女勇者「強くてニューゲームっ♪」 8/16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16

女勇者「……みんな!!お待たせ!」

戦士「勇者殿!!!」

僧侶「ゆ、勇者様ぁ…!!」

魔法使い「いけません、勇者様!私達のことはいいです、早く魔王を追いかけてください…!」

女勇者「大丈夫。みんなで魔王を倒しに行こう!」

戦士「いかん、勇者殿…俺達に構っている間にも、人々が魔王の手に!!」

女勇者「大丈夫。戦士くん、これが私の正義だから!」

僧侶「だめです!勇者様、鍵を探している時間なんてないんです!」

魔法使い「一人でも、やるしかないんです…お願いします、行ってください」

女勇者「…私がもし今ここで皆を見捨てて平和を手にしても、私はそんな平和見たくもないよ」

僧侶「勇者様!!だめですぅ!!」

女勇者「私一人のわがままで世界を滅ぼすわけにはいかないよね、わかってる」

戦士「だったら、頼む…!勇者殿、行ってくれ!」

女勇者「だけど、私はそれをワガママで終わらせないだけの事をしてきたんだよ!」

魔法使い「でも、鍵をひとつずつ探す時間なんて…」

女勇者「鍵はひとつ持ってるし、他の鍵の在り処もわかってる。それに…」

女勇者「鍵は必要ないから!」

戦士「は?何を言っているんだ、勇者殿!」

女勇者「みんな、私を怖がらないでね?しゃがんでくれる?」

僧侶「え…こうですか?」すっ

魔法使い「戦士さん、ここまで来たんです。勇者様を信じましょう」すっ

戦士「…うむ。わかった。これでいいか?」すっ

女勇者「オッケー!いくよ!」

ブンッ

ガシャアアアアア!!!!!!

戦士「…な」

魔法使い「檻が……切れた……?」

僧侶「ふ……ふぇぇぇえん……!」

女勇者「……さぁ、行こう!みんな!」

戦士「………うむ。行こう」

魔法使い「はい。…勇者様、行きましょう!」

僧侶「うぇぇぇん…死ぬかと思ったよぅ…!!」ぷるぷる

女勇者「僧侶ちゃん、ごめん。ちょっと掠っちゃった?」

僧侶「帽子が…溶けちゃいましたぁ…。でも大丈夫です…ちょっとビックリしちゃっただけだから」ぐすん

戦士「よし、行くぞ勇者殿!一人も欠けることなく、魔王を倒しに!」

魔法使い「そうですね!そして一人も欠ける事無く、世界に平和を!」

女勇者「…!」

女勇者「うん!!!」

タッタッタッタ

女勇者「…ねぇ、戦士くん」

戦士「む?どうした勇者殿」

女勇者「聞かないの?」

戦士「…勇者殿は勇者殿だ。俺達がついていくと決めた人だ」

女勇者「…戦士くん」

戦士「過去に何があろうとも、どんな力を持っていようと、俺達の信じる人は変わらない」

戦士「何があっても、勇者殿の正義についていくと言っただろう?」

女勇者「…!!うん。ありがとう。本当に、皆と仲間になれて良かった」

戦士「それはこちらもだ。最後の最後で足を引っ張ってしまって済まない」

女勇者「そんなことない!仲間のおかげで、私はやっと答えを見つけられそうだから…!」

戦士「…そうか」

女勇者「戦いが終わったら、全部話すよ。とにかく今は、魔王に勝とう!」

タッタッタ

魔法使い「!!……間に合ったみたいですね」

【最終決戦】

僧侶「ついに…ここまで来ましたね」ぐっ

魔法使い「こ、これが…魔王!」

戦士「ものすごい威圧感だ…強い……!!」チャキ…

女勇者「……さすがに、強いね。他の魔物とは桁が違う」

魔王「来たか」

魔王「!」

魔王「ほう。勇者一人で来るものだと思っていたが…」

女勇者「魔王。あなたを倒して、私達人間の世界に平和を取り戻すよ」

魔王「良かろう。余は貴様を倒して魔族の平和を作り上げる」

女勇者「…勝つよ!」

魔王「もはや言葉は不要。勝てば正義、負ければ絶滅。それだけのことだ」

女勇者「…そうだね。行くよ、皆!!」

戦士「応!!」

僧侶「サポートはお任せください!」

魔法使い「必ず勝ちます!」

女勇者「私も…全力で魔王を倒す!!」ぐっ

魔王「破壊を」

魔王の邪気が空を覆っていく…!

邪気が雷雲となり、悪魔の雷(いかずち)が起こる!

女勇者「みんな伏せて!!」

戦士「勇者殿!?」

女勇者「たぁっ!!」

なんと女勇者が高く飛び上がり、自らの身体で雷を受け止めた!

女勇者に23のダメージ!

僧侶「勇者様!!大丈夫ですか!?」

女勇者「うん、大丈夫。それよりも、皆に防御魔法をかけてあげて。そう何度も全体攻撃を防げない」

僧侶「わかりました!」

僧侶「神よ…この者達を護りたまえ。魔法防御(全体)」

ぱぁぁ…

女勇者は魔法攻撃に強くなった!

戦士は魔法攻撃に強くなった!

魔法使いは魔法攻撃に強くなった!

僧侶は魔法攻撃に強くなった!

戦士「はぁぁ!!」

がちぃ!

戦士の攻撃。

魔王に17のダメージ!

魔王「なんと非力な…。これが人間の力か。去ねい」

ごしゃっ

魔王の攻撃。

戦士に212のダメージ!

戦士「…が…!」

魔法使い「戦士さん!!…灼熱魔法(最大)!!」

魔王「魔法というのはこう使うのだ」

魔王の指から一筋の光がほとばしる!

魔法使いに198のダメージ!

魔法使い「きゃぁ!?」どさっ

女勇者「魔法使いちゃん!!く…全体回復魔法(最大)!」

ぱぁぁぁ…

戦士「かたじけない…!!」

魔法使い「助かりました…」

女勇者「良いよ!それより、ほら!次が来るよ」

魔法使い「魔法防御をかけてもらっていなければ、死んでいました…」

僧侶「でも、これじゃ一向に攻撃できません…!」

女勇者「…皆、一度だけ身を護ることに専念してくれる?」

僧侶「は、はい!わかりました!」ぐっ

魔法使い「身を守ればいいのですね?」ぐっ

女勇者「うん!私が攻撃してくる!!」

僧侶「あ!!戦士さん、勇者様の声が聞こえてません!!」

女勇者「え?!」

戦士「うおおおおお!!!」

女勇者「戦士くん!今はダメぇ!!!!」

魔王は鋭い眼光で戦士を睨んだ。

女勇者「戦士くん!」

戦士は石になってしまった!

魔王「愚かな…人間とはなぜこうも愚かなのか」

魔王「力も持たぬのに、なぜ希望を持つのか?余にはわからぬ」

魔王「わかる必要もないがな」

女勇者「やめてぇえええ!!!!」

魔王の攻撃。

戦士の身体は粉々に崩れ去った……

女勇者「あ……あ…」

魔王「貴様もだ。余にはわからぬ。なぜこの足手まとい共を連れているのだ」

魔王「貴様一人のほうが強いのだろう?なぜ一人で戦わない」

魔王「邪魔ならば殺せばよいではないか。余は貴様と戦いたい」

魔王「邪魔者を排除してやったのだ。さぁ、来い」

女勇者「………」すっ

女勇者は戦士の剣を装備した。

女勇者「…した」

魔王「む…?」

女勇者「たし……大事な…ころしたな」

魔王「ふ、なにを悲しむことがある?貴様も足手まといが居なくなって喜ぶべきだろう」

女勇者「殺したな…!!」

女勇者は戦士の剣を強く握り、力を溜めた。

女勇者「私の、大事な仲間を…!!!」

女勇者「殺した!!!!!」

女勇者「強い私と戦いたいなら!望みどおりにしてあげる!!」

魔王「む…!!」

女勇者「うあああああああああ!!!!!!!!!!」

女勇者は握り締めた戦士の剣で思い切り魔王を叩き切った!!

魔王の身体は真っ二つに断ち切られた!!

斬撃は地面を割り、山を斬り、海を裂いて進んでいく!!!

魔王を倒した!

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16