女勇者「伝説の武具を売って欲しいって?」商人「おねしゃす!」 6/10

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商人「なにか御用でしょうか」

盗賊「おうよ!親分が御用なんでい!」

親分「俺の言うことはいつも一言だけだ!奪って晒せ!」

盗賊「ヒャアアアアアハー!」

商人「逃げますよ!」

戦士「うりゃああー!」

ドガッ

盗賊「いつつ!」

戦士「逃げたきゃ一人で逃げろ!意気地なしめ!」

勇者「せ、戦士」

盗賊「親分ー!」

親分「俺に二言目を言わせるたぁな。どっせい!」

ガキーン

戦士「ぐあっ!け・・・・・・剣が・・・・・・」

勇者「真っ二つだ・・・・・・」

親分「生半可な腕で挑んできたこと後悔するなよ」

盗賊「親分カックイー!」

親分「せいやああ!」

商人「危ない!」

ダンッ

戦士「わっ」

商人「うぐぐっ・・・・・・」

ボタタッ

勇者「い、今回復を・・・・・・」

商人「そんな時間はありません。人間はモンスターみたいに待ってくれませんよ」

戦士「あっ・・・・・・あっ・・・・・・そんな・・・・・・」

親分「そのとおり!」

ブンッ

商人「目潰し!!」

ババッ

親分「いでぇ!こんなもの!」

ゴシゴシ

商人「煙幕!」

ボフーン

盗賊「ど、どこ行きやがった」

商人「さあ今のうちに・・・・・・うぐぐっ」

勇者「戦士!肩貸して!」

戦士「あ、ああ・・・・・・」

勇者「回復回復ー」

戦士「まったくお前は・・・・・・」

商人「いつつ・・・・・・卑怯でしたか?目潰しに煙幕なんて。でも、それが私です」

戦士「そ、そうじゃねーよ」

商人「?」

戦士「な、なんであたしを助けたんだよ」

プイッ

商人「は?」

戦士「お、お前は逃げようって言ってたのに聞かずに向かっていったのはあたしなのに・・・・・・」

商人「そんなの当たり前じゃないですか」

戦士「えっ!?」」

ドキッ

商人「だって戦士さんは私の」

戦士「う、うんっ」

ゴクッ

商人「私の大事な・・・・・・」

戦士「だ、大事な?」

ドキドキ

商人「弟子ですからね。弟子のケツを拭くのも師匠の役目です」

戦士「はぁ!?」

商人「だから気にしないでください」

戦士「こんの・・・・・・馬鹿!」

バシッ

商人「いたっ!」

勇者「戦士駄目だよ!まだ怪我してるんだから!」

戦士「馬鹿!・・・・・・馬鹿!!」

ボタボタッ

勇者「戦士泣いてるの?」

商人「け、けつは余計でしたかね、は・・・・・・ははは。ごめんなさい」

戦士「馬鹿・・・・・・」

―――砂漠の町

商人「いやぁ、被害も最低限で着いてよかったですね」

戦士「最低限じゃねーよ!」

商人「ええ、まぁ、ちょっとだけお金減りましたけど」

戦士「お、お前の体は最低限じゃねーっての!///」

商人「え?」

勇者「戦士顔赤いよ?」

戦士「うっ、うっさい!疲れたから今日は休もう!」

商人「そうですね、荷物と馬車預けてきます」

勇者「やっとベッドで休めるー」

―――宿屋

商人「あ、あの戦士さん、なんで私のベッドに・・・・・・」

戦士「勇者がお風呂入ってる間にちょっと話したいことが・・・・・・ごにょごにょ」

ズイッ

商人「ち、近いですって!」

戦士「嫌か?」

商人「そ、そんなことないですけど」

戦士「そうだよな。あたし見たいなガサツな女魅力ないもんな・・・・・・」

商人「そんなことないですよ」

戦士「え?」

商人「戦士さんは十分魅力的な女の子ですよ、どうしたんですか、元気ないですね」

戦士「そ、そお?魅力的?み、魅力的って言われちゃった///」

ピトッ

商人「な、なんでくっつくんですか!」

戦士「な、なぁ・・・・・・お金で買えないものはないって言ってたよな」

商人「ええ、まぁ」

戦士「じゃ、じゃあ何であの時あたしを庇ったり、その一緒に旅に同行させたりしてんだよ」

商人「へっ?」

戦士「お金が大事なんだろ?それなのに損することばかりしてねーか?」

商人「私には全部お金で世の中が見えるんですよ。剣の値段、鎧の値段、国の値段」

商人「人の気持ちの値段、幸せの値段、やさしさの値段」

商人「だから私の守ったものの値段もお金で換算されています」

戦士「い、いくらくらいだよ。あたしの値段は」

商人「ふふふっ、秘密です」

戦士「で、でも商人にだったら・・・・・・あたしの値段全部あげても・・・・・・」

ドキドキ

勇者「あーーっ!いいお風呂だったー」

バターンッ

ババッ

戦士「は、ははははははやかったな!ゆゆゆ勇者!」

ドキドキドキ

戦士(あ、あたし何言ってたんだ。頭がボーっとして)

商人「///」

戦士(商人が顔赤くしてる・・・・・・)

戦士(も、もしかして商人もあたしのこと・・・・・・)

ドキドキ

商人「ふ、服!」

戦士「服?」

商人「服くらい着て出てきてください!勇者さん!」

勇者「だって暑かったんだもん」

勇者「あーっ、赤くなってる。見た?見たっしょ?」

商人「見てません!」

戦士「・・・・・・」

商人(やっとこれで逃げられますかね)

商人(私には夢があるのです)

商人(いつか世界をまたにかけた大きな貿易の中心に立つという夢が)

商人(そのためにはこんなところで立ち止まってはいられません)

商人(さすがに疫病神二人はきつすぎます)

商人(お金も手紙も残していきますし、大丈夫でしょう)

商人(朝になったら二人が寝てるうちにでましょう)

商人(出ましょう・・・・・・と思っていたのに)

商人「なんで二人とも私のベッドで腕掴んで寝てるんですか!」

商人「はっ、まさか先手をうたれた!?この私が!?」

勇者「んぅー、もう朝ぁ?あと5分~」

戦士「ああーなんかいい夢見た・・・・・・って商人!?なんでここに!」

商人「それは私の台詞です」

戦士「い、いやぁ、寝相が悪くってさぁ、悪い悪い///」

勇者「わたしも寝相がー」

戦士「いや、あんたと商人のベッド端っこ同士だし!真ん中のあたしなら分かるけど何であんたが逆の端に来てんだよ!」

勇者「それはもうすごい寝相で、えへへ」

戦士「この・・・・・・」

商人「はぁ・・・・・・もういいです。一緒にいきましょう」

戦士「おう!」

勇者「はーい」

勇者「あの、二人とも私の腕に捕まるのやめてくれませんか?」

勇者「いいじゃん、ねー。あったかいし」

勇者「ここ砂漠ですよ」

戦士「あたしは片方だけじゃバランス悪いだろうから仕方なくだよ。べ、別にやりたくてやってんじゃねーからな!」

商人「動きにくいんですが」

勇者「いいからいいから」

戦士「そうそう」

宿屋「お客さん、昨晩は二人相手にハッスルですか。お楽しみでしたね。うひひひひひ」

商人「あの・・・・・・余計な事言わずにお会計してください」

商人「では私は富豪の方々と交渉にいってきますので、お店お願いしますね」

勇者「はーい」

戦士「任せろ!」

商人「これが売値の表、これが買値の表ですからね」

勇者「うん」

戦士「了解」

商人「そして、これが売値の表、これが買値の表ですからね」

勇者「なんで二回いったし」

商人「最後に、これが売値の表、これが買値の表ですからね」

勇者「3回目!?」

商人「間違えないようにお願いしますね。あと割引は1割まで。それ以上つけてはいけませんよ」

戦士「な、なんかこまけぇな」

勇者「大丈夫大丈夫。私でも出来たんだから」

商人「じゃあお願いしますね」

勇者「ほらっ、これ被って」

戦士「な、なんだよこのフード」

勇者「これ被って売らないとだめなの」

戦士「な、なんで?」

勇者「えーっと商品価値がなんとか」

戦士「はぁ?こんなの被ってられるか」

勇者「商人がそうしないとって」

戦士「し、仕方ねぇな。被っておくか・・・・・・」

パサッ

勇者「いらっしゃい!いらっしゃーい!」

戦士「い・・・・・・いらっっしゃ・・・・・・・い」

勇者「駄目だよ。戦士、もっと大きな声出さないと」

戦士「な、なんだよ偉そうに」

勇者「私これでも先輩店員ですから」

エヘンッ

戦士「大して違わないだろ」

勇者「さぁさぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。あの超絶可愛くて、超絶かっこよくて、超絶モテモテの勇者様一行の武具放出品だよー」

戦士「あ、あんたよく恥ずかしげもなくそんなこといえるな・・・・・・」

勇者「えー、何が?」

戦士「いや、超絶可愛くてってところから」

勇者「だって事実だし」

キョトンッ

戦士「こ、こいつは・・・・・・」

「これ戦士ちゃんの着てた鎧かい?」

戦士「い、いらっしゃい!」

勇者「そうだよー」

「どれどれ、ちょっと触ってみてもいいかい?」

戦士「ど、どうぞ」

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