傭兵「・・・キマったな、勇者」ポンッ
勇者「・・・はい」
少女「勇者様、私何処までもお供します!」
勇者「ありがとう」
傭兵「共存の道を話し合う・・・か。そりゃぁ魔王を倒すより大変だと思うが・・・まぁ、頑張ろうぜ」
勇者「はい!」
その夜、モンスター村では盛大なパーティーが開かれた
ワイワイ ガヤガヤ
村の中央では、人狼と傭兵が飲み比べをしている
スライム「人狼の兄ちゃん、人間なんかに負けるなー!」
人狼「・・ッ・・・ッ」
傭兵「・・ッ・・・ッ・・・ッ!ぶはぁ!遅いぜ!!」
人狼「チッ」
オー パチパチパチ
爺「おお~、やるのぉー・・・ワシの若い頃を思い出すわい!!」
婆「あんた酒飲めなかったでしょうがね」
勇者「盛り上がってるね」
少女「はい、傭兵さんの本領発揮ですね」
ゴブリン「お前達、出発する時は俺に声をかけろよ。馬車を貸してやるからな」
勇者「いいんですか?」
オバサン「ああ、この村じゃ馬車は必要ないからね」
少女「ありがとうございます」
エルフ「険しい道のりになるでしょうが・・・頑張って下さいね」
勇者「はい、頑張ります」
ゴブリン「ほら、姉ちゃん飲みな」
少女「あ、すいません」
勇者「少女、お酒だけど・・・大丈夫なの?」
少女「うー・・・ん・・お父様がいたら怒られるでしょうけど・・・無礼講です!」グビグビグビ
勇者「あーあーあー・・・知らないよ」
オバサン「おお、いい飲みっぷりだねぇ!」
エルフ「さ、勇者殿。貴方も」
勇者「え・・・いや僕は」
ゴブリン「彼女も飲んだのにお前だけ飲まないってのは白けるぞ?」
少女「そうですよぉ、勇者様!飲んで下さいよ!」
勇者「も、もう酔ってるの?」
―――宴は夜中まで続いた
飲み比べが終わった傭兵は、モンスター達と腕相撲大会をやっていた
傭兵「んおおおおおお!!!」
ゴーレム「・・・!」
人狼「気をつけろゴーレム、酒入ってるから手強いぞ!」
爺「懐かしいのぉ・・・ワシも若い頃はゴーレムを素手でちぎっては投げちぎって投げ・・・」
婆「はいはいはい」
少女「ごめんなさい、私もう限界でーっす」
勇者「大丈夫?」
オバサン「向こうの部屋のベッド使っていいからね」
少女「は~い、おやすみなさい~・・・」
少女は千鳥足で部屋に向かう
ゴブリン「おいおい、一人で行かせたら危ねぇだろ。お前連れて行ってやれよ」
勇者「あ、はい」
少女程ではないが、勇者もユラユラ歩行で少女を追う
少女「あ?勇者様ぁ」
勇者「大丈夫かい?フラフラしてるけど」
少女「あはは、勇者様だってフラフラじゃないですか~」
勇者「おっとっと、・・お酒は初めてだからねぇ。ほら、部屋入るよ」
少女「はーい」
部屋に入ると、大きなベッドが用意されていた
丁度二人が寝れるぐらいの・・・
勇者「ほら、ベッドについたよ」
少女「は~い、うーっ」ボスゥン
少女はベッドにダイブする
勇者「おいおい、大丈夫?・・うーっ」ボスゥン
勇者も釣られてダイブする
少女「~お酒って楽しいですねぇ」
勇者「そうだね~村の人もみんないい人だし・・・」
少女「共存出来る時代が来たら・・・もっと凄い祝いでしょうねぇ」
勇者「うん・・・」
少女「・・・」
勇者「どうしたの?黙って・・・」
少女「勇者様、さっきはカッコよかったです」
勇者「そ、そう?照れるなぁ」
少女「私、勇者様について来て良かったです」
勇者「え?嬉し うっ!?」
少女が突然、勇者にキスをしてきた
少女「・・・」
勇者「・・・///」
少女「・・・はぁっ」
勇者「あーあー・・・あ、はは///」
勇者は突然出来事+酔いで頭の中がパニックになった
少女「勇者様・・・」
勇者「!」
気づくと、少女は一矢纏わぬ姿になっていた
少女「・・・」
勇者「・・・」
酔いが入ってるせいか、少女が普段よりずっと色っぽく見えた
少女「勇者様、来て下さい・・・」
勇者「え、あ・・・(・・・もうどうにでもな~れっ)」
傭兵「どらぁぁぁ!!!」
ゴーレム「ウゴッ!?」
ドダアアァァンッ!!
ゴーレムが一回点半して地面に叩きつけられた
スライム「す、すっげー!傭兵の兄ちゃん!」
傭兵「がっはっは!酒が入れば俺は天下無敵よ!!」
傭兵「おい、次はオオカミ!お前だ!」
人狼「おいおい、お前相当酔ってるだろ。もう寝ろよ」
傭兵「酒に呑まれるようじゃ傭兵やってけねぇんだよ~」
人狼「ええい、いい加減に寝ろ。プースヤ(睡眠魔法)」
傭兵「!」バタッ
傭兵「グー・・・ガー・・・」
傭兵もついに力尽きたのであった
翌朝
勇者「ん・・・あ!痛っ・・・!」
目を覚ました瞬間、勇者は頭痛に襲われた
勇者「いって~・・・なにが・・・・?」
少女「大丈夫ですか?勇者様」
少女が水を持ってやってきた
勇者「あ、ありがと・・・もう起きてたんだ。早いね」
少女「はい・・・勇者様、昨日の事覚えてます?」
勇者「え・・・?あーごめん、わかんないや・・・酔っててなんかした?」
少女「・・・いいえ、なんでもありませんよ。ふふ」
勇者「???」
勇者「そういえば、傭兵さんは?」
少女「外でまだ寝てます。相当飲んだみたいですね」
勇者「しょっぱなから飲みまくってたからねぇ・・・」
少女「傭兵さんもあんな状態ですし、勇者様も頭痛が抜けないみたいですし、もう一日だけここでお世話になりましょう。この家の方もそう言っていましたので」
勇者「そっか・・・痛た・・・じゃあ、僕悪いけどもうちょっと寝かせてもらうよ」
少女「はい、ごゆっくり。・・おやすみなさい」
勇者「おやすみ・・・」
オバサン「ったく、食い散らかしてくれたもんだねぇ・・・」カチャカチャ
少女「オバ様、私も手伝います」
オバサン「あら、寝てていいのに。・・てか、アンタ酒残ってないのかい?」
少女「ええ、なんか不思議と・・・」
オバサン「なんか・・・嬉しそうな顔してるね?なにかあったのかい?」
少女「え!いえいえ、なんでもありませんよ!」
オバサン「あ!さてはアンタ昨日、あの子と・・・!」
少女「! しーっ、しーっ!」
爺「ん?」
人狼「・・・」ピコピコ
オバサン「なるほど、それでか~」
少女「あんまり大きい声で言わないで下さい///」
オバサン「若いっていいねぇ~」
少女「ほ、ほら!早く後片付けしちゃいましょうよ!」
オバサン「はいはい」
・・・
少女「勇者様、勇者様」
勇者「・・・ん?」
少女「もう、夕食の時間ですよ。起きて下さい」
勇者「あ・・・もうか。わかったよ」
オバサン「おはよう」
勇者「おはようございます、すいません。すっかり眠っちゃって・・・」
オバサン「夕べはお楽しみだったねぇ」
少女「お、オバ様!!///」
オバサン「おぉ、怖い怖い」
勇者「???」
少女「な、なんでもないです。早く行きましょう」
傭兵「おう、勇者」
勇者「傭兵さん、おはようございます」
傭兵「お前、何時の間にいなくなってたんだ?俺一人でモンスター達と飲んでたんだぞ?」
勇者「僕、昨日の記憶無いんですよ・・・少女、覚えてる?」
少女「お、覚えてますけど、勇者様酔いつぶれちゃってすぐ寝ちゃったんですよ!」
勇者「あれ~?確か少女をベッドに運んだような・・・」
傭兵「おいおい、まさかヤッたんじゃねぇだろうな?」
少女「ちょ、ちょっと傭兵さん!」
勇者「ま、まさか・・・ははは(覚えてないだけに怖い・・・この事は忘れよう)」
オバサン「明日には出るのかい?」
勇者「はい、あまりのんびりも出来ませんので」
傭兵「オバチャン、酒くれー」
ピシッ
少女「ダメです、昨日沢山飲んだじゃないですか」
傭兵「硬いなぁ・・・お嬢ちゃんは」
ゴブリン「お前、傭兵だろうが。移動中モンスターに襲われて二日酔いで動けないなんて笑えないぞ」
傭兵「う・・・わ、わかったよ。我慢するよ」
オバチャン「そうだよ、せっかくいい身体してんのに酒で壊しちゃもったいないよ!」
傭兵「酒あってこその俺なんだが・・・」
少女「水で我慢して下さい!これなら沢山飲んでいいですから」ゴトンッ
傭兵「へーい・・・」
勇者「残念でしたね、傭兵さん」
夜
傭兵「よし、俺は寝る。お前らも早く寝ろよ」
少女「はい、おやすみなさい」
勇者「おやすみなさいー」
勇者「あ(確かベッドって一つしかなかったよな)」
少女「どうかしたんですか?」
勇者「僕、ベッドの下で寝るからさ。少女ベッドで寝てよ」
少女「え?そんな、申し訳ないですよ。一緒に寝ましょうよ」
勇者「い、いやでも・・・(昨日何したかわからないのに、一緒に寝るだなんて)」
少女「大丈夫ですよ、一緒に寝ましょう。ベッドの方が温かいですし。風邪引くなんてつまらないですよ」
勇者「そ、そっか・・・わかったよ」