女勇者「皆も言ってくれたじゃない。私の強さは正義だって」
女勇者「一人でも泣かないくらい、強くならなきゃ」
女勇者「一人で誰にも負けないくらい、強くならなきゃ…」
女勇者「私は強くなるよ。一人で世界中の魔物と戦っても負けないくらい」
女勇者「……強くならなきゃ」
トテトテ
ガチャ
女勇者「この村にももう留まる必要もないな」
村人「あの、勇者様…!!」
女勇者「あ…あの子のお母さん」
村人「本当に…ありがとうございました…!!」
女勇者「いえ…お子さんも無事でよかったです」
村人「はい、おかげさまでこの子も…本当になんとお礼を言っていいか」
村の子供「…」こそ
女勇者「…」ニコ
村の子供「お姉ちゃん」
女勇者「うん?なぁに?」
村の子供「ありがとう…」
女勇者「!」
村の子供「お姉ちゃんのおかげで、僕…助かったんだよね?ありがとうね」
女勇者「…」じわ
村の子供「お姉ちゃんのこと、怖いなんて言ってごめんなさい」ぺこ
女勇者「ううん、いいんだよ。怖かったもんね」ぽろ…
村の子供「お姉ちゃん、大丈夫?泣かないで?」
女勇者「ごめんね……お姉ちゃんは、間違ってないよね?」ぽろぽろ
村の子供「うん!だって、お姉ちゃんは正義の味方でしょ?僕を助けてくれたもん」
女勇者「えへへ…ありがとう」
すっ
すたすた…
村人「勇者様、もう出発されるのですか?せめて一晩でも…」
女勇者「ううん、いいんです」
村人「…しかし、お礼もしないまま」
女勇者「私が間違ってないって教えてもらっただけで十分です」
女勇者「では、さよなら!」
村人「勇者様…」
村の子供「お姉ちゃん!ありがとねー!ばいばーい!」ぶんぶん
女勇者「…」ニコ
すたすた
すたすた
【数日後・中盤】
女勇者「…」
魔物「…が……ぁ…」
ずしゃああ!!!
ぐちゃっ!!
ぐさっ!
魔物を倒した!
女勇者はアイテムを手に入れた!
女勇者「よし、これで…攻撃力をあげるアイテムも揃ったな」
女勇者はアイテムを使った。
攻撃力が4上がった。
女勇者はアイテムを使った。
攻撃力が6上がった。
女勇者はアイテムを使った。
攻撃力が3上がった。
女勇者はアイテムを使った。
攻撃力が4上がった。
女勇者「……」ばりぼり…
・
・
女勇者「まだまだ…強くならないとね」
女勇者「あ、次の街はあそこかぁ…」
女勇者「……ま、大丈夫かな」
ざっざっざ
【鉱山の町】
女勇者「…相変わらずだな。ひどい有様…」
女勇者「とりあえず町長のところに行かないとね」
トテトテ
町長「あなたが…勇者様ですか」
女勇者「うん、そうだよ。町を見てきたけど、ひどいね…」
町長「…先月から、このような状態なのです」
町長「鉱山に魔物が住み着いてしまい、我々は生活することすらままなりません」
女勇者「みたいだねぇ」
町長「そればかりか、鉱山から毒が溢れて…町の人々はどんどん弱ってしまいました」
町長「しかし、魔物のせいでその毒が噴出す場所に行くこともできないのです…」
町長「…どうか、私たちをお助けください」
女勇者「うん、任せて!」
町長「おお、ありがたい…!それでは、この毒消しと…」
女勇者「あ、それはいいよ」
町長「は?しかし、鉱山の中に入るのでしたらこれは必要かと…」
女勇者「私は平気だから、町の弱ってる人に使ってあげて?貴重な毒消しなんでしょ?」
町長「それはそうですが…あの毒は人が直接吸って耐えられるものではありません。勇者様のお体が…」
女勇者「えへへ、私は平気。毒くらいどうってことないから」
町長「……勇者様がそうおっしゃるのであれば…」
女勇者「じゃあ、行って来るね!すぐに退治してくるよ」
【鉱山】
女勇者「やっぱり人が開通しただけあって明るいね」
女勇者「明かりがついてるのはありがたいなぁ」
魔物「ぐぎゃぎゃぎゃ」
ズバァッ!
女勇者「たしか…あそこを右に曲がったところに経験値の高い魔物がいたな」
女勇者「倒しに行かなきゃ」
ざっざっざ
ざっざっざ
魔物が現れた!
魔物「ぐるる…!!」
女勇者「よし…まずは威嚇してっと」
ガンッ!!
魔物「!」ビクッ
女勇者「これで勝てないことはわかったでしょ?さぁ、早くしてよ」
魔物「……」じりじり
女勇者「?」
魔物は逃げ出した!
女勇者は逃がさない!
女勇者「おっと、違うでしょ?ほら、早く仲間を呼んでよ」
魔物「…がるる…!!」
魔物は仲間を呼んだ!
魔物は仲間を呼んだ!
女勇者「そうそう。そうやってもっと私を強くしてよ」
魔物は仲間を呼んだ!
魔物は仲間を呼んだ!
女勇者「えへへ…これくらいかな?」
女勇者の攻撃。
魔物の群れを倒した!
女勇者「けほっ…!…ちょっと毒が強くなってきたかな」
女勇者「あの奥に今回の元凶がいるんだっけ。…もう倒してない魔物もいないし」
女勇者「よし、ちゃっちゃと倒しちゃおうか」
ガチャ…
バタン!
魔物「!」
女勇者「久しぶりー。6回目だね。相変わらず怖い顔」
魔物「な…生身の人間がどうしてここに」
女勇者「そんなことはどうでも良いよ。君は経験値いくつだったっけ?」
魔物「馬鹿な…ここの毒に人間が耐えられるわけがない!」
女勇者「ああ、そういえば途中で毒を防ぐ防具があったね。これの事でしょ?」
魔物「そ、その防具をつけずに…どうして生きている!?」
女勇者「えへへ、なんでだろうね?自分でもよくわかんないよ」
魔物「……貴様、人間か…?」
女勇者「さぁ?そんな事はどうでもいいよ!早く戦おう!」
魔物「…ふん、貴様ごときに俺g
女勇者は全力で魔物に殴りかかった。
魔物は鈍い音を立てて砕け散った。
女勇者「ふぅ。あ、また…返り血が…」
女勇者「また装備買わないといけないな…」
女勇者「お金は余るくらいあるから…別に良いんだけどね…」