女商人「やっと私の出番ね」ルイーダ「あ、登録しただけよ」女商人「えっ?」 18/21

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武闘家「こ、この男が?あの張り紙にあった男なの?」

戦士「こいつが、メルキドの人々を薬物中毒に追い詰めた...」

勇者「おい、お前!どうやって魔物達に取り入った?」

人間の男「こちらは威勢のいい娘さんだ。まあ私のことより目の前のアークマージを倒した方がよいのでは?くっくっく。」

賢者「勇者、先にアークマージを倒そう!来る!」ササッ

武闘家「私にまかせてください!えいっ!」バシュ

ズババッ!

武闘家の先制攻撃

アークマージAに大ダメージ

アークマージAをやっつけた

戦士「私も行くわっ!でぇい!」シャ

ザシュウ!

戦士の攻撃

アークマージCに大ダメージ

アークマージCをやっつけた

勇者「よっし!まず2匹!」

アークマージBはザオリクを唱えた

アークマージAが蘇った

アークマージAはザオリクを唱えた

アークマージCが蘇った

アークマージCはイオナズンを唱えた

賢者「そっ、そんな!(魔物がザオリクなんて)」

武闘家「きゃあああ~!!」

戦士「しまったぁ!!」

ズドドドドドド

ドッカーーーン!!

人間の男「おやおや~、一瞬油断したら脆いんですねぇ、はっはっは!」

勇者「くっ、あんな至近距離からイオナズンを。」ググ

戦士「ゆ、油断したわね。」

武闘家「……………う。」

賢者「ぶ、武闘家!(いけない!)」ブツブツ

賢者「傷をすべて癒せ『ベホマ!』」パァー

賢者はベホマを唱えた

武闘家の傷がすべて治った

武闘家「は。傷が。みなさん!」ブツブツ

武闘家「我らの傷を癒せ『ベホマラー』」パァー

武闘家はベホマラーを唱えた

勇者、賢者、戦士の傷が治った

勇者「武闘家ありがと!戦士行くよ!」

戦士「コクッ(武闘家、賢者頼むね)」パチ

武闘家「(戦士。わかった。)」ブツブツ

賢者「(よし、それなら!)」ブツブツ

勇・戦「「くらえ~~!」」

ズバッ!

バシュッ!

勇者の攻撃

戦士の攻撃

アークマージAに大ダメージ

アークマージBに大ダメージ

アークマージABをやっつけた

戦士「今よっ!」

武闘家「汝の言葉は...」

賢者「...心に届かぬ!」

武・賢『マホトーン!』シュー

武闘家はマホトーンを唱えた

アークマージCの魔法を一部封じ込めた

賢者はマホトーンを唱えた

アークマージCの魔法を完全に封じ込めた

アークマージCは魔法を唱えられない

賢者「やったね武闘家!」グッ

武闘家「二重掛けが効きましたね!」

勇者「よし、最強の剣の威力見せてやる!ええい!」ブゥン

勇者は王者の剣を振りかざした

剣からあらわれた巨大な竜巻がアークマージCを巻き込んで切り裂いた

アークマージCをやっつけた

人間の男「なにぃ?ふふふ。やりますねぇ。流石は勇者さまだ。」

戦士「あとはあんただけね。チャキ」

人間の男「なるほど。私の力ではあなた達には敵わないようだ。」

賢者「ずいぶん気弱なことを言うのね。昨日のあなたと違って。」

人間の男「勇者さま。先ほどのあなたの質問にお答えしましょう。」

勇者「…………」

人間の男「私はこれまで人を騙して騙して騙して続けてきた。」

人間の男「簡単なことです。飽きてしまったんですよ。」

武闘家「飽きた?どういう意味ですか?」

人間の男「言葉の通りです。人の次は魔物しかないでしょう?」

人間の男「魔物も知能の高い者ならば言葉を話すし理解もできる。」

賢者「あなたの得意な口で魔物も騙したってことなの?」

人間の男「上の世界の魔物は知性が弱い、そんな時に勇者さま

がギアガの大穴から下の闇の世界に入ったという話を耳にしましてね。」

人間の男「闇の世界の魔物ならと思い、私も密かに降り立ったわけです。」

人間の男「魔物は危険な存在ですが単純な分、一度騙せればこちらの思うツボ。」

勇者「あんた。とことん騙してばかりで、性根が腐ってるよ。」

人間の男「褒め言葉と受け取りましょう。くっくっく。」

人間の男「先ほどあなた達が倒したアークマージは魔力から劇物を精製するのが得意でねぇ。」

人間の男「それをチョコに入れ、見返りとして魔物にも提供し、ついでにこの世界に住む人間にも提供してやる。」

人間の男「人間でも的確に効いてくれたが、魔物には悪い意味で相性が合ってねぇ。好都合でしたよ。」

勇者「そうか!だからあんな数の魔物を。」

人間の男「まあゾーマはなにも興味を示してもくれなかったがね。」

人間の男「しかし、困った。この世界のすべてを騙してしまった…………こうなればもうやるべきことは一つしかない。」スッ

武闘家「やるべきこと?」

人間の男「貴様らを殺して、ゾーマをも殺し、私が世界の支配者となるのだァーー!!」

勇者「な、なんだって!?」

男の叫びとともに、それに呼応するように男の体が変化していく。

コートの下から覗く体は肌色から青色に変色し、膨れあがる。

頭には禍々しく大きなツノが生え、口にはキバが生え、背には翼が生えていく。

人間?の男「フハハハハー!!私が最強になるのだ!貴様らなぞすぐに消し去ってやるわ!!」グググ

魔物の男「まだまだぁー!もっともっと大きくなるぞぉー!これが魔物の力なのだぁー!」ググ

魔物の男「見ろ!人間どもよー!これで俺はさいきょ、うの」ピタ

魔物の男「な、なんだ?変化が止まった、だと?」

魔物の変化が途中でピタリと止まった。

賢者「あなたがずっと自分の話をしてて、あまりにスキだらけだったからね。」

武闘家「念のために戦士に魔封陣を張ってもらっていたんです。」

魔物の男「な、に?魔封陣だとぉ?」キッ

魔物が目を下げると、そこには魔物を中心に紋様が浮かぶ円い魔封陣が描かれていた。

等間隔で勇者達が立ち、それぞれが魔力を注いでいる。

戦士は全神経を集中させて魔封陣を張り続けている。

魔物「ぐう、そんなバカなぁ!こんな魔封陣なぞ。うおおおお!」ピクピク

魔物「(動けぬ!)」

戦士「ムダよ。なにをしたってこの魔封陣を解くことは不可能。」

勇者「戦士は元魔法使いだよ。魔封陣のエキスパートだからねっ。」

魔物「貴様らが、俺を『騙した』だと...」

賢者「そう。以前、騙されたお返しよ!醜い姿になった自分を悔いなさい!」

魔物「ぐうう、ぬおおお。」ピクピク

戦士「賢者。どうするの?魔物ならこのまま消し去ることもできるわよ。」

魔物「な。た、助けてくれ。頼む、消すのはやめてくれ~!悪かった、俺が悪かったよ。」

賢者「…………あなた反省できる?もう二度と人や魔物でも騙さないって神に誓って言える?」

勇者「賢者!なにを言ってるの?そいつはすでに魔物になってるんだよ。いくら口で言ったって信じられるもんかっ!」

賢者「魔物になっても少し前までは人間だった。だったら姿形は魔物でも更正してくれれば。」

武闘家「賢者さま....」

魔物「あ、ありがてぇ。反省するよ。もう二度とバカなことはしねえからよ。な?な?」

賢者「戦士、ごめんね。魔封陣を解いてくれる?みんな魔力を止めて。」

戦士「わかったわ。解!」シュウ

魔物の動きを封じていた魔封陣が解けた。床の紋様が消えた。

魔物「ぐっは、はあはあ。解けたようだな。」

賢者「私達はすぐにゾーマを倒しに行かなきゃならない。あなたはすぐにここから出ていた方がいいよ。」

魔物「わ、わかった。」ハァハァ

賢者「みんな。すぐに行こう。」ニコッ

戦士「そうね。魔力を回復しながら行きましょう。私も久々だったから解いたらふらふらよ。」

勇者「あ、武闘家、魔法の聖水か祈りの指輪持ってる?魔力けっこう使っちゃったからさぁ。」

武闘家「ありますよ。魔封陣は直接の術者もですが、魔力を提供するサポート役も魔力の消費が半端ないですからね。」

勇者達は魔物の横を通りぬけ、回廊にある階段を目指し歩いてゆく。

魔物「(へっへっへ。今の魔封陣とやらで奴らの魔力はカラか。だったら今の体でも)」

魔物「はっはっは~!ここまでコケにされておとなしく引き下がれるかー!!人間どもがぁ~!」

ドスドスドス!

魔物「今の貴様らは魔力がカラっきしだろう?だったらここでみんなまとめてくたばってしまえ~!!」

勇者「ま、まずいよ!体がフラフラだ。」ググ

戦士「(魔力回復が間に合わない!)」

武闘家「く、くそぉ!」ジャキ

バッ

勇者「け、賢者?」

フラフラの3人の前に賢者が立ち塞がった。

賢者「やっぱりダメだね私ったら。また騙されちゃった。」ニコッ

武闘家「賢者さま!!」

魔物「なんだ?また騙されて悔しいか~?商人さんよぉ!ヒャッハッハッハー!」

賢者「………は………じゃだ」ボソッ

魔物「聞こえねえなぁ~~!!くたばれぇぇええ!!」バシュッ

賢者「今の私は賢者だ!!」ブツブツ

賢者「炎の精霊よ!」

ゴウッ

賢者「暴れ狂えー!」

ゴオオオォ

戦士「(りょ、両手の炎が頭上で繋がってアーチ状に!)」

賢者『ベギラゴーーン!!』

賢者はベギラゴンを唱えた

魔物「な、なにぃ!?」

ベギラゴンの激しい炎が空中で身動きが取れない魔物を襲う。

ゴオオオォォォ!!

魔物「ぐわぁぁあああ~!!」

ドォン

魔物は床に落ちたが虫の息だ。

魔物「お、お、な、ぜだ?貴様も魔力が、カラのは、ずだ」

賢者「はぁはぁ、私は賢者だって言ったでしょ?」

賢者「戦士も武闘家も元は僧侶や魔法使いだけど、今の職になる時に

魔力量は半減。レベルが上がっても増えないの。」

賢者「そして勇者、彼女は元々の魔力量は多くない。」チラッ

賢者「今のパーティーじゃ私が一番魔力を残してたってわけ。」ハァハァ

魔物「さい、ごのさい、ごで騙された、ってことか。」

賢者「違うよ。」

賢者「あなたが勝手に勘違いしただけ。」

賢者「私は誰かを騙したくなんかないもの。」ニコッ

魔物「へ、そう、かもな。ぐふっ!」ガクッ

賢者は魔物をたおした

賢者はレベルが上がった

イオナズンを覚えた

ゾーマの城 地下4階 廊下

タッタッタ

勇者「みんな魔力の回復はどう?」

賢者「私はとりあえずフル近くまで戻ったよ。そこまで減ってなかったし。」

武闘家「私もなんとか、7割方戻りました。」

戦士「魔法の聖水も終わってしまったわ、私はまだ半分も戻ってない。」

勇者「祈りの指輪もあと1つしかないからね、次使ったら壊れるかもだし。」

戦士「まあいいわ。私は今は戦士だから直接攻撃する。補助程度なら問題ないから。」

武闘家「消費の多い攻撃魔法は賢者さまに一任します。私もとにかく相手を叩くことに専念します。」

賢者「みんな。ありがとう。私も3人を精一杯サポートするからね!」

戦士「ねえ、賢者。ちょっといい?」ヒソヒソ

賢者「どうしたの?」

戦士「あなたがさっき放ったベギラゴンだけど。」

戦士「あの形での発動は威力も通常のベギラゴンとは桁違いだけど体にかかる負担もとても大きい。」

賢者「……たしかに。体力魔力は回復しても体中がギシギシ言ってるみたいだもの。」

戦士「でしょう。今はもう撃たない方がいいわ。」

賢者「うん。わかった。」コクッ

タッタッタ

勇者「あっ!見て。あそこに階段があるよ!」ビッ

武闘家「早く行きましょう!」

長い廊下の先に階段を見つけた勇者達はその階段を慎重に降りていく。

するとまったく明かりがなく、フロアの広さもわからないくらいであった。

暗いままに少しずつ前に進むと、突然正面にあるいくつかのたいまつが燃え始め、勇者達の視界を開いた。

そしてその勇者達の前に、奥からゆっくりと歩み寄ってくる影があった。

その大きな影は他ならぬ大魔王ゾーマであった。

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