――魔王城、城門――
勇者「ようやく、ここまで来た」
魔法使い「はい」
僧侶「こ、ここが魔王城……」
女戦士「はは、この私がぶるってやがる……」
勇者「これできっと最後だ」
僧侶「馬車、あんな場所に置いてきてしまって大丈夫でしょうか」
勇者「きっと大丈夫だよ」
女戦士「細かいことをうじうじ考えても仕方ねぇ。今は突っ切るしかないよ!」
僧侶「そう、ですね。神のご加護よ……」
魔法使い「……城門が、開いた」
勇者「入って来い、ってことだな」
――魔王城 城内――
勇者「くっそ、流石に多いなっ!」
魔物の群れが現れた
魔物Aは勇者にダメージを与えた
勇者「つっ」
女戦士「大丈夫か!?」
勇者「かすり傷でもないよこんなの!」
魔法使い「……」
僧侶「攻撃力、防御力上昇の魔法!」
勇者の攻撃
魔物Bにダメージを与えた
魔物Bは倒れた
側近「よくここまで来た! 我が名は、側近。魔王さま一の下僕である!」
勇者「……忙しいってときに」
女戦士「いけ好かない野郎だね。ああいうのは嫌いだ」
僧侶「女戦士さんに同意します」
魔法使い「……」
側近「それは残念だ。しかし、お前らはこの俺のもとに辿り着く前に死ぬのだ!」
僧侶「そういうの、死亡フラグって言うんですよ」
女戦士「そうだな。覚えておけよキザ野郎」
側近「ふふふ」
魔物D~Tまでが現れた
魔物Bはふっかつした
側近「私がいる限り、魔物は有象無象に沸くぞ?」
勇者「確かに、あそこまで行くには魔物どもが邪魔だ」
女戦士「だからって、どうすりゃいい」
勇者「魔法使いが狙撃しようにも、ばっちり姿を見られているし」
僧侶「……退路もありません」
魔法使い「どうする」
側近「ふふふ、俺を倒すことなどできん!」
僧侶「死亡フラグだけは立てているのに……」
勇者「とにかく、俺が先陣を切る! 女戦士さんは後方を守って!」
女戦士「そんな無茶だ!」
勇者「それでも、このままじゃどっちにしても終わりだ!」
女戦士「ぐっ……」
僧侶「そ、それならせめて……攻撃力、防御力上昇の魔法!」
勇者「ありががとう僧侶さん! どぉおおるああああ!!」
勇者の攻撃
勇者は剣技をはなった
魔物数体にダメージを与えた
数体の魔物は倒れた
勇者「まだまだあああああ!!」
勇者「こんなもんじゃねぇええ!!」
魔物の攻撃
勇者はダメージをうけた
勇者はダメージをうけた
勇者「ぐぅっ……」
僧侶「勇者さま! 回復魔法大!」
勇者「ありがとうっ!」
側近「無駄だって言ってるじゃないか」
側近はふっかつのじゅもんを唱えた
魔物がふっかつした
女戦士「なんだよ、あんなのずりぃじゃねぇかよ! 卑怯者!」
僧侶「そうです! あなたも男性ならば、正々堂々を戦いなさい!」
側近「そんな古臭いマネしてられるか。貴様ら人間は所詮クズだ、下等生物だ! フーハハハ!」
勇者「うぜぇ……」
側近「ふん。貴様らごときがこの先におられる魔王さまに会うなんざ、100年早いわ!」
勇者「ぐっ」
側近「ふはははは!!」
女戦士「このままだとマジでうちら……」
魔法使い「……あの群れさえ、無ければ」
僧侶「群れを消せれば、狙い撃つことができるんですか?」
魔法使い「……ごめんなさい、無理。きっとあいつも動き回る」
女戦士「くそが……詰みかよ……」
僧侶「……」
魔法使い「……」
僧侶「……決めました。わたくし、命を懸けます」
女戦士「僧侶ちゃん?」
僧侶「勇者さま! 一度こちらへ!」
勇者「おう!」
魔法使い「……もしかして」
側近「なんだ、下等種族が今更作戦会議か? まぁいいだろう。足掻いてみろよ」
勇者「それで、何か作戦でもあるのか?」
僧侶「はい」
女戦士「それは本当かい!? よっしゃあ、言ってくれ!」
魔法使い「……」
勇者「それで、作戦は?」
僧侶「はい。わたくしが使える唯一の攻撃魔法で、魔物を一掃します」
女戦士「そんなことが出来るのか?」
僧侶「おそらくは可能かと」
勇者「それは本当か!」
女戦士「おいおい。じゃあ最初っから使ってくれよ……」
僧侶「……すみません」
魔法使い「……だめ」
勇者「え? どうしてだ魔法使い」
魔法使い「僧侶のその魔法、使用者が死んじゃう……」
女戦士「お、おいどういうことだよ」
僧侶「……」
僧侶「いいんです……。だって、わたくし、魔法使いさんに命を助けてもらってますから」
魔法使い「そんなの、いつ」
僧侶「グリフォンのとき。あのとき、わたくしは死を覚悟しました」
魔法使い「そんな」
僧侶「鉄砲の魔法、聞けなかったのは残念でした」
魔法使い「だめっ」
僧侶「ふふ……。攻撃魔法を使います、魔物が一掃された一瞬の間で、勇者さまたちは側近の動きを封じてください」
勇者「……」
魔法使い「勇者さま……」
勇者「わかった」
魔法使い「……そんなっ」
女戦士「くそっ、やりゃあいいんだろうが!」
魔法使い「……だめ、僧侶さん」
僧侶「大丈夫です。わたくしは死にませんよ」
魔法使い「……」
勇者「信じてやるんだ、仲間だろ」
魔法使い「……はい」
女戦士「そうと決まれば、やるか」
僧侶「そうですね」
女戦士「……ごめん」
僧侶「平気ですよ。言ってるじゃないですか、わたくしは死にません」
側近「ふははは、もう作戦は終わったか?」
勇者「終わったよ」
女戦士「ああ」
僧侶「……」
魔法使い「……」
側近「ふん、所詮はクズだ。何をしようとした所で」
勇者「うおおおおおお!!」
女戦士「おんどりゃーー!!」
側近「なんだ。ただの突撃か。はんっ、期待しただけ損だったぞ」
僧侶「……攻撃魔法、大!!」
魔法使い「僧侶さん……」
僧侶の攻撃魔法
魔物A~Uまでダメージをあたえた
魔物は倒れた