魔王の片手から 赤い水晶の玉が うかびあがった! ▼
**『さて……戦いの前に』
**『貴様たちの真実を覗かせてもらおう……』
勇者「真実……?」
戦士「下らん御託に付き合っているヒマはない。来ないならこちらから行くぞ」
**『お前が我を滅ぼす真の目的――』
**『それは名誉に飢えているためか』
戦士「!」
**『己こそが魔族を打ち破るに足る存在だと、信じて疑わなかったようだな』
**『功のために己を磨き上げ、名を広めるために剣を振るってきたお前にとって』
**『突如として現れた勇者なる存在は、さぞ歯がゆいものだったろう――』
勇者「!」
戦士「な、何を……!」
**『ほう。特に「伝説の剣」に対する固執は凄まじいものだったようだな』
**『これまでの誇りと、この先の戦功を思えば、簡単には手放せなかった』
戦士「貴様、勝手なことを……!」
**『分かるぞ。自らの矜持を押さえ込み――』
**『他に本分を委ねなければならない口惜しさというものはな――』
商人「戦士殿! こんな奴のほざく事など、真に受けることはありませんぞ!」
**『貴様は金欲か』
商人「なっ!」
**『ククク。もはや滑稽なまでに至純な守銭奴よ』
**『頭の中は、常に金に関わることばかり。へつらい、たくらみ、ほくそ笑む』
**『この戦いでさえも、金儲けの一部としか考えておらぬようだ』
商人「そ、そんなことは……!」
**『恥じることは無い、それでこそ人間というもの』
**『多くの人間は、欲の権化たる金銭に価値を見出す。持たざる者は無論、持つ者でさえも』
**『されど、時にその貪欲さが思わぬ力を引き出すこともある。結構なことではないか』
商人「ぐぬぬ……」
勇者「みんな、こいつの言うことに耳を貸しちゃ駄目だ!」
勇者は 伝説の剣を 抜きはなった! ▼
**『……。……勇者よ』
**『貴様はなぜ、我を滅ぼさんと剣を抜く』
勇者「それは、この世を平和にするためだ!」
**『真にそうなのか』
勇者「えっ?」
**『貴様は周囲に流されるがままに、持ち上げられ、謳われるがままに』
**『目に映りもしない使命感を、傀儡のごとくただ果たそうとしているに過ぎぬのではないか』
勇者「そんなことはない! ボクは自分の意志でここまで来たんだ!」
勇者「魔王……お前を倒して、世界を平和にするために、それだけのために旅を続けてきた!」
**『その主張が空疎だと言っている』
**『勇者の号のない、貴様自身は何のために戦う』
**『貴様の真の目的はいずこにある。答えてみよ』
勇者「そ、そんなもの……」
**『答えられぬのは、以前あったはずの「欲」が見えなくなっているためだ』
**『目を閉ざされた貴様は、ただ無心に使命とやらにすがっているに過ぎぬ……』
勇者「わ、訳の分からないことを……!」
賢者「……勇者様、戦士殿」
賢者「あの魔物は、どうやら魔法使いタイプのようです」
賢者「【東の村】で練った作戦通り、集中攻撃の陣形を敷きましょう」
**『最後はお前か』
**『……ほう。これは興味深い』
**『一行の参謀でありながら、魔物に勝るとも劣らぬ、あさましい行為を犯している』
**『ただ己の愛欲のために、罪なき人間を消すとはな』
勇者「えっ?」
戦士「……」
賢者「曲解を招く言い方だ。私はこれまで、人を殺めたことなど一度もない」
**『さて。時によっては、ただ殺めるよりも下卑た手段やもしれぬぞ』
**『哀れなるは勇者よ。真の本懐を、斯様な形で閉ざされるとは――』
賢者は メラミを となえた!
**には きかなかった! ▼
賢者「黙れ」
賢者「皆さん、聞いてください」
賢者「どうやらあの赤い水晶は、狙った対象の一定の情報を得ることができるようです」
賢者「奴はそれをもって、戦いの前に我々の心意を揺さぶろうという胆です」
賢者「所詮は魔物の妄言。術中にはまってはいけません!」
勇者「そ。そうだよ! 惑わされちゃ駄目だ!」
商人「そ、そうだそうだ、イカンイカン!」
戦士「ふん。俺としたことが情けない」
勇者「よし! さぁ魔王! 決戦の時だ!」
**『……綺麗事を守るために、己の欲から目を背け』
**『自らの行為を、疑問を持たずに正当化する』
**『いつの世も、人間とは下らぬ生き物よ』
**は 玉座から 立ち上がった! ▼
**『愚か者どもめ』
**『思い知るがよい!』
勇者「来るよ!」
**は ベギラマを となえた!
戦士は パーティーをかばった! ▼
商人「戦士殿!」
戦士「軽い!」
勇者「やあっ!」
勇者の こうげき!
**に ダメージを あたえた! ▼
**『ぐっ……!』
賢者は スクルトを となえた!
パーティーの 守備力が あがった! ▼
賢者「行けます! 攻撃が効いている!」
戦士「うおおおっ!」
戦士の こうげき!
**に ダメージを あたえた! ▼
**『おのれ……!』
商人「なあんだ、大したことないですなあ!」
商人「ではワシも! でええい!!」
商人の こうげき!
**は ひらりと みをかわした! ▼
商人「何!? かわされた!?」
勇者「この伝説の剣なら!」
勇者の こうげき!
**に ダメージを あたえた! ▼
**『くっ』
勇者(浅い! 隙を突いたのに反応された!?)
賢者「勇者様、援護します!」
賢者は バイキルトを となえた!
勇者の 攻撃力が 2倍になった! ▼
戦士「うおおおっ!」
戦士の こうげき!
**は ひらりと みをかわした! ▼
戦士「何だと!? 急に動きがよくなったぞ!」
**『……』
商人「ひ、ひとまず後方で何か使えるアイテムをば!」
**『……!』
**は ラリホーを となえた!
勇者「! みんな、寝ちゃダメだ!」
勇者には きかなかった!
戦士には きかなかった!
賢者には きかなかった!
商人「んを!?」
商人は ねむってしまった! ▼
戦士「あのうつけめ、何をぼんやりしてる!」
賢者(……今のは、商人殿がアイテムを探っている所にタイミングを合わせられた)
賢者(最初から狙いは商人殿だった? 何かおかしい……!)
勇者「この!」
勇者の こうげき!
**に ダメージを あたえた! ▼
勇者(ダメだ、決定的な一撃が与えられない! 反応されてる!)
賢者(……ここは商人殿を起こすより、補助に徹しておこう)
**『!』
賢者は ピオリムを となえた!
パーティーの 素早さが 上がった!
**の こうげき!
賢者(!? 私を狙い撃ち!?)
つうこんの いちげき!
賢者は 大ダメージを うけた! ▼
賢者「ぐあああっ!」
勇者「賢者さん!」
戦士「この! だが隙を晒したな!」
戦士の こうげき!
**は ひらりと みをかわした! ▼
戦士「何……」
戦士(攻撃直後の、完全に死角を突いた一撃を……)
勇者「やっぱり何かヘンだよ!」
勇者「と、とにかく賢者さんを……」
勇者は ベホマを となえた!
賢者の キズが 回復した!
*『……』 スッ
戦士「! くっ、来るか!?」
戦士は みを まもっている!
**は ベホイミを となえた!
**の キズが 回復した! ▼
戦士「何っ……」
勇者「か、完全に先読みされてる……!」
賢者「……」
勇者「こ、このっ!」
勇者のこうげき! ▼
賢者は マヒャドを となえた! ▼
戦士「!? ど、どこに放っている!」
賢者「見ての通り……我々が入ってきた扉の真上です!」
**『!? ぐっ!』
勇者(体勢が崩れた!?)
かいしんの いちげき!
**に 大ダメージを あたえた! ▼
**『ぐああああああっ!!』
勇者「あ、当たった!」
賢者「今がチャンスです!」
戦士「よ、よし! たたみ込むぞ!」
賢者は バイキルトを となえた!
戦士の 攻撃力が 2倍になった! ▼
戦士の こうげき!
**に ダメージを あたえた! ▼
**『が……がはっ……!』
戦士「どういうことだ? 面白いように攻撃が当たり始めたぞ」
勇者「やああっ!」
勇者の こうげき!
**に ダメージを あたえた!
**『ハァ……ハァ……』 スッ
**のもとに 赤い水晶が まいもどった!
勇者「! 水晶が二つ!?」
戦士「いつ増えたのだ!?」
賢者「とにかく今は攻撃を集中させましょう!」
勇者の こうげき!
戦士の こうげき!
賢者は ザメハを となえた!
商人は 目を覚ました! ▼
商人「ほぇ?」
賢者「まだ戦闘中です、商人殿も攻撃を!」
勇者の こうげき!
**に ダメージを あたえた!
勇者「いける!」
**『お……おのれ……』
**『かくなる上はっ!』 スッ
一対の赤い水晶が 宙に うかんだ! ▼
戦士「うおおおっ!」
**『ド――……。……くっ……!』
戦士の こうげき!
かいしんの いちげき!
**に 大ダメージを あたえた! ▼
**『ぐあああああああっ!!』
戦士「手ごたえあり!」
勇者「決まった!?」
**『っが……がはっ……お……おのれ……』
**『このままで……済みはせんぞ……』
**『勇者……共……』
**を たおした! ▼