勇者「魔王、お前が死んで3年か」 8/13

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傭兵「・・・キマったな、勇者」ポンッ

勇者「・・・はい」

少女「勇者様、私何処までもお供します!」

勇者「ありがとう」

傭兵「共存の道を話し合う・・・か。そりゃぁ魔王を倒すより大変だと思うが・・・まぁ、頑張ろうぜ」

勇者「はい!」

その夜、モンスター村では盛大なパーティーが開かれた

ワイワイ ガヤガヤ

村の中央では、人狼と傭兵が飲み比べをしている

スライム「人狼の兄ちゃん、人間なんかに負けるなー!」

人狼「・・ッ・・・ッ」

傭兵「・・ッ・・・ッ・・・ッ!ぶはぁ!遅いぜ!!」

人狼「チッ」

オー パチパチパチ

爺「おお~、やるのぉー・・・ワシの若い頃を思い出すわい!!」

婆「あんた酒飲めなかったでしょうがね」

勇者「盛り上がってるね」

少女「はい、傭兵さんの本領発揮ですね」

ゴブリン「お前達、出発する時は俺に声をかけろよ。馬車を貸してやるからな」

勇者「いいんですか?」

オバサン「ああ、この村じゃ馬車は必要ないからね」

少女「ありがとうございます」

エルフ「険しい道のりになるでしょうが・・・頑張って下さいね」

勇者「はい、頑張ります」

ゴブリン「ほら、姉ちゃん飲みな」

少女「あ、すいません」

勇者「少女、お酒だけど・・・大丈夫なの?」

少女「うー・・・ん・・お父様がいたら怒られるでしょうけど・・・無礼講です!」グビグビグビ

勇者「あーあーあー・・・知らないよ」

オバサン「おお、いい飲みっぷりだねぇ!」

エルフ「さ、勇者殿。貴方も」

勇者「え・・・いや僕は」

ゴブリン「彼女も飲んだのにお前だけ飲まないってのは白けるぞ?」

少女「そうですよぉ、勇者様!飲んで下さいよ!」

勇者「も、もう酔ってるの?」

―――宴は夜中まで続いた

飲み比べが終わった傭兵は、モンスター達と腕相撲大会をやっていた

傭兵「んおおおおおお!!!」

ゴーレム「・・・!」

人狼「気をつけろゴーレム、酒入ってるから手強いぞ!」

爺「懐かしいのぉ・・・ワシも若い頃はゴーレムを素手でちぎっては投げちぎって投げ・・・」

婆「はいはいはい」

少女「ごめんなさい、私もう限界でーっす」

勇者「大丈夫?」

オバサン「向こうの部屋のベッド使っていいからね」

少女「は~い、おやすみなさい~・・・」

少女は千鳥足で部屋に向かう

ゴブリン「おいおい、一人で行かせたら危ねぇだろ。お前連れて行ってやれよ」

勇者「あ、はい」

少女程ではないが、勇者もユラユラ歩行で少女を追う

少女「あ?勇者様ぁ」

勇者「大丈夫かい?フラフラしてるけど」

少女「あはは、勇者様だってフラフラじゃないですか~」

勇者「おっとっと、・・お酒は初めてだからねぇ。ほら、部屋入るよ」

少女「はーい」

部屋に入ると、大きなベッドが用意されていた

丁度二人が寝れるぐらいの・・・

勇者「ほら、ベッドについたよ」

少女「は~い、うーっ」ボスゥン

少女はベッドにダイブする

勇者「おいおい、大丈夫?・・うーっ」ボスゥン

勇者も釣られてダイブする

少女「~お酒って楽しいですねぇ」

勇者「そうだね~村の人もみんないい人だし・・・」

少女「共存出来る時代が来たら・・・もっと凄い祝いでしょうねぇ」

勇者「うん・・・」

少女「・・・」

勇者「どうしたの?黙って・・・」

少女「勇者様、さっきはカッコよかったです」

勇者「そ、そう?照れるなぁ」

少女「私、勇者様について来て良かったです」

勇者「え?嬉し うっ!?」

少女が突然、勇者にキスをしてきた

少女「・・・」

勇者「・・・///」

少女「・・・はぁっ」

勇者「あーあー・・・あ、はは///」

勇者は突然出来事+酔いで頭の中がパニックになった

少女「勇者様・・・」

勇者「!」

気づくと、少女は一矢纏わぬ姿になっていた

少女「・・・」

勇者「・・・」

酔いが入ってるせいか、少女が普段よりずっと色っぽく見えた

少女「勇者様、来て下さい・・・」

勇者「え、あ・・・(・・・もうどうにでもな~れっ)」

傭兵「どらぁぁぁ!!!」

ゴーレム「ウゴッ!?」

ドダアアァァンッ!!

ゴーレムが一回点半して地面に叩きつけられた

スライム「す、すっげー!傭兵の兄ちゃん!」

傭兵「がっはっは!酒が入れば俺は天下無敵よ!!」

傭兵「おい、次はオオカミ!お前だ!」

人狼「おいおい、お前相当酔ってるだろ。もう寝ろよ」

傭兵「酒に呑まれるようじゃ傭兵やってけねぇんだよ~」

人狼「ええい、いい加減に寝ろ。プースヤ(睡眠魔法)」

傭兵「!」バタッ

傭兵「グー・・・ガー・・・」

傭兵もついに力尽きたのであった

翌朝

勇者「ん・・・あ!痛っ・・・!」

目を覚ました瞬間、勇者は頭痛に襲われた

勇者「いって~・・・なにが・・・・?」

少女「大丈夫ですか?勇者様」

少女が水を持ってやってきた

勇者「あ、ありがと・・・もう起きてたんだ。早いね」

少女「はい・・・勇者様、昨日の事覚えてます?」

勇者「え・・・?あーごめん、わかんないや・・・酔っててなんかした?」

少女「・・・いいえ、なんでもありませんよ。ふふ」

勇者「???」

勇者「そういえば、傭兵さんは?」

少女「外でまだ寝てます。相当飲んだみたいですね」

勇者「しょっぱなから飲みまくってたからねぇ・・・」

少女「傭兵さんもあんな状態ですし、勇者様も頭痛が抜けないみたいですし、もう一日だけここでお世話になりましょう。この家の方もそう言っていましたので」

勇者「そっか・・・痛た・・・じゃあ、僕悪いけどもうちょっと寝かせてもらうよ」

少女「はい、ごゆっくり。・・おやすみなさい」

勇者「おやすみ・・・」

オバサン「ったく、食い散らかしてくれたもんだねぇ・・・」カチャカチャ

少女「オバ様、私も手伝います」

オバサン「あら、寝てていいのに。・・てか、アンタ酒残ってないのかい?」

少女「ええ、なんか不思議と・・・」

オバサン「なんか・・・嬉しそうな顔してるね?なにかあったのかい?」

少女「え!いえいえ、なんでもありませんよ!」

オバサン「あ!さてはアンタ昨日、あの子と・・・!」

少女「! しーっ、しーっ!」

爺「ん?」

人狼「・・・」ピコピコ

オバサン「なるほど、それでか~」

少女「あんまり大きい声で言わないで下さい///」

オバサン「若いっていいねぇ~」

少女「ほ、ほら!早く後片付けしちゃいましょうよ!」

オバサン「はいはい」

・・・

少女「勇者様、勇者様」

勇者「・・・ん?」

少女「もう、夕食の時間ですよ。起きて下さい」

勇者「あ・・・もうか。わかったよ」

オバサン「おはよう」

勇者「おはようございます、すいません。すっかり眠っちゃって・・・」

オバサン「夕べはお楽しみだったねぇ」

少女「お、オバ様!!///」

オバサン「おぉ、怖い怖い」

勇者「???」

少女「な、なんでもないです。早く行きましょう」

傭兵「おう、勇者」

勇者「傭兵さん、おはようございます」

傭兵「お前、何時の間にいなくなってたんだ?俺一人でモンスター達と飲んでたんだぞ?」

勇者「僕、昨日の記憶無いんですよ・・・少女、覚えてる?」

少女「お、覚えてますけど、勇者様酔いつぶれちゃってすぐ寝ちゃったんですよ!」

勇者「あれ~?確か少女をベッドに運んだような・・・」

傭兵「おいおい、まさかヤッたんじゃねぇだろうな?」

少女「ちょ、ちょっと傭兵さん!」

勇者「ま、まさか・・・ははは(覚えてないだけに怖い・・・この事は忘れよう)」

オバサン「明日には出るのかい?」

勇者「はい、あまりのんびりも出来ませんので」

傭兵「オバチャン、酒くれー」

ピシッ

少女「ダメです、昨日沢山飲んだじゃないですか」

傭兵「硬いなぁ・・・お嬢ちゃんは」

ゴブリン「お前、傭兵だろうが。移動中モンスターに襲われて二日酔いで動けないなんて笑えないぞ」

傭兵「う・・・わ、わかったよ。我慢するよ」

オバチャン「そうだよ、せっかくいい身体してんのに酒で壊しちゃもったいないよ!」

傭兵「酒あってこその俺なんだが・・・」

少女「水で我慢して下さい!これなら沢山飲んでいいですから」ゴトンッ

傭兵「へーい・・・」

勇者「残念でしたね、傭兵さん」

傭兵「よし、俺は寝る。お前らも早く寝ろよ」

少女「はい、おやすみなさい」

勇者「おやすみなさいー」

勇者「あ(確かベッドって一つしかなかったよな)」

少女「どうかしたんですか?」

勇者「僕、ベッドの下で寝るからさ。少女ベッドで寝てよ」

少女「え?そんな、申し訳ないですよ。一緒に寝ましょうよ」

勇者「い、いやでも・・・(昨日何したかわからないのに、一緒に寝るだなんて)」

少女「大丈夫ですよ、一緒に寝ましょう。ベッドの方が温かいですし。風邪引くなんてつまらないですよ」

勇者「そ、そっか・・・わかったよ」

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