女勇者「勇者になんて、生まれたくなかったんだよ?」 10/12

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女勇者「強制されたからとかじゃなくって。これが私の正義だと思うの。だめ?」

戦士「…勇者殿の気持ちはわかった」

僧侶「そうですね。私達にも正義があって、勇者様にも正義がある…」

魔法使い「二つの正義に優劣なんてありませんもんね」ニコ

女勇者「えへへ、ありがとう」

戦士「うむ。俺たちも全力で勇者殿を守る。勇者殿も、もしもの時は守ってくれ」

女勇者「うん!がんばって、みんなで魔王を倒そうね!」

僧侶「はいっ。そして、世界に平和を…」

魔法使い「皆で力を合わせれば、必ず勝てますよね」

女勇者「勝てるよ!」

戦士「よし…それぞれ回復は済んだか?」

僧侶「はい!」

魔法使い「大丈夫です」

女勇者「はぁい!」

戦士「うむ。パーティーの士気も最高だ。行こう」

僧侶「…この扉の向こうに魔王が…!」

魔法使い「いよいよ、最後の戦いですね…!」

ギシ…

キィィィ…

【最終決戦】

魔王「来たな、幼き勇者よ」

魔王「よくぞ…ここまでたどり着いた」

女勇者「……すごい…体が…震える…!」

戦士「強い!今までの魔物とは比べ物にならない…!」

僧侶「……空気が、震えてる」

魔法使い「……負けません!」

魔王「貴様らを侮っていた事を謝ろう。たかが子供と侮っていた」

魔王「この勇者を守りながら、ここまでたどり着いた。人間ながら、賞賛に値する」

戦士「当然だ。そして、貴様も倒す!」

魔王「よかろう。もはや言葉は不要」

魔王「かかって来るが良い。勝てば正義、負ければ滅びる。余こそが貴様らの倒すべき…」

魔王「敵だ!!!」

女勇者「…負けないもんっ!」ぐっ

魔王「破壊を」

魔王の邪気が空を覆っていく…!

邪気が雷雲となり、悪魔の雷(いかずち)が起こる!▼

戦士「天井が震えている…!来るぞ!」

僧侶「神よ…この者達を護りたまえ。魔法防御(全体)」

ぱぁぁ…

戦士は魔法攻撃に強くなった!

魔法使いは魔法攻撃に強くなった!

僧侶は魔法攻撃に強くなった!

女勇者は魔法攻撃に強くなった!▼

魔王「無駄な事。そのような脆い防御で防げるものではない」

バリバリバリバリィッ…!!

悪魔の雷(いかずち)が戦士達を襲った!

戦士に82のダメージ!

魔法使いに131のダメージ!

僧侶に120のダメージ!

戦士は女勇者をかばった!

戦士に89のダメージ!

僧侶「くぅぅ…!全体回復魔法(大)!」ぱぁぁぁ

戦士「魔法使い!攻めてくれぇ!!」

魔法使い「はい!勇者様、私と一緒に!」

女勇者「う、うんっ!!」

魔法使い「はぁぁ…!火炎魔法(最大)!!」

ぼぉぉぉお!!!

魔王「ぬ…!小癪な、小娘」

魔王は魔法を振り払い、魔法使いに腕を振り下ろした!

女勇者「…えいっ!!!」ぶんっ!!

女勇者の攻撃!

ガキンッ!

魔王「くっ!?」

魔王に29のダメージ!

魔王の攻撃は外れた!▼

戦士「よし!僧侶、サポートを頼む!」

僧侶「はい…!」

僧侶「守備力強化魔法(大)!」

ぐぐぐ…

戦士「ぬりゃあああああ!!!」

戦士の攻撃!

会心の一撃!!

ずしゃあああああ!!!!

魔王「ぬぅぅ…!!」

魔王に412のダメージ!!▼

戦士「いけるぞ…!!」

魔王「甘い…!!!攻撃後に隙を見せるなど…」

魔王は拳を握り締め、戦士の体をたたきつけた!

戦士「がっ…」

戦士に209のダメージ!!

戦士「…う…腕がやられた…!!」

女勇者「回復魔法(小)!」ぱぁぁ

戦士「勇者殿…!」

女勇者「回復魔法(小)!回復魔法(小)!」ぱぁぁ…

戦士「…よし。剣は握れる!恩に着るぞ、勇者殿!」だっ!

女勇者「うんっ!戦士くん、私も行くよ!いいでしょっ?」

戦士「…うむ!勇者殿は右から頼む!」

女勇者「はいっ!!」

たったった

魔王「ふ…どこから何人でかかろうと同じこと。一人ずつ潰せば良い」

戦士「ぬりゃああ!!!」

女勇者「やぁーっ!」

魔王は身を翻し、なんと女勇者の方向に向かって突進した!▼

戦士「な…!」

女勇者「うぅ…!?」

魔王「ふははは!この勇者の一撃など恐るるに足らん!」

魔王「貴様の攻撃では挟み撃ちになどならんのだっ!」

勇者の攻撃!

ガキンッ!

魔王に16のダメージ!

魔王「この程度!所詮ガキの戯れよ…!」

魔王は右手に邪気を溜め、そのまま女勇者に振りかざした!

女勇者「ひっ…!」

女勇者「うわ…うわぁあ…!!」」

魔王に140のダメージ!!▼

魔王「な…!?」

魔法使い「私たちを忘れてもらっては困ります。私たちは4人で一つ…!」

僧侶「勇者様、いまのうちに…!こっちへ!」

女勇者「…ふぇ?あ…うんっ!」

魔王「くっ……ちょこまかと…!」

戦士「俺に背中を向けるとは、愚かな!魔王!」

戦士の攻撃!

戦士は剣を高く振り上げ、魔王の背中に突き立てた!!

ドスゥ!!

魔王「ぐぅおおおおお!!!!」

魔王に326のダメージ!

魔王「ふぅ…ふぅ…!」

戦士「はぁ……はぁ…!」

僧侶「戦士さん、回復を…!回復魔法(最大)!」ぱぁぁ

戦士「…かたじけない!」

戦士「魔王!!貴様を倒す!!」

魔王「馬鹿な…!!ほざけ、人間ごときが…!!」

魔王は立ち上がり、右手を天に掲げた!

魔王は自分の生命力を削って、自らの右手に邪気を集め始めた!

戦士「…最後の一撃か!」

女勇者「戦士くん!私も行く!」

僧侶「戦士さん、サポートはお任せください!」

魔法使い「援護します!必ず魔王に隙を作ってみせます!」

戦士「よし!行くぞ…!!!」

魔王は自らの命を乗せた一撃を放った!▼

魔王「おおおおおおおおオォォォッ!!!」

魔法使い「火炎魔法(最大)!冷気魔法(最大)!」ゴゴゴゴ……

魔法使い「爆発魔法ォ(最大)!!!」

ズガァァァン!!!

魔王の右腕に直撃!▼

僧侶「素早さ上昇魔法(最大)!」

ピュイイイイン…!!

戦士の素早さが大幅に上がった!

女勇者の素早さが大幅に上がった!

魔法使い「はぁ、はぁ……!攻撃力倍増魔法!!」

グィィィン!!!

戦士の攻撃力が2倍になった!

女勇者の攻撃力が2倍になった!

戦士「行くぞ、勇者殿っ!」

女勇者「うんっ!」

魔王「馬鹿な!馬鹿なっ…!!」

女勇者「やぁぁぁあああ!!」

戦士「うおぉぉおおおお!!」

女勇者と戦士は左右から同時に魔王に斬りかかる!

ズガァアアアアン!!!

二人の剣は魔王の体に深く突き刺さった!!▼

魔王「が……!」

女勇者「……はぁ、はぁ」

戦士「……はぁ…!はぁ…!」

ガクッ…

魔王「……見事だ、人間」

戦士「やった…のか?」

僧侶「私たちの絆が…勝ったんですね…!!」

魔王「…絆か。それが貴様ら人間の強さか…!」

女勇者「…勝ったの?私たち、勝ったの?」

魔法使い「ええ…!ついに、魔王を…倒しましたよ…!!」

女勇者「終わったんだ……終わったんだね…!」

魔王「見事だ。貴様ら人間の絆…強さ……見くびっていた…」

魔王「そして…」

魔王「それこそが、弱さでもある…!!」

戦士「なに!?」

魔王「混乱魔法(最大)!!!」

ぐら…

戦士「ぐ……」

戦士は混乱してしまった!▼

女勇者「戦士くん!?」

魔王「ふははは…油断したな…!余が膝をついたことで…!」

魔法使い「卑怯な…!」

僧侶「は、早く正気に…戻さないと!」

魔王「無駄だ。余のかけた魔法はそう簡単に解けるものではない…」

魔王「余の命も僅かだが…貴様らのうち一人でも戦えねば勝機はある…!」

魔法使い「くっ…戦士さん!正気に戻って!!」

戦士「く…!勇者殿、どこだ!?」

女勇者「戦士くん!ここ!見えるでしょ!?」

戦士「俺の後ろに下がっていろ!勇者殿!!」

女勇者「戦士くん!!」

魔法使い「だめです!勇者さま、今の戦士さんには聞こえていません!」

女勇者「そんな…戦士くん、お願い!元にもどってよう…!!!」

戦士「そうだ。勇者殿は必ず俺が守る!!後ろに隠れていろ!」

戦士「大丈夫。心配するな。俺たちはあなたをお守りするためにここまで強くなった!」

戦士「必ず俺達が守り抜いてみせる!」

戦士「覚悟しろ、魔王!!」

シャキン!

女勇者「え…?」

魔王「ふははは…皮肉なものよ…!」

魔王「守るべきものの幻を背に、守るべきものに剣を向ける…」

魔王「絆など…!崩れてしまえば弱さに変わる…その絆が…強ければ強いほどに……!!」

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