勇者「ここが勇者学校か」 貴族生徒「何お前?」 5/14

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勇者「ふー、平民生徒も腕をあげたな」

平民生徒「あはは、そう言われると嬉しいな」

担任「よし、今日は午後の授業は無いから各自明日からの試験に備えるように。解散」

ワイワイガヤガヤ

勇者「試験って明日が剣術だっけ?」

平民生徒「そうだよ。次の日が交渉術で次が戦術」

勇者「なるほど・・。まぁなんとかなるだろ」

▽勇者の部屋

勇者「お、今夜の差し入れはやけに豪勢だな」

バタン

平民生徒「変だね、今までそんなに変わらなかったのに」

勇者「試験前だから気利かせてくれたとか。ほら、活入れるためにさ」

平民生徒「なんだか怪しいなぁ・・・・勇者、それは食べないほうが」

勇者「むはっ、これうめぇ・・!」ガツガツムシャムシャ

平民生徒「遅かった・・・」

勇者「ごくごくごく・・・ぷはー!大丈夫だって、平民生徒は心配しすぎなんだよ」

平民生徒「だといいけどね」

~~

▽校庭

担任「では二人一組での試験を行う。組み合わせはこちらで決めてあるので呼ばれた者達から前へ出るように」

勇者「ぐぅおおおおお・・・腹があああああ・・・!」

女生徒「え、どうしたの勇者」

平民生徒「晩御飯の差し入れの話はしたでしょ?それが昨日はやけに豪華だったから、食べないほうが良いって僕は止めたんだけど・・・」

勇者「う、う、腹の中で何かが暴れてるかのように痛ぇ・・・ぐうううう!」ギュルルルルル

担任「次、貴族生徒と勇者、前へ」

勇者「げぇ・・!」

貴族生徒「どうしたんだい勇者くん、やけに体調が悪そうじゃないか」ニヤニヤ

取り巻き「・・・」ニヤニヤ

勇者「ちょっと食いすぎちまってな・・・はう!」

平民生徒「貴族生徒のあの顔、もしかして・・・」

女生徒「あいつらまた卑怯な手を・・・!」

勇者「ぐうううう・・・!」

担任「始め!」

貴族生徒「体調管理が出来てないやつが悪いんだ、これで不合格でも恨むなよ?」ダッ

平民生徒「まずい・・!」

勇者「お、お、おああああ・・・・!」ビュンッ

バッシィィィィンン!!

ゴロゴロゴロズサー

貴族生徒「」ピクピク

担任「」

生徒「」

平民生徒「」

女生徒「」

勇者「お、おおふ・・・!」プルプル

担任「お、おい、取り巻き、貴族生徒を医務室へ運ぶぞ!他の者達は待機だ!」

取り巻き「は、はい!」

ドタドタドタ

勇者「と、トイレ・・・!」

女生徒「力任せに剣を思い切り叩きつけたわね」クスクス

平民生徒「多分試験どころじゃなくて力がこもっちゃったんだろうね。貴族生徒が一撃で気絶しちゃったし」クスクス

二人「あはははは」

~~

▽勇者の部屋

勇者「ふぅ、やっと落ち着いた・・・」ゲッソリ

平民生徒「だから止めた方がいいって言ったのに」

勇者「まぁそう言うなって。なんとかなったし」

平民生徒「まぁね。他の人達の試験もなんとか無事に終わったし後2つも頑張らないと」

勇者「結果は後日だよな?まぁ一撃で終わらせた俺は合格間違いなしだろうけど」

平民生徒「貴族生徒は」

勇者「間違いなく不合格は無い。プライドの塊みたいな親子だからなあいつら」

平民生徒「何のための試験なんだろうね」

勇者「面子を守るためじゃね?俺にはさっぱり分からねぇよ」

平民生徒「そうだね。もう寝よっか」

勇者「おう、おやすみ」

平民生徒「おやすみ」

~~

~~

勇者「おっしゃ、なんとか無事試験終わったな」

平民生徒「無事ってわけじゃないと思うけど。何人かは追試もダメで学校を去っちゃったわけだし」

勇者「仲間ってわけでもないんだからいいんだよ。普段あれだけ馬鹿にされてるのに平民生徒ははお人よしだな」

平民生徒「そんなことないよ。勇者も交渉術の試験追試で合格なんだからもっと危機感持った方がいいって」

勇者「俺は後ろは振り向かない主義なんだ」キリッ

女生徒「そんなこと言ってると脱落しちゃうわよ」

勇者「おっと、女生徒。お前は3つとも好成績で余裕そうだな」

女生徒「努力の賜物よ。それに、平民生徒だって成績良かったらしいじゃない」

勇者「そりゃあうちの平民生徒は出来る子だしな」

女生徒「いつからあなたの家の子になったのよ・・・」

平民生徒「あはは。この調子で頑張ろうね」

~そして1年の時が過ぎた~

▽中庭

勇者「よっ、ほっ」

キン ガキン 

平民生徒「やぁ!」

チッ

勇者「くっそ、平民生徒の勝ちだな」

平民生徒「えへへ、やっとらしくなってきたかな」

勇者「らしくなってきた、なんてもんじゃねぇだろ。俺と五分五分にまでなるなんて」

平民生徒「ここに来てから1年間頑張ったからね」

女生徒「二人共お疲れ様。平民生徒は本当に強くなったよね」

平民生徒「ありがとう」

勇者「剣は自分の剣買ったみたいだけど、やっぱり鎧は無理か」

平民生徒「うん・・・・。でも、今は剣を買えただけでも充分嬉しいんだ。最近やっとこの剣に慣れてきて勇者とも互角に戦えるようになったし」

勇者「なんか俺時々平民生徒がまぶしいぜ・・・!」

女生徒「あなたは少し見習った方がいいわね」

勇者「きこえなーい」

平民生徒「そういえば勇者、鎧が少しずつ黒くなっていってない?」

勇者「ああ、なんかそういう鎧らしい。俺も最初汚れかと思ってたんだけどな」

女生徒「ふーん、不思議な鎧ね」

勇者「そういえば明日から他の科の連中と合同で訓練したりするんだよな」

平民生徒「そうみたいだね。戦術の授業では実際にパーティーを組んでそれについて訓練するらしいよ」

勇者「なるほどな。じゃあ明日からも頑張ろうぜ」

平民生徒「うん、頑張ろう」

女生徒「それじゃあ、また明日ね!」

▽校庭

軍師「それでは今日からこの授業では、実際にパーティーを組んで訓練してもらう。パーティーは好きに組んでくれ」

ワイワイガヤガヤ

戦士生徒A「勇者科だよな?良かったら組まないか」

平民勇者「うん、いいよ」

平民勇者「じゃあ勇者、また後でね」

勇者「おう」

勇者「・・・さて、怖がられてるのかわからねぇけど誰も近寄って来ないな。とりあえず俺も声かけて回るか」

テクテク

戦士生徒「・・・」

勇者「おっ、なんか強そうなのが一人で突っ立ってるな。おーい、そこの君、俺とパーティー組まないか」

戦士生徒「ああ。俺は戦士生徒だ、よろしく頼む」

勇者「おう、よろしくな」

勇者「あとは僧侶と魔法使いか」

テクテク

僧侶生徒「・・・」オロオロ

勇者「おっ、丁度メンバー探してそうな女の子がオロオロしてるな。そこの僧侶さん、俺達と組まない?」

僧侶生徒「えっ、いいの?ボクは僧侶生徒、よろしくね!」

勇者「俺は勇者だ、よろしく」

戦士生徒「戦士生徒だ、よろしく」

勇者「後は魔法使いか・・・。でもこれだけ時間立ってたらみんな決まってそうだな」

魔法使い生徒「・・・」ムキッ

勇者「どこかに魔法使いは・・・」スタスタスタ

魔法使い生徒「っておい!ここ!ここにいんだろ!」

勇者「え、どこに?」キョロキョロ

魔法使い生徒「ここだここ!」

勇者「お前のような魔法使いがいるか」

魔法使い生徒「ここにいるんだなそれが」

勇者「まぁ、いいか。俺は勇者だ、よろしくな」

僧侶生徒「僧侶生徒だよ、よろしくね!」

戦士生徒「戦士生徒だ、よろしく頼む」

魔法使い生徒「おう、よろしくな!」

勇者「みんな一人でいたみたいだけど、誘われてなかったってことは俺みたいに避けられてるのか?」

戦士生徒「俺は師匠の教えで知識なども身につけようと勉強していたらバカにされてしまってな・・・」

僧侶生徒「ボクは男なのにこんな格好してるから、みんなにおかしいって言われて・・・」

魔法使い生徒「俺も師匠の教えで身体を鍛えまくってたらみんなに笑われちまってよう」

勇者「なるほど。始まってすぐにそういうのを言いふらされたわけか・・」

貴族生徒パーティー「・・・」ニヤニヤ

勇者「またあいつらか」

軍師「全員パーティーは組めたようだな。ではこれより30分は情報交換の時間とする。それぞれの得意不得意を聞き出して勇者科の者は頭に叩き込むように。なお今日組んだパーティーは人数が2人以下になるまでそのま

勇者「ってわけだから、みんな得意なこととか苦手なことを教えてくれ。特技とかでもいいぞ」

勇者「まずは戦士生徒から」

戦士「そうだな、それなりに知識はあるほうだと思う。後は戦士らしく攻撃力の高さか。苦手なことは特に無いな」

勇者「なるほど、万能タイプってことか。じゃあ次、僧侶生徒」

僧侶生徒「えっと、やっぱり僧侶だし回復と補助かなぁ。でもボク、こう見えて結構力持ちなんだ。苦手なことはそんなに無いと思う」

勇者「ああ、うん、わかった。じゃあ魔法使い生徒は?」

魔法使い生徒「おう、魔法使いらしく筋肉を活かした攻撃力の高さが」

勇者「ちょっと待て」

魔法使い生徒「いきなり止めやがって、なんだってんだよ」

勇者「前二人まではまぁいいとして、どこが魔法使いらしいんだよ!」

魔法使い生徒「そういうもんじゃねーのか?」

ヒソヒソヒソヒソ クスクスクス

勇者「・・・まあいいや、続けてくれ」

魔法使い生徒「後は攻撃呪文なら大体使えるな。苦手なのは早く走ることと考えることだ」

勇者「ああ、わかった」

勇者「・・・・なんて攻撃力過多なパーティーだ・・。でもまぁ、他の連中はこんな逸材を見逃すなんて勿体ねぇな、ぐふふふふ」

魔法使い生徒「どうしたんだこいつ?」

戦士生徒「俺達を気に入ってくれたみたいだな」

僧侶生徒「精一杯頑張るよ!」

勇者「とりあえず全員把握出来たかな」

戦士生徒「すまない勇者、俺も作戦を立案するのに役立ちたいから勇者の特性を把握しておきたいんだが、教えてもらえないか」

勇者「ああ、それもそうだな。俺は剣術は勇者科で3位以内で力と体力だけなら多分1番だ。交渉やらは苦手だが戦術も小さい頃から習っていたし呪文もそこそこ使える」

戦士生徒「おお・・・。勇者こそどうして一人で仲間を探していたんだ?それだけの実力があるなら引っ張りだこだろうに」

勇者「いやー・・・実は結構前の剣術の訓練で、勢い余って貴族生徒っていうおぼっちゃんを思い切りぶっ飛ばしちまってさ、目つけられてるんだ」

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