チュンチュン…
女勇者「ふわぁ…もう朝かぁ」
女勇者「さっき帰ってきたばっかりなのにな」
女勇者「これで…何回目だっけ?前ので5、6…?あ、今回で6週目かぁ」
女勇者「あはは…また繰り返しか。…さて、頑張ろうかな」
コンコン
ガチャ
母「おはよう。…おきなさい勇者」
女勇者「おはよ、ママ」ニコ
母「あら?もう起きてたのね、珍しい」
女勇者「うん。なんか目が覚めちゃって…」
母「そう。今日は旅立ちの日だものね……」
女勇者「そうだね。今日は旅立ち。…今日も旅立ち…」
母「今日も?」
女勇者「うん、今日もー。えへへ…ねぇママ」
母「なに、勇者?やっぱり…旅立ちがこわい?」
女勇者「ぜんぜん?」
母「本当?怖いなら……」
女勇者「無理しないでって言ってくれるの?」
母「……」
女勇者「あはは、そうだよねー。わかってるよ。ごめんなさいママ」
母「勇者…ごめんなさい」
母「勇者、なにかあったの?大丈夫?」
女勇者「うん、ちょっと。色々とね。考えることがいっぱいあって」
母「……ママに言ってごらんなさい?力になれるかはわからないけれど…」
女勇者「…ママ」
母「なぁに?」
女勇者「私、もう…疲れちゃったぁ」
母「え?」
女勇者「もう疲れたよ、ママ……もういやだぁ…」じわ
母「どうしたの?何があったの?」オロオロ
女勇者「ママぁ…私、もう行きたくないよ」
母「……」
女勇者「…えへへ、勇者なのに…こんな事言ってごめんね?…」ぽろぽろ
母「……」
女勇者「ちゃんと行くから許してね?…ちゃんと行くからね」
母「勇者」
女勇者「はい…」ぐしぐし
母「憎むなら、私を憎んで…あなたを勇者として産んでしまった私を…」
女勇者「…!」
母「ママのせいで、あなたを泣かせる事になる事は…もう、覚悟していた」
母「それでも、あなたは勇者として旅立たなければならないの。だったら…」
母「せめて、私を憎んで…」
女勇者「……ママ、ごめんなさい」
女勇者「大丈夫、私はママを憎んだりしないよ」ニコ
母「…勇者」
女勇者「だから、ママもそんな顔しないでね?」
女勇者「じゃあ…行ってきます」
母「…行ってらっしゃい。勇者、必ず生きて帰ってきて…」
女勇者「あはは、その心配はいらないと思うよー。じゃあね!」
母「…?」
ガチャ
バタン!
女勇者「あんな事言って飛び出してきちゃったけど」
女勇者「…とにかく頑張るしかないよね。私がしっかりしないと」
女勇者「とりあえず王様に話しに行って、次は酒場かぁ」
女勇者「今回は…うーん、どうしようかな」
女勇者「久しぶりに王道で行こうかな。確か1週目も同じメンバーだったっけ」
女勇者「戦士くん、僧侶ちゃん、魔法使いちゃん…」
女勇者「うん、これで行こう!」
【酒場】
女勇者「6回目ともなると、さすがに要領もつかんできたかな」
戦士「…む?」
女勇者「すいませーん、あなた、戦士くんですよね?」
戦士「くん…?いかにも、俺が戦士だが…君は?」
女勇者「えっと、私は今日旅立つことになった勇者です。仲間を探してるんですけど…」
戦士「ふむ、では同じ志を持つ者同士だな。よければ俺も同行させてもらえないだろうか」
女勇者「ホント?一緒に行ってくれる?」ニコ
戦士「もちろんだ。出来る限り力になろう」
女勇者「えへへ、相変わらず頼りになるなぁ」
女勇者「よかったぁ。断られたらどうしようかと思ってたんだよー」
戦士「まさか。俺のほかにも力になりたい者はたくさん居る」
女勇者「みたいだねー。うん、実はもう声をかけようと思ってる人はいるんだ」
戦士「そうなのか?」
女勇者「うん!僧侶ちゃん、魔法使いちゃん!」
僧侶「!」ビクッ
魔法使い「え…私ですか?」
女勇者「うん!ぜひ二人に力になって欲しいんだけど、いいかな?」
魔法使い「ええ。私でよろしければ、ぜひお供させていただきます」
僧侶「え、えっと…私なんかでいいんでしょうか…?」オロオロ
女勇者「よーし!これで4人そろったね!」
戦士「うむ。魔王を倒し、世界に平和を取り戻すため頑張ろう」
女勇者「そうだねっ。さて、まずは装備を整えようか」
僧侶「そうですねぇ。私も防具が欲しいなぁ」
女勇者「僧侶ちゃんは大事な回復要因だもんね。死なれちゃ困るしなぁ」
僧侶「死…って…」
魔法使い「ゆ、勇者様…?」
女勇者「あ、ごめんごめん。とにかく、装備は整えとかなくっちゃねってこと」ニコ
女勇者「戦士くんは武器を強化しようか!しっかり二人を守ってあげてね」
戦士「うむ。しかし俺はこの鉄の剣があるが…」
女勇者「んーん、今買える最強のものにしようよ」
戦士「おお、それはありがたい。しかし所持金が足りないのでは…?」
女勇者「えへへ、それは大丈夫だよー。いっぱいあるから」
戦士「そ、そうか?ではお言葉に甘えさせてもらおう」
女勇者「うん!甘えて甘えて♪」
戦士「勇者殿の装備はどうするんだ?」
女勇者「あ、そうだね。じゃあ…戦士くんのお下がりをもらっちゃってもいいかな?」
戦士「うむ。もちろんだ」
女勇者は鉄の剣を装備した!
女勇者 鉄の剣 E
攻撃力 301 → 304
僧侶「わぁ…戦士さん、かっこいいなぁ」
女勇者「大丈夫だいじょーぶ!僧侶ちゃんにも買ってあげるからね!」
僧侶「え、ホントですか?」ぱぁっ
女勇者「うんっ。えっとぉ…まずは法衣だよね。それから金の杖と…」
僧侶「え、えぇ?こんなに…良いんですか?」
女勇者「もちろん!大事な仲間だもん」
僧侶「えへへ。ありがとうございます」ニコニコ
魔法使い「……」もじもじ
女勇者「もう、魔法使いちゃん、心配しないで!ちゃんと用意するに決まってるじゃない」ニコ
魔法使い「え!…そ、その…あつかましくてすみません…」
女勇者「いいのいいの!」
女勇者「これで装備も全員整ったし、準備万端だね!」
戦士「勇者殿、本当にその古い剣だけで良いのか?防具は?」
女勇者「私?うん、これでいいよー」