女商人「やっと私の出番ね」ルイーダ「あ、登録しただけよ」女商人「えっ?」 16/21

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一方こちらは賢者がメルキドに着く2時間ほど前

ルビスの塔 最上階

勇者「あ~やっぱりここは気持ちいいや~。風がそよいで、ボーっとするには持ってこいだね。」

勇者「よっこらせ、と」ゴロン

勇者「戦士は温泉ゆっくり楽しんでるかな。温泉に入って美味しいご飯を食べて、たまらんねー。」

勇者「武闘家は読書家だから、今頃図書館で目をキラキラさせてるんだろうな~。私は読書は苦手だけどねぇ。」

勇者「賢者....はどこに行ったのかな?昨日の賢者の顔、暗かった。なにか考えてる顔してたし....」

勇者「(マイラで道具屋のおじさんから話しかけられてから、明らかに賢者は。)」

勇者「頭が良くて慎重派の賢者のことだから、大丈夫だとは思うけど...」

勇者「なにか引っかかる。それになんだろう?この胸騒ぎは。」グッ

勇者「でも、私も眠~くなってきたなー。ふわ~あ。」ゴシゴシ

勇者「(みんなのおかげでここまで来た。明日は力合わせて頑張ろう.....)」スゥ

勇者「すーすー」

勇者「zzzzzzzzz~~」

勇者はあまりの心地良さに眠ってしまった。

それから2時間後

ルビスの塔 最上階

勇者「…………う、う~ん。」

勇者「ふぁあ~。寝ちゃったみたい。どのくらい寝たかな。」カパッ

勇者は懐中時計を取り出した、勇者の父親の形見の懐中時計は鈍く光っている。

時計を見ると長針が2時間分程度進んでいた。

勇者「2時間も寝ちゃったのか私。」

ドクン!

勇者「!?」グッ

勇者「(な、何?今の鼓動。)」

ふと勇者は自分の胸のあたりを見た。

すると首から提げていた聖なるお守りが光っていた。

勇者「お守りが光ってる?これはどうなってるわけ?」カチャ

勇者は聖なるお守りを握り締めた。

すると勇者の頭の中に声が聞こえてきた。

『勇者よ。定めの勇者よ。』

『はじめまして、私はルビス。精霊ルビス。』

「あ、あなたが精霊ルビスさま?」

「私はゆ、勇者です。ルビスさまがどうして?」

『危機を告げるためです。』

『今、このアレフガルドでなにかが起きようとしています。』

「危機?どこでですか。ゾーマの城ですか?」

『いいえ。また魔物のそれとは違うようです。』

『これは、人間。にわかに信じたくはありませんが。』

「人間って、私達と同じ人間ですか?」

『そのようです。それに...』

『あなたの仲間がそこにいます。』

「!?」

「きっと賢者だ!!私の胸騒ぎの正体はこれだったんだ!!」

『勇者よ、助けに行っておあげなさい。』

「ルビスさま!場所はわかりませんか?」

『南の地、としかわかりませんが。』

「(南?メルキドの方か!)」

「ルビスさま、ありがとう!すぐに行きます!」

『頼みましたよ。勇者よ。』

勇者は目を明け、握り締めていた手を広げた。

勇者「(よくわからないけど、賢者が危ない。)」

勇者「(2人に声をかけからじゃ遅いよね。私が行く!)」

勇者「(無事でいて、賢者。今行くよ。)」ブツブツ

勇者「『ルーラッ!』」ヒューン

勇者はルーラを唱えた。

メルキドの町 入口

キーーン!

スタッ

勇者「とりあえずメルキドの入口に来たけど、なんなのこの空気は....」

勇者「ん?しかも町の人が眠らされてる?」

勇者「(賢者の仕業?だったらなぜこんなことを?)」

勇者「これほどの広範囲にラリホーを分散させるとなるとかなりの魔力を使ってるはずだ。」

ヒュー

勇者が賢者を探そうとして町に入ったその時、

風の音が勇者の耳に入った。

ふと町とは逆の方角を振り向くと少し遠くで竜巻の欠片を見た。

勇者「あれは!?」

勇者「(賢者のバギクロスだ。)」

勇者「あっちだ!」ダッ

勇者は賢者がいるであろう場所に向けて全力で走った。

メルキド 近くの平原

勇者「(賢者!)」ダッ

勇者「(あれは!魔物!)」

ピタッ

ガササッ

勇者は平原を見渡せる巨大樹の枝の上に隠れた。

勇者「な!魔物があんなに!」

勇者「(それでも賢者が数を減らしたんだろうけど...)」

勇者「(あんなに一斉にに魔物が出るなんておかしい!誰かが手引きしたとしか。)」

勇者「(それより賢者はどこに?)」キョロキョロ

勇者が魔物達の多さに驚く直後に賢者の姿を探した。

すると剣を片手に、うつ伏せで倒れている賢者を見つけた。

衣服は汚れ、ところどころボロボロになっている。手や足にも血が滲んでいた。

賢者は倒れたまま動かない。

するとそれを認めたのか遠巻きに様子を見ていた

魔物達が一斉に賢者に飛びかかった。

勇者「(まずい!)」

勇者「(くそッ!こうなったら!)」バシュッ!

勇者「うおぉぉぉー!」

勇者「天なる轟きよー!」

勇者「裁きの雷となり、降り注げーっ!!」

『ギ ガ デイィーーーーーン!!!!』

ピカァ!

勇者は天高くジャンプし、詠唱した。

勇者はギガデインを唱えた!

戦士編、武闘家編、勇者編。書いてみました。

上(表)の世界

ホープバーク 町長の家

旅人「お久しぶりだねー2人とも!」

町長「おや?あなたは。どこかで見たことが...」

老人「その声、しゃべり方。」

旅人「ふっふっふ。」

町長「ああ!武闘家さんじゃないですか?」

老人「むう。そうじゃそうじゃ、武闘家じゃないか!」

旅人「やっとわかったか~。まあ、たしかにこんな旅人の服じゃあわからないよね。」

町長「あの緑色の武闘着のイメージが強かったんで、わからなかったなー。」

老人「そういえばお前だけか?」

旅人「そうだよ。ちょいワケありってやつだよ。」チッチッ

旅人は今はホープバークの町長を務める青年と老人に、商人がここを離れてから、今までについてすべてを話した。

商人が自分の代わりに勇者パーティーに入ったこと。

さらに商人が賢者に転職したこと。同じく転職した仲間達のこと

自分は今、1人で世界中を旅していること

大魔王ゾーマ出現により下の世界アレフガルドが存在したこと

そして大魔王を倒すために勇者達がアレフガルドにいること

町長と老人は旅人の話を真剣に耳を傾けていた。

旅人「と、まあこんな感じかなー。」

老人「大魔王などというやついたか。勇者達も休まる暇ないのう。」

町長「商人さんが勇者パーティーに。しかも賢者になっていたなんて....びっくりしました。」

旅人「青年くんてば、私や勇者達のことよりも商人のことばかりだねーへへへ~。」

町長「え。い、いや。そういうことじゃなくて、た、ただ僕は、商人さんが心配で。」アタフタ

旅人「(わっかりやすいなー青年くんは。)」ニヤニヤ

町長「武闘家さん。なんですかそのにやけ顔は。」

旅人「なーんでもありません。」

老人「ところでお前はこれから?まだ旅を続けるか?」

旅人「もうホープバークが最後に来た町だよ。とりあえずここが終着点みたいなんだけど....」

町長「…………行くんですね、アレフガルドに。」

老人「なっ?そうなのか武闘家?」

旅人「うん。」コクッ

旅人「私自身、この世界中を廻ったんだけど、なにか満たされない気持ちなんだ。」

旅人「自分を見つめ直したら、わかったんだ。」

旅人「私は勇者達と一緒に戦いたい、ってね。私は私にしかできないことがあるかもしれない。」

旅人「あとね、勇者達の忘れ物を届けにいかないといけないんだなー。」

町長「忘れ物?」

老人「なんじゃなそれは?」

ゴソゴソ

旅人「これでーす。」キラッ

町長「水晶玉ですか?ただの玉じゃなさそうだけど。」

老人「なにかとんでもない力秘められてるとか。」

旅人「そうなんだよね。詳しくは言えないけど、なぜか私がパーティー

から抜けた時に私の道具袋に入っててそのままだったんだ~。」

旅人「(てか、なんで誰も気がつかないんだろうね~)」

旅人「(竜の女王の形見みたいなものだし。)」

旅人「(勇者も真性のおっちょこちょいだもんねぇ。)」

旅人は旅を終わらせ、再び勇者達に合うためにアレフガルドに向かうのだった。

あとホープバークから旅立つ際に町長から手紙を託された。

町長「武闘家さん、すみませんがこれを商人さんに渡してくれませんか?」スッ

旅人「なに、手紙?」

旅人「ねえねえ、青年くん。これはアレなのかな、いわゆる~まさかの~」ヘラヘラ

町長「茶化さないでくださいよ、武闘家さん。そのまさかです!」キッパリ

旅人「おお~男らしいね。青年くんは商人のこと好きなんだもんね!」

町長「僕の思いを書いてます。よろしくお願いします。」ペコ

旅人「わかった!必ず渡すから。」

旅人はギアガの大穴めざして、町を出ていった。

無事に旅人は勇者達に合流できるのか。

一方、勇者達は……………

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