勇者「ここが勇者学校か」 貴族生徒「何お前?」 7/14

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▽平民生徒の家

平民生徒「ただいまー!」

平民父「おお、おかえり平民生徒」

平民母「おかえりなさい」

勇者「あ、どうも」

平民父「そちらの方は・・?」

平民生徒「あ、この人は勇者だよ」

平民父「ほお、お前の手紙によく出てくる勇者くんか。これはこれは、うちの娘がお世話になって」

平民母「ご迷惑をおかけしてないでしょうか・・」

勇者「いえ、俺の方こそ平民生徒にはいつも助けられてばかりで・・・ん?娘・・?」

平民生徒「・・・」クスクス

勇者「え?え?」

平民父「さあさあ、狭いところだけど上がっていってください。平民生徒も久しぶりの我が家なんだからゆっくりしていきなさい」

勇者「あ、はい」

平民生徒「うん。明日になったら勇者と女生徒と迷いの森に修行しに行くんだ」

平民母「まあ、修行なんていいわねー」

平民父「迷わないようにな」ナデナデ

平民生徒「もう、私そんなに子供じゃないってばー」

平民父「はっはっは」

~~

▽平民生徒の部屋

勇者「お、お前女だったのか?」

平民生徒「うん、そうだよ。・・・別に隠してるつもりも無かったんだけどね」

勇者「マジかよ・・・全然気づかなかった」

平民生徒「少し不便はあったけどそこまで気にすることでもなかったから。女生徒も気づいてたみたいだしね」

勇者「ちょ、そうだったのか」

平民生徒「うん、色々気を遣ってくれたんだ」

勇者「うわー・・・」

平民生徒「どうしたの?」

勇者「いや、なんか自分のあほさ加減に呆れてるというか」

平民生徒「まあそんなに気にしないで今まで通り仲良くしてくれると嬉しいな」

勇者「お、おう」

~~

▽客間

平民父「じゃあ勇者くんはこの部屋を使ってくれ」

勇者「お世話になってしまってすみません」

平民父「なに、あの子も気に入ってるみたいだからこれからもよろしく頼むよ。それじゃあおやすみ」スタスタ

勇者「あ、はい、おやすみなさい。・・・よろしくって何をさ」

~~

勇者「・・・ZZZ」

コソコソ

勇者「う・・・ん・・?」

平民生徒「勇者、起きてる・・?」

勇者「平民生徒・・?こんな時間にどうしたんだ・・」

平民生徒「なんだか寝れなくってさ、一緒に寝てもいいかな」

勇者「え!?ちょっと待て、お前はおんn」

平民生徒「今までずっと同じ部屋で過ごしてきたんだし気にすることじゃないよ」

モゾモゾ

勇者「わぁ!?だから待てって・・!」

平民生徒「実は僕、前から勇者のことかっこいいって思ってたんだ」

勇者「お、おま、何言って・・・」

平民生徒「勇者は僕のこと嫌いなのかな?」ギュウ

勇者「好きとか嫌いとかそういうんじゃなくて・・って、近い、顔が近い!」

平民生徒「僕がこんな貧相なガリガリの身体だから・・?」

勇者「だからそういうことじゃなくて・・・頭が混乱するには充分だから!」

平民生徒「ねえ、いいでしょ勇者?」

勇者「ま、待て、落ち着け・・・!」

平民生徒「優しくするから」

勇者「あれ、どうして俺がうつぶせにされてるの、っていうかいつの間に!?あと優しくってどういう・・!」

平民生徒「い た だ き ま す」

勇者「あっ、そ、そこはだめっ、」

勇者「アッー!」ガバッ

勇者「・・・・・」キョロキョロ

勇者「・・・・・」

勇者「・・・ふぅ、夢か。なんて夢だ・・・」ガックリ

平民生徒「勇者ー、朝だよー」

勇者「!?」ビクッ

平民生徒「そんなに怯えた顔してどうしたの?」

勇者「い、いや別にナンデモナイゼ。今日もいい天気だな」

平民生徒「うん。なんだかまだ眠そうだから顔でも洗ってくるといいよ」

勇者「おう、そうする・・」

平民生徒「終わったらみんなで朝ごはんだよ」

勇者「あいあい」

全員「いただきます」

ガツガツムシャムシャ

勇者「うまっ、うまっ」

平民生徒「勇者、そんなに慌てなくてもご飯は逃げないよ」クスクス

勇者「だってどれもこれも美味いし仕方ねぇって、あ、パンおかわりください」

平民母「はいどうぞ」

勇者「どうも」

平民父「平民生徒が朝早くから張り切って準備してたからなぁ」ニヤニヤ

平民生徒「お父さん!?」

勇者「へー、じゃあ全部平民生徒が作ったのか」ガツガツモグモグ

平民生徒「まあね・・」

平民母「・・・」ニコニコ

平民父「平民生徒達はもう出掛けるのか?」

平民生徒「うん、勇者も家に帰らないといけないしそうする」

勇者「もしあれなら明日また迎えに来るから、それまでここで待っててもいいんだぞ?せっかく帰ってきたんだし」

平民生徒「それはそうなんだけどね」

平民父「それなんだけど実は父さん達急にでかけなくちゃならなくなってな。明日にならないと帰ってこられないんだ」

平民生徒「え、そうなの?」

平民父「すまないな」

平民生徒「そっか、じゃあやっぱり勇者について行くよ。勇者のお母さんにも会ってみたいと思ってたし」

勇者「別に会ったって面白くないと思うぞ」

平民生徒「でもどんな人か気になるんだ」

勇者「ふーん」

勇者「それにしてもよく食べた。お腹が一杯だ」

全員「ごちそうさまでした」

平民生徒「お粗末様でした」

~~

勇者「お世話になりました」

平民父「いえいえ、良かったらまたおいで」

勇者「ありがとうございます。じゃあ平民生徒、行くか」

スッ

平民生徒「うん」ギュッ

平民生徒「お父さん、お母さん、またしばらく出掛けてくるね」

平民父「ああ、立派な勇者になって帰ってくるんだぞ」

平民母「身体には気をつけるんだよ」

平民生徒「うん・・。じゃあ、行って来ます」

平民父&母「いってらっしゃい」

勇者「転移呪文!」シュンッ

▽町

勇者「到着」

平民生徒「んー・・なんだか不思議な感覚」

勇者「そうか?俺はもう慣れちゃったからわからねぇや」

平民生徒「便利なんだけどね」

勇者「だろ。じゃあこっちだ」テクテク

▽勇者の家

勇者「ただいまー」

勇者母「おかえりなさい。お休みは昨日からなのにどこに寄り道してたの・・・ってあら、お友達?」

平民生徒「はじめまして、平民生徒です。すみません、僕の家に寄ってもらったのでお礼も兼ねて泊まってもらったんです」

勇者「明後日からもう一人の友達と3人で修行に行く約束があるから転移呪文でぱぱっと」

勇者母「なるほど、そういうことなら平民生徒くんに免じて許してあげちゃう」キラッ

勇者「もう若くないんだからウィンクとか止めた方がいいと思う」

勇者母「勇者ー、もう一回言ってみてくれるかなー?」ガシッ

勇者「いえなんでもないです。言ったら次の瞬間ひき肉にされそうだから何も言いません」

勇者母「よろしい」

平民生徒「勇者のお母さん、すごく綺麗な人だね」

勇者「見た目だけはな」

平民生徒「そういうこと言うから怒られるんだよ」クスクス

勇者母「平民生徒くんはいい子ねー」ナデナデ

勇者「そういえば母さん、鎧着るの2日目からだったんだけど、どういうこと?」

勇者母「お母さん知らないわ」シレッ

勇者「くっ、反省が全く感じられない・・」

平民生徒「あはは」

勇者母「そうだ、平民生徒くん、嫌いなものとかってある?」

平民生徒「いえ、無いですけど・・?」

勇者母「そっか、ありがとう。今夜はいつもより気合入れて作るから、楽しみにしててね!」

勇者「うっ・・・」

平民生徒「ん、どうしたの?」

勇者「・・・とりあえず部屋に行こう」

平民生徒「うん」

勇者「母さん、俺達部屋にいるから」

勇者母「はーい。・・・早速お買い物に行って、後は適当に狩ってこなくちゃね」ルンルン

▽勇者の部屋

勇者「迂闊だった・・まさか母さんがお客さんで機嫌が良くなるタイプだったとは・・・」

平民生徒「勇者、一体どうしたの?」

勇者「実はな、その、・・・母さんの料理は変わってるんだ」

平民生徒「変わってる?ってどういうこと?」

勇者「見た目から味から、全部・・・普通じゃないんだ」

平民生徒「せっかく作ってくれてるのにそんなこと言ったらお母さんに悪いよ?」

勇者「後で平民生徒も目の当たりにすることになるから説得しようとは思わないけど、自分の目の前に並べられたスープと目が合った時のあの衝撃と言ったら・・・」

平民生徒「スープと目が?勇者が何を言ってるか僕には分からないや」

勇者「悪いことは言わないから買ってきたパンだけで済ますんだ、いいな」

平民生徒「もう、好き嫌いはダメだよ?」

勇者「そういう次元の話じゃ無いんだけどこればっかりは体験した方が早いからな。忠告はしたからな、恨まないでくれよ」

平民生徒「ご飯をご馳走になって恨むような人間だと思われてたんだ・・」

~~

勇者「・・・」

平民生徒「・・・」

勇者母「さあ、沢山作ったから遠慮しないでどんどん食べてね」

勇者(お客様の影響か知らないがいつもの数倍豪華だ、悪い意味で・・)

三人「いただきます」

勇者「平民生徒、無理して食べなくていいからな」ヒソヒソ

平民生徒「別に無理なんていらないよ、少し見た目が悪いくらいで失礼だよ」ヒソヒソ

勇者「よし、じゃあ俺はもう何も言わないが最後に一言、死ぬなよ」ヒソヒソ

平民生徒「勇者は大げさなんだよ」ヒソヒソ

食人植物のサラダ「」

平民生徒「じゃあまずはこの野菜を・・・」パクッ モグモグ

平民生徒「!?」

平民生徒(なにこれ・・噛めば噛むほど生のお肉の味がする・・!)

平民生徒「・・・!」グググ

勇者(お、頑張って食べてる・・・さすが平民生徒だ)

平民生徒「・・・」ゴクン

平民生徒「わ、わぁ、このお野菜とっても新鮮ですね・・!」

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