勇者「俺と魔王の101日決戦」 4/14

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

王「我は何も悪く無い、屑共が勝手に我を憎んでいるだけだ」

王「それと……」

王「占い師は殺しておけ」

少女「はい、出来たよー!」

少年「手際良いな……」

少女「勿論!」

少女「川の上にある様な街だからね!川から魚を獲ったり……」

少年「パンと紅茶には関係無いだろ」

少女「うー……」

少年「ご馳走様」

少年「行ってくる」

少女「待って」

少年「……」

少女「どうして、朝に出掛けるの?」

少年「……俺」

少年「神の使いだからな、朝には礼拝しなければいけないんだ」

少女「そうだったんだ!宗教の人なんだ!」

少女「どうして貧民街に居るの?」

少年「一番野宿に適しているから」

少女「疲れたら休んでたって良いんだよ?」

少年「……行ってくる」

「貴方が……噂には聞いていたけど、美しい……」

今日は女のお偉い様か……

「よろしくね……」

汚い、汚らわしい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ひっく」

「ひっく」

「黒い涙を流す少女」

「黒い水溜り……」

「此処から先は海……」

「此処が最東端……」

「それにしても……なんと美しい……」

「まだ餓鬼だろう」

「異変があれば戦えとの通達だ……あの少女はまさしく“異変”だろう」

「殺すのみ」

「やれ……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

少女「おかえりー」

少年「家じゃないのか?」

少女「少年を待ってたの!」

少年「……どうして?」

少女「遊ぼ!」

これはまた、唐突だな……

少女「ほら!少年のくれた服着てみたよ!」

少年「意外と似合ってるな」

少年「何処に遊びに行く?」

少女「んー……」

少年「……」

少女「貴族街!」

少年「良いよ、行こう」

少女「?♪」

少年「一度家に戻って良いか?お前は既に着飾っているが、俺も着飾らないと、貴族街には入れないからな」

少女「分かった!」

敵わないな、本当。

少女「長いね……階段」

少年「本来、貴族街には馬で行くからな、出る時もだけど……」

少女「馬……」

少女「お金持ちだね……」

少年「王国の城下町の富裕層とは、比べる事も出来無い程の金持ちだからな、基本お偉い様しか居ないよ」

少女「凄いんだね」

少年「坂を越えたら別世界だよ」

少女「……」

少年「さぁ、着いたぞ」

仕事で此処に行く事も大して無いけど……相変わらずだな。

少女「わああ……!」

少年「余りはしゃぎ過ぎるなよ」

少女「何処行く?」

少年「お腹空いたから、夕食に行こう」

少女「おー!」

少年「はしゃぎ過ぎ……」

少女「……」

少年「??で」

「かしこまりました」

少年「みっともないから、しっかりしてくれ」

少女「はっ!」

少年「上品に食べろよ」

少女「……」

少年「分かった分かった、テーブルマナーを教えてやるから」

少女「美味しかったね!」

少年「声がでかい」

少女「うぅ……」

少年「さて、お金を払わないと……」

「??です」

少女「あっ、私も払わないと……」

少女「あっ……」

少年「お前には、払い切れ無い程の借りがあるからな」

少女「悪いよぉ……」

少年「はいはい……」

少年「次は何処に行く?」

少女「んー……星が綺麗に見れる所かな?」

少年「分かった、行こう」

少女「まだ高い所があったんだね……」

少年「ちょっとした林を抜けないと駄目だけどな」

少女「良く見つけられたね」

昔、辛い時に行った記憶があったからな……

少女「私……ここに行った事あるかも」

少年「?」

少女「もう居ないけど、お母さんと行った記憶があるの……」

少年「……」

少女「ずるいなぁ……星は変わらず綺麗だね」

……辛いんだな

少女「ねぇ……」

少年「……」

少女「大聖堂行くのやめようよ……」

少年「……何故?」

少女「理由は分からないけど」

少女「少年は大聖堂に行く時……とっても辛そうだったよ?」

少年「そんな事は……」

少女「嘘」

やめてくれ

少年「っ!」

少女「私が居るんだよ、やめようよ」

少女「もう辛い思いはしなくて良いの、私が全て支えるよ」

少年「此処で止めたら俺は……っ!」

少女「人生はいくらでもやり直せるよ」

少年「……」

やめてくれ

少女「ねっ!」

少年「うっうっうぅ」

俺の中に入って来無いでくれ……

少年「ひっく」

少年「ああぁ……!」

少女「大丈夫、私が居るから」

少年「俺は……っ!お前を……!好きにっ!なって……っ良いのか?」

そうだ……俺は、こいつが好きなんだ……一目見た時から、きっと。

少女「大丈夫、わたしも好きだから」

俺は少女の為に、生きる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

もう、この時には手遅れだった。

もう、後は辛い思いをするだけ。

最初から会っていなければ、そんな思いをせずに済んでいた。

でも……

最愛の人だ。

永遠に。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

少年「うーん……」

少年「あれ?」

少女は……?

少年はリビングへと、早速足を運ぶ。

少女「おはよー」

少年「なんだ……起きてたのか」

少女「ふふふー」

少年「早いな」

少女「これからはねー」

凄い奴……

少年「これからどうしようか……」

少女「大聖堂は行か無いの?」

少年「少女の言うとおり、辞めたよ」

少年「どうしようかな……」

少女「どんな風に辞めたの?」

少年「……」

少女「……もしかして」

少女「無視?」

少年「正解、顔も出してない」

少女「なるほどー!」

感心する事では無いな、うん。

少年「……幸せに生きるか」

少女「うん!」

少女「少し出掛けてくるね!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「??と言う男だか……それでも好きでいられるかな?」

「……少年が“そういう事”をしていても気にならないよ」

「強い女だな……」

「直接確かめただけだよ」

「もう少年からは手を引いて貰えるかな?」

「……タダで返すとでも?」

「……!」

「もう遅い」

「離して!やめて!」

「ふふふ……」

少年……ごめんね……初めて……が

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

少年「良かった……」

「元気な男の子ですよ」

少女「私に似てるね……」

少年「ああ……少女にとてもそっくりだよ……」

「だー!」

少女「??くん!ばー!」

「キャッキャッ!」

少年「ははは……」

少年「……誰だ?」

少年「お前等は……!」

少女「……!」

「お久しぶりですね、御二方」

「お子様が産まれてから五ヶ月経ちましたので、回収に参りました」

少年「どういう事だ……!」

「お子様は孤児院に入るので心配無く」

「少女様はまだやる事がありますので」

少年「少女は関係無いだろ!俺を連れて行け!どうせお偉い様の相手だろう!」

「そういう訳には行きません。彼女は、貴方を守る為に貴方の代わりをしているのですから」

少年「少女!どういう事だ!」

少女「ごめんね……私……」

少女「汚されてたの……」

「確か……純潔の時でしたね」

少女「ごめんね……」

少年「どうしてだ……どうしてもっと早く……!」

少女「汚れたって知られたら……私……!」

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14