほら、ちょっと聞いてみてくださいよ」
竜「……そんなみっともない格好をできるか」
娘「ホラ!」
竜「……」ピタッ
トクントクン
竜「……」
……サン……
竜「?」
オトウサン……
竜「!!?」
竜「ま、まさか……」ピタッ
ネエ オトウサン……
竜「(な、なんだ……)」ドキドキ
オカアサンニ アイシテルッテ イッテアゲテ……
竜「」バブゥ!!
魔王「」
戦士「」
僧侶「」
娘「」ネェオトウサン……(腹話術)
竜「い、いやしかし……」
戦士「(勇者が妊娠してからかしこさ下がったよな)」
ホラ……
竜「そ、そんないまさら……」
ヒトコトダケデ イインダヨ……
竜「だ、だが……」
ホラ! イッテ! スピーク! スピーキング!
竜「……」
娘「スピーキング! ってあれ」
竜「」
娘「」
竜「おまえというやつは」
娘「ふふ、ゴメンナサイゴメンナサイ」
竜「……」
娘「(……怒っちゃった?)」
竜「……」
チュッ
娘「」
竜「」
娘「」
竜「」
娘「」……ッブワッ! ポロポロポロ!!
竜「な、何故!?」
娘「だ、だって……い、今まで竜さんから、こ、こういうことしてくれたこと、ないしっ!」ポロポロ
竜「だ、だからと言って泣くほどか!?」
娘「よく考えたら初めてでファーストだしっ!」ポロポロ
竜「……そういえばそうだな……」(なんかしみじみした)
娘「」グジグジ
竜「落ち着いたか」
娘「はい! というわけで!」ンー!
竜「なんだ」
娘「いきなりすぎてゆっくりできなかったので、今度はゆっくりと初めてでファーストをば!」
竜「もう初めてでもファーストでもなかろうが」
娘「じゃあセカンドでもサウザンドでも!」
竜「……まったく」
娘「」ンー!
竜「」ンー……?
魔王「」
僧侶「」
戦士「」
竜「……いつからそこに?」
魔王「え」
戦士「……」
僧侶「竜さんが勇者のおなかに耳当ててる辺りから……」
竜「ウワァァァァァァァァァァァァァ!!」バサバサバサ!!
エピローグ・完
転載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368091908/