僧侶「ひのきのぼう……?」 20/31

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魔王の片手から 赤い水晶の玉が うかびあがった! ▼

**『さて……戦いの前に』

**『貴様たちの真実を覗かせてもらおう……』

勇者「真実……?」

戦士「下らん御託に付き合っているヒマはない。来ないならこちらから行くぞ」

**『お前が我を滅ぼす真の目的――』

**『それは名誉に飢えているためか』

戦士「!」

**『己こそが魔族を打ち破るに足る存在だと、信じて疑わなかったようだな』

**『功のために己を磨き上げ、名を広めるために剣を振るってきたお前にとって』

**『突如として現れた勇者なる存在は、さぞ歯がゆいものだったろう――』

勇者「!」

戦士「な、何を……!」

**『ほう。特に「伝説の剣」に対する固執は凄まじいものだったようだな』

**『これまでの誇りと、この先の戦功を思えば、簡単には手放せなかった』

戦士「貴様、勝手なことを……!」

**『分かるぞ。自らの矜持を押さえ込み――』

**『他に本分を委ねなければならない口惜しさというものはな――』

商人「戦士殿! こんな奴のほざく事など、真に受けることはありませんぞ!」

**『貴様は金欲か』

商人「なっ!」

**『ククク。もはや滑稽なまでに至純な守銭奴よ』

**『頭の中は、常に金に関わることばかり。へつらい、たくらみ、ほくそ笑む』

**『この戦いでさえも、金儲けの一部としか考えておらぬようだ』

商人「そ、そんなことは……!」

**『恥じることは無い、それでこそ人間というもの』

**『多くの人間は、欲の権化たる金銭に価値を見出す。持たざる者は無論、持つ者でさえも』

**『されど、時にその貪欲さが思わぬ力を引き出すこともある。結構なことではないか』

商人「ぐぬぬ……」

勇者「みんな、こいつの言うことに耳を貸しちゃ駄目だ!」

勇者は 伝説の剣を 抜きはなった! ▼

**『……。……勇者よ』

**『貴様はなぜ、我を滅ぼさんと剣を抜く』

勇者「それは、この世を平和にするためだ!」

**『真にそうなのか』

勇者「えっ?」

**『貴様は周囲に流されるがままに、持ち上げられ、謳われるがままに』

**『目に映りもしない使命感を、傀儡のごとくただ果たそうとしているに過ぎぬのではないか』

勇者「そんなことはない! ボクは自分の意志でここまで来たんだ!」

勇者「魔王……お前を倒して、世界を平和にするために、それだけのために旅を続けてきた!」

**『その主張が空疎だと言っている』

**『勇者の号のない、貴様自身は何のために戦う』

**『貴様の真の目的はいずこにある。答えてみよ』

勇者「そ、そんなもの……」

**『答えられぬのは、以前あったはずの「欲」が見えなくなっているためだ』

**『目を閉ざされた貴様は、ただ無心に使命とやらにすがっているに過ぎぬ……』

勇者「わ、訳の分からないことを……!」

賢者「……勇者様、戦士殿」

賢者「あの魔物は、どうやら魔法使いタイプのようです」

賢者「【東の村】で練った作戦通り、集中攻撃の陣形を敷きましょう」

**『最後はお前か』

**『……ほう。これは興味深い』

**『一行の参謀でありながら、魔物に勝るとも劣らぬ、あさましい行為を犯している』

**『ただ己の愛欲のために、罪なき人間を消すとはな』

勇者「えっ?」

戦士「……」

賢者「曲解を招く言い方だ。私はこれまで、人を殺めたことなど一度もない」

**『さて。時によっては、ただ殺めるよりも下卑た手段やもしれぬぞ』

**『哀れなるは勇者よ。真の本懐を、斯様な形で閉ざされるとは――』

賢者は メラミを となえた!

**には きかなかった! ▼

賢者「黙れ」

賢者「皆さん、聞いてください」

賢者「どうやらあの赤い水晶は、狙った対象の一定の情報を得ることができるようです」

賢者「奴はそれをもって、戦いの前に我々の心意を揺さぶろうという胆です」

賢者「所詮は魔物の妄言。術中にはまってはいけません!」

勇者「そ。そうだよ! 惑わされちゃ駄目だ!」

商人「そ、そうだそうだ、イカンイカン!」

戦士「ふん。俺としたことが情けない」

勇者「よし! さぁ魔王! 決戦の時だ!」

**『……綺麗事を守るために、己の欲から目を背け』

**『自らの行為を、疑問を持たずに正当化する』

**『いつの世も、人間とは下らぬ生き物よ』

**は 玉座から 立ち上がった! ▼

**『愚か者どもめ』

**『思い知るがよい!』

勇者「来るよ!」

**は ベギラマを となえた!

戦士は パーティーをかばった! ▼

商人「戦士殿!」

戦士「軽い!」

勇者「やあっ!」

勇者の こうげき!

**に ダメージを あたえた! ▼

**『ぐっ……!』

賢者は スクルトを となえた!

パーティーの 守備力が あがった! ▼

賢者「行けます! 攻撃が効いている!」

戦士「うおおおっ!」

戦士の こうげき!

**に ダメージを あたえた! ▼

**『おのれ……!』

商人「なあんだ、大したことないですなあ!」

商人「ではワシも! でええい!!」

商人の こうげき!

**は ひらりと みをかわした! ▼

商人「何!? かわされた!?」

勇者「この伝説の剣なら!」

勇者の こうげき!

**に ダメージを あたえた! ▼

**『くっ』

勇者(浅い! 隙を突いたのに反応された!?)

賢者「勇者様、援護します!」

賢者は バイキルトを となえた!

勇者の 攻撃力が 2倍になった! ▼

戦士「うおおおっ!」

戦士の こうげき!

**は ひらりと みをかわした! ▼

戦士「何だと!? 急に動きがよくなったぞ!」

**『……』

商人「ひ、ひとまず後方で何か使えるアイテムをば!」

**『……!』

**は ラリホーを となえた!

勇者「! みんな、寝ちゃダメだ!」

勇者には きかなかった!

戦士には きかなかった!

賢者には きかなかった!

商人「んを!?」

商人は ねむってしまった! ▼

戦士「あのうつけめ、何をぼんやりしてる!」

賢者(……今のは、商人殿がアイテムを探っている所にタイミングを合わせられた)

賢者(最初から狙いは商人殿だった? 何かおかしい……!)

勇者「この!」

勇者の こうげき!

**に ダメージを あたえた! ▼

勇者(ダメだ、決定的な一撃が与えられない! 反応されてる!)

賢者(……ここは商人殿を起こすより、補助に徹しておこう)

**『!』

賢者は ピオリムを となえた!

パーティーの 素早さが 上がった!

**の こうげき!

賢者(!? 私を狙い撃ち!?)

つうこんの いちげき!

賢者は 大ダメージを うけた! ▼

賢者「ぐあああっ!」

勇者「賢者さん!」

戦士「この! だが隙を晒したな!」

戦士の こうげき!

**は ひらりと みをかわした! ▼

戦士「何……」

戦士(攻撃直後の、完全に死角を突いた一撃を……)

勇者「やっぱり何かヘンだよ!」

勇者「と、とにかく賢者さんを……」

勇者は ベホマを となえた!

賢者の キズが 回復した!

*『……』 スッ

戦士「! くっ、来るか!?」

戦士は みを まもっている!

**は ベホイミを となえた!

**の キズが 回復した! ▼

戦士「何っ……」

勇者「か、完全に先読みされてる……!」

賢者「……」

勇者「こ、このっ!」

勇者のこうげき! ▼

賢者は マヒャドを となえた! ▼

戦士「!? ど、どこに放っている!」

賢者「見ての通り……我々が入ってきた扉の真上です!」

**『!? ぐっ!』

勇者(体勢が崩れた!?)

かいしんの いちげき!

**に 大ダメージを あたえた! ▼

**『ぐああああああっ!!』

勇者「あ、当たった!」

賢者「今がチャンスです!」

戦士「よ、よし! たたみ込むぞ!」

賢者は バイキルトを となえた!

戦士の 攻撃力が 2倍になった! ▼

戦士の こうげき!

**に ダメージを あたえた! ▼

**『が……がはっ……!』

戦士「どういうことだ? 面白いように攻撃が当たり始めたぞ」

勇者「やああっ!」

勇者の こうげき!

**に ダメージを あたえた!

**『ハァ……ハァ……』 スッ

**のもとに 赤い水晶が まいもどった!

勇者「! 水晶が二つ!?」

戦士「いつ増えたのだ!?」

賢者「とにかく今は攻撃を集中させましょう!」

勇者の こうげき!

戦士の こうげき!

賢者は ザメハを となえた!

商人は 目を覚ました! ▼

商人「ほぇ?」

賢者「まだ戦闘中です、商人殿も攻撃を!」

勇者の こうげき!

**に ダメージを あたえた!

勇者「いける!」

**『お……おのれ……』

**『かくなる上はっ!』 スッ

一対の赤い水晶が 宙に うかんだ! ▼

戦士「うおおおっ!」

**『ド――……。……くっ……!』

戦士の こうげき!

かいしんの いちげき!

**に 大ダメージを あたえた! ▼

**『ぐあああああああっ!!』

戦士「手ごたえあり!」

勇者「決まった!?」

**『っが……がはっ……お……おのれ……』

**『このままで……済みはせんぞ……』

**『勇者……共……』

**を たおした! ▼

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