女商人「やっと私の出番ね」ルイーダ「あ、登録しただけよ」女商人「えっ?」 10/21

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賢者「ここは補助魔法で、僧侶いくよ!」ブツブツ

僧侶「了解!」ブツブツ

賢者はルカナンを唱えた

僧侶はマヌーサを唱えた

だいまじん達の守備力を下げた

だいまじん達は幻に包まれた

勇者「よしっ!今度こそー!」ダッ

賢者「精霊達よっ、勇者さまに力をっ!」ブツブツ

賢者はバイキルトを唱えた

勇者の攻撃力が倍増した

勇者の攻撃

だいまじんAに大ダメージ

だいまじんAをやっつけた

勇者「よっし!やったね!」

だいまじんBの攻撃

攻撃は当たらない

だいまじんCの攻撃

攻撃は当たらない

僧侶「効いてるわね。このスキに。もう一度いくよ、賢者!」ブツブツ

賢者「わかってる。」ブツブツ

僧侶はベギラゴンを唱えた

賢者はバギクロスを唱えた

炎が風の力で威力を増した

だいまじん達を焼き付くした

魔物達をやっつけた

賢者「やりましたねっ!勇者さま!」

僧侶「でも、かなり危なかったわね。」

勇者「やったね、かなりこっちの魔物は手強いよね。おーい武闘家、大丈夫~?」ブンブン

武闘家「大丈夫だよ。………(みんなすごいなぁ...でも私は)」

その後、勇者達はアレフガルド世界の魔物の強さに手こずりながらも、レベルを少しずつ上げつつ、旅を続けていった。

砂漠の町ドムドーラ、城壁の町メルキド、温泉の町マイラ、そしてリムルダールにたどり着いた。

しかし、勇者達も不慣れな闇の世界での戦闘漬けの日々に疲れの色を隠せなかった。特に武闘家は仲間と距離をとり、独りでいることが多くなっていた。

この事態を重くみた僧侶の提案で一度、表世界に戻り、お互いに休息を取ろうという事になった。全員賛成し、リムルダールからアリアハンに戻った。

アリアハン 武闘家の家

商人「大魔王ゾーマ。そうだったんだ、お城でそんなことがあったんだね。」

武闘家「大変だったんだぞ~、兵士さん達は全員殺されちゃったし、蘇生魔法も効かないし。」

商人「え?ザオリクが効かなかったの?事故死なら効果があるはずなのにね。」

武闘家の母親「きっとそれは、ゾーマとかいうやつの闇の力が強すぎて聖魔法の効果が消されるからよ。」

武闘家「へえ~さっすがお母さん!なんでも知ってるね。」

商人「おばさんは魔法にも詳しいんですね。さすが勇者パーティーの紅一点。」

母親「元よ元。昔のことだもん。あの頃は私も若かったのよ~。なんちゃってね!」

商人「(う~ん、おばさんと武闘家、相変わらずソックリよね。)」

武闘家「うん?商人どーしたの?」

商人「ううん、なんでもないよ。」

商人「ねえ、武闘家。私に大切な用ってなんなの?わざわざ家に呼んでまで。」

武闘家「あっ、うん。あのね。」

商人「そうだ、私もあなたに聞きたいことがあったんだ。」

武闘家「なに?」

商人「この前、ルイーダさんに聞いたんだけど、あなたが愚痴ってたこと。自分は足手まといだとかなんとか、っての。」

武闘家「…………」

商人「.....そのことと関係することなのね?」

武闘家「…………うん。」

商人「いいよ。話してみて。」ニコ

武闘家「率直に言うよ。私は勇者パーティーを抜けるよ。」

商人「!!」

武闘家「私が今のパーティーにいたら、みんな死んじゃうかもしれないから。」

商人「なんでそんなことを?逆じゃない?あなたがいなきゃ戦力が足りなくなる。攻撃の要はあなたよ。」

武闘家「そんなことはわかってるんだ。ただ闇の世界じゃ魔物もすんごくズル賢くて強い。私がただバカみたいに暴れてればいいわけじゃないんだよ。」

武闘家「闇の世界では私が足を引っ張ってて戦いが上手くいかないんだよ!私にはこの先、旅を続けて魔物と戦い続けるなんてできないよ。」

商人「そんな、ここまでせっかく強くなったのに。もったいないよ。」

武闘家「それにね、私は頭弱いから魔法も使えないし。旅の最初は魔法なんか使えなくても、って思ってたけど、今は使えなきゃだめかな、って思うんだ。」

商人「(この子のこんな目、初めて見る。本気なのね)」

商人「あなたはパーティーを抜けたあとどうするの?」

武闘家「………旅に出ようかなと思うんだ。私バカだった。一人で思うがまま動いて、迷惑かけて。そんな自分を見つめ直したいんだ。」

商人「一人で?大丈夫なの。」

武闘家「心配しないで、強さだけなら私は世界の誰にも負けないもん!」

商人「まあ、たしかにそうね。じゃあ3人はこのこと知ってるの?」

武闘家「アリアハンに戻ってきてすぐにここで3人に話をしたんだよ。最初私が切り出した時は全員びっくりして目が腐った死体みたくなってたけどね~」

商人「腐った死体....(目が飛び出すくらいびっくりしたってわけね)」

武闘家「賢者なんかは途中からポロポロ大泣きしちゃうんだもん。僧侶も少し泣いてたかな。」

武闘家「必死に引き留めてくれたのは嬉しかったけど、もう心に決めてたからね。勇者はなにも言わずに頷いてくれてたな。」

商人「そうなんだ。お互いが辛いけど大きい決断をしたんだね。」

武闘家「そうだよ。別れ際に勇者が言ってくれたんだよ。

勇者『私達と武闘家はこれからもずっとずっと仲間だし友達だからね!』

ってね。もう私も堪えてたのにそれ聞いたらもうダメだったよ。ほらもう思い出すだけで...」ポロ

母「(向こうのキッチンから顔を覗かせて)まったくね~ずっと泣きっぱなしで私にもわんわん泣きついてきたのよ~。」

武闘家「おっ!お母さん!」カァー

商人「ふふふ。勇者いいこと言うよねー。泣かせようとしたんじゃない?」ニヤニヤ

商人「じゃあさ、勇者達は3人でこれから旅するの?」

武闘家「なんかね、賢者も僧侶も今のままでは闇の世界では厳しくなるからって転職したいって言ってたよー。」

商人「そうなの?何に転職するの2人は。」

武闘家「たしか、賢者は武闘家になりたいって、私の抜けた穴を埋めたいってさ。僧侶は戦士になるみたいだよ。」

商人「へえ~思いきった転職をするのね。あ、でも。」

商人「(なるほど。2人とも全部の魔法を覚えた状態で転職すれば魔力とかは半分になるけど魔法は使えるってわけね)」

商人「(そうすれば魔法を使える素早い武闘家と魔法を使える攻撃力が高い戦士になれる。)」

武闘家「あとね4人目はもう決まってるって勇者が言ってたよ。」

商人「え、そうなんだ!誰なの?(強い人がなるんだろうな~私なんてだめだろうし)」

武闘家「…………ちょい待ってて」ゴソゴソ

スッ

武闘家はあるものを商人の目の前に出した

商人「なに?なんの本?」

商人「さ・と・り・の・しょ?(悟りの書?)」

母「(コーヒーを商人に差し出しながら)ああ~、それがあるとダーマ神殿で賢者になれるのよっ。」

商人「ん?え!賢者?」

武闘家「商人、あなたが勇者パーティーに入って賢者になるんだよ!」ニッコリ

商人「……………う、」

商人「うそおぉぉぉ~!?」ドタ

ダーマ神殿 転職の間

大神官「では、賢者はどの職業に就きたいと申すか?」

賢者「わ、私は武闘家になりたく思います。よろしくお願いいたします!」

大神官「ではもう一人、僧侶はどの職業に就きたいと申すか?」

僧侶「私は戦士に。」

大神官「あいわかった。転職すると再びレベル1からの厳しい修行となるが承知の上か?」

賢者「はい。心得ております。」

僧侶「耐えてみせるわ。」

大神官「では2人の意思は受け取った!おお神よ!この2人が新しい職業に就くことをお許しください!!」スッ

パアッーーー!

光が2人を包み込むように降りてくる。

賢者は武闘家に転職した

僧侶は戦士に転職した

武闘家が勇者パーティーを離脱してから、わずかに数日、商人の勇者パーティー加入と、賢者僧侶がそれぞれ戦力アップを目指し武闘家と戦士に転職するという事態になった。

武闘家は旅人となり自分を見つめ直す旅に出た。各地を巡り、商人の町ホープバークにも行くとのことだ。その時に商人が勇者パーティーに加わったことを伝えたいと意気込んでいた。

勇者は武闘家と戦士を連れ、ダーマ北にそびえるガルナの塔に向かい、ひたすら修行に励んだ。メタルスライムやスカイドラゴンとひたすら戦闘を重ね、レベルを上げていった。

約3日ほどである程度まで実力をつけた。そしてアリアハンに商人を迎えに戻った。

アリアハン ルイーダの店

ルイーダ「じゃあ勇者ちゃん、この人でいいのね?」

勇者「はい!ありがとうございます。」

戦士「気分も新たに、大魔王ゾーマを倒しにいくわよ。」

武闘家「ええ!強くなった私達ならもうアレフガルドも怖くないわね。ね?勇者さま。」

勇者「その通り!大魔王ゾーマ、待ってなよー。倒しに行ってやるからね!」

戦士「商人も頑張って早く賢者になれるといいわね。協力するから。」

武闘家「そうですよぉ!元賢者の私もいろいろと教えることが出来ますし、頑張りましょうね。」ニコ

勇者「ん?商人どうしたの、黙りこくっちゃって。お腹でも痛いの?」

商人「………なんとなく、き、緊張しちゃって。私が勇者パーティーに入れるなんて思わなかったし。」カタカタ

勇者「な~んだ?そんなことか~。」ホッ

勇者「私はてっきりこのパーティーが嫌なのかと思ってたよ~。」

商人「そんなことないよ!私もみんなのこと大好きだもの。これからずっと前から憧れだった賢者になるんだと思ったら緊張して....」

武闘家「元武闘家さんも自信を持って商人さんを推してくれたし、あの人の思いを全員で受け継ぎましょう。」

戦士「そうね。最後までやり遂げなきゃね。商人あなたが再び仲間になって心強いわ、ありがとう。」

商人「武闘家。戦士。ありがとう。」

商人「勇者。私を選んでくれて本当にありがとう。みんなで大魔王ゾーマを倒しましょう。」

4人はかたく握手をした。

商人「あ、ルイーダさん。いろいろありがとう。頑張ってきます。」

ルイーダ「ふふ、どういたしまして。お父さんには挨拶してきたの?」

商人「ええ、また寂しがってたけど、しっかり昨日は父親孝行してきましたよ。(もうあの時みたいな失敗はしない、絶対に!)」

勇者「じゃあ、とりあえずダーマに向けて行くとしよっか。当面は商人を賢者にするための修行だけど。」

商人「お手柔らかにお願いします。」ペコ

戦士「じゃあ行きましょう。」ブツブツ

戦士はルーラを唱えた

勇者達は飛び立って行った

ここまでの各キャラのおさらい

勇者♀

Lv.42

武闘家♀(僧侶→賢者)

Lv.30

戦士♀(魔法使い→僧侶)

Lv.29

商人♀(→賢者の予定)

Lv.7

旅人♀(武闘家→離脱中)

Lv.1

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