魔王「間違えた…」 3/13

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―――朝

チュンチュン

魔王「・・・んがっ」

魔王「・・・あれー、いつの間に寝て・・・」

魔王「あたまいたいー・・・」

魔王「・・・ん?あれ、動けない・・・」

魔王「・・・そういえば彼女は・・・」

町娘「・・・zzz」スースー

魔王「・・・・・・・・・」

魔王「・・・おかしいな、なんで僕の腕に寝てるんだ・・・」

町娘「・・・zzz」スースー

魔王「・・・服は着てるから、セーフ・・・?」

魔王「あー、でも・・・。魔王としては、コレはやばいな・・・」

部下「・・・おはようございます」

魔王「げっ!?ちちち違うんだ!誤解だよこれは・・・!!」

部下「・・・知ってますよそんなの」

部下「あなたが一番最初に飲み潰れて、その横に彼女が潰れました」

魔王「・・・そ、そうなんだ」

部下「まったく。チューハイごときで酔っ払うんじゃ、酒盛りなんてしないでくださいよ」

魔王「面目ないです」

部下「朝食が・・・、もう昼過ぎですけどこの野郎。さっさと来てくださいね」

魔王「え?でも今動けなくて・・・」

部下「じゃ」

バタン

魔王「・・・どうしようかな、起きないかな・・・」

町娘「・・・zzz」スースー

魔王「・・・こうしてみると、やっぱり整った顔なのかもしれない・・・」

町娘「・・・zzz」スースー

魔王「・・・あれ、コレって、起きたときに・・・」

町娘「・・・ん」

魔王「・・・あ」

町娘「・・・んー・・・?」パチ

魔王「・・・・・・・・・」

町娘「・・・・・・・・・」

魔王「・・・あ、おはようございます」

町娘「・・・・・・・・・」

魔王「ちょっと待って!コレは誤解でその!蹴りは待って」

町娘「・・・・・・・・・」

魔王「ひぃ・・・」

町娘「・・・う」

魔王「・・・え?」

町娘「・・・うぅうぅぅうぅぅ」ポロポロ

魔王「な・・・、泣かれたーーー!!??」

町娘「・・・って、あたし・・・、これ・・・覚えて・・・」ヒック

魔王「誤解!多分君の考えてることは間違ってる!誤解!」

町娘「・・・?」

魔王「服見て服服!昨日のまんま!大丈夫!」

町娘「昨日の・・・まんま・・・?」グス

魔王「そうそう!だから誤解!」

町娘「・・・ごかい・・・?」

魔王「うん!大丈夫!」

町娘「・・・あー・・・」グス

魔王「ほ、ほらティッシュ使って」

町娘「・・・ん」

魔王「お、落ち着いた・・・?」

町娘「・・・ふろ・・・」

魔王「お風呂ね!たぶん沸いてるから入ってきて!」

町娘「・・・ん・・・」フラフラ

魔王「すぐ右だから!」

町娘「・・・・・・・・・」フラフラ

魔王「・・・ふぅー。せ、セーフ・・・」

部下「・・・若い娘を泣かせるとは・・・」

魔王「そもそも君が別のところに寝かしてくれればよかったんだ!」

町娘「・・・あー・・・」

魔王「お、お帰り。さっぱりした?」

町娘「んー、でも頭痛ぇ・・・」

魔王「そ、それは僕も痛い・・・」

町娘「・・・なんか、よそよそしくねぇ?」

魔王「そそそそんなことないけど」

町娘「はぁん?ま、いーけどよ・・・、あー頭痛ぇ」

魔王「・・・・・・・・・」

町娘「・・・つーか、気づいたら風呂入ってたんだけど、あたし、どこで寝てた?」

魔王「っ!べ、ベッドだけど」

町娘「お前は?どーしたん」

魔王「ゆ、床ー」

町娘「んー、わりぃことしたなぁ、そりゃ」

魔王「・・・・・・・・」ドキドキ

町娘「・・・腹減った」

魔王「あ、そういえばご飯が・・・」

町娘「あたし、カレーだけでいーから」

魔王「え?せっかく作ったのに」

町娘「食えねーんだよ・・・、アレだけでいいっつの」

魔王「それじゃ食堂行こうか」

町娘「んー・・・」

魔王「・・・・・・・・・」

町娘「あたし、なんか寝言かなんかいってたか?」

魔王「い、言ってないと思うよ」

町娘「んー・・・、まぁいーか・・・」

―――森

勇者「・・・おい、起きろや」

姫様「むにゃむにゃ、もう食べられないよ」

勇者「そんな寝言ねぇだろ・・・、さっさと出発するぞ」

姫様「んー。野宿ってのもたまにはいいな」

勇者「そりゃいーだろな。勝手にグースカ寝やがって」

姫様「まさかずっと見張りしてたのか?」

勇者「おめーが交代の時間に起きねーからだろ」

姫様「起こしてくれればよかったのに」

勇者「起こしても起きねーんだろおめーは」

姫様「あ!私の寝顔が美しすぎて起こせなかったんだろ?そうだろ?」

勇者「目ぇ覚めてねぇなら、起こしてやろうか?」

姫様「もう起きてます、結構です」

姫様「・・・ってか、一晩明かすなんて聞いてないんだけど」

勇者「あ?それくらい考慮しとけよ」

姫様「朝から出なかったから、すぐ着くと思って・・・」

勇者「・・・・・・・・・」

姫様「・・・図星?」

勇者「・・・迷ったわけじゃねぇよ」

姫様「ほんと?」

勇者「・・・魔力が読めない」

姫様「は?」

勇者「やつらの魔力が読めねぇんだよ。・・・巧妙なやつらだぜ、これ」

姫様「な、なんで早く言わないんだよ!」

勇者「言ったところで解決しねーだろーが」

姫様「はー!?じゃあ当ても無く闇雲に探すってこと!?」

勇者「そうなるな」

姫様「はー・・・。ぶち込むのは相当先か」

勇者「ま、今日の動きは決まってんだけどな」

姫様「・・・なんか考えがあんの?」

勇者「知能の高い魔物を探す」

勇者「この辺で喋れる位の魔物は、絶対にその魔王の部下だろ」

勇者「そいつに吐かせりゃいーんだ」

雑魚A「―――買出し、買出し」

雑魚B「さっさと買出し」

雑魚A「夜に行かないとまずかったな?」

雑魚B「夜は眠いだろうが」

雑魚A「だよなー」

雑魚B「まだ冷蔵庫に余裕はあるし、大丈夫・・・ん?」

雑魚A「どうした兄弟」

雑魚B「おい、あれ見てみろ」

女「・・・・・・・・・」

雑魚A「こんなところに女が倒れているぞ?」

雑魚B「女が倒れているといったら、やることは一つだろ?」

雑魚A「どういうことだ兄弟」

雑魚B「ヒント:俺達は魔物」

雑魚A「よっしよっし!いいねいいね!」

雑魚B「丁度エロの需要もあるみたいだし、ここらで壮絶なエロスィィィンを・・・」

雑魚A「お顔拝借」

雑魚B「なかなかの上玉」

雑魚A「・・・んー?」

雑魚B「どうした兄弟」

雑魚A「この顔、どっかでみたことあ・・・」

ポン

勇者「おっす、おつかれ」

雑魚B「・・・お、おーっす」

女「・・・私を出しにするとは、良い度胸だなー・・・」

勇者「まーまー。こうやって捕まえたわけだし」

雑魚A「・・・えーと、どういうことでせうか」

勇者「ヒント:俺は勇者」

雑魚B「終わった・・・、中途半端にムラムラしたばっかりに俺の命終わった・・・」

女「・・・ったく、私姫だよ?一国の姫だよ?それをこんな地味な・・・」

雑魚A「・・・あー!姫様だった!やっぱどっかで見たことあると思った!」

姫様「そんなミーハーな感想要らねぇんだよ!!」

勇者「姫が美しかったから、二匹も捕まえられたなー」

姫様「・・・え?」

勇者「ほんとは一匹でよかったのに、得したなー」

姫様「・・・マジ?姫美しい?」

勇者「マジマジ。姫居なかったらどーにもならんかった」

姫様「・・・おい魔物!」

雑魚A&B「「は、はいっ!!」」

姫様「お前ら、私が美しかったから立ち止まったのか!?」

雑魚A「え?いや、顔なんてみてなかっへぶぇっ!?」

雑魚B「もちろんそーです!はい!なんか、美しいオーラみたいな!」

雑魚A「兄弟・・・、今の一撃には愛が無かった」

勇者「ほらほら。こーいってんだから」

姫様「・・・ふふふふふ、やはり私の美しさは留まるところを知らないということだな・・・!」

姫様「さっすが私!美しい!美しすぎて魔物すらも虜にするとは恐ろしい!あっはっはっはっは!!」

勇者「・・・単純だろ?コレが、一国の姫なんだなー」

雑魚B「・・・夢が一つ壊れた気がする・・・」

雑魚A「そういうあんたも、十分勇者としてはどうかと思う・・・」

姫様「おい勇者!」

勇者「んだよ」

姫様「私はこいつらを殺すのは忍びないぞ!」

雑魚A「へっ・・・?」

雑魚B「た、助かった・・・!」

姫様「美しいものを分かっているとは、なかなか見所のあるやつらだ」

雑魚A「ひゅー!姫サイコー!!」

雑魚B「美しすぎてもはや罪ー!!」

姫様「やめろよ照れんだろー!!あっはっはっは!!」

勇者「・・・ん、まぁ元から殺す几なんてねーんだけどな」

勇者「氏にたいとは思うかも知んねーけど」

雑魚A&B「「えっ」」

雑魚A&B「「―――じんだほうがよがっば・・・」」

勇者「あらかた吐いたな」

姫様「別に暴力振るう必要は無かったんじゃないん?」

勇者「テメェの上を売るんだ、そう簡単にはいかねーんだよ」

姫様「・・・わかんないなぁ」

勇者「あー、男のなんたらってやつか?俺もよくわかんねーけどよ」

勇者「・・・ま、ボコられて吐いたって前提があったほうが、救われるんじゃねーの」

姫様「・・・ふーん、そういうもんか」

勇者「おら、少し歩く距離だぞ」

姫様「ちょっと待って」

勇者「あん?」

姫様「おーい、起きてる?」

雑魚A「・・・もうすぐオチる・・・」

姫様「まー、後遺症が残んないくらいには治癒魔法かけといてやるからさー」

雑魚B「・・・な、なべそごまで・・・」

姫様「は?美しいからに決まってんだろ」

姫様「別に私ちゃ虐殺しに来てるわけじゃねーんだ、美しくないでしょ」

雑魚A「・・・こんな姫なら、安泰かも・・・」

姫様「そりゃどーも。んじゃ、寝てろ」ポワッ

雑魚B「ぐ・・・」ガクッ

勇者「なにしてんだ、行くぞ」

姫様「あーい」ヒラヒラ

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