~船上~
船長「よーし、錨を上げろ~。船を出せ、アジトに戻るぞ!!」
僧侶「いや!いやっ!離してくださいぃ~!!」
船長「ブヒヒヒィ、僕ちゃんのおうちに着いたら、た~っぷりと可愛がってあげるからねぇ~?ヒヒヒ、ヒヒヒッ…か、可愛いなあぁ~」
僧侶「いやああぁぁ…!と、盗賊さん、賢者さんん……助けてぇー…!」
船長「ち、ちょーっとくらいなら…あっあっ味見、してもいいかなああ!?」
僧侶「え?えっ?」
船長「こーんな物騒な防具なんか外しちゃいなよぉ?綺麗なドレスを買ってあげるからねえ…」ゴソゴソ
僧侶「ちょ!?なにしてんですか!!?やめてっ引っ張らないで!服が破れちゃいますよう!!」
船長「えー?脱がさなきゃ味見ができないじゃないかーっブヒャヒャ!!そんなウブなところも可愛いねぇ~!」
僧侶「ぎゃー!!ぎゃー!?いやあああやめて、やめてー!!盗賊さああーん!!いやー!」ボカボカ!
ワアアア! ギャアアア…
船長「ん~?なんだよもう、うるさいなーいいとこなのに…」
クソアマァー… オジョウチャーン…
僧侶「…っ…?あ、あの声…は……」
盗賊「クソアマぁぁぁ!!」ドカッバキ
海賊B「ぎゃあー!!」
海賊C「ひぃぃっ!!」
賢者「幻惑魔法~」フワァァ
海賊D「うっ!うわああ……ばっ、化け物があああ来るなぁぁ~!!」
盗賊「クソアマ!どこだ!!返事をしろ、クソアマー!!」
僧侶「と!盗賊さん!盗賊さーん!!ここです、ここー!!助け……むぐっ!うぐ…」ジタバタ
船長「静かにしなよぉ~!バレちゃうじゃないか…」ギュウウ
僧侶「(く、苦しい……抱き潰されちゃう…)」
盗賊「クソアマ…!?声が聞こえたぞ、どこだ、クソアマ!どこだ!?」
賢者「そこ!そこの船室だよ、兄ちゃん!!」
ドッガァ!!
盗賊「ここか………って、」
船長「ブフー……まったく無粋な輩だなぁ~。これからだったのに…ほら、ハニーちゃんのお着替え中なんだよ?出ていけよなぁ~っ」
僧侶「う…ぐ……ぅ」ギュウウウ
賢者「…嫌がる女の子に無理矢理乱暴するなんてさあ~、男の風上にもおけないよねー…」
盗賊「な……な、な!なにしてくれてんだぁぁああテメェェェッッ!!!」
盗賊「細切れ肉にしてやる、トロル野郎おお!!」ジャキッ
船長「もー、しょうがないなあ…ハニーちゃん、ちょっと待っててねぇ、僕ちゃん、お掃除してくるから!」
僧侶「げほっ!げほ!ごほ!」ドサッ
盗賊「死ねェッ!!」ブンッ!
バイィーン
盗賊「っ!剣が弾かれた!?」
船長「ブヒャヒャヒャ!!僕ちゃんのお肉は鍛えてあるからね!!そーんなヌルい力じゃ効かないんだよぉぉ!!」
賢者「おいおい、どんな肉だっての……本当にトロルなんじゃないの?あんた」
賢者「火はダメか、部屋が燃えちゃうしな……じゃあ、氷結魔法!!」バキン! バキン!
船長「んー、かき氷~?ヒャヒャヒャ、あとでシロップを持ってこさせるかなー」
盗賊「効いてねーぞ…マジで魔物なんじゃねーか?あいつ…」
船長「僕ちゃんは無敵なんだよお!大体お前ら何!?ハニーちゃんのなんなのさ、うるさいハエどもが!人の恋路を邪魔するなー!」バシィン!!
盗賊「ぐはっ!!」
賢者「だっ!?」
船長「ヒャハハハハ!!人の恋路を邪魔するやつは、僕ちゃんの張り手でブッ飛べぇ!!」
僧侶「と……盗賊さん、賢者さ…ん……」
賢者「痛つつつ……いや~、こいつはキツいなあ…もうちょっとオッサンを労ってほしいね…」
盗賊「………」ペッ
盗賊「………テメーがなんなんだ、ってんだよ」
船長「あぁ?」
盗賊「テメーがなんなんだっつってんだよ!!」
盗賊「そいつはなぁ!そのクソアマはなあ!!俺の、お――」
僧侶「!?!?」ドキドキ
盗賊「………」
盗賊「………とにかく!!」
賢者「あ、飲んじゃうの、そこ」
盗賊「うるせえな!!言い間違えただけだ、バカ!もとい!!とにかくだ!!なにがなんでも痛い目見せてやらあ、トロル野郎!」
賢者「う~ん、けれど剣でもダメ、魔法もダメ……かといって俺達は草食系男子だからなあー肉弾戦もあんまりなー」
賢者「力…力が足りない、か……倍加魔法はもうかかっているし…」
盗賊「うおおりゃあっ!!」ブンッ ドシュ
船長「効かない効かな~い、無駄なんだよお!」ブヨヨン
賢者「……そう、攻撃力をカバーできりゃいいんだよな」
賢者「兄ちゃんの剣を対象に、幻惑魔法!!」フワアアア
船長「ブヒッ!?」ブヨンッ
船長「ぎゃあああ~!?いっいっ、痛いぃ~!!?血!血があああ僕ちゃんの腕があああ!!」ドタン! バタン!
盗賊「な、なんだ?全然斬れてねーのに、暴れ出したぞ?」
賢者「今、兄ちゃんの剣に幻惑魔法が乗っているからね。斬られたような幻覚を見たんだろう…魔法剣、ってとこかなー」
賢者「ま、幻惑魔法が解けたら元に戻っちゃうけれど、本当に斬って人殺しになるわけにもいかないし、そもそも攻撃が効かないなら…こんなお仕置きが一番でしょ」
盗賊「………ほう。つまり生殺しってわけか…?斬れば斬るほど苦しむけど、互いに安全ってこったな?」ニヤリ
賢者「あー悪い顔だ…。うん、でもあんまりやりすぎるとね、幻覚から抜け出すのに時間がかかっちゃうから……」
盗賊「泣いて後悔しやがれ、トロル野郎ぉぉ!!」ビシバシ! ビシ!
船長「ぎゃあああ~っ!!」
賢者「…手加減してあげなさいね~…遅かったけど」
船長「あうああああ……」ブクブク
賢者「あーあ、気絶しちゃったか。一応、精神的負担が和らぐよう……回復魔法をかけておくよ」
僧侶「とっ盗賊さん!盗賊さあん!!怖かった…怖かったですよ~!うわああ~ん!!」
盗賊「クソアマっ!!大丈夫か、何もされてねーか!?」ギュッ
僧侶「うひょぅ!?は、は、はいぃ……す、少し、服は破られましたけど…」
盗賊「………良かった…」ホッ
盗賊「………」
盗賊「うおおわわわ!!?」ゴン! ゴンゴン!!
僧侶「痛っ!?痛い、痛ぁ!?まさかの三連発!?なんでぶたれたんですか、私!」
盗賊「こ…これは違う!違ぇーから!!あのクソオヤジの幻惑魔法が俺にも流れただけだ……違ぇから!!」
僧侶「正気に戻りたいなら自分をぶってくださいよう!!」
賢者「はいはーい、そのクソオヤジからひとつ質問があるんだけどね……」
賢者「あのさ…なんでこの船、どんどん街から離れていると思う?」
僧侶「それは、さっき船員の人達が錨を上げて、船を動かしたから……」
賢者「そっかー成程ねー。じゃあ仕方無いよね、陸地から離れるのは」
盗賊「おい、耄碌するには流石にまだ早いだろ…何をわかりきった事を聞いてんだよ」
賢者「あっははは、いや~ごめんごめん、ちょっと現実を受け入れられなくてさー、あっははははは」
僧侶「も~、賢者さんってば」
盗賊「ははは……」
賢者「………」
僧侶「………」
盗賊「………」
賢者・僧侶・盗賊「「「なにしてくれてんだあああ!!?」」」
盗賊「お、おい!!起きろトロル野郎!船を戻せ、街に戻せ!!コラ、起きろぉぉ!!」
賢者「ちょっとちょっと、流石にダメだよ兄ちゃん!気絶したとはいえ、時間的にまだ幻覚が抜けていない、今起こしたら再び暴れ出すだけだ!」
僧侶「な、なら、他の船員さん達を、起こしましょうよ!」
盗賊「他のったって、大体ノビてんぞ…クソオヤジが何人かに幻惑魔法をかけていたしよ。そもそも、船ってどうやって動いてんだ?どれくらい起こせばいいんだ?」
賢者「え、えーっと、えーっと!あれ?オッサン誰に幻惑魔法かけたか忘れちゃったよ、あっははは……嫌だね~歳は取りたくないな~本当!!」
僧侶「じゃあじゃあ、どうすればいいんでしょうか!?うわああん、街があんなにちっちゃく見える~っ!さっきよりも流れが早くなってますよう~!?」
賢者「あー、むか~し本で読んだ事があるなあ……潮の流れってやつかしら、コレ」
~漂流中~
盗賊「あっちぃ……砂漠の次は海かよ、風が吹いていてもなんかベタついて気分悪ィ…オッサンよぉ、また氷出してくれよ…」
賢者「もう溶けちゃったの?出してあげたいところだけどね……こんなに長く船に揺られていると、気持ち悪くて、集中できな……うおえええ!!」ゲロゲロ
僧侶「だっ大丈夫ですか、賢者さん!?今どの辺りなんでしょうね……お水や食糧は積んであったから良かったけど、なくならないうちにどこかに船が着かないと……うう」
賢者「せ……背中擦ってくれて、ありがとうね…お嬢ちゃん………おうええぇ」
盗賊「おい、まだ陸地に着かねーのかよ!?」
海賊「へ、へい…なにぶん、気絶していた間にかなり流されてやして……調べちゃいますが、ここがどの辺りか検討もつきやせんもんで…」
盗賊「大体誰だよ、船を動かした奴はよ!なんで俺がこんな目に合わなきゃならねーんだ、チクショウ!!」
子分「りっ陸地が見えましたぜ、旦那ぁ!ありゃあ、聖騎士の王国です!!」
盗賊「聖騎士って……おい、隣の大地まで流されたのかよ!?」
子分「間違いないです、聖騎士の王国にゃ、聖騎士達が修行するバカでかい塔があるんですが……今しがた望遠鏡でソイツを確認しましたんで!」
賢者「も、なんでもいいからさ、船から降りようよ…オッサンもうダメ、このままじゃ内臓まで吐き出しそ………うえええ」
僧侶「賢者さん、しっかりしてくださいぃ…」ナデナデ
盗賊「仕方無ぇか……じゃあその陸地に船を着けてくれ」
盗賊「言っておくが、俺達がいなくなったからって、また悪さするんじゃねーぞ……あのトロル野郎にも言っておけ!何かしようもんなら、また仕置きに来るってよ!!」
海賊「は!はいぃぃぃ!!」
~陸地~
僧侶「海では太陽がキツかったのに、この辺りは涼しいんですねえ…」
賢者「あー…基本的に、この土地は寒冷地だからね……冬になると特に寒さが厳しくなるよ…うっぷ。まだ気持ち悪い」
盗賊「そういや、オッサンはこの土地の産まれだったか」
賢者「ああ…更に北の方にある、魔法文明を研究する街がある……俺の故郷がそこなんだよ、な、あ、ちょっとタンマ、……おええええ」
僧侶「あああ、賢者さんん…」ナデナデ
盗賊「先を急ぎたくもあるが、オッサンがこの調子じゃどうしようもねーな……この辺で野宿するか?」
?「…そこの人、大丈夫か?顔が真っ青だよ」
?「オジサンどうしたの?具合悪いの?」
盗賊「…っ?」ドクン
僧侶「んっ?」ドクン
賢者「うおえええ……」
戦士「随分と具合が悪そうだが、急病人か?」
盗賊「(若い女…戦士か?……それと、旅芸人らしき格好のガキ)」
盗賊「…いや、病人というより、船に酔っただけでな。仕方無いから、この辺で野宿して休ませようとしていたところだ」
戦士「船酔い?そうか。なら、良い薬があるから、それを飲ませてあげるといいよ。ま…旅芸人」
旅芸人「はいっ!この薬だよ!僕もここに来るまでに、船に酔っちゃったんだけど……でも、この薬を飲んだらすぐに治ったんだ」
僧侶「あ、ありがとう~!ありがとうございます、助かります!さあ、賢者さん、お薬ですよ!」
盗賊「…すまねえな、見ず知らずの俺達なのに、親切にしてもらってよ」
戦士「なに、性分というものでね。困っている人を見かけると、手助けしてしまいたくなるんだ。いきなり声をかけて悪かったね。それでは、お大事に」
盗賊「………」
賢者「はあ……いやあ、よく効くな~この薬。気持ち悪いのがかなり落ち着いてきたよ」
僧侶「良かった!親切な方にお会いできて、良かったですねえ~」
賢者「本当にねえ~、旅は道連れ世は情け。ありがたいことだなあ」
僧侶「…それにしても…盗賊さん、珍しく疑ったりしなかったんですね…?いつもなら、少しでも怪しんでから入るのに」
盗賊「………ん?…あ、ああ」
僧侶「盗賊さん?どうしちゃったんです…?ボーッとして……」
賢者「あれじゃないの?さっきの戦士の姉さん、なかなか胸大きかったし。見惚れたとか、そーいうの?」
僧侶「そ、そうなんですか!?盗賊さんっ!」
盗賊「なっ!?バカ!違ぇよ!!」
盗賊「………」
盗賊「(…気のせいか?さっき、心臓……いや、もっと何か、別のものが疼いたような感じがしたのは…何かに反応したような……?)」
~聖騎士の王国~
門番1「止まれ!我が国に何用か!?」
僧侶「ああ…この感じ、また味わうなんて~…」
盗賊「遭難して、この土地に流れ着いたもんでな。持ってきた食糧も尽きかけている、他に村や街も見当たらないし…困ってんだ。出来れば、この国に入れてもらいたいんだが…」
門番2「ふむ…それは難儀な事だな。困っていると言うならば、手助けするのが我らの志」
僧侶「…あれ?わりと好感触…?い、入れてもらえますかねえ…?」
賢者「いやいや~、忘れちゃダメだよ…ここが何の国なのかってことをさ…」
門番1「しかし旅人よ。我々は志と等しく、掟も大事にするものなり」
門番2「心、技、体!全てにおいての強さを認められた者だけが、この門をくぐる資格を持つ者なり!」
門番1「我らの国に入りたくば、戦え!旅人よ!」
盗賊「あー…そうくるか……」
盗賊「…オッサンは船酔いでフラフラだし、クソアマは役立たず……となると、戦うのは必然的に俺、か……はあ、面倒くせえ~…」
盗賊「…で?どっちと戦えばいいんだ?俺は」
門番1「否。戦うは我らにあらず。我らはあくまでも門番なり、門を守る騎士なり」
門番2「旅人よ、運が良かったな。余所者が門をくぐりたい場合は、その意思を持つ者同士戦い、勝った方だけが入れる掟。入国を待つ相手がいなければ、来るまで待ってもらうところだったが」
門番1「今丁度、一組。入国の為に対戦者を待つ者がいる。彼の者と戦うのだ」
門番2「戦いの準備をする小屋がある故、そこで支度を整えて参れ」
僧侶「だ…大丈夫ですか?大丈夫なんですか?盗賊さん……」
盗賊「大丈夫だと思うか?俺はあくまで非戦闘職の一般人なんだがな…死んだらどうしようかね」
賢者「俺も蘇生呪文は使えないから、危なくなったらすぐ試合放棄するんだよ?その時は遠いけど、食糧節約して何とか魔法の街を目指すしかないな」
僧侶「こ、これが準備小屋ですかね。失礼しま~す…」ガチャ
バトルマスター「入国を希望する者よ。よくぞ参られた。貴殿の勇気を私は賞賛しよう。さあ、扱い易い武器を取りたまえ」
盗賊「剣に槍に斧……色んな武器が揃っちゃいるが…みんな木製だな、これなら斬られても心配なさそうだ」
バトルマスター「命の奪い合いが目的ではないからな。入国を賭けての戦いでは、一太刀入れるか、相手に負けを認めさせた者を勝者としている」
盗賊「なら、俺は剣を選ぶぜ。本当は短剣の方がいいが、それは無いようだしな」
バトルマスター「承知。では、この扉の先が試合場となっている。貴殿の武運を祈ろう」
盗賊「ッ!!」ドクン
僧侶「う…?」ドクン
盗賊「(ま…まただ、あの疼きが、また!なんなんだ…?あの様子じゃ、クソアマも同じ感覚を受けている?)」
旅芸人「あ、船酔いのオジサン達だ!元気になれたー?」
賢者「あれ~?そういう君は、薬をくれた少年くんじゃないの。あの時はありがとうね~、って……もしかして、入国を待つ対戦者って…君達なの?」
戦士「奇遇だね、君達も同じ道を目指していたのか。けれど、ごめんな。私達も、どうしてもこの国に入りたいんだ。手加減はしないよ」
盗賊「………」
盗賊「…なんなんだ?お前らは……」
バトルマスター「僭越ながら、試合には私が立ち会わせてもらう。一太刀入れるか、負けを認めさせるか。勝った者を入国対象とする!では、試合始めぃっ!」
旅芸人「ゅ………戦士様ー!頑張ってー!!」
盗賊「(相手の武器も剣か……本職に勝てるわけねーだろ、クソっ!)」
戦士「ふっ!!」シュッ!
盗賊「!?」
盗賊「(な…なんだ?今の…ギリギリ避けられたが……一度しか振っていないのに、太刀筋が二つに見えたぞ!?)」
僧侶「と、盗賊さん…!」
賢者「やー…かなり強いね、あの姉さん…隙がまるで無いよ」
戦士「私の剣を避けられるとは、驚いたよ。私もまだまだ修行が足りないな」
盗賊「……素早さを売りにしているもんでね、一応……」
盗賊「(詐欺くせぇー…あんな技があるとか、卑怯じゃね!?いや、俺も短剣を使った流れ技はあるが……その短剣が無ぇよ、バカが!)」
戦士「やああっ!!」ビュン! ブンッ!
盗賊「と!うお!?危なっ!?」ガン! ガツッ!
盗賊「(一太刀一太刀が鋭く重い…!もし、剣が木製じゃなかったら……いや、木製でも、喰らったら骨がイカれちまう!!)」
戦士「本当にごめん、君達もこの国に入りたいんだろうけど…私も同じなんだ。どうしても、一刻も早く…この国に入って力を借りなくてはならないんだ。あの子を守らなきゃ…!」
盗賊「あの子…?あの旅芸人のガキか?」
戦士「そうだよ。本来、一人の人間にこだわる事は、私にとって良くない事かもしれない。それでも、私はあの子を守りたいんだ。その為なら、この力の全てを注ぐ!!」グッ
盗賊「(なんだ?あの構え……来るッ!?)」ゾクッ
戦士「たあああぁぁーッッ!!」ドカァァッッ!!
僧侶「きゃああああ!!と、盗賊さんっ!!」
盗賊「ぐ……は、ァッ…!」ドサッ